インタビュー
OBT開催中の「Webパワードール」,新しくなったシステムと今後の展開を運営&開発プロデューサーに聞く
7月のクローズドβテストから約5か月の調整期間を経て,12月8日から行われていたプレオープンβテストは,若干の期間延長が行われ,12月16日に終了した。現在はオープンβテストが開始されているが,オープンβテストのバージョンでは何が変わったのか,そして,CBTからの5か月間に何が行われていたのかを,本作の開発プロデューサーである安本英律氏と運営ディレクターの芳賀雄一郎氏に聞いてみた。さらに,今後の展開についても,大いに語られたので,あわせて紹介していきたい。
「Webパワードール」公式サイト
プレオープンβテストで一新された「バトルシステム」と「兵士育成」
Webパワードール開発プロデューサー 安本英律氏 |
Webパワードール運営プロデューサー 芳賀雄一郎氏 |
本日はよろしくお願いいたします。オープンβテスト版で変わったところについてお聞きしたいのですが。
安本英律氏(以下,安本氏):
一目で分かる大きな変化の一つは,戦闘部分です。根本となる計算式や報告書の内容とその見せ方を作り直しています。
芳賀雄一郎(以下,芳賀)氏:
前回(クローズドβテスト時)のバージョンでは,原作であるPCの「パワードール」が綿密に戦術を組んでヘクスマップで戦うということもあって,もうちょっと戦っている感じを出してほしいという要望が集まっていました。具体的には,どんな風に戦ったのか,戦闘の詳細をフィードバックしてほしいというご意見が多かったですね。
4Gamer:
そこは前回のインタビューでもお願いしたような気がします。
芳賀氏:
ただ,繰り返し,指令を行っていくというゲームシステムですので,毎回の報告で表示する情報が多くなりすぎても,逆に読まなくなってしまう人が多くなります。お気に入りの兵士やローダーの状態が気になるというのが実際のところだろうと捉えました。
安本氏:
これらを受けて,敵にどれくらいダメージを与えたのか,あるいはどこが破損したのか,クリティカルであったとか,どんな種類のダメージをどの敵に与えたのかというところに絞って報告書で表示される内容を見直しました。クローズドβでは結果を見せただけでしたが,今回は出撃させた兵士とローダーの画像を表示して,一回の戦闘の中で,それぞれがどの敵に何をしたのか,どれくらいダメージを与えて,どれくらいダメージを受けたのかを表示するようにしました。
4Gamer:
1回の報告では,戦闘のどこからどこまでを区切って報告しているんですか?
芳賀氏:
指令内容にもよりますが,通常戦闘は2,3ターンで終わるようになっています。その1ターンごとに報告されるようになってます。その戦闘に複数のチームを派遣していれば,第1班,第2班といった具合にまとめて表示されます。
4Gamer:
ある程度,結果を見ながら対策を練ることができるようになったわけですね。
安本氏:
戦闘処理そのものでの大きな変更点はもう一つありまして,「隠密」と「索敵」というパラメータを新たに設定しました。相手の隠密性能以上の索敵性能がないと,戦闘中に相手を見つけることができなくなります。それで指令をクリアできないこともあるでしょう。何度出撃させても敵を発見できない場合は,より索敵能力が高いローダーを投入してもらうとクリアできたりするわけです。
もちろん,そうしたローダーは,ほかに比べて戦闘能力は低くなったりしますけど,ときにはそういう機体も必要になるといったように,指令に合わせた性能を持ったローダーに入れ替えることが,その指令の成否に反映されるように修正しています。
戦闘能力の高いローダー一辺倒でゲームが進んでいく形ではなくて,戦闘ごとに入れ替えたり,敵の火力が高いので防御力の高いローダーを投入してみたりしないとなかなか勝てないといった形で,指令にバリエーションを持たせて遊んでいただけるようにしています。
4Gamer:
戦闘以外の部分での変更点はどうですか。
もう一つプレオープンβテストからの大きな変更点に,女性兵士(ドール)成長システムの見直しがあります。以前は訓練が非常にし辛いものでしたので(パラメータを割り振ったあとに,さらに時間をかけて訓練をしなければならなかった),これを改めました。ポイントを割り振った能力値はそのまますぐにパラメータが上昇するようになっています。
4Gamer:
