「ファンタシースターオンライン2」のオフラインイベント「アークスX'masパーティー」をレポート。2014年のアップデート情報が次々と公開に

　セガは2013年12月14日，オンラインRPG「ファンタシースターオンライン2」（PC/PS Vita。以下，PSO2）のオフラインイベント「アークスX'masパーティー」を東京都内で開催した。
　同イベントでは12月18日に実装される12人用クエスト「採掘基地防衛戦」の先行プレイ体験会や，ニコニコ生放送の公式番組「PSO2放送局」の公開生放送が行われた。本稿では，公開生放送で発表された最新情報を中心に会場の模様をレポートしよう。

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2014年3月20日に発売予定の「PSO2」新パッケージには，永野 護さんがデザインした武器が特典として付属。「PSO2」公式コミュニティも用意される新SNS「it-tells」が12月17日にβテストを開始

「ファンタシースターオンライン2」公式サイト

（左から）PSO2 PS Vita版ディレクター 菅沼 裕氏，榎本温子さん，PSO2 シリーズプロデューサー 酒井智史氏，会 一太郎さん，PSO2 シリーズディレクター 木村裕也氏

生放送では会さん，榎本さん，桃井はるこさんの3人が，新たなロビーアクションのモーションキャプチャーにチャレンジした模様が披露された。詳細は次回以降のPSO2放送局などで発表されるとのこと

酒井氏ら登壇者にEPISODE2 ディレクターの中村圭介氏（写真左端）を加えた6名と，来場者6名が採掘基地防衛戦をプレイするコーナーも設けられた。このコーナーでは，フィールド上に出現する「正結晶」を集めて防衛兵器を設置しないと攻略が難しいなどの情報が明かされた

EPISODE2大型アップデート第3弾

「創るものと護るもの」Part2〜3の情報が公開

　会場では，Code：EPISODE2大型アップデート第3弾「創るものと護るもの」の情報が公開された。
　まず12月下旬に実装される「創るものと譲るもの」Part2では，新チームルーム「凍土拠点」が登場。一見しただけでは分からない隠し通路があるという。また，お正月にちなんだ内容の新スクラッチ「ハッピーニューイヤーパーティー」も登場する。
　さらにEPISODE2 第4章「滄海の底に、震える」には，「カブラカン」や「謎の少年」が登場。さらにマターボード報酬には新アイテムが追加される。


　年が明けて2014年1月1日0：00には，ロビーが正月仕様に切り替わり，2週間の期間限定で「リバイバルスクラッチ」が登場する。「午年アクセサリーセレクト」（200AC），「午年ラッキーバッグG」（500AC）ともに過去の人気コスチュームなどをセットにした内容になるという。


　2014年1月中旬に予定されている「創るものと譲るもの」Part3では，「テクター」と「ブレイバー」のバランス調整を実施。テクターはスキル「ウォンドラバーズ」が上方修正され，ダメージ倍率が上がったり，ステップが可能になったりする。またブレイバーは，スキル「アサギリレンダン」のキャンセルタイミングの変更や，基本アクションの調整などが行われる。
　そのほか，システムの改善やFUNショップアイテムも追加される。


　また，予告専用緊急クエスト「平穏を引き裂く混沌」が登場する。このクエストは，1周年記念イベント「境界を砕く混沌」をリニューアルしたもので，エネミーがすべて侵食核つきで登場する。


　さらに会場では，このアップデートの最大の目玉となるアイテムカスタマイズの新要素「クラフト」の実演デモが行われた。
　キャラクターにはクラスレベルとは異なる「クラフトレベル」が設定され，特定の条件を達成して実績を解除することでレベルが上がっていく。

　クラフトはマイルームで実行可能で，武器を強化する「武装エクステンド」とテクニックを強化する「テクニックカスタマイズ」が可能となる。いずれも実行するには，別途レシピを入手する必要があるが，基本的に失敗することはなく，逆にボーナス効果が付与される「大成功」がクラフトレベルに応じて稀に発生する。

　武装エクステンドでは，エクステンドレベルが上がるにつれて武器を強化できるようになる。また装備条件の緩和も可能で，装備可能クラスが増えることもあり，中には全クラス装備可能にする効果もあるそうだ。
　もう一方のテクニックカスタマイズでは，テクニックの威力や発動速度を向上させるなどのメリットがある反面，消費PPが増えるなどのデメリットが生じてしまう。新たなテクニックのディスクを入手することも可能で，チャージエフェクトが変化するなどの違いも生じる。このディスクは必要なときに消費し，自分の覚えているテクニックを上書きできる。
　なおACショップでは，クラフトのクールタイムやテクニックカスタマイズのデメリットを軽減したり，ボーナス効果を付与したりするアイテムが用意される。


　クラフトで強化したアイテムはオーナー登録されるため，トレードができない。しかしゲーム中では，ほかのプレイヤーにクラフトを依頼する，あるいは逆に受注することも可能になっている。クラフトを依頼する場合は，自分に必要なレシピを公開しているプレイヤーを検索し，必要な素材と通貨を揃えて申し込めばいい。逆に依頼される側は，素材集めをせずともクラフトレベルを上げられるというメリットがある。

会場では，2014年前期のロードマップも発表された。セガ以外のビッグタイトルとのコラボレーションも予定されているという

永野 護さんデザインのアイテムや

PSO2公式コミュニティの発足などが発表

　さらに，12月17日よりβ版サービスが開始となるセガのWebコミュニティサービス「it-tells」にて，PSO2公式コミュニティがオープンすることが発表された。
　PSO2の公式コミュニティは全12種類用意され，内訳は運営開発チームからのお知らせ，プレイヤー交流の場，所属Ship（サーバ）ごとの交流の場となっている。SEGA IDを持っていれば利用可能で，スマートフォンにも対応しているとのこと。


