イベント
祁答院氏の暴走に会場が爆笑の嵐。コープスパーティーに関するさまざまなマル秘エピソードが披露されたイベント「コープスパーティーナイト」レポート
ここでは,ゲストとしてコープスパーティーシリーズの原作者であるチームグリグリの祁答院 慎氏,同代表取締役社長の小川幸作氏,また本シリーズでサウンドを担当している濱本麻央氏など,多数のゲストが登場して,マル秘エピソード続出のトークライブを行った。
このほか,豪華賞品がプレゼントされるジャンケン大会なども行われ,ファンにとっては大満足となったイベントの模様を,レポートしていこう。
「コープスパーティー -THE ANTHOLOGY- サチコの恋愛遊戯・Hysteric Birthday 2U」公式サイト
イベントは,Ninety.の店長を務める林氏,チームグリグリの祁答院 慎氏,MAGES.のタカヤナーギ氏によるトークライブからスタート。まずは,8月2日に発売されたばかりのPSP用ソフト「コープスパーティー -THE ANTHOLOGY- サチコの恋愛遊戯・Hysteric Birthday 2U」(以下,コープスパーティ2U)についてのトークから。
作品の性質上,どうしても「怖いゲーム」というイメージを持たれることが多かった(実際かなり怖い)コープスパーティーシリーズ。しかし豪華キャスト陣や質の良いシナリオなど,ゲーム全体の評価が非常に高いため,ホラーゲームが苦手な人からも「やってみたい」という声が,以前から多く寄せられていたという。
そこで,「なら怖くない『コープスパーティー』を作ろう!」という想いに端を発して作られたのが,コメディ風味を前面に出した「コープスパーティー2U」というわけである。シリーズの人気キャラクターが登場するのはもちろん,作品の特徴でもある“ダミーヘッドマイク”も完備と,コープスパーティーの魅力を損なうことなく,ホラーに耐性がない人でも楽しめるように作られている。
「怖くないコープスを作ることに葛藤はなかった?」という林氏の質問に対して,祁答院氏は「意外となかったんですよね」とアッサリ答える。しかしタカヤナーギ氏によると,ラブコメ調の明るい雰囲気を前面に出してはいるものの,ホラー要素がまったくないかというとそうでもなく,怖い展開のシナリオもバッチリ存在しているという。それに関しては祁答院氏も「まあ,(今回も)やらかしてますけどね。最後は我慢できなくなっちゃって(笑)」と語っていた。
しかしながら,過去のコープスパーティーに比べれば,ホラーが苦手でも遊びやすい内容になっているのは確かで,これまでコープスパーティーを敬遠していたという人には,入門編として手を出しやすい一本なのは間違いないだろう。
祁答院氏も「コープスパーティーをやったことがない人も,ぜひ遊んでほしいです」と話していた。少しでも気になっている人は,ぜひプレイしてみてほしい。
そこで思いついたのが,コンストラクションツールとして有名な「ツクール」シリーズだ。「ツクール」シリーズを使って,「まずは形だけでも作り始めよう」ということで,「コープスパーティー」は動き始め,大学の制作課題そっちのけで没頭したと語った。
そのため同級生からは良く思われていなかったと,祁答院氏は当時を振り返るが,初代から17年経った今でもシリーズを作っているのだから,結果オーライだとも語っていた。ニッコリしながらそう言った祁答院氏に,来場者もうんうんと頷いていた様子だ。
しかし気になるのは,なぜ“ホラーゲーム”を作ろうと思ったのか,ということだ。「RPGツクール」は基本的にはRPGを作るツールであるため,「コープスパーティー」のようなホラーアドベンチャーを作ろうという発想は,希といえば希だ。林氏からも「なぜホラーなんですか? ドラゴンを倒しにいくようなゲームを作ろうとは思わなかった?」との質問が,祁答院氏に投げかけられていた。
その後,「そんなに好きならガチのホラーゲームを作ってみないか?」という知り合いの編集者の勧めもあり,初代「コープスパーティー」が誕生。実に17年も続くことになる長寿ホラーゲームが生まれたのには,こんな経緯があったのだった。
また,小学生の時からホラーが大好きだった祁答院氏は,「バタリアン」や「死霊のはらわた」といったスプラッター映画がとくにお気に入りで,(小学生だけでは映画館に入れないため)近所の映画館にパンフレットだけを買いに行ったというエピソードを披露。ベッドの下にエロ本を隠すというのはよくある話だが,それがホラー映画のパンフレットだったというのが,なんとも祁答院氏らしいエピソードだろう。
ここでタカヤナーギ氏から,来年も“Ninety.”にて「コープスパーティーナイト」を開催することがサプライズ発表。今回来られなかった人は,次回ぜひとも来てほしいと話していた。
また祁答院氏からは,すでにその存在が明言されている「コープスパーティー Book of Shadows」の“次の作品”についての言及があった。「来年のいつ頃?」という質問が飛ぶと,「まあ,寒いときにもホラーは楽しめますしね」と,どうやら冬頃の発売を匂わせる発言。詳しいことは明かされなかったが,開発が順調に進んでいるのは間違いないよう。ファンの人は,シリーズの今後の動向を楽しみにしておこう。
諸事情によりコンシューマ版には入らなかった「蟲プール」とは?
