プレイレポート
「ファンタシースターオンライン2」αテスト段階でのキャラクターエディット機能を見る。顔はもちろん,体型や手脚のバランスまで無段階に調整可能
「ファンタシースターオンライン」といえば,キャラクターエディットが一種独特なインタフェースではあるが,あちこちを変形できる面白いものだった。筆者はPC版でプレイしていなかったが,かつてドリームキャストで,うにうにとキャラをいじっていたのは良い思い出だ。
その後,「ファンタシースターユニバース」シリーズや「ファンタシースターポータブル」シリーズを経て,PSO2のキャラクターエディットはどのように進化したのだろうか。プレイレポート自体はすでに掲載されているので,本稿では,PSO2のキャラクターエディット部分に焦点を当てて紹介していきたい。
「ファンタシースターオンライン2」公式サイト
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PSO2で使用できるプレイヤーキャラクターは,ヒューマン,ニューマン,キャストの3種族。ヒューマンは人間で,ニューマンは耳長のエルフタイプ,キャストはメカメカしいアンドロイドという取り合わせ。それぞれ男女を選択可能だ。
このうち,ヒューマンとニューマンについては,各種パラメータでうにうにと変形できるのだが,キャストについてはパーツの選択だけで,細かい形状エディットはできない仕様となっている。
クラスは3種類で,ハンター,レンジャー,フォースが用意されている。キャラクターの外見には影響しないので,詳しい説明は割愛する。
また,本稿における用例は基本的に女性キャラに絞っている。男性キャラはほとんど扱っていない点は,あらかじめご了承を。
1. 種族と性別を選択する
2. クラスを選択する
3. ベースとなるキャラを選択する
4. 顔の各部を調整していく
5. 髪型やアクセサリを選択する
6. 体型を調整していく
各部の調整の方法なのだが,これは大まかに「顔」「体型」の二つに分けて行われる。それぞれに「かんたん」と「こだわり」の編集モードが用意されているのが特徴である。なお,詳しくは後述するが,以下はヒューマン/ニューマンにおけるキャラクターエディットで,キャストについてはまったく別物となるのでご注意を。
まずは,かんたん顔編集から見ていこう。この部分のサブメニューには,以下9種類の項目がある。
・顔ベースタイプ
・顔ブレンドモーフィング
・顔パターン選択
・瞳パターン選択
・顔カラー設定
・まゆ選択
・まつげ選択
・スキンパターン選択
・メイクパターン選択
ベースタイプの選択は,作り置きのキャラを呼び出して作業の土台にするもので,前述のようにイメージに近いものを選べばよいだろう。
「かんたん編集」のブレンドモーフィングは侮れない
ここで指定できる「イメージ」というのには,「クール系」「熱血系」「癒し系」「ガッチリ系」といったものがあり,それぞれに「大人顔」「子供顔」というのも用意されている。
大雑把にいうと,クール系は切れ長系の目で面長の顔型,熱血系は目が大きめ,癒し系はやや垂れ目で顔丸め,ガッチリ系は目はやや小さく顎が四角めという感じか。「熱血系癒し顔」とか「クール系ガッチリ顔」みたいな感じで,二つの要素をどれくらい反映させるかを無段階で調整できる。
クール系 |
癒し系 |
ガッチリ系 |
熱血系 |
これは「熱血系大人顔」 |
ブレンドして好みの感じに調整 |
なお,4要素のブレンドができれば,かなり複雑なものもできそうではあるが,少し考えれば,中央部分がニュートラルでないといろいろ困ったことになるのも明らか。現状の仕様なら,ああでもない,こうでもないと,いじり回しているうちに元々どんな顔だっけと分からなくなったら,マウスをセンターに持っていけばいい。
スキンパターンでは,しわのよった年寄り顔を選択できる。メイクパターンではヒゲや入れ墨なども指定できる。この辺は好み次第というところか。「かんたん編集」だけでも,ベースタイプの選択とモーフィングだけでかなりの部分までいじれるので,ほとんどの人はこれだけでいいのではないかと思われる。
各部を個別調整できる「こだわり編集」
それでも物足りない人のためには,「こだわり編集」が用意されている。これは顔型の詳細や配置などを調整できるもので,サブメニューの項目は以下のとおり。
・輪郭の調整
・顔パーツ配置の調整
・目の調整
・鼻のサイズ調整
・鼻の高さ調整
・耳の調整
・口の調整
