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ミイラ好き読者のために「The Mummy Online」を紹介する今週の「海外ゲーム四天王」。なんとあの映画がMMORPGになって甦っちゃった
1999年の映画「ハムナプトラ」が,ブラウザでプレイできるカジュアルなMMORPGとなって帰ってきた。考えてみたら,10年以上も前の作品になるので,リアルタイムで見ていないという人もいるかもしれないが,CGを使って再現されたミイラと,ユーモラスというか,かなりバカっぽいストーリーが楽しめると評判になった。ゲーム版のほうは,その世界観を使ったものになっており,映画のキャラクターなども登場するようだ。
そんな「The Mummy Online」を,何度封じ込めても必ず復活するという評判(?)のライター,朝倉哲也氏が紹介しよう。
あの映画がブラウザでプレイできるお手軽なMMORPGになって復活
呪いによって封じ込められていたミイラが地上に甦り,古代エジプトの黄金を狙う冒険者達と壮絶な戦いを繰り広げるというMMORPG,それが「The Mummy Online」だ。はて,どこかで聞いたことのある内容だなと思う人もいるだろうが,本作のベースとなっているのは,1999年に公開された映画「ハムナプトラ 失われた砂漠の都」(原題:The Mummy)なのだ。よりにもよって,あのハムナプトラがMMORPGになってしまうとは! 果たしてそれはどのようなゲームなのか? 筆者を含め,気になる人はかなり多いはず。
王の愛人と恋仲になって生きながらミイラにされた古代エジプトの神官が,ふとしたはずみで復活。その超能力によって愛人を復活させ,ついでに世界を征服しようと企てるというのが,ハムナプトラのあまりにも大雑把なストーリー。その野望を打ち砕こうとする主人公と,甦ったミイラとの間で壮絶な死闘が繰り広げられるというわけだ。
「The Mummy Online」公式サイト
ゲームでは,冒険者になったプレイヤーが,映画の舞台でもある1920年代のエジプトで,さまざまなクエストをこなしなつつ,アヌビス神のようなモンスターや巨大なサソリと戦っていくことになる。本作は,ブラウザでプレイできる基本プレイ料金無料のMMORPGとして開発が進められており,現在はオープンβテストの最中だ。制作およびサービスは,ドイツのBigpoint Gamesが行う。
ここでは,RaidersとCultistsという二つの勢力がしのぎを削っているという設定になっており,プレイヤーはまず,そのどちらの勢力に所属するかを決めなければならない。ヨーロッパ/北米から来た冒険者といった風情のRaidersには,銃をメイン武器とするGunslinger,ナイフを使う近接戦闘系のBrawler,魔法を使いこなすScholarの3種類の職業があり,対するCultists側は,映画に出てきた「メジャイ」を思わせる連中で,同様に,銃を使うEnforcer,剣やナイフを使いこなすAssassin,魔法を得意とするPriestが用意されている。ファンタジーMMORPGのお決まり事とはいえ,冒険者側に魔法を使えるクラスがあるのは,やや妙な感じだ。
ゲームは砂漠の小さな町からスタートする。ここにはアイテムや武器,防具を売る商人,クエストをくれるNPCなどが揃っており,冒険の中心地となる。クエストの内容としては「砂漠のサソリを退治してこい」「アンデッドを殺してこい」などといったものがあり,クエストをこなした報酬でアイテムを買ったり,経験値を得てレベルアップしていくわけだ。操作方法は,地面クリックで移動,敵をクリックすれば攻撃となっており,キーによる移動はできない。総じてシステムはシンプルだが,ブラウザゲームであまり凝っても仕方がないといえば仕方がないので,これでいいのだろう。
ホコリっぽい砂漠に,腹に一物ありそうな怪しい商人,崩れかけた遺跡など,ゲームの雰囲気はまさに映画ハムナプトラそのもので,なかなかいい感じだ。美しいヒロインとラブラブになれるクエストには今のところ遭遇していないが,映画の登場人物によく似たキャラクターも登場して,知っている人はちょっとニヤリとできる。ニヤリ。
レベルアップのスピードが少し遅めなので,クエストの敵を倒すのに,ザコを退治してのレベル上げ作業をしなければならなかったりなど,まだクエストとレベルアップのバランス調整がうまくいっていないような印象を受けた。このあたりは今後,テスト結果を踏まえて変更されていくだろう。
インタフェースやクエストの目標が分かりにくいなど,最新ゲームとしては不満に思えるところもないではないが,ブラウザベースということで手軽にプレイでき,そして何より映画ハムナプトラシリーズの舞台設定が,そのままゲームになっているのが面白い。スカラベの大軍は,なかなか気持ちが悪くて○。まあ,映画の持っていたバカっぽさが十分に再現されているとは言いづらいが,それは今後に期待。テーマもシンプルで分かりやすく,日本からでもプレイは可能なので,ミイラ好きの人はぜひ試してみよう。OBTということなので,イムホテップとしてプレイしてみたいとか,ミイラになってみたいとか要望を出してみると,もしかしたら反映されるかも。
■■朝倉哲也(ライター/四天王)■■
アクションゲームからMMORPG,アドベンチャーからストラテジーまで,なんでもプレイする雑色系ライター。年季の入ったPCゲーマーでもあったが,最近はコンシューマ機のゲームもプレイするようになったので,そのオールラウンダーぶりをますます強くしている。
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