インタビュー
オープンサービスが11月2日に始まるMMORPG「BLESS」日本運営プロデューサーの箕川 学氏に聞く。CBTから見えた課題と今後の展開について
CBT1とCBT2で見えてきた,「BLESS」の課題点
4Gamer:
では続いて,CBT2までを終えて,プレイヤーの反応や見えてきた課題などを教えてください。
まず順を追って話すと,CBT1は「BLESS」というタイトルを,皆さんに認知してもらうことが第1の目的でした。第2の目的としては,BLESSをどう改善していくのか,プレイヤーの皆さんから意見をもらいたいというものだったんです。
4Gamer:
CBT1のアンケート結果レポートを見ていると,いろいろ厳しい意見がありましたね(関連記事)。
箕川氏:
ええ,反応はいいものではありませんでした。あのバージョンは,基本的に韓国のライブサーバーでも使っていたもので,一部は開発元と協議して改善してはいたのですが。ただ,そうした反応もあり,いろいろな課題点が洗い出せたという点で,いいテスト結果になったと考えています。
4Gamer:
βテストの本来の用途……ではありますね(笑)。
箕川氏:
そうですね(苦笑)。でも,プレイヤーからの意見をもらいたいのなら,なぜ5000人だけの募集だったのかということになると思いますよね。
4Gamer:
いやあ,今のMMORPGで5000人規模というのは相当だと思うのですが。
箕川氏:
いえ,実際のところ募集数がすごくて,わずか数時間で募集枠を超えて,かなりの倍率になっていたんです。ただ,一部しか改善が図られていないバージョンで,今後作り上げていくという前提だったので,CBT1ではある程度人数を絞って実施する必要がありました。
ここでプレイヤーから上がってきた改善点やご意見,ご要望を開発元と協議し,いろいろな方向を定め,改善作業を進めて,いざCBT2という流れになっていました。
4Gamer:
CBT2は計2万5000人の募集でした。ここは,追加で募集数を増やしていましたね。
箕川氏:
はい。最初は1万人の募集だったのですが,これも多くの応募をいただいて,急遽1万5000人分を追加しました。それで,CBT1からスライドした参加者を合わせ,3万人規模でのテストになったんです。
4Gamer:
CBT1が4月28日から1週間行われましたが,CBT2の開催までには結構な期間がありました。
箕川氏:
先ほどお話ししたように,開発元といろいろ協議していたのですが,実際に改善されたものができあがったのは,かなりギリギリだったんです。それでも,やはりと言うか,少なからず手厳しいご意見はいろいろといただきました。ただ,それを言っていただけたことが,やはり良かったと思っているんです。
4Gamer:
それだけ,プレイヤーからのフィードバックが多く得られたということですから。
箕川氏:
はい。もちろん,これで完成形ではないので,今後に向けて時間も限られてはいますが,いただいたフィードバックを放置することなく改善していきます。CBT2の内容が,すべてではないということは分かっていただきたいです。
4Gamer:
ちなみに,どんな意見が多かったのでしょう。
箕川氏:
多かったのは,やはり動作環境ですね。
4Gamer:
CBT1では,「ゲームの起動に時間がかかる」というアンケート結果も出ていました。
箕川氏:
起動時間に関しては,改善されたという人も多かった半面,やはりダメだという人もいました。
4Gamer:
なるほど。そこはもう,プレイヤー個人のPC環境によるものかもしれませんね。
箕川氏:
まだアンケートを集計中なので,動作環境を含めてデータが上がってくるとは思います。ただ,開発途上ということもあり,まだ最適化が終わっていないんです。
4Gamer:
確かに,テストバージョンのクライアントですから……。
箕川氏:
このあたりはできれば次の機会に触ってご判断いただきたいです。それに,まだまだご要望があれば,引き続き開発と協議したいと思いますので,よろしくお願いします。
ほかには,CBT1から戦闘が単調だと言われていました。ただ,「BLESS」はアクション性の高い作品ではありませんし,例えば「TERA」のようになるかと言われると,それはありません。
4Gamer:
それは,まあそうですね。これは「BLESS」ですから。
箕川氏:
なので,「BLESS」の良さを活かしつつ,改善を図っていきたいと思っています。
あとはキャラメイクに関するところですね。これもCBT1で言われていたので,キャラメイクの幅は広がったんです。ただ,ゲームに降り立ったときにイメージと違うというものがありまして。
