インタビュー
「PSO2」&「PSO2es」のキーマンにインタビュー。地球を舞台に“新体験”をもたらす大型アップデート「Reborn:EPISODE4」の見どころを聞いた
舞台は近未来の地球へ。そして新フィールド「東京」を舞台にアニメとゲームが連動した戦いが展開するEPISODE4では,2028年の地球に辿り着いたアークス達(プレイヤー)が人々の恐れが生み出した奇怪なエネミー「幻創種」と対峙することになる。
今回,新たな変革を迎えようとしているPSO2について,シリーズプロデューサーを務める酒井智史氏をはじめ,EPISODE4のチーフディレクター 中村圭介氏,同ディレクターの濱﨑大輝氏,そして「ファンタシースターオンライン2 es」(iOS / Andorid 以下,PSO2es)のディレクター 陳 智政氏にインタビューを実施し,アップデートの注目ポイントや今後の展開などを聞いてきた。
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EPISODE4のコンセプトは「新体験」
ファンタシースターシリーズだからこその挑戦を
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。
いよいよ間近に迫ったEPISODE4についてお聞きしたいと思いますが,今回のアップデートでは初めて「ダブルディレクター体制」を採用されていますね。
中村圭介氏(以下,中村氏):
はい。これまでは1人のディレクターがすべてを見ていたのですが,EPISODE4は僕と,EPISODE3のメインプランナーである濱﨑の2人で作業を分担する形になっています。
具体的には,僕がEPISODE4を全般的に見つつ,主にシステムやマップ周りを担当します。
濱﨑大輝氏(以下,濱﨑氏):
そして,僕は主にバトル関連のバランス調整やアクションなどを見ています。
中村氏:
EPISODE4のコンセプトは「新体験」ですので,これまでの延長線上でゲームを作るだけではコンセプトを実現できません。ゲーム全体のボリュームが増えてきているなか,さまざまなパートに目を配り,仕様や実装がコンセプトを実現できているかを確認し,クオリティを高めていく必要がある。そこでディレクターを2人にすることで,お互いに協力し合って,より質の高いものを目指そうということです。
4Gamer:
なるほど。
それでは,EPISODE4における「新体験」について詳しく教えてください。
中村氏:
PSO2は3年間サービスを続けてきたことで,「PSO2ってこういうゲームだよね」という「常識」のようなものが生まれています。その固定概念を壊し,これまでにないような体験で新しい驚きと喜びを提供するのが,EPISODE4のコンセプトです。
それは,単に「これが新要素です」と我々が出して終わりというものではなく,実際に体験した皆さんに「これは今までのPSO2にはない新しさ,楽しさだ!」と感じてもらうことが目的ですね。
4Gamer:
EPISODE4に関する発表では,2028年の「地球」,そして新フィールドとして「東京」の街が登場することに驚かされました。これまでのファンタシースターシリーズでも地球は登場していますが,物語に女子高生が関わってくるというのも予想外でした。このタイミングで大きな変化を与える理由はなんでしょうか。
酒井智史氏(以下,酒井氏):
今でなくてはできない“冒険”だと思っています。
現状,プレイヤーの中にもある種の慣れが生まれてきて,一方で新規ユーザーを獲得しづらくなっている。それが,EPISODE3で物語に一区切りがつき,アニメの放送がスタートし,PS4版のサービス開始を控えている今こそ,こうした状況をリセットするのに最適なタイミングだったということです。
実は,PSO2のサービス初期から地球を登場させるという構想は存在していました。しかし,「いきなり地球を出すのは飛躍しすぎかな」と考えていたんですよ。
4Gamer:
長い間,温めていたアイデアだったんですね。
酒井氏:
SFの面白さとはいろいろあると思いますし,「想像上の惑星での冒険」というものをこれまでやってきました。ですが,ファンタジーではできない「何でもアリ」感や「日常にSF的なものが入ってきたときの違和感」というのもSFの面白さの一つであると思っています。
PSO2に近未来の地球が入ってきたことで,本当に何でもアリの世界になったし,日常と非日常の境目を楽しんでもらえるようになりました。
ファンタシースターシリーズにはたびたび地球は登場していますし,SFファンタジーとしてはとても面白い題材でもあります。挑戦をし続けるシリーズですから,ここで新たな挑戦を仕掛けるのは,とても「らしい」ことだと思っています。ほかの有名IPのゲームにはなかなかできない,PSO2だからこそ可能な挑戦ですね。
4Gamer:
この発表は4Gamerで紹介したときも大きな反響がありました。酒井さんに寄せられているフィードバックはどのようなものがありましたか。
酒井氏:
賛否両論がありました。だからこそ,これまでにPSO2を遊んでいなかった方が振り向いてくれる可能性があり,これまでプレイされている方にも新しい驚きを提供できるものになると思っていますよ。
4Gamer:
賛否両論があることは想定済みだったと。
予想よりも否定的な意見が多かったものの,当初の方向性を変えるつもりはなく,とくに心配はしていません。むしろ,いろいろな意見が出てきて面白いです。
人間にはこれまで慣れ親しんでいたものが変化すると,まずは否定から入ってしまうという性質があります。とくにオンラインゲームの世界において,この傾向は顕著です。
EPISODE4では「なぜ地球に行くのか」「地球というフィールドが与えてくれる遊びとは」という点を,体験してご理解いただければ,やがて否定的な見方は解消されていくと思います。
アークス達が地球へ向かう!
