プレイレポート
さわるしかなかったんだ! 「アイドルマスター2」の試遊レポート。4Gamerの松Pが,ぶっつけ本番で華麗なチャレンジ。直撮りムービーも掲載
ゲーマガの元編集長「ウメP」こと,梅田浩二氏といえば,昔からアイドルマスター関連では有名な人だ。ゲーマガのアイドルマスター記事の中心人物としてメディアにもよく登場し,ファンも多いらしい。歳は私のほうがずっと上だが,プロデューサーとしては大先輩である。しかも,現在はゲーマガ誌上で発売前の「アイドルマスター2」のプレイレポートを精力的に執筆するなど,なんというか,いろんな意味で非常にうらやましいったらありゃしない。
かくいう私は,はっきり言って発売前ということで,アイドルマスター2をプレイした経験がない。エラそうにいろいろ記事は書いているのだが,立場的には読んでいる皆さんと同じで,公開された資料とスクリーンショットを穴の開くほど眺め,こうなのかな,ああなのかなといろいろ想像というか推測というか妄想をめぐらせ,ときどき間違ったことを書いているような気がするので,どうもすいません!
「アイドルマスター2」公式サイト
個人的にウメPと面識はないのだが,取材先で,どうも4Gamerです,本日はお日柄も良くとかなんとかいって名刺を出せば,向こうもイヤとは言わないんじゃないだろうか。我ながら,ナイスなアイデアだ。しかし,これって,公私を混同してるとかってやつでしょうか。えっへっへ。
さて,ご存じのように1月29日に発売されたゲーマガ3月号には,ウメPの筆になる12ページもの特集が組まれ,アイドルマスター2の最初の10週間の模様が詳しくレポートされている。すごいボリュームだ。今回の取材の目的は,さらに突っ込んだレクチャーを開発スタッフから受け,2月28日発売のゲーマガ4月号の記事に反映させるということだそうだ。これは期待が持てる。
ゲーマガからのお知らせ
ども、ウメPですっ! 4Gamerのステルス親父こと松本氏が、今ごろなぜか「アイマス」にハマってしまったと聞き、驚いてますw 今回の合同取材は「コラボページがあるからいいだろ」という、じつに都合のいい解釈で打診され、仕方なく快くOKしました。
さてさてゲーマガ4月号は、「アイマス2」の発売を記念しまして、表紙・付録・本誌と「アイマス2」づくしです! 表紙は公式デザイナー田宮さんによる描き下ろしの竜宮小町、そのビジュアルを利用したクリア下敷き付録、そして本誌は「アイマス2開発スタッフに聞く50の質問」と題しまして、プロデュースに必ず役に立つ知識・情報などを、ギッシリと掲載しています。
他にも、雪歩の声優・浅倉杏美さんインタビュー&グラビア、現役アイドル・喜屋武ちあきちゃんとガミPの座談会などなど、とにかく盛りだくさんの内容でお届けします!
事は計画どおりに進み,初めて見る「アイドルマスター2」
というわけで詳細は割愛するが,私の計画は予想外にうまくいき,私はウメPにくっついてバンダイナムコゲームスの取材に行くことになったのだ。「春香を出せ!」と暴れてみるとウケるんじゃないかなと思ったが,もちろんそういうことはせず,当たり前だがきわめて真面目な取材である。
それにしても,なんだか妙に緊張する。気がつけば,私はこんな仕事をずいぶん長いことやっており,例えばロサンゼルスのE3やドイツのGamescomといったゲームショウ,あるいはメーカーが独自に開催するプライベートイベントなどで,「世界初公開」だの「スニーク・プレビュー」だの「ビハインド・ザ・カーテン」だのにずいぶん立ち会ってきた。それらの中には,結果的にワールドワイドで大きな成功を収めたタイトルも少なくないのだが,なんだか,そんなのよりもずっと緊張するのだ。
もっとも,その理由は分かっており,それはつまりそこに彼女達がいるからだ。名前や性格は一緒らしいが,少しだけ大人になり,新しいグラフィックスとモーションを与えられた彼女達が待っているのが分かっているから,こんなにソワソワするのだろう。言ってみれば,これは恋の予感。オレ今年52歳でまだ独身だけど,そう,これは恋の予感。
