毎春恒例の業界イベントとして日本でも広く認知された感のある
「Game Developers Conference」(以下,GDC)が,2011年も米サンフランシスコ市の中心街にあるMoscone Center(モスコーニセンター)で開幕した。会期は,現地時間2011年2月28日から,3月4日までの5日間だ。
GDC 2011の会場となるMoscone Center |
GDC 2011は,1987年の第1回から数えて25周年という節目にあたる。第1回は,著名なゲームデザイナーであり,「The Art of Computer Game Design」(邦題:
クロフォードのゲームデザイン論)などといった著作でも知られるChris Crawford(クリス・クロフォード)氏の呼びかけによって,ゲーム開発者が27人集まったという,こじんまりしたものだった。それが現在では,世界中から1万8000人以上もの業界関係者を集めるという,大規模なイベントに成長している。
さて,そんな25回目のGDCを記念してか,今年は「All Star Classic Game Postmortem」(業界オールスターによるクラシックゲーム回顧録)という特別セミナーが開催される。このセミナーには,
- 「パックマン」の岩谷 徹氏
- 「バンゲリング・ベイ」のWill Wright(ウィル・ライト)氏
- 「ポピュラス」のPeter Molyneux(ピーター・モリニュー)氏
- 「DOOM」のJohn Romero(ジョン・ロメロ)
- 「マーブルマッドネス」のMark Cerny(マークサーニー)氏
をはじめ,業界の著名人12名が集まる予定になっており,過去の名作に関する感想戦(Postmortem)を行うという面白い企画になるようだ。
また,GDCの メインイベントとも言える基調講演には,任天堂の岩田 聡氏が登壇する予定になっている。
トピックは,「ゲーム業界の25年間を振り返りつつ,ゲームの未来を見据える」というものになっているのだが,任天堂を率いる同氏はこれまで,2005年,2006年,そして2009年の過去3回登場し,いずれのタイミングでも,ハードウェアやファーストパーティタイトルの大きな発表を行っている。
それだけに,何らかの新発表があるのではと期待も高まるところだ。その内容には注目しておきたい。
5日間合計でセミナー数は400超
新作タイトルの発表も
5日間の合計で400種を越える一般セミナーでは,Facebookゲームのデベロッパを対象にしたものなど,ゲーム業界における新興勢力の台頭が著しい傾向が続くが,今年はGoogleといった新顔が参加しているのも目をひく。もちろん例年のように,ゲームデザインやプログラミング,プロダクション,サウンド/オーディオ,ビジュアルアートのような講義や,初日と2日めで重点的に開催される,インディーズゲームにソーシャルゲーム,モバイルゲーム,シリアスゲーム,ローカライゼーションといった各種「Summit」にも,興味深い議題は多い。
また,最近の傾向として,GDCを利用して新作タイトルの発表を行うゲーム会社が増えてきていることも指摘でき,実際,2011年のGDCでも,いくつかの発表が予定されているようだ。全体として,相当に盛りだくさんな内容といえるが,サンフランシスコに送り込まれた4Gamer取材班としては,できるかぎり魅力あるGDC 2011の様子をお伝えしていくので,期待してほしい。