レビュー
闇の力を身につけた男を主人公にしたホラータッチのFPS
ダークネス2
デーモンアームの操作感が斬新な注目の新作登場
テイクツー・インタラクティブ・ジャパンが2012年2月23日にリリースする新作タイトル,「ダークネス2」(PlayStation 3/Xbox 360)。2008年に日本でリリースされた「The Darkness」の続編となる本作は,闇の力“ダークネス”を使いこなす男,ジャッキー・エスタカードを主人公としたFPSだ。
「ダークネス2」公式サイト
闇の力の象徴となる“デーモンアーム”を使ったアクションが,前作以上にポイントとなっている本作だが,今回テイクツー・インタラクティブ・ジャパンの厚意により,発売直前となるバージョンをテストする機会が得られたので,そのプレイフィールをここでお伝えしよう。
なお,プレイしたのはXbox 360版で,ボタン表記などについてもそちらに準じたものとなっている。
殺された恋人,ジェニーの復讐を前作で果たし,闇の力を封印して,今やマフィアのボスとして多くの手下を従えているというのが今回の主人公の立ち位置。そんなジャッキーに襲いかかるのが,彼の持つ闇の力を狙う“ブラザーフッド”という謎の組織で,続編である本作では,彼らとの抗争が中心になる。
これまでのストーリーについてはゲーム中でも語られることになるので,前作をプレイしていなくてもとくに困ることはないはずだ。実際,筆者も前作をプレイしていないが,物語にはすんなりと入り込めた。
ゲーム序盤のとある事件をきっかけにジャッキーが持つ闇の力が復活し,本作の最大の特徴である「クアッド・ウィールディング」(4刀流)が行えるようになる。これは,通常のジャッキーの腕とは別に,2本の“デーモンアーム”を使ったアクションのことだ。デーモンアームはコントローラのLB/RBボタンにアサインされ,左のデーモンアームは周囲のオブジェクトや敵を掴んだり投げたりするのに使い,右は敵を直接攻撃するという役目を持っている。従来のFPSのゲームシステムにこれらのアクションが追加されたことで,本作は,他のFPSタイトルとはかなり異なるゲーム性/操作感を持つことになったのだ。
とはいえこの不気味なデーモンアーム,ほかのFPSにはまずない操作方法であるだけに,自在に扱えるようになるには少々慣れが必要かもしれない。そもそもLT/RT(ジャッキー本来の腕での武器の射撃)とLB/RB(デーモンアーム)の4つのボタンを状況によって瞬時に使い分けるというFPSは,筆者もこれまで触ったことがなく,プレイ序盤ではその独自の操作感覚に慣れるまで苦労した。
こう書くとかなり難しい印象を与えてしまいそうだが,実際はこれらをまったく同時に使う必要はなく,遠くの敵は通常のFPSのように銃を使って攻撃し,近距離攻撃を行うときにはデーモンアームを使うと考え方を切り換えてプレイすれば,慣れも早いだろうし,ゲームを始めるのにことさら構える必要もないだろう。
さて,デーモンアームは銃以上に応用が利き,例えば車の扉をはがして盾にしたり,落ちているオブジェクトを拾って敵に投げつけたりと,変化に富んだアクションが行える。応用を含め,自在に扱えるようになれば,これまでのFPSにはなかった爽快感や達成感を味わえるはずだ。
なお前作同様,闇の力は光が苦手であり,光源の下ではデーモンアームが使えず,ひいては体力回復もできなくなり,極端に戦闘力が落ちてしまう。したがって,そこに照明などがあるときは,銃などであらかじめそれを破壊する必要が生じるわけだ。撃って壊せない照明器具には別に電源が存在していたり,あるいは敵が光を武器として使ってきたりなど,光の存在がゲームのレベルデザインに密接に関わっている。したがって,このことを常に意識しておくことが,ゲームを進めるうえで重要となる。
ジャッキーのスキルツリー |
スキルはステージにある“深淵”というポイントで入手できる。スキルツリーを少しずつ解放してパワーアップしていこう |
こうしたさまざまなスキルによって苦手な要素を補ったり,さらなる強い力を身につけていくことができるのだが,4系統に分かれたスキルはツリー状に配置されているため,順番に獲得していかなくてはならない。すべてのスキルを解放するには,かなりの量の闇のエキスが必要となるはずなので,まずは自分に必要なもの,プレイスタイルに合ったものから使っていくのが良いだろう。
ジャッキーの手下としてミッションに挑む,オンラインCo-op
さらに,本作のもう一つの売りである「VENDETTA」(ヴェンデッタ)も,短時間ながらプレイできた。
こちらは最大4人が参加できるオンラインCo-op(協力モード)で,本編とは少々趣の異なる内容になっている。主役となるのは,ジャッキーの組織に所属するヒットマンという男女4人だ。
