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    印刷2011/05/28 00:00

    インタビュー

    「俺の屍を越えてゆけ」12年越しのリメイクに桝田省治氏は何を思うのか。俺屍から「まおゆう」の話題まで,多岐にわたったロングインタビューを掲載

     1999年にソニー・コンピュータエンタテインメントから発売されたPlayStation用ソフト「俺の屍を越えてゆけ」(以下,俺屍)は,世代交代という要素に主眼の置かれた,一風変わったRPGだ。その個性的なゲームシステムや世界観により,熱いファン達を生み出したタイトルである。
     2011年3月には,そんな俺屍のリメイク版が開発中であることが発表され,2011年秋の発売に向けて,少しずつ情報が明らかになってきている。

    画像集#027のサムネイル/「俺の屍を越えてゆけ」12年越しのリメイクに桝田省治氏は何を思うのか。俺屍から「まおゆう」の話題まで,多岐にわたったロングインタビューを掲載

    「俺の屍を越えてゆけ」公式サイト


     4Gamerでは,そんな俺屍のゲームデザイナーとして知られる桝田省治氏にインタビューを行い,ゲームのこと,ファンのこと,桝田氏自身こと,いろいろな話を聞いてみた。
     12年越しのリメイクとなる俺屍について,桝田氏は何を考え,どういう心持ちで制作に取り組んでいるのだろうか。オリジナル版からの変更点や追加要素の話から,昨今話題の桝田氏プロデュースのファンタジー小説「まおゆう」の話題まで,俺屍&桝田ファン必見の内容を早速お伝えしたい。

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    4Gamer:
     本日はよろしくお願いします。
     まず俺屍リメイク版についてですが,ぶっちゃけてお聞きしたいのが,あれは「2」への布石なのか,というところです。

    桝田省治(ますだしょうじ):「天外魔境II」や「リンダキューブ」「俺の屍を越えてゆけ」など,数多くの名作を世に送り出してきたゲームデザイナー。近年は,小説家としても活動しており,最新刊は「傷だらけのビーナ」や「透明の猫と年上の妹 <3LDK-RPG>」など
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    桝田氏:
     いきなりだねぇ(笑)。

    4Gamer:
     というのも,そもそもの話の経緯からすると,以前に桝田さんから「俺の屍を越えてゆけ2」の企画書を出しますという発表があって,そこから1年ぐらい経って,今回のリメイク版が発表された流れじゃないですか。なので,当初出したはずの“2の企画書”の話はどうなったのか,というのが気になっているファンは多いと思うんですよね。

    桝田氏:
     そこはまぁ,やっぱり「リメイク版の売れ行き次第」って感じだよね。それ以上のことは何も決まってないし,まだ誰も何も言えないと思う。

    4Gamer:
     まぁ,そういう回答になりますよね。

    桝田氏:
     ただ僕自身は,「2をやるつもり」で考えているし,その心持ちで動いているよ。SCE側だって当然続編のことを考えてるだろうし,リメイク版の売れ行き次第で,続編が行けそうだねってなれば,そりゃ検討すると思う。まあ,今の感じからいけば,いいところに着地するんじゃないかしらとは思うけれど。

    4Gamer:
     なるほど。桝田さんは,Twitter上で企画メモみたいなものをつぶやかれているじゃないですか。その中にはしれっと2に関するアイデアも含まれていて,俺屍ファンは,どうしても期待しちゃうと思うんですよ。

    桝田氏:
     そりゃあ,予算が下りれば僕は作るつもりだけどね。

    4Gamer:
     リメイク版も期待してますけど,続編も出てほしいんですよね。

    桝田氏:
     これはぶっちゃけた話だけどさ,「俺屍の続編を作ってください」っていう声は,昔から本当にたくさんあったのよ。それに応えて,正統な俺屍の続編,あるいは原始時代とか近未来で俺屍みたいなシステムを持ってきたらどうなるか,なんていう思いついたことを,作らなくてもメモとして書き残しておくじゃない。そうすると,それを見たファンからは,イメージが分かりやすい正統な続編へのコメントがいっぱいくるんだけど,その内容が妙に“アツい”んだよね。発売から何年も経ってるのにさ。

    4Gamer:
     発売されたのなんて1999年ですからね。

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    桝田氏:
     ネット上で,自分たちの一族の自慢の子供の合同葬儀をやろうなんて人もいてさ。俺屍というタイトルは,とにかくプレイヤーに熱があるんだ。そういうの見てるとさ,ビジネス的にも続編出せるだろうとか思うわけよ。それで,2の企画をちょっとマジメに作ろうかって考え始めた。

    4Gamer:
     今って,リメイクが発表されて,ファンは盛り上がっていて,2への期待も高まっているじゃないですか。そんな中で,桝田さんはどういったことを考えながら,リメイク版,あるいは2の企画を練っているんですか?

