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HITMAN ABSOLUTION

HITMAN ABSOLUTION
公式サイト http://www.square-enix.co.jp/hitman/
発売元・開発元
発売日 2013/01/24
価格 7980円(税込)
ジャンル
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このゲームの読者の評価
85
グラフ
読者レビューについて
 4Gamer読者レビューは,読者の皆さんがご自身の判断で書いたレビューを掲載するためのコーナーです。掲載前には編集部で主に公序良俗面のチェックを行っていますが,掲載されている情報について,4Gamer.netが正確さの保証を行うものではありません。掲載情報のご利用は,読者の皆様自身の判断と責任で行ってください。
 なお,ゲームの評価を表す「GamerScore」は,投稿されたレビューの平均点を表示したものではありません。投稿の傾向を分析・考慮し,補正を加えることで,有用と思われるスコアを目指した形となっております。詳しくは「こちら」をご参照ください。
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  • 素晴らしいステルスゲーム 85
    良い点
    47が帰ってきました。素晴らしいゲームシステムはそのままに、圧倒的なグラフィックとアップグレードしたAIをひっさげて。

    以下はオフ中心のレビュー。

    ・ゲームシステム
    もともとヒットマンはシリーズ通して、素晴らしいレベルデザインを持っており、プレイヤーの発想に応じて無数に攻略法が生まれるゲームシステムは、”ほぼ”そのままです。普通のゲームだと突入してばんばん撃っていけばクリアですが、遠くからスナイプしたり、偶然の事故を装ってターゲットを殺したり、毒を盛ったり…実に多彩な暗殺方法が存在します。それぞれのステージには違ったギミック、そしてちゃんとそれにもヒントが施されているので、攻略サイトがないと実行できない、と言うことはありません。むしろ、目の前にヒントや道具があり、「これをどうやって使おうか」と思索を巡らせるのが最高に楽しいゲームとなっています。変装のバリエーションも増え、それぞれの服がどういう影響や行動範囲をもたらすか、というのもかなり多彩に進化しています。
    また前作と違い、全体を見られるマップがなくなりましたが、その代わりにInstinctという、47が赤外線の様にして敵の居場所やオブジェクトを見渡したりできるシステムが加わり、これが自分自身で探索して策を練る、という楽しみを助長しています。

    ・敵キャラクターとAI
    シリーズ通してAIがちょっとあほでしたが、今回は挙動などもかなりリアルになりました。怪しんだら話しかけてきますし、ルートは単にパターンに合わせて歩いてる、とは思えない感じです。また敵同士の会話などに、素晴らしいディテールのサイドストーリー的なものが含まれており、声優もかなり上手いです。潜入しながら思わず聞き入ってしまうほどです。

    ・戦闘
    前作までは47が万能で敵が弱すぎたので、強行突破しようと思えばいくらでも敵を惨殺、無力化できてしまいました(評価さえ気にしなければ)が、今回はその点がかなり改善されており、ヒットマンは囲まれたら突破するのに結構な銃撃スキルを要求されます。これがこのゲームをスリリングなものにしており、前作のように「とりあえず見つかったらやり直すか、得点を無視して皆殺しにすればいい」というような投げやりなプレイを防いでいます。スローモーガンプレイなどもあり、アクション性もかなり進化しています。

    ・グラフィック
    これはもう圧巻の一言。全てのステージ、オブジェクトに細かい「ゲーム的なマップ」とは全く感じさせないどころか,非常にリアリスティックです。私がこのゲームを最もプレイしていた頃は、日常生活のいろんなものが「オブジェクト」に見えてしまうほどでした笑


    ・プレイ時間
    かなり長く楽しめると思います。
    昨今のゲームで、これだけ一つ一つのディテールが細かいと、だいたいプレイ時間が数時間で終わってしまったり、早い段階で飽きが来てしまいますが、キャンペーンを全てをクリアするのに少なくとも15時間くらいはかかりますし、多くのステージがバラエティがあり、リプレイし甲斐があります。別の暗殺方法を考えて2週、3週はしてしまうような出来です。おまけ、かと思われたオンラインのコントラクトモードも、オリジナルのステージを元にターゲットと方法を変えて、というものでなかなか楽しめます。私はちょこっとしかやっていませんが、このモードは前作のゲームに少し近いかなと思います。
    悪い点
    批判点というか、賛否両論な点

    ・細切れになったマップ
    前回は、一つのミッションが大きな一つのフィールドになっていましたが、今回はそのような単一のマップもあれば、3つ、多いときは6つの分割マップとなっていて、進むと戻れない。まれに、単に隠れて通過するだけのマップもあったりして…古参のファンは嫌がる人もいるみたいです。私も2作目、4作目をプレイしていたので、この仕様はどうかなと思いましたが、一つ突破すればセーブされるので、リプレイがしやすくなっており、しかも一つ一つのマップがすごく細かく作られているので、そういうものかと思ってプレイすれば気にならないでしょう。マップが小さくなった感じもしません。新参の人には逆にいいかも。

