プレイレポート
既存のオープンワールドを踏襲しつつも,電磁波による攻撃やカルマシステムといった独自要素が光る「inFAMOUS 2」のプレイレポートを掲載
「inFAMOUS 2」公式サイト
ゲームデザインとしては,広大なフィールドを自由に行動しながら,各所で発生するミッションをクリアしたり,メインミッションをクリアしてストーリーを進めていくサンドボックス/オープンワールドタイプのものとなっている。
前作「INFAMOUS 〜悪名高き男〜」は日本でも非常に好評を得たタイトルで,「inFAMOUS 2」が海外で発表された際には,熱心なファンから音声を含めたローカライズの希望が殺到。そんな要望に応える形で,この度,前作にはなかった日本語ボイスを実装して国内版発売の運びとなったわけだ。本稿では,「inFAMOUS 2」の概要及び,その魅力を紹介していこう。なお本作は,CEROレーティング「Z」(18歳以上のみ対象)のタイトルとなっている。
“電磁波”を自在に操れる主人公 コール・マグラスは,突如現れた巨大な敵ビーストと戦い,敗北。「もっとチカラを」と願うコールはリベンジを果たすことを決意する。
コールは,ビーストに対抗する手段を知る可能性を持つウルフ博士に会うべく,南部の街ニューマレイへ。しかし,そこで待ち受けていたのは,最悪な状況だった……。というのが,本作の導入ストーリーだ。
ネタバレになってしまうため具体的な内容については割愛するが,本作はストーリー序盤からクライマックス感全開で,息もつかせぬ展開が目白押し。シナリオもしっかりと作られているため,先の展開が気になり,止め時を見失うほど引き込まれる。ストーリーの随所に挿入されるデジタルコミック調の演出も物語を盛り上げるのに一役買っており,ゲームの魅力をより引き立てている点も見逃せない。
超能力,ハードボイルド,スタイリッシュといったキーワードにアンテナが反応する人ならば,チェックしておいて損はないだろう。
正義に傾くか,悪に傾くか,すべてはプレイヤー次第
カルマにより習得スキル/ストーリー/エンディングが変化
「inFAMOUS 2」は正当派オープンワールドタイプの作品ということもあり,「Grand Theft Auto」シリーズや「Saints Row」シリーズなど,この手のタイトルをプレイしたことのある人であれば,すんなりと入り込めるだろう。操作方法も一般的なTPSスタイルを踏襲しているので,とくにハードルが高いということはないはずだ。
それらに加えて注目してほしいのが,前作ファンならご存じの,本作独自の要素といもいえる“カルマ”の存在だ。カルマとは,良い行動をとれば善へ,悪い行動をとれば悪へと傾いていき,その結果によって習得できるスキル,ストーリー,ひいてはエンディングにまで影響を及ぼすという,本作のキーとも言える要素だ。
このカルマの存在によって,プレイヤーは善に進むか悪に進むか,その試行錯誤を楽しむことができる。なお現在のカルマがどうなっているかは,画面左上にあるメーターで確認できるので,プレイ中はぜひ参考にしてほしい。
ちなみに勘違いしてしまいがちだが,カルマが悪に傾いたからといって,別にバッドエンディングになってしまうということはないので,そこは安心してほしい。
市民を助けると善のカルマがアップ |
一般人に危害を加えると悪のカルマがアップする |
カルマは画面左上にあるメーターによって確認できる |
善のカルマ,悪のカルマ,どちらを集めるかによって,アンロックされるスキルが異なる。なお,一回のプレイで善と悪両方のスキルをすべて集めることは,かなり厳しい(というか,不可能)ので,プレイする際は,あらかじめどちらのカルマを集めるかを念頭においておくといいかもしれない |
また本作は,既存のTPSのような銃器による攻撃ではなく,電気を使ったスキル攻撃がメインとなっている。電磁波はすべて画面左上にあるメーターで管理されているので,メーターが無くなってきたら,電柱や給電盤,テレビや自動車といった電気製品から“吸電”すればいい。ほかにも,格闘武器「アンプ」を使った打撃攻撃もできるので,スキル攻撃と併用して独自の戦闘スタイルを作り出してほしい。
ただいま吸電中です |
アンプ攻撃が炸裂 |
ちなみに吸電は“人”からも行えるのだが,それをやってしまうとカルマは当然悪いほうへ傾く。本作は善悪それぞれの個別スキルが用意されているので,カルマを悪へ持っていきたいのであれば,好き勝手に吸電しても問題はないが,善のカルマへ傾けたい場合は,人からの吸電は極力避けた方が無難だろう。
ビルをよじ登るも電線をスライドして渡るもすべて思うがまま。自由度無限大のパルクールアクションを堪能しよう
本作には数多くのミッションが用意されている。プレイヤーは「inFAMOUS 2」の広大な箱庭世界を自由に駆け回りながらミッションをこなしていくのだ。ミッションにはメインミッションとサブミッション,UGCミッションがあり,どのミッションを進めていくかはすべてプレイヤーが自由に決められる。箱庭世界を満喫したければサブミッションを,ストーリーを進めたければメインミッションを進めていくといい。
なお,ちょっと特殊なのがUGCミッションだ。これはプレイヤーが独自に作成したミッションのことで,敵や車,爆発物などのオブジェクトを自由に設置できるのが特徴。まるで,自分がニューマレイの街の一部を作っているかのような感覚が楽しめるのだ。製作したミッションはPlayStation Networkを通じて全世界の人と共有でき,ほかのプレイヤーが作成したミッションをプレイすることも可能だ。
そして「inFAMOUS 2」といえば忘れてはいけないのが,コールのアクションだ。本作ではビルをよじ登ったり,架線や電線の上をスライドしながら進んでいくなど,自由度の極めて高いアクションが堪能できる。これらは演出として楽しめるだけではなく,目的地までのショートカットにも使えるので,ゲーム性にも大きく影響を及ぼす。ゲーム中は,さまざまなアクションを試してみて,独自のプレイスタイルを模索するのも面白そうだ。
さて,ここまで紹介してきた「inFAMOUS 2」はいかがだっただろうか。昨今では珍しくはなくなってきたオープンワールドタイプの作品ではあるものの,電磁波を使った攻撃やカルマ,パルクールアクションなど,本作独自のシステムが光る秀作であることは間違いない。数多くのオープンワールドアクションの中でもかなり異彩を放っており,コアなファンも満足できるほどの深みを持っている作品だ。本稿を読んで気になったという人はぜひプレイしてみてほしい。
「inFAMOUS 2」公式サイト
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