    桝田氏:
     2の企画の話で言えば,1のシステムを引き継ぎながら新しい要素を入れていくって中で,「プレイヤーの立場を入れ替えちゃおう」みたいなこと考えてるのさ。具体的にいうと,体制側(俺屍の主人公は,朝廷の家来だった)から反体制側にすることによって,ずいぶん見え方が変わってくるなってことに気付いて。
     で,企画なり仕様なりを考える時に,それをシステムに落とし込んでいくわけだけど,アイデアを詰めた段階で8~9割は面白さが読めるんだけど,あとの1~2割は自分でもどう面白いのか分からない部分っていうのがあるのよ。僕のゲーム制作過程の中で,その状態っていうのが一番楽しいんだよ。喩えるなら,学者が「理論的にはこうなるはずだ」って仮説を立てた段階というかね。

    4Gamer:
     つまりは,その理論を実験してどうなるか試してみたい状態なんですね。

    桝田氏:
     そうそうそう! で,その仮説を実証する(形にしてみる)には,そのための施設が必要だったり,予算が必要だったりするわけじゃない。そういう状況に僕があったわけ。こういうこと思いついちゃったんだけど,これを動かしたら実際にはどんなことが起きるんだろうっていうのが,だいたいは分かる。でもこうなったときにはどうなるんだとか,まだちょっと分かんない部分があるのさ。それを実際に「ゲームとして組み立ててみたい」わけ。

    4Gamer:
     その分からないというのは,ファンの反応がどうなるかって話ではなく,完成形になったときにどう見えるかってことですか?

    桝田氏:
     どちらもだね。別に2に限った話じゃないんだけど,自分から何かをやりたいときって,僕にとってはそういうことなんだよ。本当に面白いのかが分かんない状態が,一番ワクワクする。
     もちろん仕事だから,こういうの作ってくださいって言われれば,ちゃんと計算してオーダーに応えることも,プロだからやるんだけどさ。自分からやりたいっていうのは,そういう半完成形の何かなんだよね。

    4Gamer:
     なるほど。その姿勢って,創作活動に対するモチベーションのひとつのあり方なのかも……。

    桝田氏:
     実際にはそこで予算がついたり,どのハードで出すかが決まったりすると制限が出てくるから,具体的に落とし込むにしても,また変わってくるけどね。

    4Gamer:
     制限といえば,例えば面白い企画なりアイデアがあって,それを形にするためにはお金が必要ですっていう話になるじゃないですか。しかし昨今は,企画の正否が“かなりクリアに見えないと予算が下りない”ような状況になっていて,チャレンジできない閉塞感みたいなものがありますよね。そういう風潮に対して,桝田さんは思うことはありますか?

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    桝田氏:
     んー,でもしょうがないよね,それは。僕の場合だって,俺屍のリメイクが形になったのは,SCEの人達がやりましょうよって賛同してくれて,やれるような環境を何か月もかけて社内で調整してくれたからなんだし。俺屍に限らず,ほかにもいくつかそういうのがあってさ,それが12年かかってやっとチャンスがまわってくることもあるし,まわってこないこともあるわな。
     「勇者死す。」だって,8年だか10年越しで実現した企画だよ。あれを思いついたころなんて,ケータイでゲームなんて考えられなかったから,ケータイ用になるなんてまったく想定してなかったわけだし。

    4Gamer:
     しかし,俺屍のリメイクを作ることになった決定的な要因って何だったんですか?

    桝田氏:
     それはいくつか要素はあるだろうけど,一番大きいのはやっぱりゲームアーカイブスでそれなりの数字を出してるってことじゃないかな。

    4Gamer:
     ゲームアーカイブスではどのぐらい売れているんですか?

    桝田氏:
     10万本ぐらいかな。俺屍ってさ,ブランド力が見えにくいんだよね。売れたゲームって,だいたいが発売から1週間とか1か月とかの間に,8~9割をセールスとして出してるじゃない。それってすごく“見える”んだよね。「50万本売れました!」とかメディアにボンって上がったりするでしょ。

    4Gamer:
     時代を一瞬でも制するというか,その“売れた”っていう勢いが誰の目にも明らかになりますよね。

    桝田氏:
     そうなんだよ。でも俺屍ってさ,パッケージ版は最初の1か月で2万本ぐらいしか売れてないんだよ。当時,慢性的な品切れを繰り返していて,ちょっと作っちゃ売り切れみたいなことを繰り返してたけど,それでも最初の1年で売れたのって,廉価版とかも含めたトータルの1/3もないんだよね。

