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[E3 2012]大航海時代の現実を描ききった「Raven's Cry」は,陰のある海賊を主人公にしたアクションアドベンチャー
このゲームの開発を手掛けるOctane Gamesは,フィンランドのNitro Gamesの傘下にある小さな開発チームだ。Raven's Cry開発時の資金不足から,一時はダウンロード形式の小さなプロジェクトに縮小することも考えられていたという。
ところが,Topware InteractiveがTwo Worldsで大成功したこともあって,長らく平行線をたどっていたパブリッシャ契約がまとまり,2011年から本格的な開発が再開されることになる。苦しい時期もプロジェクトが細々と続けられてきたのは,開発者たちの本作に対する愛といったところだろうか。
Raven's Cryの舞台となるのは,17世紀後半のカリブ海域だ。主人公Christopher Ravenは,幼少の頃に両親を目の前で殺されており,自らも片腕を失いながらも,長らく漁師のMarkusに育てられてきた。ところが26歳へと成長した彼は,両親を殺した海賊で“デビル”と恐れられるNeville Scrantonが20年ぶりに活動を始めたというウワサを耳にした。そこで,Ravenは復讐のためにすべてを捨てて旅に出るというストーリーである。
本作に登場するカリブの海賊達は,ハリウッド映画で描かれるような,ラム酒を飲んだくれる気のよい海賊達ではなく,犯した罪から逃れてこの地に住み着いたならず者だ。そういった海賊のの天国であった当時のカリブ海の実情をなるべく忠実に描いているとのこと。ゲームの舞台となるポートロイヤルの町も,1680年当時の雰囲気に近づけたということだった。
ここから,プレイヤーはメキシコのアステカや南米のジャングルまで足を伸ばすことになるようで,それなりのボリュームがあるアドベンチャーを楽しめそうだ。
本作のゲームプレイは正統派のアドベンチャーゲームに近いが,プレイヤーは剣やピストルを持って戦うことになる。公開されていたバージョンでのキャラクターの動きは仮のもので,最終的にはモーションキャプチャによるアニメーションに作り変えられることになると,開発者であるアダム・ケネディ(Adam Kennedy)氏は解説する。また,Kill Camなども用意されており,フックで相手を引き寄せてアゴから上に銃弾を浴びせるというようなフィニッシュムーブを大迫力で見ることができた。
会話シーンは数種類の選択肢から好きなものを選ぶというダイヤル式のシステムになっており,捕まえた敵を逃がしてやると後々のミッションを手伝ってくれるシーンが出てくるとか,再びプレイヤーに襲い掛かってくるというように,中期的なストーリーに影響を与えるとのこと。
また,それぞれの地域へは船を使って移動することになり,戦時には乗組員とともに相手の船に乗り込んでいくようなアクションにも期待できそうだ。
Raven's Cryは,2012年末から2013年始めのリリースが予定されているとのことだが,E3会場で公開されているバージョンではモーションキャプチャによるアニメーションや航海モードは用意されておらず,発売までにはしばらく時間がかかりそうな気もする。ただ,アドベンチャーファンなら,ダークなストーリーやアクションも楽しめる本作に期待をかけておいてもよさそうだ。
「E3 2012の特設ページはこちら」
「Raven's Cry」公式サイト
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