テスターの間では,女性兵士の「合成」が物議を醸していましたが,これについても教えてください。
安本氏:
兵士の育成という要素を強化するため導入したもので,実際には,人事部の中に「特訓」という要素を実装しました。兵士は1アカウント当たり100人まで登録して,控えに回しておくことができるのですが,現実的にはそれらすべてを入れ替えながら使えるものではないですよね。せっかく手に入れたのに万年控えの兵士が出てきてしまうので,このような仕組みを導入しました。
プレオープンβテストでは仕組みを分かりやすくするため「合成」としていましたが,テスターさんからもご指摘を受けているように,「人と人の合成」は「ない」というのはこちらも理解していますので,オープンβテスト時には直します。「素材」となっている兵士についても「サポート兵士」として,自分の技術を伝え終えて退役していくという形を取ることになります。
4Gamer:
なるほど。
安本氏:
基本となるのは,純粋にパラメータをアップさせるもので,成功すればパラメータが1〜3ポイント上昇します。「特訓」を受ける兵士を選んで,さらに「サポート兵士」を選ぶと,各パラメータの上昇予想確率が表示されます。パラメータが上がらない場合でも,いくらかの経験値,具体的には双方の兵士のレベル帯と経験値に応じた数値を獲得できます。せっかくの兵士がただ失われるということのないように配慮しています。
4Gamer:
特訓の成功率はどうやって決まるのでしょうか。
安本氏:
成功率はサポートする兵士のレベルやレアリティで変化します。レアな兵士を訓練に使うような方は少ないと思いますが,新しく手に入れたレアの兵士に対して,これまで主戦力で使っていたアンコモン兵士を使うことで,コモンよりは成功率が高くなります。
特訓には,ほかにも,特定のローダーを上手に扱えるようになるスキルに相当する「適性」を受け継がせるものと,階級をアップさせるものがあります。
ローダーの適性とは,特定のローダーに搭乗している際に,回避率や命中率が上がるものです。特訓以外にも,同じタイプのローダーに乗って指令をこなしていると,そのローダーの適性を獲得できます。また,特訓で,双方が同じ適性を持っている場合は,その適性のレベルが上がり,さらに上手く扱えるようになります。
4Gamer:
階級のほうはどうなっていますか。
安本氏:
階級は,20レベルごとに区切られていて,レベル20に達した兵士は,階級を上げることで,さらにレベルアップできるようになります。
4Gamer:
新規で追加される女性兵士というのは,もちろん1レベルなんですよね?
芳賀氏:
はい。それについては,強い女性兵士と一緒に経験値の高い指令に出撃させるという手もありますね。最初の階級では比較的成長しやすくなっています。とはいえ,コモンとレアでは初期パラメータには相当差がありますから,特訓を活用していただければと思います。
4Gamer:
分かりました。育成では,特訓があるとないとでは大違いでしょうね。
安本氏:
はい。兵士によって基本パラメータが異なりますが,見た目は好きなのに,自分の好みに合わないパラメータになっている場合もあるでしょう。また,一緒に行動していると,以前からいた兵士とのレベルの差はなかなか埋まりません。そういう場合には,特訓でパラメータを上げていただくなり,適性を付けることで使いやすくなるのではないかと思います。
以上,特訓と戦闘の部分が大きく変わった点ですが,クローズドβテストでも,「戦闘」の部分と「兵士の育成」に関しての要望が最も大きかったので,時間はかかってしまいましたが,ここは大きく変更させていただきました。
コモンだとパラメータは軒並み一桁台 |
運がいいと,いきなりアンコモン兵士がくることも |
4Gamer:
ところで,レアリティというのは個々の女性兵士ごとで決まっているんですか?
安本氏:
原則,1人のキャラクターに,コモン,アンコモン,レア,スーパレアそれぞれのレアリティが存在します。ただし,今後追加されていく女性兵士の中にはレアでしか存在しないというものもいます。
4Gamer:
女性兵士のレアリティについて確認したいのですが,女性兵士ごとに,攻撃力が高いとか,パラメータの割り振りに一定の傾向があって,レアリティが高くなると,全体的にパラメータが高くなるという感じなんですよね。
安本氏:
はい。そのとおりです。
4Gamer:
そのほか,改善された部分はありますか?