アニメとゲームの連動も目が離せない
4Gamer:
EPISODE4は,EPISODE3の2年後が舞台になっていますが,すべてのアークスが地球に向かうという設定なのでしょうか。
中村氏:
すべてではありませんね。最初は限られた一部のアークスしか地球のことを知りません。
そのあたりの事情は,EPISODE4の冒頭で明らかにされると思ってください。ちなみにEPISODE4の舞台となる2028年の地球と,アニメ「ファンタシースターオンライン2 ジ アニメーション」の舞台である2027年の地球はまったく同じ世界です。
4Gamer:
確かにゲームとアニメ,どちらの地球にも同じタワーが建っています。
酒井氏:
さらに言えば,アニメに登場するPSO2と,皆さんが遊んでいるPSO2は同じゲームではありません。アニメのPSO2は「エーテル通信」というテクノロジーを使っており,作中の「エスカ」というOSにプリインストールされているという設定ですね。
また,昨年上演した舞台「ファンタシースターオンライン2 -ON STAGE-」はパラレル世界なので,こちらのPSO2もアニメとは異なるものです。
濱﨑氏:
プリインストールというと「マインスイーパ」みたいな感じですね(笑)。アニメに登場するPCにも注目してみてください。
酒井氏:
ですから,大勢の人が気軽にPSO2を遊んでいる世界です。光ファイバー通信を超えるエーテル通信の環境だと,ラグも一切ありません(笑)。
アニメにも携帯機が登場しますが,クラウドサービスのようになっていて,携帯機でのプレイもPCとの差はないでしょう。また,技術革新によってサーバーにもシップの概念がない世界だと思ってもらって構いません。
中村氏:
エーテル通信は,ファイバーケーブルがいらない超高速無線通信技術です。僕もPSO2をエーテル通信環境でプレイしたいです(笑)。
酒井氏:
ゲームとアニメはそれぞれ独立したストーリーになっていますが,両者のリンクに注目してもらうと新たな発見があると思いますよ。
地球の第1フィールド「東京」に
新エネミー「幻創種」現る
4Gamer:
地球の第1フィールドは「東京」と発表されています。ここにはどのような新体験が待っているのでしょうか。
中村氏:
まずはフィールド上に存在する文字が読めるという点でしょうか(笑)。これまではオラクル文字やリリーパ文字など,普通には文字で書かれていましたが,東京にある看板などのオブジェクトには,当然日本語が使われています。
4Gamer:
それは新鮮な感覚かもしれませんね。
中村氏:
遊びの面では,東京のフィールドには「ダッシュパネル」と呼ばれる新オブジェクトが設置されています。これを使うと高速ダッシュが可能になるので,「ダッシュパネルを乗り継いで,疾走しながらアイテム回収する」「暴走車を高速ダッシュで追いかけて,跳び蹴りでトドメを刺す」といった新しいアクションを楽しめます。
建物の大きさや都市の広さ,そこから生まれる現実感を遊びで表現するために,そして新しいアクションの面白さを生み出すためにダッシュパネルを採用しました。
4Gamer:
なるほど。
今後は東京以外の都市が登場するのでしょうか。
中村氏:
まだお話できませんが,次のフィールドも「地球のどこか」でしょうね。
酒井氏:
日本とは限りませんよ(笑)。
4Gamer:
ますます気になってきました。
東京に出現する新エネミー「幻創種」の情報も発表されていますが,これまでのSF風や妖怪風とは大きくイメージが異なりますね。
中村氏:
「地球に存在するエネミーとは何か」と考えたときに,「何者かが人々の恐怖を具現化させたエネミー」というアイデアが生まれました。ここから恐ろしさを感じる対象を挙げていき,軍事兵器や巨大な熊,カラスのような不気味なものを登場させることになりました。
デザインとしてはモチーフをそのまま再現しても,エネミーなのか無害なオブジェクトなのかがよく分かりませんから,リアルさだけでなく,いかにSFらしさを出すかという点で苦労しましたね。
酒井氏:
デザインに凝ったうえで,現実には存在しないような敵を作るとなると,どうしてもほかの惑星のエネミーと同じようなものになってしまう。そこで,幻創種は「現実の中にある違和感」という楽しさを追求しています。
中村氏:
