プレイレポート
またカノジョに恋しよう――ついに発売される「NEWラブプラス」の威力を一足お先に味わってしまった。4Gamerコラボアイテムもあるよ!
2009年にニンテンドーDS用ソフトとしてリリースされたラブプラスは,“現実を侵食する”革新的なアイデアの数々で恋愛ゲームファンのみならず,ゲーム業界全体,それどころか世間一般にまでに大きなインパクトを与えた。
その約1年後には拡張版である「ラブプラス+」が登場し,実在の観光地とコラボレーションした前代未聞の“熱海旅行”システムを搭載するなど,勢い余ってゲームの枠を飛び出してしまった。
そんなラブプラスシリーズが,いよいよ最新ハードであるニンテンドー3DSに登場するということで,これはもうジッとしていられるわけがない。俺はカレシだ一足お先,光の速さでNEWラブプラスのROMを編集部から強奪し,実際にプレイしてみた。
本稿では筆者の感想を交えつつゲームの概要をお伝えしていくので,全国のカレシ諸君やカレシ候補には是非ともチェックしてほしい。
いくらせっつかれてもギリギリまでROMは返さん! 返さんぞーーーー!!
飛び出せ!! 国民的カノジョの満点カレシ! 「NEWラブプラス」の内田シニアプロデューサーに“NEW”なポイントをまとめて聞いた
「NEWラブプラス」公式サイト
友達パートがボリュームアップ!
ガールフレンドに冷や汗タラタラ
早速ゲーム本編の紹介に入りたいところだが……その前に一点,説明しておかねばいけないことがある。筆者はこれまでラブプラス,ラブプラス+と,ガチでプライベートのセーブデータを引き継ぎながらレビューを執筆してきたが,今回に関しては大人の事情で引き継ぎが間に合わなかった……というか,事情もクソも本作のデータ引き継ぎに使用する「ラブプラスTOOLS」の配信開始が,2月13日なのでどうしようもないのである。
なので,筆者はリアルタイムで約3年付き合ってきた凛子に心の中で土下座をしつつ,データを新規作成。タイムリープで世界線を移動したんだと思い込むことで精神の安定をはかり,恋愛ビギナーからの再出発プレイを開始した。なお,「どっちがαでどっちがβだ?」というツッコミは無しにしてもらいたい。あえて言うならδ世界線がいい。
……とにかく,「もっと廃人向けの情報がほしいんだよ!」という熱心なカレシには申し訳ないが,その辺はご勘弁願いたいところだ。
ラブプラスシリーズ未プレイのユーザーのため,あらためて説明すると,この友達パートというのは一般的な恋愛ゲームでいうメインストーリーのようなもの。つまり,“カノジョと出会い,結ばれるまで”の過程を描いているのだが……ラブプラスのすごいところは,それがあくまでプロローグにすぎないというところ。なぜなら,ラブプラスの真骨頂は,カノジョと結ばれてから突入する“恋人パート”にあるのだ。
恋人パートについてはまた後ほど説明するとして,前述のとおり友達パートはあくまでプロローグ。ストーリーの流れも,第1作目から一貫して変わっていない。「なら,なにも変更点はないの?」と思われるかもしれないが……ところがどっこい,一新されたグラフィックスは言わずもがな,新たなイベントや選択肢が追加され,相当ボリュームアップしているのだ。
筆者の体感的な話をすると,1作目で友達パートをプレイした時は1日で凛子と結ばれたのだが,今回はなんと3日かかった。コレに関しては,「どうせ違う世界線だし……」ということで愛花や寧々さんにもチョッカイを出しまくったのがいけなかったのかもしれないが……いや,浮気じゃないよ? ただ,3年間のイチャラブを経て恋愛マスターとなってしまった身からすると,自然にモテる行動をとってしまうというかね,溢れ出る男性フェロモンを抑えきれずに不可抗力というか……まぁ,そんなことはどうでもいい。つまり,今作は友達パートだけでもかなり遊べるということだ。