安本氏:
ユーザビリティの向上ということで,「資源」や「功績」など,ゲーム内の用語を一目で分かるように見直しています。アイテムを自動的に探してきてくれる「エクスプローラー」も使いやすいようにトップ画面に持ってきました。
4Gamer:
インタフェースについては細かい部分が中心のようですね。
プレイの中心は「マルチ」の指令へ移行
協力が基本の「Webパワードール」ならではのスタイル
芳賀氏:
プレオープンβテストは,見た目の部分ではさほど大きく変わらないので,当初は自分達も「何も変わっていないと」思われてしまうのではないかと心配していたんです。けれど,テスターさんから返ってきている反応では,変更点,それもシステムの深いところまでしっかり触って評価してもらったうえで,さらなる意見をいただけています。
ゲーム内のチャットを見ても攻略系の情報交換まで行われていますので,テストのはずなのに,正式版と変わらない勢いで遊んでおられますね。
4Gamer:
見た目はともかく,プレイしてみれば,かなり変わっていることは分かりますよね。
指令の内容やパラメータなども,クローズドβテストからは当然変えています。当時はソロで遊んでいる方が多かったんですけど,今回からマルチを遊んでいる方が増えましたね。「Webパワードール」はプレイヤー同士の戦いはなく,敵はすべてNPCで,ほかのプレイヤーと協力して遊んでもらうシステムになっています。このマルチ専用の指令があるんですが,誰かが立ててはすぐ埋まり,また別の誰かがマルチの指令を立てては埋まるという感じで,良いテンポで「マルチ指令」がこなされている印象ですね。
さすがに連合専用の指令となると,「連合」に参加する必要があるので心的抵抗が高いようですが,通常のマルチであれば,「一緒にやりましょう」という呼びかけがあったりして,非常に活発ですね。
4Gamer:
マルチの呼びかけはチャットで行われているんですよね?
芳賀氏:
「誰か立ててくれませんか」とか「立てましたのでよろしく」といった感じで,チャットで声をかけあっていますね。そういう意味では狙い通りの遊び方になってくれているという印象です。
安本氏:
プレイヤー同士が対戦するブラウザゲームが主流の中で,協力性というゲームシステムがどこまで受け入れられるのかは,気にかけていた部分でした。けれど,「気がついたら自分の基地が更地になっていた」とか,「ずっと貼り付いてないと,ほかのプレイヤーに食い物にされる」といったことがないので,安心してプレイしていただけているんじゃないかと思います。これが「Webパワードール」のスタンダードな遊び方としてプレイヤーに浸透していくとうれしいですね。
そういう中で,より協力して遊んでいく形であったり,これはあくまでも今後の展望ですけど,協力プレイが本筋にあることを前提とした,ほかのプレイヤーと競争する要素も追加していければと考えています。
指令内容については如何に?
プレオープンβテストでは,(クローズドβに引き続き)5分で終わる指令と1時間かかる指令とで,もらえる功績に大きな差がなかったのですが,あれはそういうもの,ということなのでしょうか?
安本氏:
そのあたりは,オープンβテストでは再調整をかけます。時間の長い指令だからといって,かかる時間の分だけ正比例で功績をあげてしまうのは,それはそれで問題があるので難しいところですが。
4Gamer:
確かに,1時間の指令を1回やるだけと,5分の指令をみっちり12回やり込んだのとが,同じというわけにはいかないですね。
安本氏:
ただ,6時間というさらに長い指令も用意するつもりです。そちらでは,例えば功績自体はさほど多いわけではありませんが,得られる経験値と資源は,むしろ細かい指令を繰り返すよりもよくなるようなものを検討しています。寝る前に入れておくとお得だよという感じですね。
現状のテストを通じて調査を行って,使われない指令がなくなるように調整をかけていきます。現状では,短い時間の指令を回していくだけの人が多くなってしまっているので,そこはオープンβテストの段階で改善していきます。
4Gamer:
ほかにオープンβテストの段階で大きく変わるところはありますか?