……書いているうちに恥ずかしくなってきたので,ウメPの取材に話を移したい。対応してくれたのは,バンダイナムコゲームスでアイドルマスター2の開発プロデューサーを務める大村 純氏と,インフルエンザでお休みの加藤正隆ディレクターに代わり登場した,加藤Dの右腕,企画の押山萌香氏。
ちなみに今回はインタビューではなくヒアリングという体裁で,アイドルマスター2についてのさまざまな質問をするという取材内容になっているので,これは聞き耳を立てなくてはならないだろう。いや,むしろ,私も積極的に質問して,バーストアピールをかましたほうがいいかもしれない。理由はとくにないのだけど,なんとなく同じプロデューサーとしてウメPがうらやましくて,対抗意識を燃やしてみたのだ。
しかし,向こうはアイマス担当歴5年のベテランで,私はたったの5か月の新人だ。さすがに勝敗はおのずから明白で,しかもウメPは先行してアイドルマスター2をプレイしているという,厳しいハンディ戦。そのため私は,次第に質疑応答の輪から逸脱し,最終的には話の内容がよく分からないまま「ほほう」とか「そうなんですかー」などの合いの手を入れる係になっていたのである。うう,負けた。そこにいた誰もが私が負けたことさえ,いや,そもそも戦っていたことさえ気づかなかっただろうが,負けた。くっ。
ちなみに,ヒアリングで小耳にはさんだ事柄について個人的な印象を書くと,アイドルマスター2は前作に比べてできることが増え,戦略性がかなり高まっていることは明らかだ。数多くのパラメータが相互に影響し合い,プレイするたびに多彩な展開が見られるようにデザインされているのだ。
前作「アイドルマスター」にもいまだに覚えきれないほど,かなりたくさんの要素があったが,各要素は比較的直線的に結びついており,因果関係が割と理解しやすかった。だが,アイドルマスター2では,そのへんにかなり手が入れられており,プレイヤーの判断力や勘の良さ,そしてアイドル達への愛,などが問われることになりそうだ。前二者は自信がないが,愛に関しては自信満々だ。
もちろん,王道的な勝ち方もあるのだろうが,「彼女達の喜んでいる顔が見たい」という理由でイバラの道を行ってもオッケー。理解すべきことも多いようだが,それは,2周,3周と周回を重ねるにつれて自然に分かるようになっているという。そして,理解が深まるにつれて,さまざまな遊び方が見つかる,ウメPの取材からは,そんな印象を受けた。
というわけで,新人プロデューサーの私にはなかなか手強そうだが,こう見えても,私はかつて米軍特殊部隊の隊員としてアフガニスタンの(中略)だ。やってやるぞ。
ゲーマガ4月号には,この取材をもとにした記事が掲載される。表紙も付録も特集もアイマスづくしというゲーマガ4月号の発売は,上にも書いたように2月28日が予定されており,その時点ではもちろん,アイドルマスター2はすでにリリースされている。その点を考慮し,多くのプレイヤーがおそらく最初につまずくであろう部分を念入りにフォローするという方針だそうで,なるほど,それならきっと日本中のプロデューサーの役に立ちまくるに違いない。
華麗なプレイの模様
というわけで,さっそくアイドルマスター2の初プレイに挑ませてもらおう。ここから本題だ。とはいえなんだか,バンダイナムコゲームス側に私の魂胆をすっかり見透かされていたような気もしないでもないが,ちゃんとテストプレイ用の機材が用意してあって,1時間ほどアイドルマスター2をプレイする機会が得られたのだ。いやー,なんか催促しちゃったみたいで悪いなあ。いずれにしろ,私はこのためにやって来たといっても過言ではないわけで,ドキドキだ。
ゲーム開始第1週はまず,765プロ社長の高木順二朗氏や,事務の音無小鳥さんから状況説明を聞くことになるのだが,実を言うと私はまったく上の空。
よろしくお願いします |
大丈夫だよ |
ようやくそれが終わり,ついに自分のユニットのリーダー1名を選ぶダンドリになった。待ってましたと思ったが,ふと,周囲の視線が気になった。私は歳も歳なので,あんまり本気になっているとバレても照れくさい。そこで――「ええと,まあ,誰でもいいんですけど,真ん中のリボンの子がなかなかいいんじゃないですかね,パラメータ的にも」と小声で言い訳しながら予定どおり天海春香を選ぶと,とたんに「やっぱり」という声が背後から聞こえて,ちょっとびっくりした。知られていたのか!