　またスマートフォン版「ファンタシースターオンライン2 es」（iOS/Android）は，サービスインが2014年春予定であることが発表された。現在は，体型変化への対応やテクスチャクオリティの改良をはじめ，システム改修，バランスの再構築と調整などを行っているという。


　さらにPS Vita版の発売から1周年を記念し，Web連動イベント「アークス共闘祭2014」が2014年1月22日から3月5日まで開催される。同イベントでは，ニコニコ動画にてPSO2の動画コンテストなどが行われる予定だ。


　「ファンタシースター感謝祭2013」アイテムデザインコンテストの入賞作品および「アークスグランプリ」優勝チーム考案の武器迷彩CGモデルも発表された。アイテムデザインコンテストの入賞作は2014年1月に実装され，ACスクラッチにて入手できる。なお，アクセサリーの一部は，FUNショップにて期間限定で入手可能とのことだ。
　一方，アークスグランプリ優勝チーム考案のアイテムは，アークス共闘祭2014のWeb連動企画を通じて配布される予定になっている。


　また既報のとおり，「EPISODE2デラックスパッケージ」がPCとPS Vita向けに2014年3月20日に発売されることがアナウンスされ，特典としてデザイナー 永野 護さんが手がけたアイテムが付属すると発表された。

現在実施中のキャンペーンをはじめ，12月25日発売予定のBGMコレクションBOX，2014年3月に展開予定の「SEGAラッキーくじ『PSO2』」などの情報も紹介された

2014年の展望を酒井智史氏と木村裕也氏に聞いた

　最後に，イベント終了後に行われた酒井氏と木村氏のメディア合同インタビューの模様をお届けしよう。


――まずは，イベントで公開された採掘基地防衛戦の手応えを教えてください。

木村氏：
　採掘基地防衛戦は，2012年12月に実装された「ダークファルス」に代わる大規模なコンテンツとして，2012年9月頃から開発を進めていました。長らく開発を進めてきたコンテンツですが，この先行体験会で皆さんに遊んでいただき，大きな手応えを感じました。

酒井氏：
　採掘基地防衛戦は，12人で遊べるアクションというPSO2ならではの面白いコンテンツです。難度が高く，手応えがあるので，参加者同士でコミュニケーションできる内容に仕上がりました。体験会では，実際にコミュニケーションを取りながらプレイしていただけていましたね。

――採掘基地防衛戦は，どれくらいの難度を想定していますか。

木村氏：
　スーパーハードは，レベルがカンストしている人でも手応えを感じるレベルにしています。今回はどんなに上手な方でも一人では絶対にクリアできない，本当に12人で協力する必要のあるコンテンツを目指しました。ただし，うまくなければ参加できないようでは問題がありますので，正結晶を拾っているだけでも役に立てるというような仕様にしています。

――クラフトシステムは，どれくらいのレベル帯から楽しめるのでしょうか。

木村氏：
　クラフトレベルは，クラスレベルとは別なのでゲームを始めたばかりの方でも楽しめます。ただし★7以上の武器が必要になってくるので，素材を自力で集めるとしたら本格的に楽しめるのはレベル20から30あたりからでしょう。★7以上の武器をマイショップで購入し，分解して素材を入手すれば低いレベルからでも利用できます。また，採掘基地防衛戦の報酬で★7以上の武器を入手しやすくなっています。

――テクニックカスタマイズでは，作成したディスクを使ってテクニックを上書きしていくとのことですが，解説をお願いします。

木村氏：
　上手な方なら，作成したディスクを複数所持して，状況に合わせてその場でテクニックを書き換えるなんてこともできるるかもしれません。
　ただし現状では，一度上書きしてしまったテクニックは元に戻せません。将来的にテクニックをノーマルの状態に戻すことができるようにする予定です。

――クラフトのクールタイムを教えてください。

木村氏：
　最短で3〜5分ぐらい，最長では数時間です。効果の高いレシピほど，クールタイムが長くなります。

――2014年前期のロードマップでは，早くもクラフトシステムの拡張が予定されていますね。

木村氏：
　新たな武器の実装に合わせて，クラフトで強化できる武器の制限が緩和されます。また，レシピも別バージョンなどが追加されますし，ほかにも脇を固めるコンテンツなどが登場する予定です。

――最後に，PSO2プレイヤーに向けてメッセージをお願いします。

酒井氏：
　2013年はPS Vita版のサービスインやコンサートの開催，感謝祭，エピソード2の実装と盛りだくさんの年になりました。その一方ではHDDの問題で皆さんにご迷惑をおかけしたこともあり，開発体制を変更しています（関連記事）。EPISODE2では採掘基地防衛戦とクラフトという目玉コンテンツで，より盛り上げていきます。
　そして2014年はスマートフォン版のサービスインによって，「境界を越えるRPG」を実現し，ますます盛り上げていきます。EPISODE2のクライマックスもありますし，また感謝祭もやりたいですね。

木村氏：
　オンラインゲームはサービスインの1年目が一番大変だと思っていたのですが，PSO2は2年目も非常に大変でした。コンテンツを2倍3倍と増やしていくPSO2のアップデート手法は，実際にやってみると本当に大変です。そうした中で，HDDの問題では，予測ができず申し訳なく思っています。ただ，それで開発の手を止めてしまうのはもっとご迷惑をおかけすることになってしまいます。2014年はクオリティを維持しつつ，「安心できる『PSO2』」を目指します。

――ありがとうございました。

「ファンタシースターオンライン2」公式サイト