プレイレポート
あの一騎当千アクション“N3”が横スクロールアクションRPGに!? 先行プレイレポートで「NINETY-NINE NIGHTS ONLINE」を紹介しよう
本タイトルは,一騎当千型3Dアクションゲーム「NINETY-NINE NIGHTS」(以下,N3)シリーズを,大胆にも横スクロールアクションタイプの2DオンラインRPGに落とし込んだ作品。N3シリーズの特徴となる重厚な世界観やストーリー,群がる敵を次々に倒していく爽快感などを継承すべく開発されており,さらにアクションゲームはあまり得意でないという人のための簡単操作システムや,各種のやり込み要素,そしてオンラインゲームならではのコンテンツが追加されている。
今回,プレオープンサービスの開始に先駆けてその内容を確認する機会を得たので,インプレッションとともに紹介していこう。
「NINETY-NINE NIGHTS ONLINE」公式サイト
N3シリーズの重厚な世界観とストーリーを
オンラインゲームに落とし込んだアクションRPG
舞台となるのは,神族ミールドンが創造し,かつてドラゴン族が支配した「ヴァールムンダス」。しかし,邪神によって旧文明は滅ぼされ,人類と獣人族とが争いを繰り広げる地となってしまった。今は人類が優勢に立っているものの,平和を司る「オーブ」をはじめとする旧文明の遺産の力を利用し,隙あらば世界を支配しようとする邪神や獣人族はあとを絶たない。
そうした状況の中で最も危険な存在が,邪神の一族「夜の王」だ。この一族は過去幾度となく文明を破壊し,消滅させてきた。夜の王は先の戦いで滅んだとも言われているが,その復活の噂は歴史の真実を知る者達の間で,いつまでもくすぶり続けている。
プレイヤーは,エフォー公国のトレーニング・アカデミーに参加する冒険者の1人として,国王ウィラハ公の指揮の下,さまざまな思惑が交錯するヴァールムンダスの地を探索していくのだ。
選択可能な職業は,「ナイト」「ハンター」「アサシン」「バーサーカー」「マジシャン」の5種類。それぞれがイメージどおりの攻撃手段とスキルを持つが,アクション主体のゲームということもあって,回復を主体とする職業は存在しない。
ナイト | |
ハンター | |
アサシン | |
バーサーカー | |
マジシャン |
ゲームの進行は,一般的なオンラインアクションRPGと同様だ。あらためて説明しておくと,街はMMOタイプとなっており,NPCからアイテムを購入したり,ほかのプレイヤーと交流したりする拠点となる。そしてNPCからクエストを受託し,該当するMOタイプのバトルフィールド(4人まで同時参加可能)に乗り込むわけである。またクエストにはメインクエストとサブクエストがあり,前者をクリアすることでストーリーが進行していく。
充実したカスタマイズ機能で
アクションゲームが苦手な人も手軽にプレイ可能
戦闘はアクションゲーム色の強いノンターゲッティングタイプで,大小それぞれの通常攻撃を組み合わせることでコンボを発動できる。このあたりは,横スクロールアクションRPGを遊んだことがあれば,迷うことなく操作できるだろう。また特定のスキルを習得していれば,それを通常攻撃と組み合わせると特殊なコンボが発動する。N3を名乗るだけあり,2DオンラインアクションRPGでありながら,大量の敵を一気になぎ払っていく一騎当千性の再現には,とくに注力されているようだ。
操作はキーボードだけでなく,ゲームパッドにも対応している。開発元の台湾UserJoy Technologyが「AngelLoveOnline」および「エンジェル戦記」のPlayStation 3版を手がけているだけあって,本作でも単にゲームパットが使えるだけということはなく,細かなキーカスタマイズが可能だ。とくに左右のトリガーに回復アイテムやコンボと組み合わせるスキルを登録しておくと,かなり快適に遊べると感じた。
またキーボードのキーにコンボをマクロ登録しておく機能もあり,キー1つで各種コンボを発動できるようにもなっている。
とはいえ実際にプレイして比較した感じでは,そのときの状況に合わせてさまざまなコンボを繰り出したほうが,当然ながら画面内のプレイヤーキャラとの一体感が出るので爽快感が高く,N3O本来の魅力を楽しめる。したがってこの機能は,あくまでも補助的なものであり,アクションゲームが苦手という人が序盤でゲームを投げ出さないためのもの,くらいに捉えるといいかもしれない。
