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ドライバーが華麗に宙を舞う「Flatout 3: Chaos & Destruction」を紹介する,今週の「海外ゲーム四天王」だ
今週の「海外ゲーム四天王」は,日本でもファンの多いハチャメチャなレースゲーム,「Flatout」シリーズの最新作「Flatout 3: Chaos & Destruction」を紹介しよう。急ブレーキをかけてドライバーを車外に放り出し,それで標的を狙うというとんでもないプレイスタイルが有名な本作だが,それ以外にも,さまざまなゲームモードが用意されているようだ。まあ,やってることはだいたい,クラッシュして爆発して大混乱のカオスという感じなんですけど。
そんな本作に,ストイックなレースぶりで知られるレースゲームライターのUHAUHA氏がストイックに挑みかかってみた。
大混乱のレースを楽しもう。キー! またクラッシュだ!
今週の「海外ゲーム四天王」は,コース上のオブジェクトにわざと車をぶつけ,飛び散った破片でライバル車の妨害をしたり,クラッシュの衝撃でフロントガラスを破って飛び出したドライバーでボーリングをやっちゃったりと,「ハチャメチャ」という言葉がこれほど似合う作品はないというほどハチャメチャなレースゲームシリーズの最新作,「Flatout 3: Chaos & Destruction」を取り上げる。
開発は,従来作のデベロッパ(Bugbear Entertainment)ではなく,Wii版のFlatoutのほか「Paris Chase」や「Taxi 3:eXtreme Rush」などのレースゲームを制作した経験を持つ,オランダのTeam6 Game Studiosが行っている。
「FlatOut 3: Chaos & Destruction」公式サイト
タイトルの“カオス”や“デストラクション”という単語から想像できるとおり,Flatout 3は車を細かくコントロールしてタイムを刻んだり,華麗にライバルを抜き去ることを要求するゲームではなく,邪魔なヤツは追突や体当たりで弾き出せばいいし,走れるところは好きなだけショートカットして爆走できる。そんなレースゲームだ。
もちろん,ライバル達も同じように走るから,ぶつけられて弾き出されるし,爆発したライバル車の爆風で挙動を乱して自分もクラッシュする,なんてことは当たり前。コース上のそこかしこで爆発が起き,破片が飛び散り,空には投げ出されたドライバーが飛び交うという,本気で「これでいいのか?」と心配になるほどで,まさにカオス&デストラクションだ。いいぞ,もっとやれ。
ゲームモードをちょっと芸なくズラッと並べてみると,まず最大15台のライバルを相手にトップでのフィニッシュを目指す「Race」,50種類の課題に挑戦する「Challenge」,レース中のドリフトやジャンプ,ライバルを破壊した数などで競う「Offroad」,夜間,豪雨の中でレースをする「Nightshift」,フォーミュラカーでレースをする「Speed」,巨大なタイヤのついた車でさまざまな課題に挑戦する「Monstertrucks」,閉ざされた空間でライバルに車をぶつけてポイントを競う「Battle Arena」と「Big Battle」,そして加速させた車からドライバーを飛び出させて標的を狙う「Stunt Man」という9つが用意されている。憶えましたか? また,マルチプレイも用意されているが,筆者は対戦者と一度も遭遇できず,残念ながら試せなかった。
それぞれのゲームモードは,いくつかのレベル(コースのようなもの)に分かれており,レースをこなしていくとプレイできるレベルが増えていく。また,プレイヤーの分身となってくれるドライバーを,個性的な24人の男女から選べる。もっとも,誰を選んでも,走りにそれほどの違いは感じられなかった。
とはいえ,このキャラがクラッシュ時に車外に飛び出してくれたり,標的に向かって飛んで行ったりしてくれるわけでで,実は重要といえば重要かもしれない。
登場する47台の車はすべて架空のものだが,「あ,あの車だ!」と分かるデザインになっている。各車ごとにハンドリング,アクセルレスポンス,トップスピード,強度に違いがあり,どの車を使うかもポイントとなるだろう。車についても,最初は一部しか使えないが,ゲームを進めることでアンロックされていく。レースモードやコースに合わせて使い分けるとガラッと難度が変わるので,あれこれと乗り換えて試してほしい。
操作は簡単でステアリング,アクセル,ブレーキのほかに定番のブーストが利用できる。また,ゲージを満タンにすると発動できるSupermoveを使うと無敵状態になるが,思ったように溜められないのが泣きどころだ。このゲージは,ジャンプした飛距離によって溜まっていく。
さて,これまで数え切れないほどさまざまなレースゲームをプレイしてきた筆者であり,この手のデストラクション系ゲームももちろん遊んではいるが,ゲームをスタートして5秒で“大破した(Wrecked)”と表示され,ゲームオーバーになったのは初めての経験だ。
率直な感想をいえば,ハチャメチャすぎて訳が分らずにコース外に押し出されて爆発ということばかりで,コースを一周することさえままならない。ぶっちゃけ,自分のミスでクラッシュするほうが珍しいくらいで,思わずポカーンとなるシーンも多い。うーん。
現状,ゲームバランス的にはちょっと,アーケードライクなハチャメチャレースを楽しもうと思って手を出すと大変だけど,そんなマゾっぽい部分を含めてあえて挑戦してみたい人は,ぜひどうぞ。
■■UHAUHA(ライター/四天王)■■
レースゲームやアクションゲームなどを好んでプレイする,反射神経系のライター。とはいえ,人間が相手だとつい熱くなってしまうので,マルチプレイはちょっと苦手。高いところと,ホラー系が不得意で,高い場所が出てくるゲームと,怖いゲームもちょっと苦手と意外と弱点も多いが,とくに悲壮感はない。4Gamerがスタートした頃からライターをやっている,ベテラン中のベテランだ。特技は,遠距離通勤。
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