安本氏:
主にユーザビリティの調整が入ります。ショップのリストの並び順ですとか,課金兵士の入手部分などは,使い勝手のよいものに変える予定です。細かいパラメータの調整も行います。
4Gamer:
ゲームバランスはどうでしょうか。
安本氏:
プレオープンβテストまでは,検証用に速いペースで遊んでいただけるよう,疲労係数も抑えてあったのですが,正式版ではもう少し疲労しやすくなります。何も考えずに短い指令をぐるぐる回していくというわけにはいかなくなるでしょう。上手く控えと入れ替えつつ,順番に休ませて,大きなミッションに備えて,全員の状態を整えていくというところも,考えながらプレイしていただけるようになると思います。
芳賀氏:
アイテムについても,プレオープンβテストでは,いろいろと試していただけるように,すべて10ポイントで,自由に使っていただけるようになっていましたが,それも不具合が浮かび上がりやすいようにするためでした。正式サービス版では,もう少し落ち着いたペースでのゲーム進行が想定されています。
今後の展開では,メインストーリーの展開のほか,新キャラの追加やPvPの要素も!?
4Gamer:
正式サービス以降のスケジュールはいかがでしょうか。
芳賀氏:
テストに合わせて人気投票も行いましたので,その結果も公表します。原作の「パワードール」とは絵柄のテイストも変わっているので,テスターさんの反応が気になっていたんですが,実際に投票を行ってみますと,「これは俺の嫁」とか「可愛い」という反響をいただいていますので,新デザインの女性兵士も受け入れてもらえているのかなと考えています。
4Gamer:
具体的に,新キャラの追加はどれくらいのペースで行われるんですか?
安本氏:
週に2〜3人ずつ追加できればと思っています。それと,指令の仕様改善の部分で,特定の女性兵士を持っていると発生する指令というのも実は組み込んでありまして,例えば,設定上で姉妹となっている女性兵士がいた場合,その2人を前線に配備しておくと,今までなかった指令が一覧に出てくるようになります。それをクリアすると,過去にどんなことがあったのかといった,エピソードが語られるといった具合です。
4Gamer:
新女性兵士は,ストーリー上ではどう展開していくのでしょうか。
安本氏:
原作キャラとオリジナルキャラとの絡みなども加えていきたいですね。原作からいる「フェイエン・ノール」という女性兵士を尊敬している新キャラがいた場合,2人が一緒に配備されていると,新しいエピソードが語られたりする……といった感じです。
これは,ただ女性兵士が増えていって,それをコレクションしていくというだけではなくて,組み合わせをいろいろ模索していただいて,どの組み合わせでどの指令が出るのかという試行錯誤も楽しんでいただきたいという想いから組み込まれた機能です。
アリサ・リー |
キョウゴク・ヒスイ |
ユーナリア・ビクトリカ |
ラフィー・エルマーシャ |
リーゼ・ミリアノヴィ |
4Gamer:
週間ペースで女性兵士の追加を行っていくということでしたが,キャラはどれくらい準備されているのでしょうか。
安本氏:
100体くらいはストックがあります。もちろん,随時増やしていきますし,それを上手い具合に追加する指令であったり,メインストーリーの展開や設定に応じた時期に配属されたりするなど,どういう順番で登場させていくかも,今まさに調整しているところです。
芳賀氏:
兵士の話ばかりでしたが,もちろん,ローダーのほうも随時追加していきます。
安本氏:
今回の「Webパワードール」では,せっかく心機一転でスタートするので,ちょっと冒険して,「コンセプトモデル」に近いローダーも出していきたいないと考えております。
4Gamer:
プロトタイプの兵器も実験投入される感じですか。
芳賀氏:
これについては,工画堂スタジオさんも乗り気で,最初にいただいたオリジナルローダーのデザインは,従来とはシルエットからして大きく異なっており,むしろこちらが「ここまでやっていいんだ!」と驚くと同時に,願ったりかなったりでもありましたね。
今後は,こちらからも,オリジナルのローダーを提案させています。年表もかなり作り込まれている作品なので,年表と兵器開発の背景に合うものを相談させていただいてます。量産機っぽいものは量産機っぽくしておいて,試作機は遊び要素を入れて作っていただいています。工画堂スタジオさんの側でコントロールしてデザインしていただいているものもある一方で,こちらでも某有名ロボアニメのメカニックデザイナーさんにデザインしていただいたローダーなども追加していく予定です。
これら,新女性兵士と新ローダーというのは定期的な更新の目玉になります。
4Gamer:
外部のメカデザイナーですか。そちらも期待できそうですね。
安本氏:
芳賀氏:
新パワーローダーの開発プロジェクトについては,今月末には発表します。また,具体的にどんな機体が登場するかも,1月の中旬から下旬くらいに,1機目を公開する予定です。パワーローダーについては,さらなる展開も考えているのでご期待ください。
安本氏:
「Webパワードール」は,みんなで協力してNPCと戦っていくというコンセプトですけど,今後のアップデートでは,PvPの要素も考えていきたいと思っています。もちろん,今の世界観とシステムを逸脱しない範囲で実現したいですね。これは,やはり自分の育てた女性兵士とローダーとの組み合わせが,ほかに比べてどれくらい強いのかというのは,プレイヤーさんも気になるところだと思うからです。
4Gamer:
PvPというのは,一般的なブラウザゲームと同じような国対抗みたいになるというわけではないのですよね?