そうですか…… |
竜宮小町と遭遇 |
2010年末にアイドルマスターのレビュー記事を掲載し,その後,年末年始を当たり前に暮らし,2011年に入ってからも通常業務を適度にこなしつつ,仕事に失敗して怒られては,「まっすぐ」を聞いて,なんかキレイにまとまった気になって過ごしていた私だったが,なんだか知らないうちに,松本Pとか,松Pとか,松PPとか,キムタクそっくりとか呼ばれるようになっていてビックリしている。いつの間に……。半世紀も生きていると,いろんなことが起きるものだが,どうやら私が典型的なアマミストであることはバレバレみたいだ。まあ,考えてみれば,こんなことになっちゃったのもみんな春香さんの責任で,つくづく女は怖いと思う……なんてね。男として,一度言ってみたかったセリフだ。カッコいいでしょ?
ともあれ,さっそく公園に彼女を迎えに行こう。しかしどうも彼女,あまり元気がない。話を聞くと,デビューして約半年経つのに全然人気が出なくて,こうやって1人でレッスンをしているのだけど,この先,アイドルとしてやっていく自信がないと言うじゃないか。これを聞いて,ああそうですかと平静でいられる人はたぶん地球上にはいないだろう。春香,安心してくれ。私が来たからには,もう大丈夫だ。
さっそくボーカルレッスンと営業をこなし,だいたいうまくいった。以前の記事でもお伝えしたように,ボーカルレッスンは音ゲーの要領で,流れてくる音符が所定のポイントに来た時点で対応するボタンを押すというものだ。音ゲーは,「アイドルマスター ライブフォーユー!」以外にやったことはないが,鍛えた甲斐があったというものだ。まだ難度ノーマル以上で成功したことはないけど。
また,営業について詳しくは書けないが,音楽スタジオへ出向いて作曲家に挨拶をするというもの。結果はノーマルコミュニケーションで,春香はちょっとばかり不満らしい。
……などと,さらっと流してしまったが,目撃者の話によれば私,ニヤニヤが止まらなかったらしい。「センシティブトゥーン」によるグラフィックスは,さすがに前作から約4年の歳月を経ているだけあって見事であり,モーションも多彩で滑らか。画面に初めて動く彼女が姿を現したとき,思わず名刺交換をしようかと思ったほどだ。まあ,ぶっちゃけ,新しい春香もかわいいんじゃないでしょうか。
というわけで,星井美希と我那覇 響を選び,なんというか「おすすめユニットA」という感じでまとめてみた。芸がないが,まあいいや。3人揃ったところで,今度はビジュアルレッスンと,ダンスレッスンに挑んでみるが,どちらも大失敗。うう,これはけっこう難しい。
春香の棒読み「どうもありがとうございまし,た」を聞くことになり,これはこれで実は割と好きなのだが,ごめんなさい。少し上で「私が来たからには,もう大丈夫だ」と言った舌の根も乾かぬうちにこのザマ。私を基準にしていいのかとも思うが,初見でグッドレッスン以上を出すのは難しいレベルという印象だ。
もっとも,前作同様,最初のオーディションは落ちても特別に合格にしてもらえるので,おすすめユニットAの3人が「GO MY WAY!!」を歌って踊るところを見つつ,今回は時間切れとなった。途中,竜宮小町と遭遇したり,衣装の選択で頭を悩ませたりと,いろいろあったが,紙幅の都合で,思いっきり駆け足で紹介してしまった。ともあれ,かくして私のアイドルマスター2初体験はつつがなく終了したのである。ああ,楽しかった。
わずか3週のプレイで,あれこれいうのはおこがましいが,とりあえず,「また始まるのね」という思いが強い。先へ進めば,マニーだのフェスだの,いろいろな新要素が顔を出してくるはずで,それらを見ないではいられない。また,レッスンもオーディションもやっぱり難しく,それなりに修行を積まなければならないだろう。ぜひ積みたい。そして,以前のように(というか,実は今でもそうなんだけど),「残り13週間しかないのに,まだアイドルランクC。雪歩,大ピーンチ! むっつ,むかでの大行進」とかなんとかいいながら,仕事もそこそこに会社を飛び出す日が再び始まるのだろう。これはどう考えても発売が楽しみだ。やるぞ。
とりあえず詳しいことについてはアイマスづくしのゲーマガ最新号をぜひチェックを。自慢じゃないが,私もそうせざるを得なさそうだ。もちろん,2011年2月24日のアイドルマスター2発売の暁には,4Gamerでもレビューなどを掲載する予定なので,お楽しみに。というわけで,最後に一句詠もう。
ウメPには
負けたけれども
春香はかわいい(字余り)
「アイドルマスター2」公式サイト
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