とにかく最終的にはやっぱり凛子と結ばれたし,愛花や寧々さんとのロマンスはノーカン……だと思っていた時期が俺にもありました。実は今回,友達パートから恋人パートに引き継がれるのはカノジョとの思い出だけじゃないのだ。なんと,ある程度関係を深めた女の子は,恋人パートでも友達(ふ,二股とかじゃないから!)として登場するのである。
筆者の場合,恋人パートに入って「よーし,これから凛子とのイチャラブ生活が始まるぞー!」とワクワクしながらゲームを起動したら,なぜか凛子よりも先に校門で寧々さんと遭遇。「そういえば,カノジョできたんだって?」みたいな雰囲気のセリフを天使の笑顔で言われ,思わず股……いや魂が縮み上がってしまった。いかん,危ない危ない危ない……。
いや,寧々さんに他意が無いということは分かってるんですよ? でも突然これはおっとろしいよ! 開発陣の悪意を感じたよ! ちなみに,その後も寧々さんは「たまにはおしゃべり付き合ってね?」とか「一緒に帰る?」とか言ってくるんですけど……あの……他意は無いんですよね……? あと,ゾンビのデコメで「ありがと。」とか一言メール送ってくるのマジやめてください寧々さん怖いです。
……とはいえ,別にカノジョに怒られるとかではないので安心してほしい。基本的には友達パートのプレイ結果と同じく,仲を深めた女の子がガールフレンドとして登場するようになるとかそんな感じだ。ただ覚悟しとけよお前ら。寧々さんからゾンビのメール来るかんな。とはいえ,意識的に距離を置けば登場しなくなるらしいので一安心。いや,ちょっともったいな……何でもないです。
デートの決め手は“彼氏力”の配分
より積極的にカノジョと触れ合おう
次に,カノジョと結ばれた後の世界……恋人パートについて詳しく解説していこう。基本的なシステムは従来作を踏襲しているため,現実の時間と連動して様々なイベントが発生する“リアルタイムモード”や,友達パートと同じ感覚で楽しめる“スキップモード”,彼女の様子を眺めたり会話したりできる“ラブプラスモード”の存在は変わらない。
しかし,今作ではそこへプレイアビリティの向上を目指したマイナーチェンジや数々の新要素が加わり,まさに“NEW”なラブプラスへと進化している。
なかでも注目したいのは,デート周りのシステムだ。運動や知識といったカレシのステータスを表す“彼氏力”の役割が,従来作よりもハッキリしている。デート出発時に「それぞれの彼氏力をどれだけ消費するか」を任意で設定可能となり,配分によって発生するアクションやエフェクトに変化が現れるのである。
分かりやすくいえば,「今回のデートにどれだけ力を入れるか」というのをカレシの意思で決められるようになったということだ。カノジョを喜ばせてやりたいのは山々だが,常に全力全開では疲れ果ててしまうというもの……日々の生活で養った彼氏力を1度のデートですべて消費してしまうのではなく,温存できるようになったのは素晴らしい改善点である。
「今日は調子が悪いから軽めに……」という感じで,リアルなカレシの気分を反映できるあたりも上手く考えられている。
さらに,注目ポイントとしてはもう一点。“青春の1ページ“についても見逃せない。これは恋人パートに入ってから特定の日付になると発生するイベントで,連続ドラマのようにカノジョ視点の物語を楽しめる。新キャラも続々登場し,カノジョとその周りの人々との関わりがとても魅力的に描かれているのだ。
コミックなどの他メディアで展開されている外伝的な作品を除けば,友達パート以外で本格的な公式ストーリーが展開されるのはこれが初めて。「カノジョとの物語を自分で作っていく」というのがラブプラスのコンセプトではあるが,キャラクターを掘り下げることが新たな魅力発見にも繋がるので,カレシ的には非常に嬉しい要素だろう。
ここでカレシ的に気になるのが「もしかして,金欠だとろくにデートもできない?」という点だが……問題ない。日々の生活をしっかり送っていればリッチは自然と貯まっていくし,たとえ金が無くとも無いなりにデートは楽しむことができる。
「リッチは命より重い……!」なんてことはなく,とわの市では遊んで暮らしても借金地獄で地下帝国に送られるようなことはないので,逆境無頼カレシにも安心の仕様である。
