インタビュー
8月末から大型アップデートが順次実装。ハンゲームのチャネリングも始まる「MONSTER×DRAGON」開発・運営インタビュー
この8月末には,ハンゲームでのモンドラのサービスが始まる予定となっており,そのタイミングに合わせて,ゲーム内でもいくつかの大型アップデートを計画しているのだという。そこで本作のプロデューサーを務める岡山博紀氏,アシスタントプロデューサーの東度武史氏,そして宣伝プロデューサーの下平光峰氏の3名に,「モンドラ2.0」の様子を振り返ってもらいつつ,今後の展開について話を聞いてきた。
「MONSTER×DRAGON」公式サイト
「モンドラ2.0」の反省点
プレイヤーの声を真正面から受け止めて応える
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。モンドラでは5月から7月にかけて大型アップデート「モンドラ2.0」が実装されました。一連のアップデートを振り返って,現在の手ごたえはいかがですか。
岡山博紀氏(以下,岡山氏):
モンドラ2.0では,ここぞという場面で使える必殺技的な役割を担う「コマンダー」や,ソロプレイでも楽しめる「ミッション」などを実装し,好評を頂くことができました。とくにプレイヤーが投稿可能な「ミッションクリエイト」は,現在1000以上投稿があり,遊び方の幅を広げられたという大きな手ごたえを感じています。
4Gamer:
1000以上の投稿というのは,単純に凄いです。プレイヤーの反応は好感触だったわけですね。
岡山氏:
はい。ですが,もちろん反省点もあります。コマンダーやミッションは,いうならばゲームの遊び方の幅を広げるサブコンテンツであって,モンドラのメインコンテンツは「戦争」ですから,これをいろいろなパターンでより深く楽しみたいという期待に,当初は応えることができていませんでした。
4Gamer:
その戦争に関しては,7月中旬に新ルールの「二ヶ国戦」が実装されていますよね。
岡山氏:
はい。モンドラ2.0の開始後にアンケートを採ったところ,新しいルールやマップなどといった,「戦争」をボリュームアップしてほしいという声が想像していた以上に大きかったんです。二ヶ国戦は以前から開発を進めていたものですが,アンケート集計を受けて,予定を繰り上げ実装しました。
4Gamer:
モンドラ2.0で最初にサブコンテンツを前面に出していたのは,何か理由があったのでしょうか。
岡山氏:
モンドラ2.0の前までは,戦争部分を中心として,毎週開催されているギルドウォーまで,とにかくコア層に向けてエンドコンテンツを充実させる方向で実装してきました。
その一方でモンドラ2.0では,ライト層の方々に向けて戦争に参加する前でも1人で練習できるミッションなど,モンドラの入り口を広げることを目的としたものを中心にアップデートを行ったのです。コア層の方に対しても戦争で新しい戦術にもなり得るコマンダーを追加するなど,初心者から上級者までをカバーできるように準備していたのですが……。
4Gamer:
アンケート結果としてはあまり良くなかった……と。それで戦争の幅を広げる二ヶ国戦の実装が,前倒しになったわけですね。
岡山氏:
そうです。プレイヤーさんは,まったく新しい戦争ルールが追加されることを期待していましたので。
二ヶ国戦は従来から国の数が変わり,ゲームプレイの定石が大きく違っています。「国の数が違うだけ」と思われるかもしれませんが,終戦時間前でも条件を達成した方の国の勝ちが決まるという新たなルールを追加していますので,実際には味方チームとの連携や敵とのタイミングの駆け引きなどといった,これまでとは違うノウハウが求められるんですよ。
しかも,初心者にとってはシンプルな対戦の構図である一方で,手慣れた上級者にとっては駆け引きがシビアになっており,その一見相反する要素が両立できているところはポイントです。また,二ヶ国戦の実装で新たに脚光を浴びるようになったカードもあり,新しいデッキを追求する面白さもあります。
4Gamer:
なるほど。二ヶ国戦は,初心者にも上級者にも受け入れられたわけですね。
岡山氏:
ええ。そうした結果もあり,やはりプレイヤーの声を真正面から受け止め,応えていくべきだと改めて決意しました。モンドラは2011年の12月にサービスを開始して,すでに半年以上が経過しています。サービスイン当初から続けてくださっている熱心なファンも多いですし,そういった方の多くに,戦争の奥深さを気に入っていただけているわけですから。
4Gamer:
現在のモンドラ全体としての手ごたえはどうなんでしょうか。
岡山氏:
好調です。最近では「戦国IXA」とのコラボキャンペーンも好評で,過去の最高同時接続者数を更新しています。
最初は両タイトルのプレイヤーは属性が違うのでは? という不安もあったのですが,実際にキャンペーンを行ってみると,「モンドラって楽しいじゃん」と言ってくれる戦国IXAのプレイヤーが大勢いました。
モンドラは「モンスター物」ということで,戦国IXAよりは若干キャッチーさに欠けているとは思っているのですが,最初のきっかけがあれば楽しんでいただけるのだと実感しました。
下平光峰氏(以下,下平氏):
頭を使ってプレイするのは楽しいし,その結果勝つことができればもっと楽しい。この楽しさを,いかに分かりやすく,プレイヤーに伝えていくかが今後の課題の一つです。
8月30日からは「モンドラ Season3」に突入!?
