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[TGS 2011]「Android×ゲーム スペシャルセッション」にて,3者の立場からAndroidの現状と将来が語られる
ステージに登壇したのは,「Xperia PLAY」を開発したソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズの金子克之氏,レビューサイト「appliko」を運営するNTTコミュニケーションズの三隅浩之氏,そしてNHN Japanのスマートフォン事業部長 室田典良氏の3名だ。
■端末メーカー「Xperia PLAY」開発元の金子克之氏
ご存じの人も多いかと思うが,Xperia PLAYとは,初代PlayStation用ソフトで遊べるAndroid端末である。今回の東京ゲームショウにもプレイアブル出展されており,来場客から高い注目を集めている。今回ステージに登壇した,ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズの金子氏は,このXperia PLAYにおける取り組みについて語った。
金子氏は,すでにXperia PLAYがリリースされている海外市場において,どのようにAndroidゲームが遊ばれているのかをデータをもとに紹介。例えばXperiaユーザーの80%は毎日ゲームで遊んでおり,この数字はほかの一般的なスマートフォンと比べて約8倍の値だという。また,ゲームをダウンロードするユーザーのうち,75%以上が有料ゲームを購入しているのだそうだ。
今後の展開としては,コンテンツ事業者との連携を強化するべく,「Stand Outプログラム」への参加事業者をWeb上で募るという。優れたコンテンツに対しては,Xperiaのランチャーに搭載するなどの待遇が検討されており,事業者にとってもプロモーションの大きなチャンスになりそうだ。
■Androidアプリレビューサイト「appliko」の三隅浩之氏
続いてステージに登壇したのは,Androidのレビューサイト「appliko」を運営する,NTTコミュニケーションズの三隅浩之氏。サイト運営を通じて得たランキングなどのデータをもとに,スマートフォンゲームの動向を語っていった。
スマートフォン用アプリのジャンルはたくさんあるが,それらの中でもユーザーから最も注目を集めているのは,ダントツで“ゲーム”だという。そしてAndroidユーザーの傾向をまとめると,隙間時間を使ったライトゲームのニーズが依然として高く,PC主流だったオンラインゲームも次第に増えてきているという。
また,家庭用ゲームの市場規模が,2007年度をピークに緩やかに下降している一方,ソーシャルゲーム市場規模が急激に上昇しているとしたうえで,両者を合わせた“ゲーム市場”の規模は,まだまだ上昇しているとの見方を示した。
最後に三隅氏は今後の動向に関して,カジュアルなゲームとリッチなゲームの二極化,タブレットやスマートTVの台頭,そして海外企業との競争がさらに激しくなると予測。競争が激しくなる点については,見方を変えると日本から海外市場に挑戦しやすくなることで,まだまだチャンスは秘められているという。
■ゲーム会社 NHN Japanスマホ事業部の室田典良氏
最後に登壇したNHN Japanの室田典良氏は,ゲームアプリを開発する側の視点で意見を述べた。ハンゲーム=PCプラットフォームというイメージを持っている人は多いかもしれないが,同社は2010年7月からAndroid/iOSで,100本以上のアプリをリリースしている。
アプリケーションの売上推移に関して,AndroidはAppStoreと比べるとマーケットが未整備なため,突発的に盛り上がることは少ないが,一度盛り上がったあとはレビューの口コミなどもあり,長く続きやすい傾向にあるという。
サービス当初の大きな課題は,ユーザーがアプリケーションに興味を持ってから,導入するまでのハードルが高かったことだと室田氏は述べる。そこで,今年春からは誘導するためのポータルサイトと,ID登録が不要で遊べるプラットフォームを用意したそうだ。
今後の展望としては,2011年秋にクラウドサービスの「ジークラウド」を開始予定。2011年内に10タイトルをローンチし,もし軌道に乗れば他社タイトルや,コンシューマ対応も視野に入れているとのことだ。
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