プレイレポート
エンディングまで遊べちゃう!? 太っ腹なPSP「ラグナロク 〜光と闇の皇女」体験版が本日配信開始。一足先に体験したプレイレポートを掲載しよう
本作は,職業やスキル,アイテムなどROの世界観をベースにしたシミュレーションRPGで,グランツリッター半島というオリジナルの世界で繰り広げられる戦争と,それを取り巻く人々の姿を描いた群像劇となっている。
その体験版「The First Ending版」(以下,FE版)の配信が,本日(2011年9月29日)開始された。この体験版の凄いところは,3つあるストーリーのうち一つのストーリーを,エンディングまで丸々プレイできるというところ。今回,FE版を一足先にプレイできたので,簡単な攻略を含めてその内容を紹介していこう。
公式サイト内「The First Ending版」の配信ページ
「ラグナロク 〜光と闇の皇女〜」公式サイト
FE版では,トレーネルートをエンディングまでプレイ可能となっており,クリアすると,ちゃんとエンディングやスタッフロールも見ることができる。クリアデータを使って2周目もプレイできるうえ,製品版にも引き継ぐことができるので,発売前にガンガン遊んでおくのもアリだ。
その一方,いくつか制限がかかっている。ダークナイト,シャーマン,カプラ,ジョンダの4職業は,FE版では作成できない。元々これらの職業は2周目以降に作成が可能なのだが,FE版で2周目をプレイしても作ることはできない。また,サブストーリーや,やり込み系ダンジョンの蜃気楼の塔では,イベント自体は発生するもののプレイすることができないようになっている。これらについては,製品版をお楽しみにといったところだ。
国のためでなく,人のために戦うトレーネ義勇団ルート
ギルドを編成して,戦乱の世から人々を守れ
本作の舞台となるグランツリッター半島では,連合国家アウラとブランシャルド皇国による勢力争いが起こっており,中立的な立場を取るトレーネ義勇団は物語のなかで,この2国間の戦争に巻き込まれていく。
ストーリーは第3話までは全ルート共通で,トレーネ義勇団のトレーネと連合国家アウラの少年ユーリ,ブランシャルド皇国の少女シンシアが,魔物討伐のために共闘することになる。
第4話からは,トレーネルートやアウラ,ブランシャルドなどの各勢力のルートを任意で選べるようになっていて,どれを選び続けていくかによって最終的なエンディングが確定する。FE版では,トレーネと行動を共にするトレーネルートを最後までプレイすることができる。
トレーネルートは,アウラとブランシャルドとの戦争の中で,村などで暴れる兵士や盗賊,そして頻繁に出現するようになった魔物から人々を守るトレーネ達を描いた物語だ。そして魔物出現の原因を追っていくうちに……と,ここから先はFE版をプレイして確かめてもらいたい。
第4話になると,街にある「リルテの酒場」でギルドメンバーが雇用(作成)可能になる。前述した制限のかかっている職業を除いた10職業から自由にキャラクターメイキングが可能だ。「リルテの酒場」では職業と性別,名前を決めるだけで,ヘアスタイルや年齢は,キャラクターメイク後に変更できる。
また,多少お金がかかるが,この際に作成したキャラクターを主人公と同じレベルまで引き上げることもできる。第4話序盤のフリーバトルはわりと難度が高く,仮にLv1のキャラクターをたくさん連れて行っても,全滅するリスクはそれなりに高いはず。もしキャラクターを作るならば,お金を払ってでもなるべくレベルの高い仲間を作るほうが,楽にゲームが進められるだろう。
イベント,フリーバトル共に出撃できるのは最大8ユニット。第4話からは主人公,トレーネ,フィオナで3ユニットがほぼ確定するので,まずは残り5ユニット分を埋めるキャラクターを作成しよう。個人的にはスナイパーをお勧めしたい。十字方向に限るが,最大射程5という攻撃範囲の広さは非常に使い勝手が良い。DEXにのみパラメータを集中させることで,SPDと攻撃力アップの両立が可能なのも魅力だ。
サクサク進める難度のイベントバトル
でもフリーバトルの難度は少々高め?
