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海外ゲーム四天王 / 第57回:「Burn Zombie Burn!」
世の中は今,ゾンビブーム。猫も杓子もゾンビ,ゾンビで夜も日も明けぬといった調子だ。根拠はないけど。というわけで,今週の「海外ゲーム四天王」で紹介するのは,イギリスのDoublesixが開発した「Burn Zombie Burn!」。襲い来るゾンビの大群を撃って倒して燃やしてバーン! という内容。この頃,難しいゾンビゲームが増えて,なかなかついていけないとお嘆きのシンプルなゾンビ好きのあなたも,短い時間で爽快なアクションが手軽に楽しめるこの一本でバーン!
そんな本作を,四天王最強の生ける屍ライター,朝倉哲也氏が料理してみよう。
厳しい残暑を吹き飛ばす,痛快&爽快な新作アクションゲームがSteamでリリースされた。その名も「Burn Zombie Burn!」だ。
ある日突然,町中の人間がゾンビになってしまった。結果的に人類最後の男となってしまった主人公のブルースは,ショットガンや火炎放射器,バットなどといった武器を駆使して,ゾンビを蹴散らしサバイバルを続けねばならない……というストーリーやゲームの背景などはあまり重要ではなく,要はゾンビを倒しまくって高得点を競うというシンプルなゲームだ。
開発はイギリスのゲームデベロッパDoublesixで,本作のほかにもコンシューマ機向けの,ダウンロード販売専用タイトルなどを開発しているメーカーだ。
主人公のブルースは,リーゼントヘアにアロハシャツ,どんなときでもヘアスタイルが気になるらしい,いわゆる今風の若者だ。と書いてみたかった。すまん,今風の若者。で,プレイヤーは,このブルースを操作してゾンビに立ち向かうことになる。
ブルースが最初から持っている武器はピストルで,威力はそこそこながら弾切れしないため,使いやすい。攻撃ボタン(デフォルトではマウス左ボタン)を押しっぱなしだとピストルを連射するが,それよりもタップしたほうが射撃速度が上がるため,ピストルを使っている間は,マウス左ボタンをこまめに叩くこととなり腕の負担がなかなか大きい。
ピストルのほかにはマシンガンやショットガン,ガトリング砲といった銃系統の武器や,振り回して広い範囲の敵を一度に攻撃できるバットや刀のような近接武器,そしてゾンビゲームといえば忘れてはならないチェーンソウなどがマップ上に落ちており,拾えばすぐに使える。
セカンダリの武器としては,ゾンビに火をつけるためのタイマツがある。ゾンビが密集していると,お互いに火が燃えうつるので,ゾンビの群れがあっという間に炎に包まれる。燃え上がりながらブルースに襲い掛かってくるビジュアルは壮観で,本作の見所の一つだけど,あっち行け。ちなみに,火をつけられたゾンビは通常時よりも移動速度が上がり,より攻撃的になる。
ほかの武器で倒ししてもいいのだが,燃えているゾンビを倒したほうが得点が高いため,多少のリスクを犯してでもゾンビを燃やしてから退治したくなり,まさにタイトルどおりの“Burn Zombie Burn”という状況になるわけだ。なんか,厳しい残暑がよけい厳しくなりそうな気がしてきたが,気にしないようにしよう。あちちち。
プレイできるのは,操作方法を覚えるためのチュートリアルのほかに,6つのマップを順番にプレイしていくアーケード,11種類のシチュエーションを楽しめるチャレンジの3種類で,最近のゲームにしては珍しく,シングルプレイ専用だ。
アーケードには,ブルースのライフが続く限り戦えるサバイバル,ガールフレンドのデイジーを守り抜くデフェンス・デイジー,ひたすらゾンビを倒しまくるフリープレイといったモードが用意されている。ところで,上で人類最後の男と書いたが,じゃ,デイジーって誰,という雰囲気もあるが,実は人類最後の女性……じゃないかと思う。
マップとしては墓場,研究所,軍の基地などがあり,それぞれ,それほど広くはない。そこにかなりの数のゾンビが地面から湧き出して襲ってくるため,上下左右に激しく動き回り,敵の攻撃をかいくぐりながら倒していくことになる。プレイ中は一瞬たりとも気を抜けず,たいへん忙しい。
また,チャレンジには,爆発するゾンビの首をうまく使って大量得点を狙うものや,武器がバットとたいまつしかないもの,マップ中に大量の爆弾が落ちているので,注意しないと自分もダメージを食らってしまうものなどがある。
敵となるゾンビの種類には,最も数の多いノーマルゾンビのほかに,アメフト選手のようなヘルメットをかぶって一直線に突進してくるラッシャーや,バレリーナのような衣装を着けて踊りながら襲ってくるダンサーといった個性的なものがおり,ゲームを進めていくと,ノーマルゾンビの何倍もある巨大なスーパーゾンビや,撃つと爆発するエクスプローダーなどといったヤツラも出現する。ゾンビの世界でも個性は大切なのだ。
エクスプローダーは,爆発すると周囲のゾンビをも吹っ飛ばしてくれる便利な奴だが,そばで爆発されるとブルースまでダメージを受けてしまうデンジャラスな奴でもある。
常に大量の敵に周囲を囲まれながら,緊張感のあるプレイが楽しめる作品になっているが,マップが狭いだけにスケール感に乏しかったり,マウスを使っての武器の照準が付けにくかったりといったマイナス面も見られる。やや残念なのはシングルプレイ専用のゲームとなっていることで,得点を競い合ううような対戦プレイや,Co-opプレイができたらさらに面白かったはずだ。とはいえ,ちょっとした時間の合間でも気楽に楽しめるアクション&シューティングゲームとして,この「Brun Zombie Burn」は,強くオススメだ。
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