さらに戦闘では,プレイヤーの攻撃がヒットするごとにSP(スパークポイント)ゲージが溜まっていき,一定量になると「オーブスパーク」を発動できる。これはSPゲージを消費する代わりに周囲の敵に大ダメージを与えるなどの効果を持つ必殺技だ。とはいえ,トドメを刺すときというよりも敵に囲まれてピンチになったときに使うことが多く,これもまた一騎当千のゲームに通ずる感触である。
また攻撃を連続してヒットさせていくと画面右側の「COMBO」がカウントされていき,一定数に達するごとに獲得経験値にボーナスが加わる。ただしCOMBOは,途切れるとまたゼロからカウントされるので,ボーナスもリセットされてしまう。ちなみにこのCOMBOは敵だけでなく,画面上の破壊可能オブジェクトに攻撃がヒットしてもカウントされる。うまく利用すれば敵のポップが途切れる場所でもCOMBOを繋げることができるので,ぜひ覚えておきたいTIPSだ。
仕掛けられたギミックを解除しながら
バトルフィールドを探索しボスを撃破
今回のテストプレイでは,ナイトとハンターのプレイを体験できた。ナイトは攻守のバランスが取れた扱いやすい近距離戦闘向きの職業。ハンターは通常攻撃が遠距離攻撃となり,敵の間合いに入らなくとも攻撃できるが,半面,敵に攻め寄られると一気に不利になってしまうというデメリットを持つ職業である。パーティを組む場合にはナイトが前に立ってターゲットを集めるなど,きちんと職業の特性を踏まえた役割分担をする必要があるだろう。なお,パーティプレイが必要となるバトルフィールドはレベル15前後から登場するとのことだ。
本作は一騎当千タイプのゲームを踏襲しており,多数の敵がポップする。進行方向に敵がポップする場合は,前衛と後衛の役割分担をしやすいが…… |
一度通り過ぎたところから敵がポップすることもあり,慣れないうちは苦戦するだろう。このケースでは後衛のハンターが倒されてしまった |
バトルフィールドは複数のエリアで構成されており,エリアにいるすべての敵を殲滅するなどの条件を満たすと次に進める。プレイヤーが通り過ぎ,一見誰もいない場所から敵がポップすることがあり,ゲームに不慣れなうちは背後から襲われやすいので注意しよう。
加えて,エリアによってはトラップやプレイヤーの攻撃では倒せない敵が配置されていることもある。そうしたギミックは,一度先に進んでスイッチを入れたり,中ボスを倒したりすることで解除できる。ギミックを解除すると進入可能エリアが増え,さらなる探索が可能になっていく。
各バトルフィールドは進入時に難度を選択できる。また,難度によって変化するドロップアイテムも確認できる |
画面中央の「闇の魔兵器」は,どこかにあるスイッチを入れると停止するのだが…… |
エフェクトがすごくて何が何だか分からないが,重要なのは画面右寄りの墓標のようなオブジェクト。これを破壊すると? |
ズラッと並んだ石像が交互に光球を放ってくるエリア。ダメージを受けながら先に進んでスイッチを探すほかない |
バトルフィールドの最奥には,ボスモンスターが待ち受けている。ボスモンスターそれぞれに独自の攻撃やアクションを仕掛けてくるわけだが,プレイヤーが最初に出会う「妖精王パパピィ」はヒップアタックが特徴だ。この攻撃に当たるとプレイヤーはスタン状態になってしまうので,いわゆる“レバガチャ”操作で復帰させなければならない。また,ヒップアタックによって周囲にトマトが散乱するのだが,これはパパピィの体力を回復させるアイテムも含まれているので,速やかに破壊する必要がある。
最初のバトルフィールド「ヌーヴの森」で出会うボスモンスター「妖精王パパピィ」 |
トマトをモチーフにした可愛いディテールと凶悪な表情のミスマッチが不気味だ |
ヒップアタックを食らってスタン状態になってしまった! こうなるとレバガチャで復帰するしかない |
首尾よくパパピィの体力をゼロにした。しかし本作では,ある意味,ここからが本番である |
ボスモンスターの体力をゼロにすると「OKD」(オーバーキルドロップ)システムが発動する。これは,倒れたボスモンスターにさらに攻撃を加えることでゲージが溜まっていき,その蓄積量に応じてドロップアイテムのレア度が上昇するというものだ。とにかく制限時間が短いので,ゲージを満タンにするためには短時間でダメージを与える必要があり,バトルフィールド探索は1人よりも複数プレイヤーでパーティを組んで行ったほうがお得のようである。