    4Gamer:
     パッケージ版の販売本数って,トータルではどのぐらいなのでしょう。

    桝田氏:
     廉価版とか入れて3回出てるんだけど,パッケージは全部足して40万弱ぐらいだね。

    4Gamer:
     いわゆる「ジワ売れ」タイプのタイトルですよね。アーカイブス版は10万ダウンロード超でしたっけ? それを足せば,全部で50万本ぐらいのセールスなわけですね。

    桝田氏:
     アーカイブスもそうなんだよ。バカ売れってわけじゃないんだけど,販売実績の報告書を見ると,「今月もありがとう!」みたいな数字でさ。アーカイブスで配信してから4年ぐらい経つのに,月間の実売でウン千ダウンロードとか出たりするわけだ。

    4Gamer:
     俺屍の新規プレイヤーが今でも増え続けてるってことですよね。

    画像集#036のサムネイル/「俺の屍を越えてゆけ」12年越しのリメイクに桝田省治氏は何を思うのか。俺屍から「まおゆう」の話題まで,多岐にわたったロングインタビューを掲載

    桝田氏:
     それに,そこまで多いわけではないけど,意外と海外のプレイヤーもいたりするんだよね。とくに中国人。日本語が読めなくても,漢字でなんとなく分かるからなのかな。RPGにしては,俺屍ってあんまりテキストを読ませるゲームではないしね。

    4Gamer:
     俺屍のパッケージ版って,海外でも発売されたのですか?

    桝田氏:
     数は少ないけど,アジア圏の一部でされてるね。北米欧州ではされてないかな。
     でも,リメイク版のティザーサイトを立ち上げたときに,海外の人のTwitterで「ORESHIKA Teaser Site」なんてつぶやいてるの見たよ。

    4Gamer:
     海外の人も俺屍っていう略称を使うんですか(笑)。
     ところで,今回のリメイク版を作るかどうかを判断するにあたっては,いわゆるブランディング調査みたいものをされたと思うんですよ。そこで面白い発見や,決め手になった要因があったりはしたんですか?

    桝田氏:
     一般人も含めたうえで,「このタイトルを知ってますか?」みたいな調査はやったかな。それで,今のゲーム市場の人数と,PSP所持者みたいなもので掛け合わせてみたときに,このタイトルに関してはこれぐらいのターゲット層がいるでしょうっていうのを調べてみたら,オリジナル版の俺屍の販売本数より全然多かった(苦笑)。

    4Gamer:
     手には取っていないけど,俺屍というタイトルを知ってる人……つまり潜在顧客が多いってことですか?

    桝田氏:
     そう。それと同時に,プレイした人は俺屍に満足しているか,リメイクや続編を希望しているかっていうのも調べてみたら,これがまた凄かったんだよ。まず90%以上の人達が非常に満足していて,さらに95%の人がリメイクを求めてる。しかも続編をやりたいって人は99%もいたの。

    4Gamer:
     99%! いくらアンケートに答えている人が俺屍ファン中心だろうといっても,そんな数値普通でないですよね。なんというか俺屍って,製品版が出ていた当時よりも,今のほうが断然盛り上がっていて,ブランド力もある。とても不思議なタイトルだと思うんですよね。

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    桝田氏:
     ここ10年でそうなった理由は,ひとつは個人のブログやニコニコ動画とか,ネットコミュニティの存在が大きいと思うよ。やっぱりさ,発売当時って俺屍やってる人がクラスで一人だったりして,話す人がいなかったわけじゃない。それが今じゃ,ブログとかで俺屍プレイ日記みたいなのを覗けて,自分だけじゃないっていうのが分かる。

    4Gamer:
     Mixiのコミュニティにもかなりの人がいますよ。

    桝田氏:
     けっこう大きいよね。8000人ぐらいだっけ?
     あとはやっぱり,ニコニコ動画だよね。俺屍ほどプレイしてみないと面白さが分からないゲームはないのに,それを見せてる人達がいっぱいいるわけじゃない。あの環境は大きいと思うよ。

    4Gamer:
     ゲームアーカイブス版が出たことで,評判を耳にしてから「やってみよう!」というまでの距離がだいぶ縮まっていますし,そういうのを見て,俺屍に興味を持った人が新規プレイヤーとして参入しているんでしょうね。

