東京ゲームショウ2011のアクワイアブースで,PSP向けのダンジョン探索RPGシリーズ最新作「
剣と魔法と学園モノ。Final 〜新入生はお姫様!〜」がプレイアブル出展されていた。さっそくプレイしてきたので,そのインプレッションをお届けしてみたい。
最初に一応説明しておくと,“ととモノ。”は,3Dダンジョン探索RPGという一見ハードなゲームジャンルを
学園モノ化することで,ほかにはない独特の雰囲気を纏うことに成功したシリーズだ。可愛らしいキャラクターでパーティーを編成したり,メンバー間で好き・嫌いといった感情を設定できたり,どことなくライトノベルチックな雰囲気に固定ファンは多い。
今回東京ゲームショウにプレイアブル出展されたのは,そんなシリーズの最新作。しかもタイトルに
「Final」とあるとおり,最終作となるかもしれないタイトルだ。
舞台は「モーディアル学園」
快適になった操作感が好印象
さて,今作でゲームの舞台となるのは,前作「
剣と魔法と学園モノ。3」から1年後の同じ世界。プレイヤーが操るマイキャラ達は,前作ではラスボス的な存在だった「モーディアル学園」の生徒という位置付けだ。ダンジョンを攻略しながら,従来の3学園「ドラッケン学園」「プリシアナ学院」「タカチホ義塾」を巡っていくストーリー展開となる。つまり,同じゲーム内世界とはいえ,前作とはプレイヤーの立場がまったく逆なわけで,これだけでも結構新鮮な感じである。
クシナ姫(左)
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シリーズのファンからすると,「何はともあれドラッケン学園の制服が気になる」という人も多いかと思うが,
男性は黒と紫,女性はピンクが基調となっていた。
サブタイトルになっている「お姫様」というのは,東方のタカチホ大陸からやってきた交換留学生,クシナ姫のこと。ゲームでは序盤のクエストで彼女からクエストを受けられるほか,ストーリーが進むともっと密接に関わってくることになるようだ。
ゲームの基本システムは前作から極端には変わっておらず,安心してプレイできる。ただ,細部は細かくブラッシュアップされており,確実に遊びやすくなった印象を受けるのも,また確かだ。
たとえばターン制バトル。[R]ボタンと[L]ボタンで,2通りのスキップを行えるようになったのはすこぶる便利。[R]ボタンは従来同様,ボタンを押している間だけ早送りなのだが,
[L]ボタンは,ターンの最後まで一気にスキップできる。道中を急いでいるときにザコの大群に遭遇すると,思わずイライラしてしまいがちだが,そんなときもボタン一発でOK,というわけだ。
ダンジョン探索RPGは,プレイ中の快適さがとくに求められるゲームジャンルであるが,バトルの高速化を実現できるこの機能はその点で意義深いと思う。
ブースで掲示されていたコマンドリスト
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そのほか,7月にリリースされたニンテンドー3DS版「
剣と魔法と学園モノ。3D」にあった「アラウンドビュー」が,PSP用に作り直されているのも目を引くところだ。
“ととモノ。3D”だと,ダンジョンの探索中,ニンテンドー3DSのジャイロ機能を使って周囲を見渡し,隠されたアイテムを見つけるという機能だったが,今回は,アナログパッドで周囲を見渡せるようになっているのだ。グリグリ操作して,光るアイテムを見つけたときはなかなか嬉しかった。
……ダンジョン探索RPGは日本で人気が高く,今でも新作タイトルが続々と登場してきている。そんななか,かわいらしいキャラを採用した学園モノとして,“ととモノ。”シリーズは特異な立ち位置を確保しているといえるが,本作では,シリーズを重ねて,ゲームシステムが洗練されてきているのがはっきり分かる。シリーズのファンはもちろん,イラストを見て気に入った人,ダンジョン探索RPGが好きな人も,手に取ってみる価値があるデキと言えそうだ。
アクワイアのブースには,予約特典の一覧も並んでいた
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それにしても気がかりなのは,今作にFinalという文字が躍っていること。個人的には,「東京ゲームショウ2011でPlayStation Vita版が電撃発表されたりしないかな?」と密かに期待していたりしたので,とくにそういう動きがなかったのは割とショックだったりもする。
ともあれ,まずは「Final」と位置づけられている学園生活を満喫しよう。本作は,2011年10月13日に発売予定だ。