安本氏:
PvPは,模擬戦といった形での実装をおぼろげながら考えています。ローダーをミニ四駆のようにパーツ全部を入れ替えて,組み合わせていって,兵士との相性によってどう変わってくるか。「どのローダーとどのDoLLSの組み合わせがいい」,というようなプレイヤー独自の編成ができるような形にできれば楽しいのではないかと。
芳賀氏:
この「Webパワードール」は海外での展開も考えているんです。そうなるとやはりPvPは無視できません。そこはしっかりしたものを考えていきたいと思います。
4Gamer:
もう一つ確認しておきたいのは,1サイクルの期間なんですが……。
安本氏:
「Webパワードール」では,サーバーを数か月単位でリセットするというシステムは今は考えていません。そのため,特定の期間でしか遊べない指令とか,定期的に追加していく指令が重要になってくると思います。
4Gamer:
とりあえず,リセットがないということが確認できてよかったです。
メインストーリーは,だいたい3〜4か月で,この世界で何が起こっているのかということを体験していただくものになります。それをクリアしたあとは,先にお話しした期間限定の「指令」であったり,メインストーリーの枝となるエピソード付きの「指令」を順次追加していくので,そちらを楽しんでいただければと思います。
これまでのパワードールシリーズでは,敵方の様子というのがあまり描かれていませんでしたので,今作では敵方にもクローズアップしていきたいと考えています。「指令で毎回見かけるけど,索敵で捉えられない。あいつはなんなんだろう?」みたいな展開を考えています。それが指令を進めていくことでだんだんと正体が分かってくる……といったものも仕込んでいければと思っています。
4Gamer:
話を聞いていると,ブラウザゲームにしてはかなり世界観とかストーリーを重視している印象ですが,メインストーリーはどのような形で遊べるのでしょう?
