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[CJ 2010]飛び入り参加も可能,激戦のダンスゲーム市場に挑む「舞型舞秀」
今年は「Audition 2」がやってくるためか,ChinaJoyでの新作ダンスゲームの発表は例年よりぐっと減っていた。韓国では同作がテスト状態に入り,最大の市場となるであろう中国では,戦々恐々としている同業者が多いのかもしれない。しかし肝心のAudition 2は出展がなく,今年のChinaJoyは今後確実にやってくる波乱に向けて,嵐の前の静けさのような様子だった。
そんななか,今年のChinaJoyでも果敢に出展していた新たなダンスゲームがあったので,紹介してみたい。
URGAMERが出展していた「舞型舞秀」は,キャラクターやグラフィックスを重視したダンスゲームだ。この手のジャンルでは定番となった可愛い系キャラとリアル系の中間くらいで,割と良いバランスではないかという気がする。
特徴は,ルームに入って踊れる人数が最大15人と多めなことで,また,すでにプレイ中のルームでもどんどん飛び入り参加でき,待たせない作りになっているという。
飛び入り参加した場合には点数が付かないのだが,ただ待っているよりは,すぐ遊べるほうがマシだと感じる人は少なくないだろう。技術的には結構大変そうな気もしないではないが。
また,プレイヤーがステージ(壁や床,照明など)をエディットして,独自のルームを作ることも可能だ。
ムービーを見てもらえれば分かるように,キャラクターの動きは多彩で,造形の細かさに負けていない。ダンスのみという特化された分野だけに,キャラクターのダンスモーションにはこだわりが見られる(歩くモーションなどには「MotionBuilderか?」という感じの手抜きが見られるのだが)。
ちなみに,ゲームエンジンとしてはGamebryoが採用されており,モーションキャプチャが多用されているとのこと。開発には数十人が携わり,開発期間は2年半ほど。
ゲームエンジンで「Unreal Engine 3」や「CryENGINE 2」と聞けば,名前だけでグラフィックスクオリティがだいたい想像できるのに対して,歴史の古い「Gamebryo」だとイメージが湧きにくい人も多いだろうが,新しい世代のGamebryoの表現力は他のエンジンと比べても,ほとんど遜色ないレベルである。
キャラクター用のアバターアイテムも早いペースで用意されており,現在内部テスト中の段階で1000着以上の服装が用意されているという。これは韓国のファッション誌などが参考にされているそうだ。
規模的にはAuditionの一人勝ち状態でありながら,他にもそこそこの結果を出せているダンスゲームもあるようで,中国のダンスゲームは激戦である。そんな中への新規参入になるわけだが,URGAMERでは,活動的,健康的なイメージを押し出して,プレイヤーのニーズに素早く応えることでサービスを広げていきたいという。
日本ではなかなか芽の出ないダンスゲームだが,(ある意味)本場では毎年新作が投入されている。前述のように,中国では節目ともいえる今年のダンスゲームの動向は見逃せそうにない。
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舞型舞秀
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