イベント
「三国志大戦 TCG」,オフラインイベント「TCGの宴2014in東京」の様子をレポート。最新カードのイラストが発表
本イベントは,3月に予定されている全国大会「覇業への道2014」の予選大会や,本作のファンに向けたさまざまな催しが行われるというものだ。会場となった大田区産業プラザPiOには,早朝から多くのファンが集結し,各種大会への参加,ほかのプレイヤーとの対戦,交流などを楽しんでいた。
本稿では,そんな会場で行われたカードバトルの様子に加え,イベントの最後に行われた,プロデューサーの北岡 功氏,イラストレーターのクロサワテツ氏,木志田コテツ氏の囲み取材の様子もお届けする。
「エリア代表決定戦参加権利」争奪戦
ここでは,予選トーナメントに勝ち残った君主(プレイヤー)が,該当の大会への出場権に加え,その日の夕方に行われた「会場No.1決定トーナメント」への参加権も与えられるということもあり,開場したばかりの9:30から昼過ぎまで,白熱の戦いが繰り広げられていた。
マット未取得者限定大会「登竜門」
「登竜門」は,これまでの大会やイベントなどで優秀な成績をおさめた君主に贈られる「称号プレイマット」をまだ持っていない人を対象とした(つまり,初級〜中級者向けの)8人ずつのトーナメント戦。大会は3回に分けて行われ,優勝者には,称号プレイマット「新鋭」がプレゼントされたほか,2回目までの優勝者は会場No.1決定トーナメントへの参加権が与えられた。
特別称号「賢将」争奪 ブースタードラフト大会
ブースタードラフト大会は,未開封のブースターパックを開けて,その中からカードを取ってデッキを構築していくというルールに則って行われた。第1弾,第5弾,第7弾,そして第2弾限定SPという4種類のブースターが2パックずつ提供され,好きなカードを1枚取ったら隣のプレイヤーに渡し,それをカードがなくなるまで繰り返し,取ったカードで30枚以上のデッキを構築するというものだ。
また,同等の成績同士で対戦を行う「スイスドロー方式」ルールが採用されていた。実戦に使えるデッキを瞬時に構築するセンスや運が勝利のカギを握る対戦であり,3戦全勝した君主にはその勝利にふさわしい「賢将」の称号プレイマットがプレゼントされた。
限定構築戦 特別称号「二枚看板」争奪 16人トーナメント
特別称号「二枚看板」争奪 16人トーナメントは,組み込むカードを必ず2枚セットにして構築したデッキを使うという,変則的なルールが設定された限定構築戦。公式ルールにより,デッキに1枚しか入れることができないカードを2枚入れることもできる。優勝者に与えられた称号プレイマットは,トーナメント名と同じ「二枚看板」。
会場No.1決定トーナメント
会場No.1決定トーナメントは,前述のエリア代表戦参加権利争奪戦と,登竜門の勝者が参加する,全国大会の前哨戦的な意味合いを持つ頂上決戦だ。トーナメント方式で行われ,その模様はニコニコ生放送でも中継された。
64名の精鋭の中から決勝戦に勝ち残った2名は,神奈川県のもかぞう君主と,愛知県から参加したごご@in君主。ともに魏を主体としたデッキだ。
序盤こそ静かな戦いが続いていたが,中盤に入るともかぞう君主が,複数の「王佐の軍略」をからめた圧倒的な戦力で攻め立てる。それに対し,ごご@in君主は,その攻撃を凌ぎつつ反撃の機会をうかがう。しかし,最後は,もかぞう君主が押し切って,会場No.1決定トーナメントの頂点に立った。
優勝したもかぞう君主には,魏の勢力を使って大会を優勝するともらえる「魏王」の称号プレイマットが,準優勝のごご@in君主には「破虜将軍」の称号プレイマットが,本作のプロデューサー北岡 功氏より,それぞれ贈られた。
準決勝と決勝はステージ上で行われ,対戦の様子はスクリーンに中継されていた |