ゲームの流れは,大きく3つのパートに分けられる。
まずは物語の流れを追うアドベンチャーパート。ここではキャラクターと会話を進めながら,ときおり出現する選択肢を選んでいく。FE版ではどの選択肢を選んでも物語に影響は見られないが,ルートを自由に選べる製品版では選択肢によって物語が変化することもありそうだ。
2つ目のワールドマップパートでは,街に入って買い物や情報収集をしたり,メインイベントやフリーバトルを選んで戦ったりできる。
街で得られる情報は話数によって変化するので,マメに聞いておこう。また,ショップに並ぶ品揃えもゲームの進行と共に増えていくので,強くなっていく敵と戦うためにもしっかりと装備を調えたい。
ショップに並ぶアイテムは,ROを遊んでいる人にはお馴染みのものばかり。店員のカプラさんは,街によって微妙に姿が異なるのでFE版が配信されたら見比べてみよう | |
街の人と話すことで,さまざまな情報を得られる。日常的な話もあれば,オーバードライブで発動する特殊攻撃や,転職で覚えられる特殊スキルの情報などが得られることも…… |
そのほかにも人物相関図やフローチャートの参照を見ることも可能だ。また,充実したヘルプ機能は,ワールドマップパートだけではなく,いつでも参照できる。FE版にはマニュアルがないので,何か分からないことがあったらヘルプを参照しよう。
フローチャートを見ると,どのルートを通ってきたかが一目で分かる。FE版では一本道だが,製品版ではどのルートを選ぶかで悩むこともありそうだ |
充実したヘルプのおかげで,たいていのことはこれを読めば理解できる |
そして3つ目がゲームのメインとも言えるシミュレーションパートだ。
敵味方すべてを引っくるめて,SPDのパラメータで行動順番が決まるタイプのシミュレーションRPGで,イベントバトルのバランスは以前にプロデューサーが話していたとおり,最初はちょっと難しめという印象がある(関連記事)。ただこれは,システムに慣れるまでの話で,遊び方が理解できればそれほど難しくは感じられない。「難しい!」と感じる人は,装備品を使って味方ユニットのSPDを同じぐらいに揃えると戦いやすくなるはずだ。また,状態回復アイテムやHP回復用のポーションをいくつか購入しておくと,いざというときに役に立つだろう。
逆にフリーバトルのバランスは,難しめになっていて,とくに序盤はなかなか歯ごたえがある。フリーバトルは,装備品などの購入費用を稼いだり,レベルが低いキャラクターをパワーレベリングして育成するときに使う程度で良さそうだ。
敵への攻撃は,横や背後からが基本。正面から攻撃するよりも,多くのダメージが与えられる。敵から受ける攻撃も同じなので,戦闘後に向く方向には気を付けたい |
ROでお馴染みの「座る」(ラグヒカでは「しゃがむ」)は意外と重要。HPやSPが減ったら,安全な場所で座って回復させよう。ただし,このときに攻撃を受けると大ダメージを受けるので注意 |
戦闘の目玉といえるオーバードライブとバーストストライクは,使い方が分かってくると俄然戦闘が楽しくなってくる。とくに複数のユニットが協力して攻撃を繰り出すバーストストライクは,敵を撃破するだけでなく,攻撃力が低いハイプリーストや低レベルのキャラクターの育成にももってこいだ。序盤では使用回数が少ないため多用できないが,中盤以降は積極的に使っていくと良いだろう。
オーバードライブは,バーストストライクと違って,1ターンで最大4つのスキルを同時に繰り出し,キャラ単体で大ダメージが与えられる特殊攻撃だ。各ユニットにつき1マップで1度しか使えないが,ここぞというときに頼りになる。オーバードライブには特殊演出が入るスキルの組み合わせがあるが,これについては1周目ではあまりお目にかかれないかもしれない。というのも,組み合わせに必要なスキルを覚えきる前にゲームをクリアすることができるからだ。
本番は2週目以降!?
ソフト発売まで周回を重ねるのは大いにアリだ
最後にFE版クリア後の話をしておこう。クリアしたのちに,最初からプレイするとキャラクターのレベルやアイテムを引き継いだまま第1話からスタートできる。もう一度主人公リトのキャラクターメイキングをすることになるが,能力は引き継いでいるので安心してほしい。ただ,引き継いだ装備などのことを考えると,1周目と同じ職業を選んだほうが良いかもしれない。
2周目で大きく変っている点は3つ。
一つはイベントバトルに出現する敵とレベルが変更されていること。2周目の第1話のイベントバトルに出現する敵のレベルは9以上あり,2周目を想定した難度になっている。1周目では覚えきれないスキルも多々あるので,本番は2周目からかもしれない。リトやトレーネは,トレーネルートで手に入れた装備をすべてを引き継いでいるが,別のルートになるユーリとシンシアは,レベルこそ高いものの装備が弱いので注意して戦おう。
もう一つはショップで販売している装備品だ。1周目よりもグレードの高い装備が並んでいて,2周目に出現する敵に力負けしないようになっている。ただし,値段も高くなるのでしっかりとフリーバトルでお金を稼ごう。
そして最後にラグヒカのポイントとなるシステム「アイズシステム」(以下,A.I.Z)が使用可能になることだ。これは過去の各話イベントシーンを遡って見ることができるシステムで,イベントバトルクリア時に得られるポイントを消費して,クリア済みのほかの勢力の状況も観察でき,物語全体を俯瞰的に眺められるようになる。FE版ではトレーネ義勇団ルートしかプレイできないためA.I.Zの本領を発揮できないのが残念だ。物語の真相は製品版に譲ることとしよう。
本当に最後まで遊べちゃっていいんだろうか? そんな心配をしてしまうラグヒカFE版。想像していたよりも難しくはなく,楽しめたゲームだというのが正直な感想だ。以前のインタビューで,ヘルプ機能など初心者に配慮しているとのことだったが,その点についても申し分なかった。
なお,1周目をクリアするのに,筆者は約18〜20時間ほどを要した。これでクリアとするなら昨今のゲームにしてはボリュームは少なめに感じるが,本作は2周目,3周目を前提とした作りになっているので,3ルート通してみると全ルートクリアで60時間ほどになる計算だ。
さらにFE版ではプレイできなかった,コンテンツを含めると製品版はかなりのボリュームになり,腰を据えてじっくりとプレイできるだろう。FE版のデータは製品版にも持ち越せるので,まずはFE版でラグヒカを体験して,気に入ったらそのまま,10月27日発売の製品版で遊んでみよう。
公式サイト内「The First Ending版」の配信ページ
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ラグナロク 〜光と闇の皇女〜
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