    桝田氏:
     地味なゲームでも面白さが伝わる環境っていうのは,ここ10年で整ってきたんじゃないかな。

    4Gamer:
     ただ,ネット界隈のマーケティング云々みたいなところで言うと,そうした地味な作品が脚光を浴びる可能性が出てきたよね,という話がある一方で,逆に話題が一極集中してしまう傾向が強くなっている……みたいな話もあると思うんですよ。
     いわゆる「ロングテール」とか「検索エンジンのおかげで良い物が発見される時代になった」みたいな話があるなかで,逆に昨今は,Twitterなどのようなツールが普及して情報の伝播速度がもの凄く速くなった結果として,煽られたもの,盛り上がったものに釣られてしまうケースも多いと言いますか。

    桝田氏:
     それはあるよね。いわゆるソーシャルゲームなんかも,「3か月で作りました,今ならこの話題にピッタリ!」って感じで,ワーって稼いで,サっと逃げるみたいやり方もあるじゃない。

    4Gamer:
     ああいうのは,話題性の商売なんですよね。マーケティング重視,広告費重視みたいな世界になっている。例外はもちろんありますけど,1000個あるコンテンツの中から面白い1個を発見してもらって,さらにそれを口コミで広げるっていうのは,なかなか難しいと感じています。
     でも,そんな中で俺屍は10年以上経っても色褪せない,今遊んでもやっぱり楽しいタイトルなんですよ。今でもファンの支持が失われない理由って,どこにあると思いますか?

    桝田氏:
     ひとつは,やるたびに違うってところだよね。その違うっていうのは,同じ人がやるたびに違うっていうのと,ネットなり友達なりのほかにやってる人達と展開が違うって部分。
     もうひとつは,世代交代に特化したゲームだからってこともあると思うよ。

    4Gamer:
     かなり珍しいアプローチのタイトルなのは間違いないですね。

    桝田氏:
     狭いニッチな市場だけど,本当にそこに特化していてトップブランドであり続けているから,支持されてるんじゃないかな。それしかないもんね,俺屍って。

    4Gamer:
     コンテンツの売り方を考えたときに,よりマスに向けて面で商売をするやり方と,ニッチだけどトップブランドみたいな二つの方法論があると思うんですが,俺屍はまさに後者を体現してうまくいった例だと感じるんですよね。

    桝田氏:
     あとは,ここ10年での感触だけど,大人でゲームを続けてる人達っていうのが,ある大きさ(市場)でいるからじゃないかな。逆にいうと子供が減ってきたってことかもしれないけどさ。

    4Gamer:
     ただ,大人(社会人)のプレイヤーは,時間を捻出するのが結構大変だったりもするので,プレイ時間が長くなるRPGは厳しいのかな,という印象もあるんですけど。

    桝田氏:
     その点でいうと俺屍は,細切れにプレイできる点がマッチしているのかもしれないね。お話もないし。それにストーリーに頼ってるゲームって,一回やったらその作品の9割くらいは消費しきってしまうじゃない。でも俺屍は,プレイヤーがやったことの成功とか失敗それ自体が物語なので,プレイヤーが自分のペースで盛り上がれるんだよね。

    4Gamer:
     なるほど。そういえば,俺屍のシナリオって,なんというか,プラモデルの説明書を見てる気分になるんですよね。

    桝田氏:
     ああ……よく分かるよ(笑)。

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    4Gamer:
     映画みたいに一本のストーリーを追っていくのではなく,おもちゃがあって,そこに添えられた説明書があって,シナリオの覚書みたいなのがあって,それを見てちょっとニヤニヤする感じなんですよね。俺屍のストーリーテリングって。
     実際にゲーム中での話の展開のされ方も,一本道というよりは,合間合間に語りかけてきて,「こういう裏話がある」みたいな流れになっている。そういうのって意識して作られてるんですか?

    桝田氏:
     そうだね。まず「答え」を出さないようにしてるよ。あと,俺屍で語られている情報っていうのは,全部「過去に起こったこと」なんだよね。ゲームの中の現在進行形の物語は,あくまでもプレイヤー(の一族)がやったこと,という位置づけなんだ。

    4Gamer:
     あ,なるほど。何か凄くしっくり来ました。確かに俺屍の物語構造って,プレイヤーが作る物語(今,起きていること)と,ゲーム中の語り部が語る昔話の2つの軸で構成されてますね。

    桝田氏:
     これは,推理小説でもときどきあるパターンだよね。事件があって,犯人も殺されたヤツもわかってるんだけど,その因縁話でずっといく話ってあるでしょ。ああいう手法なんだよ。

    4Gamer:
     あくまでも「プレイヤーの体験」が物語の中心になっているのは,俺屍の象徴的な部分ですね。プレイ中の印象に残っているシーンも,例えば「健康値が高かったのに,若くして死んじゃった!」みたいなことだったりしますし(笑)。

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