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「NINJA GAIDEN 3」の体験会で行われた,プロデューサー早矢仕洋介氏のトークショウレポート
集まったファンの前に現れた早矢仕氏は,「NINJA GAIDEN」シリーズは,1988年にアーケード/ファミリーコンピュータで登場した「忍者龍剣伝」と同じシリーズであると最初に説明した。「NINJA GAIDEN」シリーズは,当時のハードウェアで表現できなかった「1人の人間としてのリュウ・ハヤブサ」をしっかりと描いていると話していた。
続いては同氏は,アクションゲームが苦手な人でも最後までクリアできるように調整されているという「ヒーローモード」について言及。難しいイメージのある「NINJA GAIDEN」シリーズだが,「ヒーローモード」を選択すれば,アクションゲームが苦手な人でも最後まで楽しめるという。
また,刀で切りつける感覚を重視した本作は,体の中に刀がめり込んでいくさま,「断骨」をゲーム内で表現している。非常に痛々しい感じがするが,これこそ「NINJA GAIDEN3」のウリといえる要素なので,ぜひプレイして,その感覚を味わってほしいと早矢仕氏は述べた。
トークの後半では,制作課程の苦労話も披露された。本作はハリウッドのスタッフと共に作ったそうなのだが,海外スタッフと日本のスタッフでは「忍者」に対するイメージが違っていたため,制作中は忍者に対するイメージをスタッフ間で融合させ,「世界共通の忍者」作り上げることに注力したとのこと。
「NINJA GAIDEN 3」公式サイト
続いて早矢仕氏によるデモプレイがスタート。使用されたセーブデータは途中からのものとなっており,リュウは刀を持っていない。よって,ここでは弓矢を中心としたバトルが展開され,早矢仕氏はホーミング機能がついた矢を次々と敵にヒットさせていた。
しかし,セレクトした難度がハードモードということもあり,テストで相当プレイしていたであろう早矢仕氏ですらあっさりやられてしまう場面も見られた。
ここで早矢仕氏は,難度をヒーローモードにチェンジ。すると先ほどの苦戦が嘘のように,難なくステージをクリアすることに成功し,初心者でも楽々クリアできることを強調していた。
最後に早矢仕氏は「4年ぶりのナンバリングタイトルということで,大変お待たせしました。大人に向けたアクションゲームはあまりなかったと思いますが,本作は大人に向けたエンターテイメントとして制作しました。ゲームに物足りなさを感じている人には,ぜひプレイしてほしいと思います」とコメントしてトークショウを締めくくった。
トークショウ終了後に,早矢仕氏に話をうかがうことができたので,その内容をを掲載しよう。
4Gamer:
いよいよ発売が来週に迫った「NINJA GAIDEN 3」ですが,今の率直な感想をお願いします。
早矢仕氏:
非常に手応えを感じているのですが,ゲームってお客さんに遊んでもらってこそ意味があると思います。なので,プレイヤーさんからの感想が楽しみであると同時に,すごく緊張もしています。
4Gamer:
ゲームのウリとなる部分をあらためて教えてください。
「NINJA GAIDEN 3」のプロデューサーを務める早矢仕洋介氏 |
本作は一年くらいプロモーションをしてきたのですが,大事なシーンに関しては,ディスクを入れたときの驚きとして取っておいてあります。「あれっ,こんなの知らなかった!」という要素がたくさん入っているので,ぜひ実際にプレイして,たくさんの驚きを体験してほしいですね。
4Gamer:
「NINJA GAIDEN」シリーズは非常に歯ごたえのある作品として知られています。今回「3」を作るに当たって,どのようなことを意識して難度を調整しましたか。
早矢仕氏:
難度に関してはかなり気を使いました。開発中は,前作よりも難度を上げようという意見もありましたし,逆に下げようという意見もありましたね。歯ごたえのあるアクションが「NINJA GAIDEN」だと思っているので,やはり「やり応えのある難度」というテーマは外せません。
ただ,普段ゲームをあまり遊ばない人や,アクションがそこまで得意でない人が楽しめないというのは,それはそれでゲームとしてもったいないです。ですから,今作では難度をプレイ中に変えられるようにしました。こういった対応も,我々からの答えの一つになるのではないでしょうか。
4Gamer:
「NINJA GAIDEN」をずっとプレイしてきた人と「NINJA GAIDENΣ」から入ってきた人など,多くの人が楽しめると考えてよさそうですね。
早矢仕氏:
そうです。また「NINJA GAIDEN」シリーズをまったくプレイしたことがない人でも,十分に楽しめる作品に仕上がっていると思います。
4Gamer:
「NINJA GAIDEN」といえばゴア表現も特徴的ですが,本作のレーティングはCERO Dです。前作はCERO Zだったと思いますが,CERO Dにした狙いはなんでしょうか。
早矢仕氏:
「NINJA GAIDEN 2」は部位欠損があったのでCERO Zでした。今回も議論はあったのですが,ただゴアな方向に進んでいけばいいのかというと,そうでもないのかなと思い,そのあたりは抑えました。NINJA GAIDEN 3は,敵を倒すこと=人を殺すことになっているので,心の痛みとして自分に返ってきます。言ってみれば,心のバイオレンスを描いています。
4Gamer:
なるほど。「心の痛み」をテーマにしているのですね。
早矢仕氏:
今までは敵を倒しても,バタッって倒れて黄色い球が出てくるだけでしたが,今回の敵は,単なる敵じゃなくて「人間」なんです。ほかのジャンルではもう少し現実に近い要素があると思いますが,アクションの場合,ルールに乗っかってしまっている作品が多いような気がします。なので本作では,アクションゲームの中でも,皆さんの住んでいる現実世界と同じようなことが起きている,という風に感じていただきたいと思います。
4Gamer:
最後に読者へメッセージをお願いします。
早矢仕氏:
大人に向けて作られたゲームは少ないと思っています。ですので,20代や30代,それ以上の方々に向けたゲームを,今回は作りました。今のゲームに物足りなさを感じている人はぜひ体験してください。
4Gamer:
ありがとうございました
「NINJA GAIDEN 3」公式サイト
- 関連タイトル:
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