アミューズメント施設の楽しさを支えるクルー達が集結し，接客技術を競い合う「接客スタァ誕生!!CONTEST」をレポート

　タイトーは2016年11月10日，東京・五反田文化ホールで，「接客スタァ誕生!!CONTEST」を開催した。これは，日本全国のタイトー直営店およびフランチャイズ施設から選抜されたクルーが集結し，接客技術を競うというコンテストで，2007年から定期的に開催されている。

タイトー アミューズメント施設 公式サイト

会場の五反田文化ホール（左）。本選に出場した代表者達に激励のファックスが届いていた（右）

　10周年となる今年は，通常の本選に加え，勤続1年未満のクルーを対象とした「ルーキーカップ」部門も開催されており，約140店舗から本選に22人，ルーキーカップに5人の，計27人がロールプレイング方式で接客を行った。

　接客は，舞台上に作られた本物そっくりのアミューズメントセンターのセットを背景に，現実の施設で起こりうるさまざまなシチュエーションを再現するというもの。クルーはあらかじめ何が起こるかは知らされておらず，とっさの判断力と接客技術が問われることになる。
　本選には「後輩クルー」も登場し，6分という持ち時間の中，接客対応だけでなく，不慣れな後輩のケアも求められる高度な内容になっていた。審査のポイントは，「身だしなみや笑顔・挨拶」「お客様のニーズをつかむ会話や，タイミングのよい声かけ」「商品知識やニーズに応じたアドバイス」「クルー同士の気配りやコミュニケーション」の4点で，タイトーの代表取締役社長である石井光一氏をはじめとした役員，そしてタイトーのアミューズメント施設に通っているという「お客様代表」によって採点が行われた。

採点に参加した，タイトーの代表取締役社長である石井光一氏

　状況としては，「クレーンゲームを遊ぶお客様が，クルーに景品をゲットしてほしいと頼む」「後輩が落とし物の定期券を見つける」「ケガをしたお客様が，目当てのゲームを探す」などがあった。
　いくらお客様に頼まれたとはいえ，クルーが勤務時間中にゲームすることはできない。また，定期券は貴重品なので，預かる際には所定の手続きを踏まなければならないし，持ち主に渡すときにはしっかりと本人確認をしなければならない。ケガをしたお客様には，気遣いも必要だ。
　こうしたシチュエーションは，あちこちの店舗でよく発生するということで，慣れないとあわててしまいそうだが，さすがは選りすぐりのクルーの皆さん，笑顔で適切な対応をとっていた。

舞台上にはクレーンゲーム機や両替機が設置され，まるで本物のアミューズメントセンターのよう

競技は，お店に訪れるさまざまなお客様が登場する，ロールプレイング方式で行われた

タイトーステーション アミュプラザ鹿児島店の鶴 星美さん	タイトーステーション 博多パピヨンプラザ店の福岡嗣与さん
タイトーステーション 大宮店の松井恭平さん	タイトーステーション 秋葉原店の福士莉沙さん

　基本的なマニュアルはあるのだろうが，クルーによっていろいろな対応が見らたところが興味深い。景品やゲームの知識を盛り込んだ説明をする人や，イラつく客の気持ちを鎮めたうえで対応をする人，そして後輩クルーのミスに絶妙のタイミングでフォローに入る人など，普段の勤務ぶりや，仕事への考え方がうかがえるものになっていた。

タイトーステーション 町田店の土川絵理華さん

タイトーステーション 難波店の山本貴大さん

　ルーキーカップの持ち時間は4分で，状況としては，「クレーンゲームで盛り上がるカップルに，いかに声をかけるか」「ゴミ箱の場所を聞くお客様に，どう対応するか」といったものになっていた。ルーキーの皆さんもかなり実力ぶりで，景品ゲットを祝ったり，お客様からゴミを受け取って自分で捨てたりといった仕事ぶりを見せた。

タイトーステーション 浅草店の戸塚巧麻さん

タイトーステーション 横浜西口五番街店の清水貴弘さん

　受賞店舗および受賞者は，以下のとおりだ。

●第10回「接客スタァ誕生!!」受賞店舗・受賞者一覧

・接客スタァ店舗
タイトーFステーション イオン富士宮店：三井ちよさん

・接客スタァ優秀店舗第2位
タイトーステーション　アリオ蘇我店：林 香織さん

・接客スタァ優秀店舗第3位
タイトーステーション 所沢店：高山明日香さん

・ルーキーカップ最優秀　スマイル賞
タイトーFステーション 松本店：市川 赳さん

左から，タイトーステーション 所沢店の高山明日香さん（接客スタァ優秀店舗第3位），タイトーFステーション 松本店の市川 赳さん（ルーキーカップ最優秀　スマイル賞），タイトーステーション アリオ蘇我店の林 香織さん（接客スタァ優秀店舗第2位），タイトーFステーション イオン富士宮店の三井ちよさん（接客スタァ店舗）

　今後，アミューズメント施設は，電子マネーの導入や外国人観光客の増加といった要因によって，今まで以上に高度な対応が求められていく。そうした状況において，接客技能を高めるコンテストの存在意義はより大きなものになっていきそうだ。

　出場者達はいずれも仕事に真摯で対応は明るく，「この人がいるお店なら，一度遊びに行ってみたい」と思わせてくれた。本選，ルーキーカップともに，ルールに則りつつ，お客様を楽しませるための工夫が加えられていたという印象で，我々の快適なゲームセンターライフは，こうした人達の努力が支えているのだと，改めて実感できたコンテストだった。



関連記事：

• タイトーステーションの接客日本一を決める第9回「接客スタァ誕生!!」レポート。あのPepperがタイトーに「入社」するサプライズも
• 業務中に携帯電話で話しだす新人に，先輩はどう対応する？　タイトーステーションのNo.1クルーを決める「第８回接客スタァ誕生！」レポート
• タイトー，アミューズメント施設の接客No.1を決めるコンテストの結果を公開
• 「カードゲームでレアが出ない」と言われたら，あなたはどう対応する？　タイトーがゲームセンターを楽しくする接客コンテストを開催
• タイトー社内イベント「第5回接客スタァ誕生!! 記念大会」をレポート。さまざまな状況を巧みに切り抜け，見事“接客スタァ”の座を勝ち取ったクルーは？
• タイトーステーションで傘を貸してくれるって知ってました？　接客No.1店舗を競うタイトー社内コンテスト「第4回 接客★スタァ誕生！！」に潜入してみた