プレイレポート
[TGS 2010]試遊したら欲しくなった! 「タクティクスオウガ 運命の輪」をレポート
というわけで,私はプロレスラーである以上,東京ゲイムショウ級の大きなイベントに参加すると,どうしてもそういった“ショウ”の部分に注目してしまうわけ。
ゲイムショウの主役はもちろんゲイム。では,その主役をどれだけ輝かせることができているのか,各メーカーはどのような演出を凝らして主役であるゲイムを盛り上げているのか。
簡単に言ってしまえば,ゲイムがどれだけショウアップされているか。そういった目で各メーカー各タイトルのブースを見ることが,私なりのTGSの楽しみ方なのね。
そういった意味で,私の目を引いたのはスクウェア・エニックスが11月11日(木)に発売を予定している,PSP用ソフト「タクティクスオウガ 運命の輪」。
このタイトルは,言わずと知れたシミュレーションRPGの名作で,15年の時を経て当時のスタッフがPSP用に再構築したという,話題性たっぷりな作品なの。そりゃ,もちろん試遊してきたわよ。
でも,そんなのね,面白いに決まってるじゃない。昔,面白かった作品を,15年分進んだ技術とスタッフ達が吸収したノウハウをもって,もう一度作ったら,よっぽどの事故がない限り間違いはないでしょうよ。
だから,私が言いたいのはそんなことではないの。そんなタクティクスオウガが,TGSではどのようにショウアップされていたのか。そこのところを中心に,私なりの視点で語りたいわ。
で,普通だったら,そういう地味な部分を隠して少しでも派手に見せようとするじゃない。でも,タクティクスオウガのブースはそうしなかった。なんと,地味に地味を重ねてきやがったのよ。
装飾といえば,壁にオリジナルタロットを展示してるだけ。あとは好きなように遊んでくれ,と。己を知った上で内容に自信がないとできない芸当だと思うわ。
試遊時間も大体15分間のブースが多い中,ビジネスデイってこともあるんだろうけど,タクティクスオウガは30分。確かにシミュレーションRPGって,1ステージにけっこうな時間がかかるものだしね。
もちろん私は,迷わずGAMESTARTをチョイス! やっぱりどうせヤるなら最初からよね……べ,別にヘタレたわけじゃないんだからね!!
ともかく,最初のステージだけあって,チュートリアル的な要素が強かったわ。さすがに苦戦はしない。いわゆるゲイム側からの接待プレイってやつね。バッチリ余裕でステージクリア。
そしてここで気付いたことが。経験値の入り方なんだけど,かつてのタクティクスオウガでは,敵を倒したらその時点で倒したユニットに経験値が入っていたんだけど,今作ではどうやら戦闘に参加して,ステージ終了時に生き残っていた味方ユニット全員に入る模様。
なので,いくら特定のユニットで敵にとどめを刺したところで,経験値の入り方は変わらないってわけ。つまるところ,偏って強いキャラクターを作りにくくなったってことね。長い目で見て,この新仕様がプレイにどう影響してくるのか楽しみなところだわ。
あと,聞くところによると新クラスも増えている模様。さすがにそこまでは試遊できなかったんだけどね……。
それと,スキルのシステムも変わっていて,戦闘後に得られるスキルポイントを使ってスキルを習得させ,さらに習得したスキルをキャラクターにセットすることで,発動できるようになるらしいわ。
要は,同じキャラクターを使った場合でもプレイヤーによって違う能力を持ったキャラクターに育っていくってことね。
ここまで新要素が追加されてたら,一応は「タクティクスオウガ」っていうタイトルではあっても,これはもう完全に新作と言っていいのかもしれないとすら思ったわ。
そうそう,あくまで個人的にだけど,テンポの良さという意味で「ファイナルファンタジータクティクス」のことを思い出したわ。
プレイ後にゲイムから,そしてTGSのタクティクスオウガブースから感じた印象は,試遊時間を含め,じっくりプレイしてほしいという気持ちが強く伝わってくるなぁってもの。私はいたく心を動かされたわ。
あと,雰囲気作りも素晴らしかった。これはゲイムの内容もそうなんだけどね。例えば,オープニングでタロットカードにまつわるいくつかの質問をゲイムからされるんだけど,それが用意されていることで,タクティクスオウガというファンタジーの世界に無理なく入っていけるの。
タロットカードっていうアイテムを使うことで,副題にもある「運命の輪」という言葉が持つ意味もびんびんに伝わってくるしね。だからブースにもタロットカードを展示する演出をチョイスしたんでしょうね。
この雰囲気作りを例えてみるならば,“クリスマスのカップルにとっての夜景”みたいな。クリスマスだけでもカップルにとっては十分過ぎる免罪符,というかイベントなのに,それをさらに効果的に見せる演出が夜景である,と。
それくらいタクティクスオウガのゲイム,そしてブースからは決して派手すぎではない,心憎い演出が施されていたわ。
大型モニターでゲイムの売りをアピールするわけでなく,コンパニオンがゲイムに関するをコスプレをするでもなく。こういったさりげない演出も決して悪くないもんだなあと思ったわ。前述のとおり30分じっくり遊べたし,ゲイム自体も相変わらず面白いし……。
タクティクスオウガのファンは,一般公開日にスクウェア・エニックスブースへ遊びに行く価値は十分にあると思うわよ。難点は,試遊時間が長い分,待ち時間もそれなりに出る可能性が高いってところだけど。
実は,タクティクスオウガって昔,さんざんプレイしたから,今回は買わないでもいいやって思っていたんけど……,一度試遊してみたら不覚にも欲しくなってしまったわ。
だから,以前タクティクスオウガをプレイしたことがある人は,注意しないと欲しくなっちゃうわよ。きっと今作はかつてよりもハマれる要素,ヤリ込める要素が増えてるはず。心憎くさりげなく,ね。
「タクティクスオウガ 運命の輪」公式サイト
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