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「FINAL FANTASY」と「キン肉マン」のソーシャルゲームが相次いで正式発表された「『Mobage』新作ソーシャルゲーム発表記者会見」詳報
最初に登壇したディー・エヌ・エー 代表取締役社長 守安 功氏は,「FINAL FANTASY」シリーズについて,30〜40代の男性ならほとんどが知っている日本を代表するRPGではないかと述べる。また自身も学生時代にはFFシリーズを欠かさずプレイしていたことに触れ,今回のソーシャルゲーム化にあたっても非常に楽しみだと話していた。
ディー・エヌ・エー 代表取締役社長 守安 功氏 |
スクウェア・エニックス 代表取締役社長 和田洋一氏 |
次に登壇したスクウェア・エニックス 代表取締役社長 和田洋一氏は,ソーシャルゲームとコンシューマゲームがまったく違うジャンルであると述べる。今回,守安氏の言うように1年以上もかけて準備をしてきたことについて,和田氏は,顧客がソーシャルゲームに何を求めているか把握するまでは手を出すべきではない,IPを使って安易に稼げると思ってはいけないとの考えがあったと理由を述べる。また,なまじIPがあるゆえに,そのIPが持つゲーム性に引きずられてソーシャルゲーム本来の長所を損なう危惧があることから,今回,すべてオリジナルのものとして作ったとも話していた。
しかし,そうまでしてもまだコンシューマゲームの作り方/売り方に引きずられる恐れがあったことから,実績のあるディー・エヌ・エーとの協業に取り組むこととなったと和田氏は述べる。ソーシャルゲームは,これまで同社が取り組んできたタイプのゲームとは設計や顧客の捉え方がまったく異なり,この1年間は非常に勉強になったとのことである。
そのほかFFシリーズならではの要素として,飛空挺以外にもアビリティやジョブ,多彩な武器,ワクワクするようなバトルといった要素も満載になっているとのことだ。
また幻獣などのデザインにはニンテンドー3DS用ソフト「THEATRHYTHM FINAL FANTASY」で描き起こした可愛らしいものを採用しているが,これはFFシリーズのファンやコアゲーマー層だけでなく,これまでシリーズに縁のなかった幅広い層にアピールするためだという。
さらにFFシリーズのコンシューマゲームパッケージとの連携も図っていくとのことで,例としてPSP用ソフト「FINAL FANTASY 零式」に封入されたシリアルコードを入力すると,オリジナルアイテムが入手できることを挙げた。
続けて守安氏が「FINAL FANTASY BRIGADE」のバトルシーンを例に挙げ,往年のFFシリーズが持っていた,ある意味で懐かしい要素がふんだんに盛り込まれていると説明するとともに,ソーシャルゲームはサービスを続けていく運用フェイズが重要であると述べ,万全の体制で臨むと強い意気込みを見せた。
和田氏もまた,ソーシャルゲームはローンチしてから本番と守安氏の発言に賛同。スクウェア・エニックスとディー・エヌ・エーとのタッグによって長きに渡り顧客満足を追求していくと意気込みを述べた。
なお「FINAL FANTASY BRIGADE」はテレビCMも数パターンが用意され,積極的なプロモーションが展開されるとのこと。また同タイトルのサービススケジュールは以下の通りだ。
●2011年12月中旬 クローズドβ版リリース
●2011年12月下旬 正式サービス開始
※フィーチャーフォン版
※スマートフォンWEB版は順次リリース
「FINAL FANTASY BRIGADE」PC用プロモーションサイト
ディー・エヌ・エー 取締役 小林賢治氏 |
またディー・エヌ・エーの油井氏からは「キン肉マン超人タッグオールスターズ」が紹介された。このタイトルは,原作コミックの魅力を最大限に活かし“童心に返って超人を集める喜び!”“必殺orタッグ技でライバルに勝利!”“好きな超人を組み合わせ最強タッグに!”という3つのポイントを掲げているとのことで,登場する超人は「キン肉マン」ならびに「キン肉マンII世」のほぼすべてとのことだ。
ディー・エヌ・エー 油井氏 |
また超人タッグについては,自由に組み合わせられるとのことで,原作に登場するとおりにしてもいいし,プレイヤーの好みでまったく異なるものにしてもかまわない。
そのほか仲間にした超人達との「友情パワー」を培うような要素も含まれているとのことである。「キン肉マン超人タッグオールスターズ」のサービススケジュールは以下のとおりで,フィーチャーフォン版に関しては2012年12月2日から事前登録を受け付けている。
●フィーチャーフォン版 2011年12月下旬予定
●スマートフォン版 2012年2月予定