トークが落ち着いたところで,2012年夏のコミックマーケットで公開された,「コープスパーティー2 DEAD PATIENT」の最新PVが披露された。PSPで展開中の「コープスパーティー」とは違う,まったく新しいコンセプトのシリーズとして,早くも注目を集めている本作。舞台は学校ではなく,不気味な雰囲気の漂う病院で,キャラクターも一新されている。まだまだ詳しい情報は出ていないが,コンシューマ版の新作ともども期待したいところである。
ここで,チームグリグリの代表取締役社長を務める小川幸作氏と,サウンド担当の濱本麻央氏(MAO氏)が登場して,来場者からの質問コーナーがスタート。その中でとくに印象深かったものを抜粋しよう。
「人を怖がらせる要素はなんですか?」という質問に対して祁答院氏は,音楽による盛り上げはもちろん,「来る……と思ったら来ない。来ない……と思ったら来る」という,プレイヤーの感情の流れを読む演出テクニックが重要だと明かした。
「コープスパーティー」シリーズにおける「快心の恐怖ポイントはどこですか?」という質問では,「(鈴本)繭ちゃんが,バーンッってなるシーンですね」と即答。プレイした人なら分かる壮絶なシーンだけに,会場からは「うわ〜」という声が上がっていた。
続けて祁答院氏は,ファーストフード店で「コープスパーティー」のシナリオとドット画を描いているときに,ケーキを持ってきた店員さんが作業中のPCを見て,そのあまりの内容に「ひゃあ!」と驚いたというエピソードも披露。そのときは「ちょっとニヤリとしちゃいました」とのことで,会場は爆笑だったが,ここだけの話,筆者はドン引きだった。ダメだこの人……早くなんとかしないと。
しかし,次の質問「作品中,お漏らしをするキャラクターがいますが,何かお漏らしにこだわりがあるんですか?」で,それも台無し。トークライブの方向性を,修正不可能な方向へといざなってしまう。
「お漏らし」に並々ならぬこだわりがあるという祁答院氏,「エロスと美学の両方を兼ね備えている」とのことで,「美しいものが見せる隙,それがお漏らし。そこに美学を感じる」のだと語っていた。
会場はもはや誰も止められない祁答院ワールドとなり,その後も氏はお漏らしについて延々と語りまくる。濱本氏によると,学生時代の祁答院氏のあだ名は“シャー大佐”(由来は不明)で,学生の頃からお漏らしに対して並々ならぬ情熱をかけていたらしい。早い話が,祁答院氏は「お漏らしが大好き」ということであった。
しかしタカヤナーギ氏によると,それでも開発時のものに比べると,だいぶ柔らかい表現になっているという。なお祁答院氏いわく,スタッフの間では「Missing Footage」の修正前のバージョンが収録されている「裏ビデオ」なるものが存在するとのことで,当然,「Missing Footage」を凌ぐ凄まじい内容なのだそうだ。内容が気になるところだが,「現物を忘れてしまった」との事で,この日の上映はなし。次回開催の「コープスパーティーナイト」では,「裏ビデオ」が公開されるかもとのことなので,ファンは期待(?)に胸を膨らませておきたい。
そのほか,「(祁答院氏に)モテるんですか?」という質問では,「モテないです」と即答。「こんなゲーム作ってて,モテるわけないですよ(笑)」,「でもホラーものを作るのは生き甲斐ですから! これを止めることはできない!」と熱く語っていた。
そして,大盛り上がりのまま迎えたラストは「ボツになったキャラクターの死にパターンはありますか?」という,なんとも直球な質問で締められた。祁答院氏は,これに「蟲プール」という演出を考えていたと答えたが,スケジュールの問題で泣く泣く断念してしまったという。PC版にはバッチリ収録されているそうなので,「蟲プール」の全貌が知りたいという人はPC版を購入してみるしかないだろう。
最後には豪華賞品が当たるジャンケン大会が行われ,トークライブは終了。イベント自体はこのあとも続き,祁答院氏,小川氏,濱本氏が気軽にサインに応じるなどして,ファンとの交流を楽しんでいた。
この日のために用意された限定メニュー |
呪(ジュ)ソーダ(600円) |
幸せのサチコさんおにぎり(300円) |
赤くて辛いスパ毛ッティ(800円) |
気軽にサイン応じる祁答院氏 |
林氏と熱いハグを交わす祁答院氏。まさか……。 |
「コープスパーティー -THE ANTHOLOGY- サチコの恋愛遊戯・Hysteric Birthday 2U」公式サイト
- 関連タイトル:
コープスパーティー -THE ANTHOLOGY- サチコの恋愛遊戯・Hysteric Birthday 2U
- 関連タイトル:
コープスパーティー Book of Shadows
- 関連タイトル:
コープスパーティー ブラッドカバー リピーティッドフィアー
- 関連タイトル:
コープスパーティー ブラッドカバー リピーティッドフィアー
- この記事のURL:
キーワード
(C)Team GrisGris / 5pb.
(C)2010-2011 Team GrisGris / 5pb. Inc.
(C)2010 Team Gris Gris / 5pb. Inc.
(C)2010−2011 Team GrisGris /5pb.
- コープスパーティー -THE ANTHOLOGY- サチコの恋愛遊戯 Hysteric Birthday 2U(通常版)
- ビデオゲーム
- 発売日:2012/08/02
- 価格:¥2,673円(Amazon) / 5280円(Yahoo)