プレイレポート
iPhone版「ファイナルファンタジータクティクス 獅子戦争」の紹介記事を掲載。根強い人気を誇るPSP版との違いは?
本作は,1997年にPlayStationで発売され,世界累計出荷本数が240万本を超える「ファイナルファンタジータクティクス」(以下,FFT)をベースに,ムービー,シナリオ,ジョブなどを新たに追加したPSP用ソフト「ファイナルファンタジータクティクス 獅子戦争」を,iPhone向けにアレンジしたタイトルだ。
ちなみに,画面解像度が最適化されたiPad版も2011年秋にリリースされる予定となっている。
根強いファンを持つ「タクティクスオウガ」のクリエイター,松野泰己氏(現在はレベルファイブに所属)がディレクター兼脚本家として参加したFFTは,ゲームファンから高い評価を獲得している。
そして,そのリメイク作として登場したPSP版FFTが,iPhoneやiPod touchで手軽に楽しめるということで,「待ってました!」というファンは多いだろう。
本稿では,オリジナル版やPSP版の基本的な要素を軽くおさらいしつつ,実際にiPhone版をプレイしてのインプレッションをお伝えする。
「ファイナルファンタジータクティクス 獅子戦争」紹介ページ
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FFシリーズの魅力が随所にちりばめられた完成度の高いシミュレーションRPG
本作は,マスで区切られた3次元マップに自軍のキャラを配置し,敵を全滅させれば勝ちとなる,戦術シミュレーションの王道ともいえる作品だ。
バトルには,多くのシミュレーションRPGに見られるターン制ではなく,ウェイト方式(待ち時間方式)が採用されており,「CT」(チャージタイム)が満タンになったキャラに対して随時指示を与えられる。この方式は,ファイナルファンタジーシリーズの伝統的なシステム“アクティブタイムバトル”に通じるものだ。
マップには高低差があり,キャラクターがどの位置にいるかによって,ダメージ量や移動可能距離が変わってくる。たとえば,高いところにいれば,弓の射程距離が伸びたり,低い位置にいる敵からの直接攻撃を避けられたりといったメリットがある。一方,高いところへ向かうときは移動可能距離が短くなるといったデメリットがあるため,位置取りが非常に重要となるのだ。
マップによっては,高い建物がいくつも配置されていたりして,キャラクターが視界から外れることもしばしば。iPhone/iPod touch版では,マップのスクロールや拡大/縮小,向きの変更といった操作がタッチスクリーンで直感的に行えるので,戦闘中はこういった操作を駆使し,自身のキャラ位置をしっかり把握したいところだ。
オリジナル版FFTには,FINAL FANTASYシリーズを特徴づける要素の一つ「ジョブシステム」が,「ジョブメイキング」という名称で盛り込まれている。
ジョブシステムは,戦士系や魔法使い系といったジョブを状況に応じて使い分けることで,さまざまなプレイスタイルで戦える,シリーズファンに非常に人気の高いシステム。FFTでいうジョブメイキングの特徴は,ジョブとアビリティの組み合わせによってキャラクターを育成できる点で,その組み合わせの数は膨大だ。
このオリジナル版FFTの特徴はiPhone版にもしっかり受け継がれてるので,試行錯誤を重ねながら自分好みのキャラクターに育て上げていこう。
なお,FFTに登場するジョブの種類は以下のとおり。いずれかのジョブとしてキャラクターを育て,一定の条件を満たすことにより,新たなジョブが選べるようになる仕組みだ。
見習い戦士,アイテム士,ナイト,弓使い,モンク,白魔道士,黒魔道士,時魔道士,召喚士,シーフ,話術士,陰陽士,風水士,竜騎士,侍,忍者,算術士,吟遊詩人,踊り子,ものまね士,暗黒騎士,たまねぎ剣士
iPhoneの特性が生かされているものの,細部には不満点も
すでに説明したとおり,iPhone/iPod touch版のFFTでは,インタフェースがタッチスクリーン向けにアレンジされている。
オリジナル版やPSP版では,キャラクターを配置するマスを選択したり,攻撃のターゲットを指定したりするとき,画面上のカーソルを,目標となるマスまで方向キーで動かす必要があった。
一方iPhone版では,カーソルを1マスずつ動かす必要はなく,目標となるマスを直接指で触れるだけでOKなのだ。
また,指を画面に触れたまま左右に動かす,2本の指でつまむ/広げるなどの“iPhone的な”操作で,マップのスクロールや拡大/縮小,向きの変更が行える。今回,iPhoneでFFTを遊んでみて,タッチスクリーンでの操作は,シミュレーションRPGというジャンルによくマッチしていることをあらためて感じた。
とはいえ,iPhoneやiPod touchは画面自体が小さいため,狙ったマスに触れるのがやや難しいことがある。こういった戦術シミュレーションでは,1回のタッチミスが戦況に大きく影響しかねないため,マスの指定は正確に行いたいところ。あらかじめ,狙ったマスを中心に画面を拡大してからタッチするといった手段が効果的だろう。
また,iPhone版に関してはもう一つ,戦闘シーンでカクつきが目立つ点が気になった。今後のアップデートでの改善に期待したい。
なおスクェア・エニックスによると,アップデートのリリース時期は未定ながら,Retinaディスプレイへの対応や,操作性の向上に取り組んでいくとのことだ。
逆に,PSP版からの改善点として,待ち時間がグッと短縮されていることが挙げられる。PSP版をプレイ済みならば,その差を実感できるレベルであるはずだ。
さらに,イベントの一部がスキップ可能になっていることも,地味に嬉しいポイントといえるだろう。
iPhone版FFTは基本的に,PSP版の各要素を受け継ぎつつ,操作方法をタッチスクリーン向けにアレンジした作品に仕上がっている。掲載しているスクリーンショットからも分かるように,グラフィックスもPSP版そのままの雰囲気だ。
もう一度FFTをプレイしたいという人はもちろん,iPhone/iPod touchで,より本格的な作品を遊んでみたい,遊び応えのあるゲームに取り組んでみたいという人にオススメの一作といえるだろう。
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