4Gamer:
キャラメイクのあるあるですね(笑)。
箕川氏:
ここは根本的な修正が難しい点ではあるのですが,改善も若干ではありますが図られています。とはいえ,まだ不満の声は多いので,今後も開発元との協議が必要だと考えています。一方で,ゲーム内でも「かわいいキャラが作れた」とSNSやTwitterで画像を公開している人もいたので,個人差もあるとは思っています。ただ「黒い砂漠」で使っているキャラクターをBLESSで作りたいと言っても難しいですから。
4Gamer:
システムもモデルも違いますから,どこまで似せられるか……が限界ですよね。アクション性の話もそうですが,どうしても以前にやっていた(やっている)ゲームを基準に求めてしまう傾向はあります。
箕川氏:
それはあるでしょうね。ともあれ,できる範囲のことでは,今後も改善はしていきたいと思います。そして,僕が今回のテストで一番注視していたのが,RvRとなる「カーストラ攻防戦」です。
4Gamer:
プレイヤーからはどんな意見があったのでしょうか。
箕川氏:
CBT1では(戦いの)時間が長い,決着は付くが判定勝負になる,という意見がありました。ですので,CBT2では時間を少し短くして,白黒はっきりと決着が付くように改善できないかと開発元と協議していたのですが,正直なところCBT2を見る限り,改善がうまくいっていないと思えるところがありました。
ですので,これを開発元に伝えて,さらなる改善策を提案しているところです。がらりと内容を変えるのは難しいですが,こちらもできる範囲で改善していきます。
4Gamer:
ところで,CBT2をプレイしていて思ったのですが,わりと序盤で馬が手に入るじゃないですか。その馬のスタミナが一度尽きてしまうと,回復に結構な時間がかかりますよね。このあたりはどうにかならないのか……といった,プレイヤーからの反応はありませんでしたか。
箕川氏:
ありました。ただ,先ほど話したように育成していけば強化されたり,スキルが追加されたりするようにして,そのあたりを補えるようにしているんです。ですから,最初だけを見ると,おっしゃっているような印象になると思います。
ただBLESSの場合は,いくつもペットを入れるショートカットがあるように,1匹のマウントを中心的に育てるのではなくて,例えば1匹のスタミナが尽きたら,もう1匹というように何個もセットして,いろいろなペットを育ててほしいという形になっています。
4Gamer:
なるほど。マウントも複数用意して,乗り換えて回復を待つという感じになるわけですね。そういえば,割と早い段階でペットを入手するための「調教書」がいくつか手に入りましたし,それが前提という感じなんですね。
箕川氏:
ええ,そうですね。ただ,CBT2では若干,調教書が入手しづらくなっていたので,これに関しては開発元に改善の打診を出しています。
11月2日にオープンサービスが開始! 前日にはプレミアムな発表会が?
4Gamer:
では,プレイヤーがもっとも知りたいであろう,今後の動きについて教えてください。
箕川氏:
はい。今後に向けて開発元とのやりとりをしていますが,次の動きとしては,10月25日に生放送を予定しています(※インタビューは10月17日に収録)。
4Gamer:
ちょうど,このインタビューが公開される前日ですね。
箕川氏:
はい。ここで,CBT2の結果をお話しさせていただきます。それで,これは言っておきたいのですが……。
4Gamer:
はい,なんでしょう。
箕川氏:
先ほど,CBT2の結果として悪い点を主に挙げていましたが,総合的には高評価をいただいているんですよ。アンケートの質問の最後に「BLESSを継続してプレイしますか」という白黒はっきりしたものがあり,「今後もプレイする」がCBT1のときよりも劇的に多くて。
4Gamer:
そんなに多かったんですか。
箕川氏:
ええ,80%を上回っていて嬉しい驚きでした。続いて,その配信の2日後となる27日から,クライアントの事前ダウンロードと,先行キャラクター作成を行います。ということは?
4Gamer:
ああ,もう近いのかな,という感じになりますね(笑)。
そうです(笑)。えー,11月2日にオープンサービスを開始します。
4Gamer:
意外というか,早いですね。これは有料サービスの開始と考えていいのでしょうか?
箕川氏:
いえ,有料サービスについては,まだ先になります。まずは,オープンさせるという形になるんです。
4Gamer:
なるほど。ちなみに,CBT2のクライアントは入れ替えになるんですか?