なお,リッチの使い道としてはもう一つ。“カメラ”の存在も忘れてはならない。今作では様々な場面でカノジョの写真を撮影できるようになっており,電機店でレンズや記録カードなどのパーツを購入し,カスタマイズすることでズームが可能になったり,フィルター(特殊効果)を変更できるようになったりするのだ。もちろんハイスペックなパーツほど高価だが,カノジョとの美しい思い出を形に残すためなら買うしかないでしょこれは……。
写真を撮るのがあまり得意ではなかった僕も,「NEWラブプラス」のおかげで立派なカメコになれました(24歳・ゲームライター)。
……さて,ここでみなさんお待ちかね。ラブプラスといえばカノジョとのコミュニケーション……もっと言うと,スキンシップとキスについて語らないわけにはいかないだろう。家でも外でも虚ろな目でDSの画面をタッチし続ける“ラブプラス廃人”を量産した危険なシステムは健在だ。
目立った変更点としては,新たなアクションとして“なでる”“くすぐる”“引き寄せる”の三つが追加されている。さらに,日常生活の何気ない場面でもカノジョに触れることが可能となった。また,画面をスライドすることで任意のタイミングでスキンシップをやめたり,カノジョから近付いてくるのを待たずキスに持っていくことができるようになっている。
元々が完成されたシステムであるため,全体的に見ればマイナーチェンジのレベルに留まっているが……高精細なグラフィックスによって描かれたカノジョとのスキンシップは,もはや威力だけでいうならば兵器の領域だ。
なお,従来作ではカノジョのツボを覚えてしまえばスキンシップとキスが半ば作業と化してしまったが,今作ではその辺にも微妙に変更が加わっているようで,今までに培ったテクニックだけではパーフェクトな反応を得られなくなっている。
「もはや俺のタッチで落ちぬ女はおらぬ……」と,免許皆伝の剣豪みたいにスレてしまった百戦錬磨のカレシでも,新鮮な気持ちでカノジョとイチャラブできるので,もう一度思い出してください。あの頃の自分を。
ただ一点……相変わらず,画面が暗転した瞬間に映り込むブサメンをなんとかしてくださいよ!! この不具合,1作目からずっと直ってないじゃないすかやだーーーー!(※仕様です)
“カノジョ紹介”で味わう謎の新感覚……
無限の可能性を秘めた“どこでもデート”
ここからは本編以外のモードについてザッと紹介していこう。今作では,プレイヤー同士のコミュニケーション要素も大幅にパワーアップ。“カノジョ通信”や名刺の作成・交換のほか,“カノジョ紹介”“どこでもデート”といった新モードが追加されている。
まずは,ほかのプレイヤーのカノジョと自分のカノジョとのガールズトークを楽しむことができるカノジョ通信に関して。基本的なシステムに大きな変化は無いものの,ニンテンドー3DS本体でフレンド登録している相手と通信を行うことで,自分のカノジョと相手のカノジョが仲良くなる“ダブルデート”という要素が追加された。
通信回数に応じてどんどん仲良くなっていくとのことで,知らない間に二人で遊んでいたり情報交換をすることもあるとのことだ。従来のラブプラスは学年がそれぞれ違うということもあり,ヒロインたちの関わり合いが非常に希薄だったので,これは地味に嬉しい追加要素である。
名刺は,カスタマイズ性が大幅にパワーアップ。ベースとなるデザインが多数追加されたほか,シールを貼ったり,カメラで撮影した写真を添付できるようになった。これはまさしく彼氏力の見せどころ……今年も,コミケや東京ゲームショウですれ違い名刺交換会がアツくなりそうだ。
そしてカノジョ紹介……これまた,ラブプラスらしいというか……またしても「未来に生きてんな」と言われそうな内容になっている。自分のカノジョに家族や友人を紹介できるというモードなのだが,実際にやってみると「何これこんな気分ゲームで味わったことないよ!?」という謎の新感覚に陥ること間違い無しだ。