たとえば戦車型エネミーの場合,見た目は普通の戦車ですが,リアルに再現するのではなく,さまざまな人が抱いている恐怖のイメージが混ざり合った戦車となっています。幻創種は体の一部に「完全にイメージを再現しきれていない箇所」があって,戦車なら砲塔が火炎放射器に変形して火を吹くといった,とんでもない攻撃も繰り出してきます。
4Gamer:
恐怖ということですが,ホラーテイストを突き詰めていくということではないと。
中村氏:
ええ,「巨大な熊に襲われたら怖い」「街中で暴走している車がいたら怖い」といった恐怖です。
新クラス「サモナー」は3種のペットを巧みに操る
4Gamer:
続いて,新クラス「サモナー」について教えてください。
濱﨑氏:
サモナーはオールラウンダーの「ワンダ」,ボス戦に強い「トリム」,援護攻撃が得意な「サリィ」という3種のペットを使って戦うクラスです。既存のクラスはプレイヤーキャラクター自身が攻撃していましたが,サモナーはペットに指示を出したり,テクニックで援護したりと,今までになかった戦い方ができます。
4Gamer:
「ファンタシースター感謝祭2016」では,サモナーに関して「疑似コマンドバトルのような感じ」と表現されていました。このタイミングで,アクション要素を抑えた新クラスを導入する理由はなんでしょうか。
濱﨑氏:
アニメやPS4版がスタートしたということで,現在のプレイヤー層とは少し異なる方が,新規に入って来られることを想定しています。そのなかにはアクションが苦手な方いらっしゃるかと思い,その方に向けたクラスというのが導入の理由ですね。
そのため,サモナーは素早く操作をするというより,状況に合わせてPAを使ったり,ダメージを負ったペットを撤退させて,倒れないようにケアしてあげたり,別のペットに交代させたりといった,従来のアクションとは異なるベクトルの戦略性が重要になっています。
ただ,アクション要素が極端に低いわけではありません。これまでのクラスとは違った方向性であるということです。
たとえばダメージを上げるには,従来のクラスならジャストアタックのタイミングを極めるといった,ある程度のアクション性が求められます。その点,サモナーは高いアクション性は必要ありませんが,ペットを育成が欠かせません。ジャストアタックが存在しない代わりに,ペットをしっかり育成しなければいけないということです。
4Gamer:
ペットが戦っている間,プレイヤーは手持ち無沙汰になりませんか。
中村氏:
ペットに指示を出したあとは,ペットの状況を見ながらスキルやテクニックで補助します。たとえば「ペットシンパシー」というスキルを取ると,ペットがレスタやシフタなどの援護を欲しがっているというマークが見えるようになります。そのとき,タイミングよくテクニックを使うと効果がアップするので,プレイヤーはペットの戦いぶりを見守り,エネミーを倒させたり,ペットが戦闘不能にならないよう適切な行動を取らなくてはいけません。
サモナーで援護のタイミングを学べば,パーティプレイでも役立つかもしれませんね。
4Gamer:
なるほど。
中村氏:
一度に呼び出せるペットは1体だけで,それぞれサモナーの武器「タクト」に紐づいています。つまり,タクトを装備変更すれば,ペットを交代できるということです。最大6つの武器を持てるので,「ワンダ6体」のように思い切った編成も可能です。
4Gamer:
ペットはどのようにして手に入れるのでしょうか。
中村氏:
新キャラクターをサモナーで始めると,最初はワンダを連れています。その後は,ゲーム内でドロップする「ペットエッグ」を集めて,新しいペットを手に入れてください。「マグ」に近い形で,1キャラクターあたり最大10枠ぶんのペットを登録可能です。
4Gamer:
同種のペットがたくさんになると,区別が難しくなりそうです。
中村氏:
ペットの名前は自由に設定できるので,それぞれに別の名前をつければ大丈夫ですよ。一度名前をつけた後でも,ペットラボでメセタを払えば変更できます。
4Gamer:
バトル中にペットのHPが尽きるとどうなりますか。
濱﨑氏:
一定時間,気絶したあとに全回復した状態で復帰できます。その時間はワンダが30秒程度,ほかの2体は60秒程度です。また,フィールドに出ていないペットのHPは自然に回復していくので,適度に交代させることが重要になります。
4Gamer:
だいぶイメージがつかめてきましたが,ペットはどのように成長していくのでしょうか。
濱﨑氏:
ペットに対して,ペットエッグを合成すると経験値が上昇し,一定値に達するとレベルアップします。ペットエッグの合成可能回数は連続5回までとなっていますが,これは時間経過によって回復していきます。クラフトのクールタイムやマグの満腹度に近いイメージですね。
どうしても短時間で成長させたい方向けに,ACで購入できるアイテムでも合成可能回数を回復できるようになっています。この場合は経験値にボーナスがつきます。ただ,無料でもそこまで時間がかからずに育成できるバランス調整を行っていますので,安心してください。
ペットの育成に関してはPSO2esとの連動要素があり,ペットエッグのほか,PSO2esでプレイして手に入るチップでの合成も可能です。ぜひ一緒にPSO2esもプレイしていただければと思います。
4Gamer:
「キャンディー」というアイテムを使って,ペットを強化する要素も発表されています。それぞれのペットが持っている「キャンディーボックス」に詰め込むということですが,そもそもキャンディーはどのように入手するのでしょうか。
濱﨑氏:
基本的にはクエストでドロップします。キャンディーは,それぞれに異なる潜在能力や特殊能力が付与されているようなアイテムだと考えてください。その効果が大きいものほど,キャンディーボックスを占有するマスのサイズが大きくなっています。
4Gamer:
キャンディーの大きさが効果の目安になると。
濱﨑氏:
メセタやグラインダーを支払って「キャンディー圧縮」を行うと,効果はそのままにサイズを縮められます。これにより,キャンディーボックスにより多くのキャンディーを詰め込めるようになるわけです。
なお,キャンディー圧縮は失敗することもありますが,キャンディーが消えたり,サイズが大きくなったりすることはありません。武器強化よりは易しいという位置付けです。
また,レアリティが★9以下の一部のキャンディーやペットエッグは,マイショップに出品できます。ただしキャンディーの場合,圧縮したものは取り引き不可になりますので,ご注意ください。
3月にはフィールドで採取や釣りが可能に
集めた素材で装備を作成する「ギャザリング」
4Gamer:
今後,EPISODE4はどのような展開を予定していますか。
中村氏:
まず,3月に大型アップデート第2弾「暴食と指輪」を予定しており,新要素「ギャザリング」を実装します。
現在,PSO2では「武器」「ユニット(防具)」という2つの装備カテゴリがありますが,ここに「スキルリング」という指輪が加わります。スキルリングを作成・強化するために,フィールドで採取を行い,素材を集めるというものですね。また,採取や釣りで得た素材から,特殊な効果を持つ料理を入手することもできます。
4Gamer:
これまでのPSO2になかった遊びですね。スキルリングにはどのような効果があるのでしょうか。
濱﨑氏:
そのあたりは今後の発表をお待ちください。ただ,ここにも「新体験」があるということは確かですよ。
4Gamer:
3種のコスチュームを重ね着できる「レイヤリングウェア」についてはいかがでしょう。
酒井氏:
今後の新コスチュームはレイヤリングウェアが主流になっていきます。基本的には「インナーウェア」「ベースウェア」「アウターウェア」の3種セットで1つのスタイルですが,特典アイテム「ハローキティTシャツ」※のように単体で配信することもあります。
※3月21日,東京・有明コロシアムで開催予定の「ファンタシースター感謝祭2016」決勝会場の特典アイテム。カテゴリはベースウェア。
中村氏:
アウターウェアをTシャツの上に重ね着することで,キティちゃんがチラっと見えるような着こなしもできますよ。
4Gamer:
キャラクタークリエイトのバリエーションが大幅に広がりそうです
中村氏:
地球が舞台になるということもあり,地球っぽい身近なファッションも増えます。従来の一体型コスチュームと重ね着することはできませんが,レイヤリングウェア同士であれば,その組み合わせは自由です。また,人気のコスチュームをレイヤリングウェア化していくことも検討しています。
PS4版のサービス開始に合わせて新パッケージ発売
アニメ版の主人公・イツキのコスチューム付き
4Gamer:
いよいよPS4版のサービス開始日が発表されましたが,あらためてスケジュールを教えてください。
PS4版のサービス開始は4月20日を予定しています。PlayStation Plusへの加入は必須ではなく,PCやPS Vitaとのキャラクター共用が可能です。同日にPC版のアップデートを実施し,より美しいグラフィックスの「設定6」が選べるようになります。
また,サービスインに先がけて,2月25日から3月6日までPS4版のクローズドβテストを実施します。こちらは1月25日から2月15日までに5万人のテスター募集を行う予定です。
4Gamer:
かなり大規模なテストになりますね。
酒井氏:
ええ。それから,4月20日には新パッケージ「ファンタシースターオンライン2 エピソード4 デラックスパッケージ」を3機種版(PC/PS4/PS Vita)発売します。アニメ版の主人公・イツキのコスチュームをはじめ,冒険に役立つアイテムのコードを同梱したパッケージとなります。
4Gamer:
ちなみにPS Plus加入者には特典があるのでしょうか。
濱﨑氏:
トライブーストなどの消費アイテムをプレゼントする予定です。限定モノではありませんので,加入されていない方もご安心ください(笑)。
4Gamer:
PS4版をきっかけに,新規にPSO2を始める人へのフォローはありますか。
中村氏:
PS4版のサービス開始に合わせて,初心者用の新コンテンツを実装する予定です。また,増えすぎたチュートリアルの整理を行う予定もあります。
4Gamer:
PS4といえば,「PlayStation VR」の話題がにわかに盛り上がっています。将来的にPSO2をPlayStation VR対応にする予定はありますか。
酒井氏:
現時点ではないです(笑)。実はPSO2でもテストをしたことはあるのですが,個人的にはすごく酔ってしまいました。
中村氏:
PSO2はテンポの速いアクションゲームなので,あちこち見ながら戦うと,立体感を味わう前に首が疲れてしまったり。でも,面白い体験はできました。
濱﨑氏:
「ロックベアって,こんなに大きかったのか!」といったような,PlayStation VRで見ることで新しい発見はありましたね。ギグル・グンネガムのサイズ感もすごかったです。ただ,PSO2での長時間プレイはしんどいかなと……。
酒井氏:
PlayStation VRで見るロビーも面白かったですよ。ただ,現状では乗り越えなくてはならないハードルが多いので,ペンディングしています。
PSO2esは連動強化と「ウェポノイド」の拡充
さらに魅力的なアプリを目指す
4Gamer:
ここからは,PSO2esの話をお聞きしたいと思います。まず,現在の状況を総括していただけますか。
陳氏:
昨年10月にPSO2のアルティメットクエストを,PSO2es側でクリアできる「クイック探索」を実装したのですが,利用率は高く,たいへん好評をいただいています。アクティブユーザー数も順調に増えており,12月末にはストーリーの新章を実装したばかりですね。
4Gamer:
新章について,プレイヤーの反響はいかがですか。
PSO2esオリジナルの新キャラクター「ジェネ」の人気が高く,SNSなどに多数のイラストを投稿していただいたりと,ユーザーの皆さまからの支持が感じられます。本当に嬉しい限りです。
4Gamer:
クイック探索に関しては,実装直後にサーバートラブルが発生しました。
陳氏:
サーバートラブルに関しては,皆さんにご迷惑をおかけして,たいへん申し訳ありませんでした。現在,クイック探索についてはアクセス集中によるトラブル回避のため,リセットの時間をずらす措置を取っています。
また,クイック探索以外の部分でも,通信障害などのトラブルが年末年始にたびたび発生してしまいました。年末に一度,機器を増強したのですが,緊急クエストでの瞬間的なアクセス集中が,機器の増強での想定を超えてしまっているというのが現状です。
今後,サーバープログラムの改修と,機器の増強をさらに進めていく予定です。少し対応にお時間をいただくかもしれませんが,安定した状態で遊んでいただけるよう,さらなる改善を行っていきます。
4Gamer:
その後,クイック探索で高レアリティの装備を入手したスクリーンショットがSNSに投稿されたことで,「これからはPSO2を遊ばなくても,クイック探索だけでレア装備が手に入るのではないか」という声が目立つようになりました。