制限時間が短いので,敵を空中に打ち上げるコンボやスキルを駆使して攻撃を連続ヒットさせないと,OKDゲージを満タンにするのは難しい |
今回は,スライムのモンスターカードが手に入った。カードは入手困難とのことなので,嬉しいところである |
オンラインゲームならではの
コミュニティ要素とやり込み要素が充実
そのほか,オンラインゲームとしてのコミュニティ機能も充実している。パーティメンバー募集には,いわゆるLFG(Looking for Group)システムが用意されており,募集する側はレベルや難度などの項目を設定するだけで簡単に告知が可能だ。また参加を希望する側も,ボタン1つでそのパーティに編入される。
ギルドに関してはレベルの概念があり,ギルド専用クエストをクリアして経験値を溜め,レベルアップできる。レベルが上がるごとに,ギルドスキルポイントが獲得でき,それをギルドマスターが割り振って各種のギルドスキルを習得していく。ギルドスキルには,ギルドメンバーのログイン時間に応じて獲得経験値量が増加するなどの効果があるので,ギルドに加入しレベルアップに貢献するとそれだけ有利なプレイができるというわけである。
パーティメンバーの募集システム。希望条件を設定して参加者を募る。希望者はワンボタンでパーティに参加できる |
ギルドスキル。ギルドにもよるが,基本的には加入しておくと,かなりの恩恵を受けられるようになっている |
やり込み要素としては,まずゲーム内に設定された条件を満たして獲得する「トロフィー」が用意されている。トロフィーを獲得すると,ステータス上昇効果や各種称号などが得られる。
またドロップアイテムやクエスト報酬などで入手可能なカードは,単にコレクションするだけでなく,専用プレートに設置することで,プレイヤーのステータス上昇効果を得られる。カードを複数揃えてレベルアップさせるとそれだけ高い効果を得られたり,またプレート上の組み合わせを変えれば異なる効果が発動したりと,いろいろ試行錯誤する価値のある仕組みになっている。
「クラフト」では基本ステータスの強化や,オプションステータスの付与,ステータスの付いた宝石をはめたり外したりできるソケットシステムといった手段で,装備アイテムを強化できる。一般的なオンラインRPGにおける装備強化システムはほとんど網羅している形だ。また素材を集めて新たな装備を生産できるので,最高の装備を求めて,ゲームをやり込めるだろう。
さらに,不要な装備は分解して素材に還元できるし,「コレクションブック」に登録してポイント化もできる。後者は,レベルや部位ごとに装備を登録でき,それぞれレア度が高いほど高ポイントになる,そしてポイントが一定になるごとに,プレイヤーのステータスにボーナスが加わるのだ。
なお正式サービス開始後には,アバターアイテムへのステータス付与システムやギルド戦など,さまざまなコンテンツが順次実装される予定だ。
原作である「NINETY-NINE NIGHTS」は,キューエンタテインメントの取締役を務める水口哲也氏がプロデュースし,同社と韓国ファンタグラムが開発を手がけたXbox 360用のタイトルだ。そして今回の「NINETY-NINE NIGHTS ONLINE」は,キューエンタテインメントの看板タイトルである「AngelLoveOnline」や「エンジェル戦記」のデベロッパである,台湾のUserJoy Technologyが制作を手がけている。
つまり,キューエンタテインメントとUserJoy Technologyのコラボタイトルともいえる,今回のNINETY-NINE NIGHTS ONLINE。プレイ感覚としては,アクションゲーム部分が非常に強化されているとはいえ,エンジェル戦記などに近い部分もあり,キューエンタテインメントのオンラインゲームファンでもすんなり楽しめる作品に仕上がっている(N3ファンはあまりの変わりようにビックリするかもしれないが)。本作がどのような仕上がりになっているのか,ぜひ12月上旬開始のプレオープンサービスで確認してみてほしい。
「NINETY-NINE NIGHTS ONLINE」公式サイト
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(C)2011 UserJoy Technology Co., Ltd.
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