プレイレポート
「ファンタシースターオンライン2」,α2テストのプレイレポート掲載。プレイヤーからのフィードバックをうけてプレイの快適さが大きく向上
今回のα2テストは,新たに追加される要素や,2011年夏に実施されたαテストからの改善点,そしてサーバー負荷の検証を目的としたものだ。本稿では,このα2テストの内容を,実際にプレイした感触を交えてお伝えしていく。
なお,ここでお伝えする内容はあくまでテスト段階(1月27日および1月28日)のものであり,そのまま製品版に実装されることが確定しているものではない。この点だけは,ゆめゆめお忘れなく。
「ファンタシースターオンライン2」公式サイト
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PSO2は従来作品からどのように進化したか
まずは簡単に作品の概要と特徴をおさらいしておこう。
PSO2は,2000年にコンシューマ初のオンラインRPGとして発売された「ファンタシースターオンライン」の流れを汲む作品だ。中毒性の高い成長要素やドラマティックなストーリー,独特のコミュニティ要素で多くのプレイヤーを魅了する「PSO」シリーズの最新作とあって,ファンからの期待も非常に大きい。
ゲームの流れは従来シリーズと同様,多くのプレイヤーが集まるロビーでクエストを受諾し,最大4人のパーティで冒険に出るというMO形式。ただし,入るたびにマップ構造が変化する「ランダムフィールド」や,クエスト中に突然起こる「インタラプトイベント」など,本作ならではの要素も数多くある。クエストによっては,最大12名が同じフィールドに会す「マルチパーティエリア」が存在するものもあり,ここではMMORPGにあるような“偶然の出会い”もある。
ランダムフィールドやインタラプトイベントといった偶発的なできごとが重なるクエストはプレイヤーを飽きさせず,“無限の冒険”へと誘うというのが,PSO2のウリでもあるのだ。
また,シリーズで初めて実装された“ジャンプアクション”は,フィールド上での立体的な移動や,高い位置にあるモンスターの弱点部位への直接攻撃を可能にする。
これまでの作品ではカーソル+ロックオンで敵と戦っていたのだが,PSO2ではジャンプアクションの導入に伴ってか,画面中央のターゲットに向かって攻撃を行う“TPSスタイル”での戦闘もできるようになった。
従来シリーズと比べて,とくに遠距離武器を装備したときのプレイフィールは大きく変化しており,全体的に見てもアクションRPGへと変貌した印象だ。
α2テストではユーザビリティの向上に注力
と,まぁ上記にあるような内容をプレイヤーが初めて体験したのは,2011年夏に実施されたαテストのときのこと。今回のα2テストではこのプレイフィールに大きな変更はなく,ユーザーインタフェースの変更やバランス調整といったユーザビリティの向上に重きが置かれていると感じた。
1つ1つの変更点は細かいので,分かりやすいようにスクリーンショットを交えて見ていこう。
ここであげたものは,プレイした際にとくに実感できた箇所。このほかにも多数の変更/調整項目があり,すべてPSO2の公式サイトで公開されている。前回のαテストに参加していないと分かりづらいものもあるが,気になる人はそちらも一度確認してみるといいだろう。
ともあれ,ユーザーインタフェースやアクションのバランスなど,ゲームの根幹に関わる部分の完成度は,αテストよりも格段に向上していると考えてよいだろう。
新コンテンツとしてマイルームや装備強化システムが追加
基本システムの調整もさることながら,ファンとしてはやはりコンテンツの拡充具合も気になるところ。α2テストでは,新たなボスエネミー「キャタドラン」のほか,マイルームやアイテムの強化システムといった新コンテンツが加わった。
キャタドランは,伸縮性のある胴体をもった蛇のようなドラゴンタイプの新規エネミー。1体ではなく複数体で出現し,地面に潜ったり体を振り回したりと,まるで駄々をこねる子供のように暴れまわる。まぁこれで見た目に愛嬌があれば可愛げもあるのだが,刺々しい体とミミズのような動きは愛嬌とはほど遠い。
マイルームは各プレイヤーに1つずつ割り当てられているスペース。リフォームチケットで外装を変更したり,手に入れた家具を配置したりして自分好みの部屋にできるのは,従来作品でも見られた要素だ。
ただ,PSO2では最初のワンルームの部屋の左右に1つずつ部屋を追加して,最大3部屋を自分のマイルームにできる。もちろん,ほかのプレイヤーをマイルームに招待することもできるので,「立ち話もなんですし……」なんてときにはぜひ活用したい。
アイテムラボで行えるアイテムカスタマイズは,純粋にアイテムの能力を上げる強化と,武器の属性値を上げる強化,そして特殊能力を追加の3種類だ。
能力強化では,「強化したいアイテム」+「グラインダー」+「メセタ」を揃えれば,最大10段階までアイテムを強化できる。強化は回数が進むごとにリスクが大きくなるが,今回試したヴィタロッドでは,最悪の事態が起きても強化値が−2されるだけで,アイテムが破壊されるようなことはなかった。こちらの強化は,ユニット(防具)でもできる。
武器の属性値を上げるための強化には,「強化したい武器α」+「武器α’」+「シンセサイザー」+「メセタ」が必要になる。この強化には,どうやら武器(α)と,属性値がついたαと同じ種類の武器(α’)を揃えなければいけないようだ。たとえば,「火属性+10」のヴィタロッドの属性値を上げようと思うのならば,もう1本「火属性+N」のヴィタロッドを用意しておく,といった具合である。ちなみに属性強化をできるのは武器のみ。
武器の属性値は最大で50%。属性値を上げるための強化を行っても武器の強化値は増えなかったので,武器のストックさえあれば何度でも試せるのかもしれない。このあたりは,今後続くクローズドβテストやオープンβテストで明らかになるだろう。
システムの改善は見られたものの通信関連には課題を残す
今回のα2テストでは,基本的なシステムの細かい部分にまでメスが入り,総合的なゲームの完成度はαテストと比べてぐっと高まった印象を受けた。とくにユーザーインタフェースの改善は素晴らしく,情報の視認性の向上やチャットシステムの改善によって,プレイ時のストレスは少なくなっている。
ただし今回のテストでは,通信遅延といったマルチプレイ時の問題が発生していた。サーバー負荷テストのために収容人数の限界が当選者数に対して低めに設定されていたので,問題が起こるのは当然と言えば当然なのだが,ストレスを被ったプレイヤーも多かったようだ。
テスト2日目となった1月28日は,公称で同時接続者数2万3000人弱を記録しており,これは現サーバーの収容可能人数の限界値に近いという。
実際,混雑時には通信遅延によってキャラクターの位置が分からず回復支援がうまくいかなかったり,敵から受けたダメージが一定時間後に自キャラクターに反映されてHPが0になったりといった現象に遭遇した。
もちろんセガもこの問題は認識しており,プレイヤーズサイトにて「現状が製品レベルのものだとは考えていない」とコメントしている。続く2月1日のα2テストでは,改善策も導入予定とのことなのでテスターは期待しておこう。
ともあれ,プレイヤーからのフィードバックを受けてユーザーインタフェースやチャットシステムといった基本的な部分にまでメスを入れられるのは,国産タイトルならではの強み。α2テストの残り期間はもちろん,以後続くであろうクローズドβテストやオープンβテストで,PSO2がどのように変わっていくのか,非常に楽しみだ。
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