まず,輪郭の調整から見ていこう。顔の絵の周りに4点による四角形が描かれているのだが,上下と左右は連動しているので,操作としては2系統の処理となる。
まず上下の頂点は,顔の長さを調整するもので,上下に移動できる。頂点をつかんで上下に伸ばすと,当然ながら顔が伸びる。どう伸びるかというと,額の部分は固定されていて概ね下に伸びる感じだ。顔全体は,顔を伸ばすと下にいく感じとなる。後述するが,ここは結構重要なので頭に入れておいてほしい。
左右の頂点は,上下左右に動く2自由度のスライダーになっている。横に動かすと,当然ながら顔の横幅が伸びる。では,上下に動かすと? ここがまさに輪郭の調整たる部分で,顎の線の曲率が変わってくるのだ。上に持ってくると,顎が尖り気味の細面に,下に持ってくると,顎がふくよかな太め顔になる。無段階で調整できるので好みの位置を探せばいい。
続いて,顔パーツ配置の調整だ。
こちらは上下と左右で2系統の操作,それぞれ1自由度であり,概ね,顔パーツのセンター集中度を調整するものと考えればいい。縦方向は,髪型との関係で,横方向は,主に目の横幅調整と連動して調整することになるだろう。
●目の調整:
上下の点(1自由度) 目の上下幅
左右の点(2自由度) 目の左右幅と目の角度
目の間隔は顔の横幅自体での調整となるので,そちらと連動して操作しよう。PSO2では,各種操作パネルを4個まで画面に同時に置いて操作できるので,目の調整,顔パーツの配置,瞳パターン選択,まつげパターン選択などを開いておけば,目に関する操作は1画面でできることになる。
鼻の調整は2種類に分かれている。正面から見たときの形と,横から見たときの形のそれぞれの調整と考えればいいだろうか。具体的には,以下のような感じになっている。
●鼻のサイズ調整:
上下の点(1自由度) 鼻の上下幅
左右の点(2自由度) 鼻の左右幅と形状の調整
●鼻の高さ調整:
上下の点(1自由度) 鼻の頭の大きさ
左右の点(2自由度) 鼻の高さと鼻周辺の調整
口については,以下のようになっている。口自体の上下位置は,独立には指定できないようだ。
●口の調整:
上下の点(1自由度) 唇の厚さ
左右の点(2自由度) 唇の左右幅と口角の上げ下げ調整
耳の大きさや角度も指定できるのだが,ヒューマンではほとんど使うことはないのではないだろうか。ニューマンの場合は大きな影響が出るので,ここではニューマンの例を挙げておこう。
こういった顔エディットをする場合は,最終的な髪型が決まっているならそれを,決まってない場合は顔がよく見えるものを選択するのが基本だ。
なぜかというと,αテスト時点での髪型はちょっと“重い”ものが多く,目の位置を相当下げないと,眉毛を見ることすら難しいものが多かったのだ。前髪を上げたスタイル以外では,顔の長さを最高に伸ばし,顔パーツの上下位置をめいっぱいセンター寄せ(相対的に上端が下がる)にしないと適用が難しいことがある。
髪型を調整するか,顔自体の上下位置移動(こちらが望ましいのだが)がほしいところだ。
顔の完成形。やはりこれくらいがギリギリか |
この髪型も合わせづらい |
このように,こだわり編集では細かな調整ができるのだが,気になるのは,こだわり編集モードが基準としているのは,最初に選んだ顔のベースパターンのデフォルト値であり,かんたん編集などを加えたあとのデータではないということだろう。
かんたん編集で大まかに形を決めて,こだわり編集で詰めていくという流れでいけそうなのだが,こだわり編集にした途端に顔が変わってしまう。これに戸惑ったテスターもいただろう。ただ,これは不具合として告知されている要素なので,修正されると見ていいはずだ。
現状の編集状態に対する加工ということであれば,かんたん編集で作った顔がどれくらいのパラメータに相当しているのかなどを把握しやすくなるので,なんとか実現してほしいところだ。
体型の調整
体型の調整でも「かんたん」「こだわり」の2つのモードがある。ここでもブレンドモーフィングは威力を発揮する。用意されている単語は「ぽっちゃり」「グラマー」「細め」「肩幅狭め」の4種類で,それぞれ「上半身強調」と「下半身強調」を追加したものが用意されており,ぽっちゃり好きからスリム好きまで,多彩な好みに対応している。
これはスクリーンショットを見ていただいたほうが分かりやすいだろう。そのほか,肌カラー設定とボディペイント選択については,見たまんまという感じだ。
細め |
グラマー |
ぽっちゃり |
肩幅狭め |
続いて「こだわり体型編集」で各部の調整に移るが,最初に注意事項を一つ。
