イベント
サークルの先輩/後輩が決勝戦で激突! 豪華ゲストも登場した「ぷよぷよ!!」ニコニコ動画CUPをレポート
これは「ニコニコ動画(原宿)」とのコラボレーションイベントで,事前に応募した人の中から抽選で選ばれたぷよぷよファンが招待された。
イベントには「ぷよぷよ!!」のプロデューサーである細山田水紀氏,プランナーの芳野詩子氏のほか,ゲストとして声優の佐倉 薫さん(ウィッチ役),石狩勇気さん(まぐろ役),ニコニコ生放送「ゲームのじかん」のパーソナリティを務める渚さん,ニコニコ動画の人気生主である,やみんさんらが登場。ゲーム大会以外にも,ゲストによるトークショーやエキシビジョンマッチ,細山田氏によるニンテンドー3DS版「ぷよぷよ!!」のプレゼンテーションが行われたので,大会の模様と合わせてお伝えしていこう。
「ぷよぷよ!!」公式サイト
ゲストや開発陣によるトークショーのほか
エキシビジョンマッチも開催
最初のお題は「『ぷよぷよ』で好きなキャラクターは?」というもの。渚さんは「『シェゾ』は初代の頃から好きで,プレイアブルキャラクターになってからは一筋ですね」と話す。
やみんさんは「ナスグレイブ」を挙げた。「ナスなのに眼鏡をかけていてかわいい」という理由から選んだという。
佐倉さんはウィッチを担当しているが,実際に好きなのは「すけとうだら」だという。以前,「ぷよぷよチャンネルライブ」にゲスト出演した際,そこで行われたお絵かきコーナーで,微妙なすけとうだらを描いてしまったそうだが,それがきっかけで愛着が湧いたのだという。
そして芳野氏は「制作時に自由に作らせてもらえた」ということから,「りすくませんぱい」「まぐろ」などを挙げていた。
ちなみにゲストの皆さんのぷよぷよ歴は,佐倉さんは「ぷよぷよ通」から,やみんさんは「ぷよぷよSUN」からとのこと。渚さんは「私は『魔導物語』から遊んでいますよ」と発言し会場を会場を沸かせたが,ぷよぷよ自体は第1作の「ぷよぷよ」から遊んでいるそうだ。
やみんさんも「とくにない」と前置きしていたが,いつでもぷよを消せるよう,3つつながったぷよをストックしておくとのこと。連鎖数は頑張れば7連鎖ぐらいまでは作れるそうだ。
佐倉さんはぷよぷよの凄腕プレイヤーである,ご自身の祖母のことを挙げ,そのプレイを参考にしてぷよを積むようにしているとのこと。ちなみにそのプレイスタイルについては,端からぷよを積んでいき,連鎖を作っていくスタイルとのことだ。
ゲストの皆さんだけでなく,細山田氏らにも質問が振られ,「ぷよぷよ!!」開発秘話や苦労話についても語られた。
プランナーを務めた芳野氏は,「ぷよぷよは20周年を迎えましたが,多くのキャラクターがおり,それらをひとつのストーリーにまとめるのがものすごく大変だった」と述べる。苦労はするもののそれが実現できてしまうので,「(ぷよぷよは)器が大きんですよね」と感心していた。
細山田氏は「当初は『ペアでぷよぷよ』は入れていなかったんですよ」と話す。導入した理由としては,「ガチンコで1対1の対戦をすると殺伐としてしまうから」とのことだ。午前中に行われた大会の予選でも,プレイヤー達が和気藹々とした雰囲気でプレイしているのを見て,とてもうれしかったという。
その後,ゲストの皆さんによるエキシビジョンマッチが行われた。組み合わせは佐倉さん&芳野氏のペアと,渚さん&やみんさんペアとなり,Wii版「ぷよぷよ!!」を用いての対戦となった。芳野氏は開発者という立場ではなく,一プレイヤーとして手加減せずにプレイし,渚さん&やみんさんペアを圧倒。
対戦を終えて渚さんは,「芳野さんは本気でしたね。悔しいけどまた練習して挑みたいですね」とコメント。やみんさんも負けたものの「ペアで遊ぶのは初めてだけど,渚さんと一体感を持てて嬉しかったです」とコメントした。
佐倉さんは「芳野さんのおかげで勝てました」と感想を述べ,芳野さんは「楽しかったですが,私だけ慣れていてすみません」と,最後は開発者に戻ってコメントしていた。
3DS版「ぷよぷよ!!」のプレゼンが行われ
アニバーサリーピンズコレクションの実物も公開
まず紹介されたのは,3DS版「ぷよぷよ!!」とピンズをセットにした「ぷよぷよ!!アニバーサリーピンズコレクション」だ。今年の7月に発売されたニンテンドーDS版「ぷよぷよ!!」でも,初回限定版として「ぷよぷよ!!アニバーサリーボックス」というセットが発売されたが,それが好評を博した結果を受け,3DS版でも同様の展開をすることになったという。
そのほか,予約特典として「ぷよぷよ!!アニバーサリーサウンドコレクション」というサントラも用意される。このCDでしか聴けない選りすぐりのリミックストラックが収録されているとのことだ。
マイぷよには自分の顔を取り込んでもいいし,アニバーサリーピンズコレクションのピンズを撮影して取り込んでみるなど,さまざまな楽しみ方ができるという。なお,作成したマイぷよはほかのプレイヤーと交換可能だそうだ。