「苦労して手に入れた装備が,クイック探索だと簡単に手に入るのか」という声があることは,開発チームでも把握しています。実装にあたり,チーム内でも検討を重ねましたが,最終的にクイック探索のコンセプトとして「やり込む時間のない方にしっかりとサポートを行う」という形で導入に踏み切りました。クイック探索で装備を揃えることにより,時間のない方もPSO2を楽しめる。そんな役割を担う機能として継続していく予定です。
ですので,その時点で最先端の装備を出すことはありません。あくまでもサポートという位置付けなので,1日あたりの利用可能回数に上限を設けていく形での運用について,今後も変更はありません。
酒井氏:
我々がポリシーを変えたということは,決してありません。ライトからヘビーまで,さまざまな層のプレイヤーに楽しんでもらうために,これまでの状況を緩和し,利便性を高める目的でクイック探索を実装しています。
濱﨑氏:
どうしてもPSO2のプレイ時間が取れないという場合に,クイック探索でそれを補ってもらうようなサポート的な使い方を想定しています。
酒井氏:
ですから,「良い装備は自分で掘って手に入れる」というポリシーは変わっていません。EPISODE3がスタートしたとき,「時間がないので,なかなかクエストを回れない。そのうえ,欲しいアイテムが出なかった」という理由で,プレイしなくなった方が非常に多かったんです。それを踏まえて,「輝石」を集めれば段階的に★13装備を手に入れられるようにしたところ,離脱される方が少なくなりました。
「石集め」と揶揄される方も多いのですが,結果としてより多くの方にレアを手に入れることを楽しんでもらえるようになっています。ドロップ自体がなくなったわけではありませんし。
ただ,輝石については急きょ入れたということもあり,種類が増えて煩雑になってきたので,システム的に取り込んでいく改善をしていきたいとは思っています。「ドロップだけのものもほしい」という声にも,ある程度は答えていきたいですね。
こうした流れがあり,「もっと多くのプレイヤーに楽しんでもらえるゲームにしたい」ということから実装したのがクイック探索でした。
4Gamer:
それでは,クイック探索における武器の出現率はどのようになっていますか。高レアリティ装備の出現率が高いようだと,プレイヤーのモチベーションはもちろん,PSO2全体の経済に影響が及ぶケースが考えられます。
出現率自体,普通にアルティメットクエストを回すのと同様です。もちろん事後検証も行い,問題ないという結果が出ています。
酒井氏:
当初の想定内で完全にコントロールできていますね。
濱﨑氏:
高レアリティ装備のスクリーンショットが拡散しましたが,良い装備が手に入ったら自慢したくなるのは当然だと考えています。初日に入手した方は,特別に幸運な方だと思います。僕もクイック探索を回していますが,★13の武器は手に入っていませんし(笑)。
4Gamer:
分かりました。
続いて,PSO2とPSO2esの連動要素はいかがでしょうか。
陳氏:
まずは,PSO2とPSO2esの両方から無料で使える「PSO2es連動倉庫」をEPISODE4の配信に合わせて実装予定です。これは,PSO2esをプレイしてもらえれば,誰でも利用できます。
ただし,PSO2esにログインしていない期間が30日間になると,PSO2からはアイテムを引き出すことしかできなくなりますので,ご注意ください。
4Gamer:
無料の追加倉庫というわけですね。
陳氏:
はい。さらにPSO2で装備したレイヤリングウェアの見た目が,PSO2es上でも反映されるようになります。また,アウターウェアのみであれば,PSO2esで着替えることもできます。
先ほども触れましたが,サモナーに関連した連動要素も用意しています。ペットに対してペットエッグやチップを合成でき,合成時にはサモナーの連動クラス経験値が加算されるという仕組みです。つまり,PSO2esではペット育成を通じて,サモナーも育成できるようになっています。
4Gamer:
PSO2esは,サモナーやペットの育成に欠かせない存在と言えそうですね。
陳氏:
合成可能回数に関しては,PSO2とは別にカウントする仕組みなので,プラットフォームの垣根を越えて,よりペット育成をお楽しみいただけるようになっています。
