原 幹恵さんもゲームを絶賛！　「善人シボウデス 発売直前記者発表会」レポート

　2012年2月15日，チュンソフトは，「善人シボウデス 発売直前記者発表会」を東京都内で開催した。

　この発表会は，同社のアドベンチャー「極限脱出ADV 善人シボウデス」（3DS / PS Vita）の発売を記念して催されたもので，冒頭，同タイトルのディレクター/シナリオライターを務めた打越鋼太郎氏が登壇し，ゲームの概要を紹介した。

「極限脱出ADV 善人シボウデス」ディレクター/シナリオライター 打越鋼太郎氏。開口一番，「ディレクターなのに，昨日（のバレンタインデー）はチョコをもらえませんでした」と発言して会場を沸かせていた

　まず，発売直前の感想を聞かれた打越氏は，今回は制作終了から発売までの期間が通常より長く，その間，胃がキリキリ痛むような思いを経験したと切り出した。そして，発売を翌日に控えて迎えたこの発表会の壇上では，期待とドキドキ感が半々といった感じと話していた。

　続いて打越氏は，同タイトルを「極限脱出ADV」シリーズの第2弾と述べ，サウンドノベルと脱出ゲームを組み合わせたサスペンス調のアドベンチャーゲームと説明。題名に関しては，“善人志望です”と“善人死亡です”というダブルミーニングであることを明かした。

　主人公達がゲーム内で強制参加させられる「アンビデックスゲーム」は，“裏切り”と“協力”をテーマとしている。その点に関して，打越氏は，繁華街の店頭などに張り出された写真と実物との違いを例に出し，「なぜ人は，他人を裏切るのだろう」と常々考えてきたことがヒントになったと話す。


　ゲームの見どころについては，チュンソフトが培ってきたサウンドノベル譲りの“分岐”の面白さにこだわったそうだ。今回はゲーム内でフローチャートを確認できるようになっており，プレイのしやすさを追求したという。
　なお，エンディングは全24種類と，前作にあたる「極限脱出 9時間9人9の扉」よりも大幅にボリュームアップしているとのことである。その結果，分岐ごとのつじつま合わせや，エンディングの差別化などには非常に苦労したと，打越氏は話していた。


　こうした分岐のあるゲームでは，主人公自身はゲーム内における別ルートの存在を知らないことが一般的だ。しかし同タイトルでは，ゲームを進めていくうちに「パラレルワールド」の存在を認識し始め，そこからストーリーの謎を突き止めていく展開になるという。


　さらに，脱出パートでは難度設定ができるとのことで，パズルゲームや脱出ゲームを遊び慣れている人は手応えのあるプレイを，そうでない人はストレスのない快適な進行を楽しめると打越氏は説明していた。


　本作のキャラクターデザインには，前作に引き続いてイラストレーターの西村キヌ氏を起用。主人公のシグマが着ているツナギは西村氏のアイデアを採用しているとのことで，打越氏は「ベンチに座っていると非常にいい」とコメントしていた。
　また，ファイが頭部に着けている黒いダリアも西村氏のアイデアで，1947年にロサンゼルスで起きた「ブラック・ダリア事件」から連想したものなのだとか。とはいえ，打越氏いわく，事件とゲームに関連はないとのことで，ファイのミステリアスな雰囲気を醸し出すために採用されたようだ。
　ちなみに四葉とアリスのヘソ出しコスチュームは，打越氏のリクエストとのことである。

声優陣も豪華だ

　ボイスに関しては，まずゲーム内の重要人物「ゼロ3世」を，声優のTARAKOさんが演じていることに言及。打越氏は，ゼロ3世の設定と声のギャップを出すべく，今回の起用を決定したと説明する。実際，TARAKOさんの声はゼロ3世にバッチリとハマり，可愛らしい声でダークなセリフをしゃべるという見事な仕上がりとなっているそうだ。
　なお，今回のTARAKOさんの起用については，「ダンガンロンパ」で大山のぶ代さんがモノクマを演じたことをたびたび引き合いに出されるそうだが，打越氏はとくに意識していなかったという。
　そのほか，ノベルパートはフルボイスになっており，打越氏は声優陣の迫真の演技にも注目してほしいと語る。


　ここで，会場ではTARAKOさんから寄せられたボイスメッセージが披露された。TARAKOさんは，当初，別の題名を聞かされていたとのことで，“善人シボウデス”に決定したと知ったときは非常に驚いたそうだ。また，収録後，打越氏から「見事に憎たらしかったです」と絶賛されたときは，嬉しい半面，ちょっと複雑な思いをしたという。ゲームに関しては，非常にドキドキワクワクできる内容なので，ぜひ期待してほしいと話していた。

ボイスメッセージのほかに，サプライズでTARAKOさんからのバレンタインチョコレートが打越氏に贈られた

女優/タレントの原 幹恵さん

　続いて，ゲストとして登壇した女優/タレントの原 幹恵さんを交えてのスペシャルトークショーが行われた。その中から，善人シボウデスについて言及した部分をピックアップして紹介しておこう。
　原さんは，事前に体験版をクリアしており，謎が解けていくのが快感だったと感想を述べる。何でも，「もっともっと」「早くクリアしたい」と思ってプレイしているうちに，午前4時になっていたそうだ。

　キャラクターについては，アリスのセクシーな衣装にドキドキしたという原さん。打越氏がアリスのエジプト人とアメリカ人のハーフという設定に言及すると，「ミステリアスな色気漂う女性という感じを受けました」と感心していた。
　また，原さんが「子どもには裏切られたくないな。裏切られたらショック」「ゲームを進めていると人を信じられなくなる」と話すと，打越氏が「まんまと術中にハマっていますね」「人間不信になるゲームとよく言われます」と，ニヤリとする場面もあった。
　さらに原さんは，ゼロ3世のボイスをTARAKOさんが演じていることに関して，残酷なセリフであっても「声や言い回しが可愛いので憎めない」との感想を述べていた。


　善人シボウデスをどんなときに遊びたいかとの質問に，原さんは「時間のあるときにじっくり遊びたいです」と話す。というのも，体験版の時点でかなりのめり込んでしまったので，例えば電車内でプレイすると目的の駅を乗り過ごしてしまいかねないからだそうだ。
　なお，原さんをモデルにしたキャラクターをゲーム内に登場させるのはどうかと打診された打越氏は，次回作でぜひ挑戦したいと二つ返事で答えていた。

　最後に，打越氏と原さんが，善人シボウデスに期待する人に向けて贈ったメッセージを掲載して，本レポートの締めとしよう。

打越氏：
　“裏切り”をテーマにしているゲームですが，皆さんの期待は裏切らない内容となっています。また，第2弾を謳っていますが，前作を遊んでいなくとも楽しめますし，前作を遊んだ方はより深く楽しめる作りになっていますので，ぜひお手にとっていただければと思います。

原さん：
　実生活で人を裏切ることはなかなかできないことですし，やってはいけないことですから，ぜひゲームの中でハラハラドキドキの快感を味わっていただきたいです。私も購入してクリアを目指します。

「極限脱出ADV 善人シボウデス」公式サイト