優勝をおさめ「魏王」の称号を得たもかぞう君主(写真左)と,それを讃える準優勝のごご@in君主(写真右) |
ガンスリンガーコーナー
ガンスリンガーコーナーは,公認大会レギュレーションのもと,次々と対戦が行われる自由参加型の対戦コーナー。対戦に勝利するとスコアシートにスタンプが押され,勝利数に応じてプレゼントがもらえるというものだ。時間を気にせず好きなときに参加できたためか,大会の待ち時間などは行列ができるほどの賑わいを見せていた。なお,最多勝利数は,群雄勢力を使って戦った君主の26勝だった。
フリースペース
空いている卓をつかって自由に対戦したり,トレードや交流などを行ったりするフリースペース。また,ティーチングスタッフが常駐しており,ゲームを初めて遊ぶ人に向けた体験&講習会も開かれていた。
元ニトロプラスのジョイまっくす氏も,ゲストカードゲーマーとして参加。フリースペースで来場者と対戦する姿が見られた |
会場No.1決定トーナメントのベスト16のメンバーはこちら。愛知や兵庫など,遠くから来場している君主も見られた |
大会のスケジュールが終了後,表彰式で登壇した北岡プロデューサーより,三国志大戦TCGの最新情報が明らかにされた。
まず,3月29日に発売される「2周年記念パック」の内容については,収録カード40種類がすべて新規カードで,アーケード版のコラボイラストや描き下ろしイラストも採用されているとのこと。また目玉カードとして,横山光輝氏原作の「三国志」のイラストのカードが伝説レアとして登場すると発表された。
6月の発売を予定しているブースター第9弾のイラストの一部が早くも公開された。タカヤマトシアキ氏の曹操,Wolfina氏の周瑜,夢路キリコ氏による公孫サン,よう太氏による孫尚香などのイラストがスクリーンに映し出されると,会場の各所からどよめきが起こっていた。
そして3月29日に行われる「覇業への道2014」の決勝大会では,事前に行われるエリア代表決定戦の優勝者に対して,昨年に引き続き,セガがトラベルサポートを行うことが発表された。地方からも参加しやすくなり,より盛り上がる大会となることが期待されている。なお,優勝者には「天下無双」の称号が授与される予定だ。
ステージ上では,じょいマックス氏が呼ばれ,会場に来ていた木志田コテツ氏のイラスト入りサイン色紙などが当たる,プレゼント抽選会が行われた |
TCGに登場する武将をイメージしたメニューを提供するフードコートも設置され,会場内で食事を楽しむこともできた |
最後に,当イベントの開催中に,北岡プロデューサーとイラストレーターのクロサワテツ氏,木志田コテツ氏への囲み取材も行われたので,その様子をお届けする。
――全国大会を前に行われた今回の宴2014in東京の感触はいかがでしたか?
北岡氏:
東京での宴は今回で3回目となりますが,2月1日が受験やテスト前の時期ということもあってか,前回よりも参加者は50人ほど少なかったようです。ただ,朝から200人以上の方に並んでいただいて,定員256名のNo.1トーナメントは満員となりました。全国大会の前哨戦という名目であったにも関わらず,参加者のモチベーションがかなり高いことが分かったので,今後行われる本戦でも,レベルの高い戦いを予感することができました。
――クロサワさんは今回プライベートで参加されたそうですね。
クロサワ氏:
そうなんですよ,営業しに来たわけではないんです(笑)。午前中の「登竜門」に2回出て,サクッと負けて帰ってきました。
――最新の第8弾でもイラストを手がけているようですが。
クロサワ氏:
第8弾では3枚描いているんですが,関平がSRで花鬘がCだったのがちょっと意外でしたね。互いに逆だと思っていたんですが,公開された関平の能力を見てみると納得できる内容でした。
――レアリティとイラストの関係は,イラストレーターさんの意志は反映されないんですか?