ただ,PSO2es上ではペットエッグがドロップしません。PSO2esで入手可能なチップや,PSO2でドロップしたペットエッグを「PSO2es倉庫」に預けておき,それを引き出すなどの方法で育成していただきたいと思います。
4Gamer:
PSO2esでは,人気武器がキャラクターと化した「ウェポノイド」も注目されていますが,今後の展開はいかがでしょうか。
陳氏:
PSO2は武器に対して,プレイヤーそれぞれが深い思い入れを持つオンラインゲームです。しかし,苦労して手に入れた武器であっても,実装から時間が経ったり,新たなレア武器が登場したりすると,どうしても過去の思い出になってしまう。
その思い入れに焦点を当てるという目的で実装したのが,ウェポノイドです。1月のアップデートでウェポノイドにボイスを追加しますが,ただ声をあてるだけではなく,キャラクター性を持たせ,ウェポノイドにより愛着を持ってほしいという狙いがあります。
今後,新たに実装していくウェポノイドはすべてボイス対応となり,魅力的なキャラクター性を打ち出していきます。
4Gamer:
PSO2の世界に対して,PSO2esからも掘り下げが行われるということですね。相乗効果に期待したいと思います。
それでは,ファンタシースターオンラインシリーズ15周年を迎えた2015年が明け,2016年は早々にEPISODE4という大きな変革がPSO2を待っています。最後に意気込みをお願いできますか。
陳氏:
EPISODE4のコンセプトである「新体験」をPSO2esでも共有し,プレイヤーの皆さんに新しい体験や驚きを提供したいと思っています。また,PSO2との連動をしていない方に向けても,PSO2のPC版やPS Vita版,PS4版へとつなげられるような施策を考えていきます。
濱﨑氏:
EPISODE3のメインプランナーだったときに,今までと同じことをしていたのでは,プレイヤーの皆さんが慣れたり,飽きてしまったりするということを痛感しました。その経験を生かして,EPISODE4では「新体験」を掲げていますが,初回配信時の勢いだけで終わりにするのではなく,つねに皆さんを飽きさせないように頑張ります。
EPISODE4を機に,新しいチャレンジの体制を整えています。これまでの延長線上でモノ作りをすれば,当然,楽ではありますが,それでは未来が広がりません。新しいことに挑戦し続けるのが,ファンタシースターシリーズだと思っています。
「未来への挑戦」と言ってしまうと大げさかもしれませんが,「PSO2はまだまだこんなことができる」と感じてもらえるようなものにしていきます。
酒井氏:
この15年間,ファンタシースターオンラインシリーズを続けてこられたのは,「オンラインゲームをもっとたくさんの方に楽しんでもらいたい」という目標があったからです。アニメはその集大成でもあり,EPISODE4もずっと温めてきた構想の発現でもあります。
僕達はEPISODE4について「PSO2の第2章」「これから新しく始まるゲーム」という認識を持っています。それがサブタイトルの「Reborn」につながるのですが,もちろん今までプレイされてきた方を裏切ることはしません。必ず楽しめるものにします。
ゲームとアニメ,一緒に楽しんでもらえれば嬉しいですし,お近くで開催する際には「ファンタシースター感謝祭2016」にもご来場ください。ゲーム内外,そのすべてがPSO2というオンリーワンのコンテンツを構成するものだと思っていますので,引き続きよろしくお願いします。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
サービス開始の当初から温めていたというアイデア,新惑星・地球が満を持して投入され,ますます日常と非日常の狭間を行き来する冒険を楽しめるようになるPSO2。さらにゲームと同じ世界を舞台としたアニメも放映中で,今後どのようにリンクしていくのか,大いに気になるところだ。
サービス開始から4年目に突入するタイミングで仕掛けられる大胆な革新だが,プレイヤーにはどのように受け止められるか。1月27日の実装を楽しみに待ちたい。
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