安本氏:
例えば,なぜ敵と戦っているのか,敵がどういった活動や動きをしているのか,そういうものを全プレイヤーさんに,時限式で登場する指令として遊んでいただき,その中でメインストーリーが語られることになります。メインシナリオに紐付いた指令をクリアすると,画像とテキストでストーリーが語られる仕組みになっています。
メインストーリーの指令は,サービス開始後,一定の時間ごとに,プレイヤーさんのプレイ状況も踏まえて,少しずつ開放されていきます。あとから始められた方は,公開された範囲まで一気に遊ぶことができるので,すぐに追いつけます。
新展開の土台作りは完了。パワードールの正史になるような作品に
こうやって話していくと,私がやらなければならない作業がどんどん増えていくんですが……(笑)。ただ,実はこうした要素を盛り込むことができる土台作りを7月から今に至るまでずっと組み上げていたというのはあります。なので,いろいろなことができるようになったのが非常に楽しくて,つい今後の要素についてもたくさん話してしまうんですけど,残念ながらその時期についてはまだ確約できないのが正直なところです。
4Gamer:
なるほど,プレオープンβテストでは,7月から作業してきたことのすべてが見えているわけではないんですね。このあと,オープンβテストなり正式サービス開始という流れの中で,仕込んだものが出てくるのでしょうか。
安本氏:
今後の定期的なアップデートを視野に入れた形で追加した機能もありますね。指令についても,プレイヤーさんがどういった遊び方をしているのか,こういう要素がほしいというような要望を吸い上げて,新しい指令を柔軟に随時投入していくということも今のシステムなら可能です。それを全部反映するとなるとボリューム的に大変ではあるんですけど……(苦笑)。
4Gamer:
正式サービス向けて新しいプレイヤーがどれくらい増えるかというのもありますよね。
芳賀氏:
世界観や背景は非常にしっかりしている作品です。そこに今後弊社と工画堂さんのほうで新しい味付けをしていくわけですが,原作の良さを殺さず隠さず,でも新しい違った価値観を切り開けるようにしていきたいですね。
原作を知らないでゲームを始める,まったく新規の方も多数いらっしゃるので,そういった層も含めて,新キャラたちが,どう受け入れられていくのか? に注目しています。見た目もそうですが,女性兵士の背景設定でもかなり遊ばせてもらっているところはありますから。
4Gamer:
以前のものとはテイストががらりと変わっていますからね。
安本氏:
原作を遊んでいたような方からも「この女性兵士がほしい」ですとか,「いいじゃないか」という声はいただいているんですよ。それに,原作にこだわる方は原作の女性兵士のみで遊んでいただくことも可能ですし,新規の方は,分け隔てなく好きな女性兵士を選んで育成していただければと思います。
4Gamer:
そこは,うまくプレイヤーの側でチョイスして遊んでいけるといいですね。
芳賀氏:
実際,テスターさんにも非常に前向きなご意見をいただいているんですよ。
4Gamer:
ランキングを見ていても,プレイヤーの方々のやる気が感じられますよね。リセットされることは分かっているはずなのに,どれだけやり込むんだろうかと。連合もかなりしっかりしたものを作っていたり。
安本氏:
そういう方々の期待には応えていきたいですね。このあとオープンβと正式サービスまでに,さらに改善していきたいと思っています。あ,そういえば,正式サービスではオペレーターが変わります。
4Gamer:
そうなんですか!?
安本氏:
はい。正式サービスからは新しい子になります。新任のオペレーターが就任します(笑)。
オペレーターを変更するシステムも仕組みは用意したいですね。構想はありますので,楽しみにしていてください。
4Gamer:
気になるストーリーに山場が来るのはだいたいいつ頃でしょう?
安本氏:
現在盛り込んでいるものでは,実は足りないんじゃないかと考えています。盛り上げていくために,追加で見せていきたいところではありますので,
ストーリーが「実はこうだったんだ」というような展開があるのはサービス開始から2〜3か月目くらいでしょうか。実は戦っている敵はこういう背景を持った軍隊だったのかというところが判明するような流れになっていく予定です。
4Gamer:
それは楽しみです。原作ファンも気になる部分かもしれませんね。
安本氏:
原作の世界設定はきっちり守っていきます。このWebパワードールは,原作のパラレルワールドではなく,パワードールの正史にしっかりと組み込んでいただけるようなものにしていきたいと思います。工画堂さんにもかなり力を入れて設定に協力していただいています。
芳賀氏:
新しいローダーについての設定も,1体につきA4サイズの紙にビッシリと書きこまれるくらいの勢いで書かれていたりします。ゲーム上では再現できないような細かい設定もあったりするんですよ。
4Gamer:
良い感じにデザイナーさんが暴走してくださっているようですね。あとでその設定が生きてくるような展開があると楽しいと思います。
安本氏:
ゲーム中にビジュアルを挟むことはできますので,いろいろな見せ方はできると思うんですよね。
芳賀氏:
原作の根強いファンの方も,新しく来てくださった方でも,一緒に楽しめるようにはしていきますので,まずはプレイしていただけたらと思います。
4Gamer:
正式サービスでストーリーやイベントシーンも見れるようになってくると,またイメージも変わってきそうですね。チャレンジはしつつも,世界設定は守っていくという姿勢にも期待しています。本日はありがとうございました。
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