石狩さんが登場したところで,再びエキシビジョンマッチが行われたのだが,ここでは来場者の中から対戦者を募ることとなった。ペアの組み合わせは佐倉さん&石狩さん,渚さん&やみんさんとなり,それぞれが来場者と対戦を行ったが,結果はいずれもゲストの負けとなった。
サークルの先輩・後輩チームが激突
白熱した決勝戦をレポート
・NPA
・シークレットチキン
・チームリフレクション
・はなまるたいよう
・HOPE
・チームDC
・死魔殺炎烈光(ディアボリックデスバースト)
・あっきー☆まてりある
大会ルールは2対2のチーム戦で,トーナメント方式で進行。ライフ設定は3つで,難度は「中辛」,使用キャラクターは隠しキャラクター以外の中から自由に選択でき,その他の設定はデフォルトで行う。そして故意,不可抗力に関わらず電源をオフにした場合は失格となる。
そのほか,合図があるまでスタートできない,対戦時間が30分以上になった場合はじゃんけんで勝敗を決めるといったルールによって行われた。
なお,優勝,準優勝チームには表彰状,トロフィーが授与されるほか,緑ぷよを象ったソフビフィギュアが副賞として贈呈される。
決勝戦はライフ5の設定で始まったが,さすが決勝進出を果たしたチームだけあり,腕前は相当なものだ。クイックドロップで素早くぷよを落として積み上げていき,大きな連鎖を作る準備をしていく。ひとりで10連鎖を行うこともざらで,ペアによる連鎖で20連鎖以上になることも珍しくはなかった。そして,普通のプレイヤーなら詰んでしまうくらいのおじゃまぷよを食らっても,巨大な連鎖を作って状況をひっくり返すなど,手に汗握る戦いが繰り広げられた。
膠着状態に陥ってしまうのかとも感じたが,次第に差が出始めて,HOPEの面々がライフを3つ残した状態であるのに対し,あっきー☆まてりあるは残り1つと,不利な状況に追い込まれる。しかし,先輩の意地を見せたのか,立て続けに全消しを決めて見せ場を作り,大いに場を盛り上げる。だが反撃もそこまでで,最後はHOPEの猛攻撃に耐え切れず,あっきー☆まてりあるは敗北を喫してしまった。
イベント終了後,細山田氏,芳野氏ら開発陣,優勝チーム「HOPE」,準優勝チーム「あっきー☆まてりある」それぞれに,短い時間ではあるが合同インタビューをする機会を得たので,本稿の締めとして掲載しよう。
■「ぷよぷよ!!」開発陣
――今回の大会を行うことになったきっかけを教えてください
細山田水紀氏(以下,細山田氏):
前作「ぷよぷよ7」や前前作「ぷよぷよ!」では,東京ゲームショウで対戦コーナーを設けたんですが,これが結構盛り上がったんです。そのほかに「アニバーサリーツアー」というものをやっていて,ゲーム販売店やセガのアーケード施設など50近くの会場で実施しています。
これはDSやゲームセンターの筐体を使って遊んでもらうんですが,ぷよぷよってなかなか対戦をする機会が少ないんです。体験会なども開いていましたが,プレイヤーの皆さんから対戦会に関する要望は多いので,その集大成的な意味で今大会を行いました。
――今回は2対2のチーム戦で行いましたが,対戦を見て思ったことや得たものはありましたか?
芳野詩子氏(以下,芳野氏):
人と人が競いあうゲームだった「ぷよぷよ」を,20周年目で大きく変えるにあたって,協力要素を大きく打ち出そうと思っていたんです。さまざまな案が出たんですが,最終的には連鎖をつなげるという案に落ち着きました。
ひとりが連鎖している間にもうひとりが組み上げていくという形であったり,1連鎖しかできない人が大きな連鎖に巻き込まれて,連鎖の爽快感を味わえたりと,声を掛け合いながらの協力感が出せればいいと思いながら作っていたんです。
皆さんが声を掛け合いながら遊んでいるのを見て,こちらが想定したとおりの遊び方をしてもらっていることが分かり,開発者としてもうれしかったですね。
細山田氏:
4人で遊ぶ要素はDS版の「ぷよぷよフィーバー」で初めて実装されたんです。
ぷよぷよには新旧のプレイヤーがいますが,ガチンコの対戦では強い人には絶対に勝てません。これから遊ぶ人もいますし,そこを協力というフィーチャーでカバーできればいいかなと思ったんです。
過去にも2対2の状況は作れていたんですが,プレイフィールドが4つ並んでいるだけでした。さらに協力している感じを出せるように考えて,今の形に落ち着いたんです。あとは親子や友達同士で,協力してCPUと対戦するといった要素もあればいいなと考えました。
今回の大会はペアで応募してもらうというハードルの高いものになりましたが,こちらの想定より多くの方に集まってもらえました。青森県,大阪府,福岡県など遠くから来てくださった方もいるので,もっと大きくしていきたいですね。
――大会では使用キャラクターへの偏りが見られましたが,その原因はなんだと思いますか?