このモードはシングルプレイモードと同じ時間軸で進行しており,プレイヤーは彼らのうちから1人を選び,ジャッキーがブラザーフッドを相手に戦っているとき,別の場所で起きていた事件を楽しめるようになっている。必ずしも挑まなければならないわけではないが,本作の物語全体の流れをより深く楽しむために,シングルプレイ終了後にはぜひ遊んでほしい。ちなみにこのモード,オフラインでキャラクター一人でもプレイできる。Co-op前提なので難度は高くなるが,オフラインでキャラクターを鍛え,自信がついたところで,VENDETTAに挑戦,という遊び方もできるのだ。
キャラクター4人のうち,カタナとスウォームの能力を使う「イヌガミ」と,特殊な銃“アーム・オブ・ザ・ナイト”とガンチャネリングの能力を使える「ショーシャナ」の2人をプレイしてみたのだが,両者の能力はかなり違っていた。
イヌガミはスウォームで敵をひるませてカタナで斬り倒すといったコンビネーションが楽しく,一方のショーシャナはアーム・オブ・ザ・ナイトの溜め撃ちで遠距離から強力な攻撃ができるといった具合で,違ったゲームをプレイしているような感じだ。
もちろんほかの2人にも異なる武器と能力が設定されているので,プレイヤーの好みに合ったキャラクターを選んでプレイするもよし,全員を並行して育てていくもよし,好きなように楽しんでほしい。
シングルプレイに話を戻すと,ゲームの難度はかなり高めという印象で,今回は4段階ある設定の一番簡単なVERY EASYを選んだのだが,それでもかなり手こずり,最初のボス戦にたどりつくまでに時間を要した。もちろんそういった難しい部分を補うためのスキルであり,ゲーム中にも可能な難度変更なのだが,デーモンアームを絡めた操作がピーキーなこともあるので,プレイを考えている人は,ある程度の覚悟をして臨むか,低い難度から始めてみよう。
デーモンアームを使った斬新なアクションに加え,フォトリアルとトゥーンシェーダの中間のようなグラフィックス,そしてクライムアクションとホラーの要素が入り交じった独特の世界観が魅力の本作。闇の力により,死んだ恋人ジェニーの幻想に惑わされながら戦いを続けるジャッキーの姿は痛々しいが,暗いながらもグッと惹きつけられる物語になっている。VENDETTAモードや成長要素なども含め,サクサクとクリアしていくのではなく,じっくりとのめり込めるスタイルのFPSが好きなら,ぜひお勧めしたい1本だ。
なお,2012年2月8日に掲載した記事でもお伝えしたように,本日2月18日18:00から,秋葉原のイベントホールAki85で,ニコニコ動画の実況などで知られるプレイヤー,ガッチマン氏とせんとす氏を招いてのイベントが開催される。参加者と有名プレイヤーが協力してのVENDETTAモードなどが用意されているという先行体験イベントなので,機会があれば,ぜひ足を運んでみよう。
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(C) 2011 Take-Two Interactive Software, Inc. The Darkness is (C) 2011 Top Cow Productions, Inc. "The Darkness," the Darkness logos, and the likeness of all featured characters are trademarks and/or registered trademarks of Top Cow Productions, Inc. 2K Games, Take-Two Interactive Software, and their respective logos are all trademarks and/or registered trademarks of Take-Two Interactive Software, Inc. Developed by Digital Extremes. “PlayStation” and the “PS” Family logo are registered trademarks and "PS3" and the PlayStation Network logo are trademarks of Sony Computer Entertainment Inc. KINECT, Xbox, Xbox 360, Xbox LIVE, and the Xbox logos are trademarks of the Microsoft group of companies and are used under license from Microsoft. All other trademarks are property of their respective owners. All rights reserved.
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