体型確認の際に,ズームアップの制御がちょっと特殊な仕様になっているので注意しよう。マウスのホイールでズームイン/アウトできるのだが,そのときの視野角度によってズームされる場所が変わるという感じだ。ちょっと説明しづらい動作なのだが,なんとなく頭の隅に入れておくと,細部確認の際に戸惑わなくて済むかもしれない。
こだわり体型編集は,以下の4項目のサブメニュー構成になっている。
・体型の調整
・バストの調整
・腕の調整
・脚の調整
体型の調整は,四角形の上下2点で身長を設定する。左右2点で横幅を決定し,幅を左右位置で,ボリュームゾーンをどのあたりに持ってくるかを上下位置で指定する感じになる。
バストの調整は,上下2点で底面積(ないし基本形状),左右2点でバストトップの高さと角度を調整できる。
これまでバストサイズを設定できるキャラクターエディット機能を持ったゲームというのはいくつか出てきているわけなのだが,どうも中途半端というか,最小にしてもDカップくらいはありそうな,いわば単にデカくするだけなものが多かった。
PSO2のバスト調整では,調整範囲は非常に柔軟になっている。どーんと爆乳も作れるし,トップを最小にすればかなり平らな状態も作り出せる。
バストを大きくするときは,角度をぐんと上げて,ありえないようなロケット型にもできるが,どっちかというと垂れさせたほうが自然な雰囲気ではある。
形状は基本的にロケット型で,底面積を一定以上に大きくするとメロン型に移行していく感じになっている。小さくすると中央部に向かってマッスが集中し,大きくすると周辺部に拡散し,やがて底面を超えて広がっていくという感じだ。
角度については,もはや上向きだろうが下向きだろうがまったく影響しないレベルなので気にしなくていい。
ちなみに,揺れ方はいまいち不自然(髪の揺れ方とかもだが)に感じられたのだが,盛大に揺れるほうが喜ばれるかもしれないので,これはこれでいいのだろうか。
腕と脚の調整では,長さと幅,上下バランスなどを設定できる。腕については,上部にボリュームを集中させると,シルエットが「膨らんだ袖」状態になりそうなので,どっちかというと上方過重にしているのだが,こればかりはいろんな装備を使ってみないと,実際に有効なのかどうか分からない。
脚のバランスは上腿部と下腿部の比を変更することができる。実際の人間だと上腿部のほうが長いのが普通だが,アニメ絵では下腿部が長いほうが見栄えがいいようだ。
ちなみに脚のバランスは,絶対領域は広いほうがいいか狭いほうがいいかということにもつながってくるので,好みによってはかなり深遠な問題ともいえる。
さて,これらの細かい設定ができないキャストでのキャラ設定についても少し紹介しておこう。パーツには,「ローズ」タイプと「ディール」タイプがあり,部分ごとにどちらかを選択する。そして各部の大きさをSSからLLまでのサイズで設定する。形状に関してはこれだけなので,パーツ種類が揃わない限り,あまり楽しくはない。
しかし,ボディのペイント機能がなかなか楽しい。メインカラー,サブカラー1〜3の4色を指定できる。色相と明度はカラーチャートからピックアップし,彩度は横のスライダーで指定することでフルカラー指定が可能だ。
メインカラーは主装甲部,サブカラー3はパーティションやラインでのアクセントカラー,サブカラー1がボディ部の素肌(?)部分,サブカラー2が顔などの色となる。メタリックなシェーダが使ってあると,つい金ピカにしてしまったりもしたのだが,どの色を選んでもそれなりに決まるので,いじっていて飽きない。
αテスト段階でのキャラクターエディットは,ユニークな部分や使いやすい部分も多いのだが,顔パターンがまだ揃っていなかったり,髪が邪魔で実質の調整範囲が非常に限定されていたりと,作れるキャラクターには制限がある感じだが,これらの微調整でかなり作れるキャラも多彩になると思われる。機能的には,すでに挙げている,かんたん設定からこだわり設定へのシームレスな移行もぜひ実現していただきたいところ。
今後実施されるであろうテストや本サービスでは,さらなる機能拡張とデータの充実に期待したいところだ。
最後に,今回の記事作成時に撮影したスクリーンショットをまとめて掲載しようと思ったのだが,膨大な数になってしまうので,スライドショー形式のムービーにまとめてみた。どのような感じでエディットできるのか,雰囲気は感じられると思うので,テストに参加できなかった人はチェックしてみてほしい。
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