北岡氏:
ご希望を聞くことはあります。また作家さんのモチベーションを上げるために,事前にレアリティについてお知らせすることはありますね。ただクロサワ先生にお願いした関平に関しては,細マッチョの精悍な青年というオーダーを出させていただいていて,そういう意味では最初からR以上に設定する考えはありましたね。一方の花鬘は,たくさんいる関索の嫁の中から,強さに応じてレア度が決められていきました。
とはいえ,レア度と強さが必ずしも比例するわけではないので,うまくバランスは取れたとは思っています。
――SRだから派手にするとか,Cだから控えめにするという発注ではないんですね。
北岡氏:
そうですね。デッキの中心となって誰の目にも止まるとか,パッケージとなる絵柄については派手にすることはありますが,レアリティでイラストが極端に変わるということは,基本的にはないですね。
――今回,木志田さんのお気に入りのカードはありますか?
木志田氏:
第8弾で描かせていただいた中に,周りにネコがたくさんいる荀攸というキャラクターがいるのですが,あれは曹操の人材集めをイメージしていて,人をネコに置き換えたものなんです。たくさんの軍師がああだこうだ言っている画とネコが集まってはしゃぐ姿がよく似ていて,その中で荀攸が飄々と振る舞う様子を描かせていただきました。
――結構自由な発想で描かれているんですね。
木志田氏:
はい,北岡さんのお話のとおり,やはりボスクラスとなるとご要望は多くなるとは思うんですが,「派手にして」「抑えめに」など,ざっくりとしたオーダーだとありがたいですね。
三国志自体が正史と演義,あとは京劇など元ネタが限られているうえ,名前が出てくる武将は脇役でも何かしらのエピソードを持っているので,すごくキャラは立てやすいんです。そこを調べて膨らませるほうが,カッチリとしたオーダーをいただくよりはずっと描きやすいんですよ。
――セガさん側としてやはりそこは,作家さんの解釈を尊重するんでしょうか?
北岡氏:
はい,よほどイメージと異なるものではない限りは,基本的には尊重しますね。あと僕らがとくに気をつけるのは,勢力の色です。たとえば木志田先生の夏候覇のオッドアイを緑と赤にするとか,真っ黒なキャラでもどこかに勢力を表す色が入っていたりとか,そういうところのこだわりに関しては,何かしらのオーダーを出すこともあります。
――クロサワさんは今回プライベートでの参加だそうですが,普段三国志大戦TCGはどのぐらい遊んでいるんですか?
店舗大会に参加したり,友達につきあいで遊んでもらったりしています。もともとアーケード版の「三国志大戦」から遊んでいたので,セガさんの三国志はごひいきにしていますね。本当は,今日も優勝して称号マットもらって帰るつもりでしたが,あっさり負けてしまいました……。「新鋭」マットの趙雲は僕の絵なので,サンプルでもらっているんですが,称号としてもらえば店舗大会でも堂々と使えますからね(笑)。
――対戦される方が,絵を描いている作家さんだと気付いたりもするんですか?
クロサワ氏:
話しかけてくれる人はいます。とくに今回は,名刺を首にかけてアピールしていましたので(笑)。お話をして喜んでくれると,僕も嬉しいです。
――三国志大戦TCGももうすぐ2周年を迎えますが,お気持ちはいかがですか?
北岡氏:
セガで初めてTCGを作らせてもらって,社内外からの反発などもありつつ約2年。この500名の方がいらしていただいた結果を見れば,一定の評価を得られ,地位も築けているのかなという感触です。プレイヤーの方に受け入れてもらうことはできたと思うので,3年目以降の目標は拡大になります。さらには,TCGというというものを,セガの事業として広げていくために,スタッフ一同がんばっていきたいです。
また,本作も含めたセガが贈る三国志作品全体のコンテンツについても,今後いろいろな広げ方をしていきます。感謝祭的なイベントも企画しているので,そちらにも期待していただければと思います。
――ありがとうございました。
「三国志大戦 トレーディングカードゲーム」公式サイト
- 関連タイトル:
三国志大戦 トレーディングカードゲーム
- この記事のURL:
(C)SEGA.