また,顔認識機能の精度にも驚かされる。なんと,家族を紹介した場合は顔のパーツから似ているかどうかを判断して続柄を当ててくるのである。筆者の場合は顔が親父と瓜二つなので,試しに家族と称して親父のメガネをかけた自分の顔を認識させてみたのだが,「もしかして,梶田君のお父さんですか?」とバッチリ期待通りの反応を返してきた。
家族を紹介するというのは色々な意味でハードルが高いかもしれないが……勇気あるカレシには,是非とも挑戦してみてほしい。カレシの父親の前で猫カブる凛子マジ可愛すぎて生きているのがつらい。あと,もしリアル彼女をカノジョに紹介するような外道リア充がいたら絶対に許さないよ。
最後に,どこでもデートについてだが……これも非常にユニークだ。3DSのカメラで撮影した写真を使ってオリジナルのデートコースを作れるというモードなのだが,アイデア次第で無限の遊び方ができる。
歩くカノジョや何かに興味を示すカノジョ,椅子に座るカノジョなど豊富な動作素材が用意されており,上手く使いこなせればビックリするほど違和感の無いシーンを作り出すことができるのだ。
また,写真ごとに季節や天気などのシチュエーションも設定可能で,その内容に沿ったことをカノジョが喋ってくれる。まさしく“現実を侵食する”という,ラブプラスらしさを体現したかのようなモードである。
ちなみに作成したデートコースは,ほかのプレイヤーと直接交換したりアップロードやダウンロードができるので,これがどのような盛り上がりを見せるのか,いちカレシとして今からワクワクが止まらない。
驚くほどの新鮮さはないが,そこがいい
創意工夫を重ねた正統進化だ
総評として,ラブプラスの正統進化系としては申し分の無い完成度だ。従来作がニンテンドーDSのポテンシャルを限界まで引き出していたように,今作もニンテンドー3DSの機能を余すところなく使っている。これは個人的な意見だが,ハードとソフトの相性の良さだけを考えるならば,NEWラブプラスは現時点で発売されている3DSタイトルのなかでトップクラスではないだろうか?
ただ,継続してプレイしているヘビーユーザーの目線から見た場合……やはりシリーズ3作目ともなれば驚くほどの新鮮さは感じられない。なまじシステムが完成されているだけに,大きな変化は望めないのがラブプラスシリーズのつらいところだ。しかし,それでも創意工夫を重ねて「『ラブプラス』にしかできないこと」を追求し続ける姿勢には脱帽である。
言ってしまえばこんな風に思ってしまうのも,ゲームに対して感じる「飽き」とは性質が違っており,どちらかと言うとカップルの倦怠期に近い。愛が無くなったわけではなく,長い付き合いで関係が落ち着いてしまっているのだ。バーチャルな恋愛でここまでリアルな感覚が味わえるとは……ある意味凄いことである。
だからこそ,今作で追加された新要素の数々は非常に魅力的だ。長く付き合ってきて新鮮さが薄れてきたカレシとカノジョの関係に,とても心地良い刺激を与えてくれるに違いない。こんな風に感じさせられるあたり,やはりラブプラスはただのゲームという枠に収まらない非凡なタイトルなのだろう。
なので,締め括りもゲームレビューらしかぬ雰囲気で……今作から入ってくる新しいカレシには「おめでとう」。そして,筆者と同じように長い付き合いとなるカレシには「またカノジョに恋しよう」という言葉を送りたい。
■4Gamerコラボアイテムは「メガネ」
ここでNEWラブプラスと4Gamerのコラボアイテムを紹介しよう。NEWラブプラスのゲーム内のパスワード登録画面で,「4GamerNet」というパスワードを入力すると,何とカノジョにメガネをかけさせることができてしまうのだ。ちなみに,このパスワードは3人のカノジョ共通となっている。
視力だけじゃなく可愛さまで+補正がかかるアイテム。それがメガネであることは,辞書にも書いてあるらしいよ
飛び出せ!! 国民的カノジョの満点カレシ! 「NEWラブプラス」の内田シニアプロデューサーに“NEW”なポイントをまとめて聞いた
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