箕川氏:
いえ,そのままパッチを当てて,先行キャラクター作成ができます。ゲームはプレイできませんが,キャラクターはサーバーに保存されますので,オープンしてすぐに遊びたいというプレイヤーさんは,ぜひ作っておいてください。
4Gamer:
ということは,キャラクター名の確保も……?
箕川氏:
できます(笑)。ただ一方で,プレイヤーさんのなかには,これだけ要望をいっぱい出したのに,もうサービスを始めるのかと考えてしまう人もいると思います。
4Gamer:
確かに,こんな短期間じゃ応えられないだろう,と感じる人はいるかもしれません。
箕川氏:
もちろん,できる範囲内で徹底的に改善は図っていきます。一方で,アンケートの途中結果を見ても,早くオープンしてほしいという声も多いんです。
4Gamer:
ちなみに,オープンサービス時に追加されるものはあるのでしょうか。
箕川氏:
オープンサービスでは,種族のエルフ,クラスのアサシンが追加されます。それに,まだCBT2でお見せできていないコンテンツもいろいろとあります。
4Gamer:
なるほど……。つまりオープンサービスでは,それぞれの勢力で3種族と5クラスが使えるわけですね。では,ほかのクラスは?
箕川氏:
そこはまだお話しできないので,今後をお待ちください。エルフも人気が出る種族だと思いますし,ぜひ体験してほしいです。それに,先ほど話したように種族ごとにスタート地点が違っていて,エルフのスタート地点はかなり綺麗なんですよ。
4Gamer:
キャラメイクにまた時間をかけてしまいそうです(笑)。
箕川氏:
エルフは美人さんを作れますからね。ちなみに,エルフも先行してキャラクターを作成できます。
4Gamer:
それは,ぜひ作っておかないと……。
箕川氏:
あと,可愛い系を作りたい方は……今後をお待ちいただければ(笑)。
4Gamer:
む,それは今後のアップデートという感じでしょうか。
箕川氏:
そうなります。そうした新しいものもそうですが,仕様改善,修正などを含めて,かなり大きなアップデートを頻繁に実施していく予定です。
4Gamer:
期待しています。
箕川氏:
さて,このオープンサービスの前日なのですが……。
4Gamer:
お,前日ですか?
箕川氏:
前夜祭のような形で,11月1日の20:00からプレスカンファレンスを行います。と言っても,これまでのガチガチしたものとは違います。
4Gamer:
と言いますと?
箕川氏:
CBT2まで実施して,ここで「BLESS」ですと発表しても,皆さんから「知ってるよ」と言われるじゃないですか(笑)。ですので,趣向を変えた「お祭り」を演出できるものを考えているところです。
4Gamer:
ということは,それはプレイヤーに向けて,配信される予定もあるんですか?
箕川氏:
ええ,配信します。また,場所はニコファーレを予定しているのですが,プレイヤーさんを募集してご招待したいと考えているんです。キャパシティの問題で,プレミアムといった形になってしまいますが,一緒に盛り上がりたいと思います。
4Gamer:
その募集もこれからですよね。日程がギリギリじゃないですか?(笑)。
箕川氏:
はい(苦笑)。目の前ですよね。それでも相当な倍率になってしまうと思うんです。募集に関しては(収録時点で)まだ詰めているところですが,特別なプレゼントもご用意しますので,当日お越しいただける方は,ぜひ応募していただければと思います。
4Gamer:
どんなイベントになるのか楽しみです。ちなみに「BLESS」としては,このようなオフラインイベントを今後もやっていくのでしょうか。
箕川氏:
ええ,かなりの頻度でやりたいと思います。
4Gamer:
“かなり”ですか。
箕川氏:
プレイヤーさんに,「またお前か」と言われるくらいにやりたいと思っています(笑)。
4Gamer:
我々も「また行くのか」と言えるのを楽しみにしていますね(笑)。では,最後に,読者に向けてのコメントをお願いします。
箕川氏:
テストに参加された皆さんには,CBT2にご協力いただきありがとうございました。いろいろと手厳しいご意見や期待の声をいただきました。手厳しい意見もそれだけ期待されているという裏返しだと,ありがたく思っています。
まだ完成しているとは言えないですが,「BLESS」は今後も皆様のご協力あってこそ,より良いゲームになっていくと思います。みんなで「BLESS」を作り上げていきたいと思いますので,今後の展開以降もご参加くださるようお願い致します。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
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