細山田氏:
キャラクターへの慣れの問題もあると思いますね。
芳野氏:
アルルはぷよが2個が1セットという形で落ちてくるんですが,ほかのキャラクターは3個組,4個組という形で落ちてくるので,使いこなすのが難しいんです。昔から遊んでいる人や,自分の思いどおりに組みたい人は,アルルを使うことが多いみたいですね。
細山田氏:
決勝には,「ぷよぷよ通」を研究している人が多く残った印象がありますね。それで旧作のキャラクターが多かったのではないかと思います。
あと,アニバーサリーツアーは「フィーバー」というルールで行なっていますが,そちらはアルルばかりということはありませんでした。
――最後に「ぷよぷよ!!」が新たに3機種で発売されることに対し,ファンの皆さんへメッセージをお願いします
芳野氏:
フルボイスや機種ごとの新機能など,詰め込めるだけ詰め込んで作りました。苦労して作った作品なので,とてもお買い得だと思います。
細山田氏:
20年前から遊んでいる人も,これから遊ぶという人もいると思います。そういった方達が同じフィールドで戦えるように,協力というフィーチャーを盛り込みました。20周年,30周年と続けていくために,これからもよろしくお願いします。
■優勝チーム「HOPE」
――決勝で当たった「あっきー☆まてりある」に勝てた理由はなんだと思いますか?
ウァルトさん:
こちらのミスが少なかったことだと思います。
くわーてぃさん:
相手よりミスが少なかったことが大きいと思います。あと,ほかの皆さんは,今回のルールで遊ぶことがあまりないと思うんです。僕らは「あっきー☆まてりある」の2人と同様のルールで練習していたので,その差が出たのではないかと思います。
――大会に向けてどれくらい練習しましたか?
くわーてぃさん:
実は2回集まってプレイした程度なんです。
ウァルトさん:
サークル内で大会に出ない人達と集まって練習したんです。あとは,先輩達とも練習しましたね。
――今大会でとくに手強かったプレイヤーはいましたか?
くわーてぃさん:
実は全試合,すんなりと勝てたんです。相手のミスに助けられた気もしますね。
――最後に,優勝しての気持ちを教えてください
ウァルトさん:
優勝できてうれしいですね。こういう大会で勝てて良かったです。
くわーてぃさん:
実力的にはまだまだですし,運で勝てた部分もあると思います。優勝に見合う実力をつけられるよう,これからも頑張りたいと思います。
■準優勝チーム「あっきー☆まてりある」
――「ぷよぷよ」はどれくらい遊ばれていますか?
まてりあさん:
第1作の「ぷよぷよ」の次は「ぷよぷよSUN」を遊びました。当時は弟と遊んでいる程度で,対戦を意識し始めたのは大学に入ってからです。
AKKYさん:
僕も同じですね。小学生の頃にスーパーファミコンで「ぷよぷよ」を遊んでいたんです。大学に入って1年ほど経過したあたりから,対戦相手が結構見つかるようになりましたね。
まてりあさん:
最初は対戦ツールという認識はなく,ストーリーをクリアして満足するとか,普通の遊び方をしていました。
AKKYさん:
ここ1年ぐらいはインターネットで対戦相手を募集したりしています。活動がグローバルになってきた感じはしますね。
――それなりの規模のコミュニティがいくつも存在しているんですね
AKKYさん:
大学ごとに小さなコミュニティがありますし,インターネット上のチャットに集まって対戦を募ったりしています。オンライン対戦もできるので,10年前とは大違いですね。
まてりあさん:
今年の夏には大学対抗戦を行ったんですが,全国から8チームが集まりました。ぷよぷよが盛り上がっている時期なのではないかと思いますね。
――ペアで遊ぶのは,ひとりで遊ぶのとは違った難しさがあると思うんですが,その点についてはいかがでしょうか
AKKYさん:
普段勝てないようなプレイヤーと組んで大会に出られるというのは,心強いですね。あとは声をかけながら遊べるのがいいですね。
まてりあさん:
意思疎通はかなり大切なので,そこが勝負の分かれ目になると思います。
――最後に,準優勝の感想をお願いします
AKKYさん:
まさか本選まで残れるとは思っていなかったので,準優勝という結果は出来過ぎな気もします。でも,最後の最後で後輩に負けたのは悔しいですね。
まてりあさん:
相手が後輩でも負けたという事実はやはり悔しいですね。
――ありがとうございました
キーワード
(C)SEGA
(C)SEGA
(C)SEGA
(C)SEGA