●Yahoo! Mobage版 2012年春予定
会見の最後には,ディー・エヌ・エーの小林氏と,「キン肉マン」の原作者である,ゆでたまごの嶋田隆司さんによるトークセッションが設けられた。
嶋田さんは,「キン肉マン超人タッグオールスターズ」について,これまでの「キン肉マン」を原作にしたゲームタイトルよりも原画を重視したグラフィックスになっていることを挙げ,開発チームの“キン肉マン愛”を感じたと述べる。そこで古い原画を使っている部分に関しては,原作者として新たに描き直すほど力を入れたそうだ。
またソーシャルゲーム化については,プレイヤー同士が協力したり,敵対したりしながら遊んでいく点が,「キン肉マン」という素材に合っているのではないかと,嶋田さんは話していた。
ゆでたまごの嶋田隆司さん |
たけし軍団のお笑い芸人,お宮の松さんがトークセッションの司会を務めた |
小林氏は,ソーシャルゲームブームが起きて以降,Mobageに30代以上の会員が増えてきたと話す。小林氏は,そうした層を“短時間で気軽に楽しめるエンターテイメントを求める人達”と分析し,また小林氏自身も同世代であることから,ピッタリの題材として「キン肉マン」を選んだという。
また嶋田さんは,初めて話を聞いたとき,ソーシャルゲームのことはまったく知らなかったとのことだが,プレイヤー同士が交流を深められる点に大きな興味を抱いたそうだ。
さらに小林氏は,同タイトルの面白い遊び方として意外な超人を強化して最強を目指せる点を挙げる。嶋田氏もまた,脇役の超人に意外な人気が集まっていると話していた。
横浜DeNAベイスターズ 森本稀哲(ひちょり)選手。ディー・エヌ・エーがベイスターズのオーナーになったことについては,2012年も野球ができるという安心感でいっぱいと率直な感想を述べていた |
また「キン肉マン」がゲーム化されるのは2008年以来とのこと。嶋田さんは,操作が難しいということもあって,これまであまり「キン肉マン」のゲームでは遊んで来なかったとのことだが,「キン肉マン超人タッグオールスターズ」はワンボタンで操作できるのでいいと話していた。
ここで特別ゲストとして,キン肉マンの等身大フィギュアとともに,ラーメンマンに扮した横浜DeNAベイスターズの森本稀哲(ひちょり)選手が登壇。森本選手が,かつてラーメンマンに扮したときに許諾を取っていなかったことを詫びると,嶋田さんも当時を振り返り,新聞の1面で写真を見てビックリした反面,非常に嬉しかったと感想を述べた。また嶋田さんの「実写(のラーメンマン役)でも大丈夫そう」という言葉に,森本選手は「実現したら,野球は休ませていただきます」と小林氏に話し,会場の笑いを誘った。
「キン肉マン超人タッグオールスターズ」で,どんなタッグを組みたいかという質問に,嶋田さんはキン肉マンとキン肉マンソルジャーの兄弟タッグが見たいと返答。また小林氏はチエの輪マンとスプリングマンという異色のタッグを挙げたが,これには負けたプレイヤーを悔しがらせるという意図があるようだ。
森本選手は「本当は違うんですけれども,せっかくなので」と前置きして,自らが扮しているラーメンマンと,バッファローマンとの組み合わせという王道タッグを挙げていた。なお森本選手は小学校に上がる前から原作のファンだったとのことで,当時はジェロニモに憧れて,髪を伸ばしたこともあったという。ちなみに司会のお宮の松さんは,「ビビンバとマリさんの女性タッグはできないんですかねえ」と地味にマニアックな発言をしていた。
トークセッションの最後には3名の登壇者がそれぞれメッセージを述べた。本記事では,その内容を掲載して結びとしよう。
小林氏:
「キン肉マン超人タッグオールスターズ」は,我々としてもすごくやりたかったタイトルです。納得のいくクオリティでサービスを提供していきますので,期待してください。
森本選手:
僕らが子どもの頃に夢見ていた「キン肉マン」のゲームということで,すごく楽しみにしています。個人的にはディー・エヌ・エーさんが2012年から親会社になるということで,より一層精進していこうと,こんな格好でよければ何でもするぞという意気込みでいます。
嶋田さん:
連載が再開しましたし,こうしてゲームの発表も行われましたから,これからまたどんどん「キン肉マン」を盛り上げていきます。ゲームは多くの30代の皆さんに遊んでいただけると思います。これからの「キン肉マン」の展開に期待してください。
※2011年12月5日,初出時にディー・エヌ・エー 油井氏のお名前を誤って掲載していました。お詫びして訂正いたします
- 関連タイトル:
FINAL FANTASY BRIGADE BREAK THE SEAL
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