アップデートが順次実装!
4Gamer:
モンドラ2.0に続く展開について,気になるプレイヤーも多いと思いますが,今後どのような展開があるのでしょうか。
いろいろな意味で,「モンドラ Season3」のスタート,といった感じです。8月30日から9月にかけて,次期大型アップデートを順次実施する予定で,現在急ピッチで作業を進めています。
4Gamer:
あれ,「モンドラ3.0」ではないんですか?
下平氏:
「モンドラ2.0」というのは大型アップデート群の総称だったのですが,一定の期間でいろいろなアップデートを行うという意味で,Seasonが適していると考えて変更しました。
4Gamer:
なるほど。では,どのようなアップデートになるのでしょうか。
下平氏:
後ほど詳しく紹介しますが,8月30日からハンゲームでのサービスが始まります。これを機に,モンドラをもっと遊びやすいゲームにしていきます。
4Gamer:
それは,サブコンテンツに手を入れるということでしょうか。先ほど,メインコンテンツである戦争の奥深さに関して話をされていましたが。
東度氏:
もちろん,モンドラ2.0の反省点を踏まえて,既存プレイヤーの皆さんの期待にも応える戦争関連のコンテンツも継続的に検討しています。
4Gamer:
分かりました。アップデートは順次実施とのことなので,主な内容を教えてください。
東度氏:
導入していくものから順にお話します。8月30日に「称号システム」のリニューアルを行います(公式サイトの関連ページ)。
現在の称号はいわゆるレーティング制で,勝敗に応じてランクが上下します。戦争に勝とうというモチベーションになる半面,負けてしまうとランクが落ちてしまうため,デッキを思いついても,実戦で試すことが難しいんです。そのためプレイの幅が広がらないことを何とかしたいと考えました。
4Gamer:
ということは,負けを気にしなくてもいいシステムになる……と。つまり,称号ランクが落ちないという感じでしょうか。
東度氏:
ええ,リニューアルの際に現在の称号ランクがリセットされますが,リニューアル後はRPGのレベルのような,積み上げ式の称号システムになります。負けてもデメリットがなくなるので,さまざまなデッキを試していただければと思います。
4Gamer:
これまで頑張って称号ランクを上げてきた人には,何らかの措置があるのでしょうか。
その点に関しては,「過去にもっとも高く到達した称号ランク」に応じて,レアなカードが当たるチケットを配布するイベントを実施させていただいています。8月27日のギリギリまで行っていますので,夏休み中は称号をどこまで上げられるか,チャレンジしてみてください。
4Gamer:
なるほど,そうした措置を用意しているんですね。では,続いてのアップデート内容をお願いします。
東度氏:
同じく8月30日に「クエスト」が導入されます。名前のとおり,「○○のミッションをクリアせよ」「戦争で○戦参加せよ」「カードを入手せよ」「カードを強化せよ」などの課題をクリアすることで,さまざまな報酬が得られるというものです。
4Gamer:
どういった経緯でクエストを導入することにしたのでしょうか。
東度氏:
モンドラは覚えることがたくさんありますが,現状では短めのチュートリアルが終わったあとに,いきなり戦争に放り出されてしまいます。チュートリアルでは触れていないものでもう少しレクチャーすべき要素があるので,これをクエストを通じて提供する,というのが狙いの一つです。それと同時に,中級者以上のプレイヤーに対しても,目標になるクエストや,日替わりで楽しめるクエストなども用意しています。
4Gamer:
確かに漠然と戦争に参加し続けるよりも,クエストなどの目標があったほうがメリハリがつきますよね。
岡山氏:
そうです。あとは一部の方々からは熱い期待を寄せていただいている,モンドラの世界観がより分かるような簡単なストーリー仕立てのミッションも用意しています。「ニーア レプリカント」「ニーア ゲシュタルト」などを手がけたヨコオタロウ氏がストーリー部分を監修しているので,期待していてください。
4Gamer:
おお,ついにストーリーが明らかになっていくんですね。どんな設定が潜んでいたのか,楽しみです。そのほかにはどういったアップデートが行われますか。
現在は調整中ということもあり,まだ詳しくはお話できないのですが,カードの入手方法について少し調整を入れる予定です。