    ・セーブポイント
    これはちょっと。前作まではプレイのいかなるポイントでセーブできたのですが、今回はチェックポイント、と呼ばれるものがあり、そこに到達すると、その後そこからやり直せる仕組みになっています。しかしチェックポイントからやり直すと、今まで動かしたギミックや殺した敵の配置が、ターゲットの暗殺以外全てリセットされてしまうので、実際にはセーブではなく、所有物と変装だけ記録するだけのものとなってしまっています。どうにかしてほしかったところですね。

    ・QTE
    これは全体的に昨今のゲームで自分が好きではないものの一つです。ゲーム内の肉弾戦のほとんどがこのクイックタイムイベント(タイミングよくボタンを押して戦闘するやつ)で進みます。大したインパクトもないし緊張感も減るので、意味を感じませんでした。

    ・変装のバレやすさ
    これは賛否両論ですね。前作までは、ハゲで(しかも後頭部にバーコード)いかにも暗殺者みたいな顔した47が、例え何もかぶってなくても、変装して妙な行動さえしなければ誰も怪しまない仕様だったので、リアリティに欠けていました。しかし、今回は同じ服着た人間(つまり同僚)が、仲間の顔を全員覚えていて、近づくだけで変装が速攻でばれます。変装が逆に47を動きにくくするような場面も…。RBボタンでブレンディングをすると防げますが、そのゲージもかなり限定されており、Hardモードではかなりきついです。緊張感を高めていると言えば、そうだけど…

    ・チャレンジとアップグレード
    各ステージには収集する「証拠」や、あるいは殺し方の種類の達成度、のようなものがあり、これが少し蛇足に感じました。入手した得点により47の能力が微妙に上がりますが、これもプレイ中ほとんど気づくことすらないです。さらに、ボトルやブロック片などの細かいアイテムなどもコンプリートできるようになってますが、ほとんど意味がないし、回収した武器が次に持ち込めるとかいう仕様でもないです。逆に本来のゲームから気をそらしてしまっているとさえ思えてあまり好きにはなれません。殺し方のバリエーションに関しては納得できますが、ちょっとネタバレになっちゃってますし。

    Max Payne3やCODシリーズにもこうした情報収集、みたいなシステムがありましたが、これってどれだけゲームプレイに貢献しているのでしょうか?

    ・敵キャラクター
    声優や、キャラの顔の作りや演技がかなりリアルなのにもかかわらず、魅力的なキャラクターがあまり存在せず、敵の最期もかなりあっけないです。予告にもあった、武装した修道女たちが襲ってくるシーンは思わず眉をひそめるくらい唐突で(その後のプレイは面白かったですが)、展開がドラマティックな割に、少々興ざめでした。

    ・ストーリー
    これはキャラクターと論点が重なりますが、味方も含めあまり魅力的な登場人物がいないので、面白そうなストーリーにかかわらず、没頭できない感じがあります。前作はヒットマンが、依頼された仕事を私情なしにプロフェッショナルにこなしていくという感じだったので、ストーリーが1エピソードごとに完結でありながらもつながりがあって、それぞれの敵キャラクター、つまり暗殺の対象にも個性と、時には愛着のようなものを感じたのですが、今回はクリアしてみて、覚えてるキャラと言ったら2〜3人です。ストーリーの中心が、田舎のチンピラに翻弄されて戦う、みたいなのもなんかね。ただボスのキャラはすごく立ってますけど。
    総評
    興味があるなら間違いなく買いです。前作が非常に好きだった私も、今作を同様か、それ以上に楽しめました。
    前作から比べてゲーム性が…という批評に関して、賛否両論点は上記で述べました。ひと味違った、新しいヒットマンだと考えれば、多くは肯定的に捉えることもできます。それでもヒットマンオリジナルの、想像力に富んだ素晴らしいゲーム性は全く失われておらず、特にグラフィックなど、多くの部分で類い稀な進化を遂げています。

    悪い点において、ストーリーに関して文句を言いましたが、冷徹な47が古い友人のために…みたいなのは嫌いではなかったです。助けようとしている少女にも愛着が湧きますし。

    上記の点を補って余りある世界観を見事に作り上げられています。かかしや、ぬいぐるみに変装したりといった、独特の洋ゲージョークも健在です笑。暗いステージも多いですが、野外の開放的なステージや人混みの多い中華街、ストリップクラブやホテルなど、実にいろんなギミックや状況を楽しめるゲームです。

    ゲームそのものに対しては90点かそれ以上あげたいですが実際上記の点に少しストレスを感じたのは確かなので85です。ただこのゲームに対して覚えた中毒性は否定できません。ロードも短くて超快適。お楽しみあれ!
    プレイ時間
    10〜20時間
    グラフィックス サウンド 快適さ/運営 熱中度/ストーリー ボリューム
    5 5 4 4 5
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