背景をお話しますと,現在モンドラには450枚以上のモンスターカードがあるのですが,特定のカードがほしいと思っても入手がなかなか難しいことがあげられます。
4Gamer:
単純に計算しても1/450の確率ですし……。
東度氏:
ですので,レア度の特に高いカードについてはお目当てのカードを手に入れやすくなるような調整を,8月中旬以降の実装を目標に開発を進めています。とはいえ,単純な入手緩和にならないように全体のバランスを見て調整していく予定です。
また,戦争報酬であるチケット自体の見直しも予定しており,こちらも8月30日の実装を予定しています。
4Gamer:
分かりました。熱心なファンにとっては,戦争に関するアップデート内容が気になるところですが,この点に関してはいかがでしょうか。
岡山氏:
ご好評をいただいている「二ヶ国戦」のように,これまでと違う戦争ルールを検討しています。今後は称号が下がらなくなるので練習戦も重要ではなくなるでしょうし,戦争スケジュールの調整などと合わせ内容がまとまり次第,改めてお知らせさせていただきます。
下平氏:
というわけで,一連のアップデートをひっくるめて,これが「モンドラ Season3」のスタートということになります。8月30日スタートの大型アップデートにぜひご期待ください。
8月30日からはハンゲームでのサービスも開始
4Gamer:
アップデート以外の展開についても教えてください。先ほど少し触れていましたが,8月30日からはハンゲームでのサービスが開始されますね。
下平氏:
はい。モンドラはブラウザゲームでありながら,ほかにはない独自のゲーム性を持ち合わせています。ですので,ハンゲームで“じっくりゲーム”を遊ぶプレイヤーに,きっと楽しんでいただけると思います。現在モンドラを遊んでいる方には直接的には関係が薄いかもしれませんが,プレイ人数が増えることで,ゲーム内が大きく盛り上がると期待しています。
4Gamer:
ということは,サーバーは共有なんですね。
下平氏:
ええ,そうなります。
4Gamer:
ゲームコンテンツの提供側として,ハンゲームでチャネリングする魅力はどのあたりにあると認識されていますか?
岡山氏:
何はともあれ,国内最大級のゲームポータルという部分です。弊社が単独でサービスを行っていると,最初からモンドラに興味がある人以外に対して,アプローチの手段がどうしても限られてしまいます。
下平氏:
その点,ハンゲームさんであれば,タイトル一覧ページを見ながら「昨日はアレを遊んだけど,今日はコレで遊ぼう」と,横断的に遊ばれるプレイヤーも多い。ですので,よりたくさんの人にモンドラを知っていただけると思います。
4Gamer:
なるほど。あと最近だと,プロ野球球団「中日ドラゴンズ」とのマスコット対決が面白いなと思いました(関連記事)。一瞬,なぜドアラ……と考えてしまいましたけど(笑)。
下平氏:
皆さん,楽しんでもらえたようで(笑)。続けての施策として,現在は「打てば打つほどマネーがもらえる! ホームラン企画」を行っています(公式サイトの告知ページ)。中日ドラゴンズの選手が1週間にホームランを打った本数×50のマネーを,毎週月曜日に配布するというユニークな内容です。
東度氏:
こちらは8月31日までの試合が対象です。毎日のプロ野球ニュースを見ながらモンドラを遊んでみてください(笑)。
4Gamer:
ドラゴンズファンじゃなくても野球中継やニュースが気になる……というか,対戦相手のファンは,ちょっと複雑な気分になりそうですね。「負けなきゃいいや……ホームラン打ってくれ!」みたいな(笑)。では,最後に4Gamer読者に向けてコメントをお願いします。
岡山氏:
モンドラの最大の強みは先ほどもお話ししたとおり,ほかのタイトルでは味わえないオンリーワンの奥深いゲーム性です。この強みを生かした展開を,これからも積極的に考えていきたいです。
オフラインイベントや海外進出など,やりたい事はたくさんあるのですが,まずは今のモンドラプレイヤーがさらに楽しんでくれること。そして,より多くの人にモンドラを知ってもらうことが大事です。大型アップデート「モンドラ Season3」以降の展開に,ぜひご期待ください!
4Gamer:
本日はありがとうございました。
「MONSTER×DRAGON」公式サイト
- 関連タイトル:
MONSTER×DRAGON
- この記事のURL:
キーワード
(C) 2011-2013 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.