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先行体験プレイで,新しい「龍が如く」の手応えも感じることができた。「龍が如く OF THE END」名越稔洋氏サイン&握手会東京会場レポートと体験版プレイインプレッション
会場となった店舗では昼から夕方まで,一般には初めてのお披露目となる龍が如く OF THE END体験版の試遊台が設置され,そのプレイ感触をいち早くプレイしようという多くのゲームファンが集まっていた。
「龍が如く OF THE END」公式サイト
メインイベントとなるサイン会は15:00の開催を予定していたが,名越氏が渋滞に巻き込まれ,会場入りが予定よりも遅れてしまうというハプニングが発生。名越氏の到着を待ちわびる参加者の前に,突然飛び入りのゲストが登場した。「龍が如く」シリーズで主人公の桐生一馬を演じる黒田崇矢氏だ。本人曰く,「仕込みなしで,仕事に行く前にちょっと立ち寄りました」とのことだったが,名越氏が到着するまでのつなぎ役を自ら買って出たのだ。思いもよらないサプライズゲストの登場に,参加者からは大きな歓声が上がった。
やがて,名越氏が約10分遅れで会場に到着。挨拶もそこそこに,そのまますぐにサイン会がスタートした。名越氏は参加者がそれぞれ持ち寄ったものにサインをし,写真撮影や握手にも気軽に応じていた。
参加者全員にサインを終えた名越氏は,その後メディアの簡単な取材にも応じてくれたので,その様子もここでお伝えしよう。
4Gamer:
「龍が如く OF THE END」がいよいよ完成したとのことですが,今のお気持ちはいかがですか?
名越氏:
新しいジャンルのゲームが完成して,このような体験会も無事開催することができました。あらゆる意味で,嬉しく思っています。
4Gamer:
今回の体験会で来場者に触ってほしい部分は,どこでしょう?
名越氏:
今回の,撃って倒す“ガンショットバトル”がどのようなものなのか。それが「龍」シリーズらしいのか,それともらしくないのかという部分は,皆さん気になっていると思います。ですから,それが面白いものであることと同時に,けして難しくなく,簡単に気持ち良く遊べるということを,実際に触って,分かってもらえればと思います。
4Gamer:
本日はこれまでのサイン会よりも多くのファンが集まっていたように思えるのですが,何か手応えは感じましたか?
いつも来てくれる人も,初めての人もいますし,さらに「クロヒョウ」などから入った若い人も目立つようになり,ユーザーの広がりは毎回印象的です。今日は,それが一段と感じられました。ゲームの毛色が変わったことに関する不安もありましたが,この体験会を通じてそういった不安は減り,“売れる”ということを確信できました。
4Gamer:
ところで今回,このような“ガンショットバトル”に切り替えたきっかけは,どこにあったんでしょうか?
名越氏:
単純にモチーフがゾンビになったから,ということですね。もちろんゲームのルールづけという部分もありますが,それ以上は説明しようがないんですよ(笑)。
4Gamer:
そうなるとやはり,ゾンビが出てくるゲームを作ると決めたことが,ガンショットバトルを選んだきっかけだったんですか?
名越氏:
そこもちょっと違うんです。以前「龍が如く 見参!」という時代劇がありましたが,あのときは新しい主人公を増やすのでははなく,世界観を置き換えて新しいドラマを作りました。今回の龍が如く OF THE ENDでは,主人公や時代は同じだけど,途中から違うエッセンスが盛り込まれていって,それが生み出すものからドラマができていくんです。
これまでの「龍が如く」シリーズは,科学的に証明されていないものは何一つ登場しない人間ドラマですから,すべての動きは人間達の関係からだけで起きるんですけど,今回はまったく予想できない,モチーフの違うものが起こすドラマを作ろうとして,そのモチーフがゾンビだったということですね。
4Gamer:
なるほど。ところで,このあと名越さんは7都市に行くわけですが,各都市のファンへのコメントはありますか?
名越氏:
行く街の方々には,よろしくお願いしますという限りですが,逆に今回行けないところの方には,我々が近くまで行ったときに,来ていただければと思います。また,積極的にいろいろな場所へ行きたいとも考えています。
4Gamer:
最後に,2011年3月17日の発売に向けて,ファンにメッセージをお願いします。
名越氏:
遊んでいただいた人には良い反応をいただき,うまくいくだろうという気持ちを強くしました。今回,限られた時間でマンネリにならないフレッシュな新作を作ろうという目標を立て,私自身がスタッフにいろいろ無茶を言って,それが実現できました。1人でも多くの人に遊んでほしいなと思っています。よろしくお願いします。
4Gamer:
どうもありがとうございました。
サイン会は滞りなく終了したが,体験会はそのあとも続き,サインをもらった人達が続けて列を作る様子も見られた。筆者もそこに並び,体験版を実際にプレイできたので,簡単なインプレッションをここでお届けしよう。
試遊台の体験版は,主人公の1人,秋山駿でプレイ可能だった。2丁拳銃が基本装備で,キャラクターには4種類の武器を装備させられる。装備した武器は方向ボタンの4方向に割り当てられ,プレイ中にその方向を押せば武器を切り替えられる仕組みだ。
ちなみに武器は,ニューバラライカ(サブマシンガン),5.56mm自動小銃(アサルトライフル),ハンティングショットガン,グレネードランチャー,手榴弾から選べた。
これまでのシリーズでは,エンカウント式のバトルだったが,今回はTPSのように敵が常に現れるステージを進んでいくこととなる。ゾンビはあちこちから主人公に襲いかかってくるので,□ボタンで装備した武器を撃ち,○ボタンでキックを出していく。
メインとなる武器攻撃は,それほどきっちり狙いをつける必要はなく,射程内の敵のいる方向を向くだけで自動的に狙い撃ってくれるため,前作までの,拳で敵を攻撃する感覚とそれほど変わりはない。付近にある物を掴んで攻撃するアクションも,健在だった。
面白かったのは,戦いに同行する“相棒”の存在だ。この相棒はバトルをサポートしてくれる役目を担い,L2ボタン+方向ボタンの上下で行動を指示できる。積極的に前に出て攻撃させるもよし,援護に回ってもらうもよしだが,本人の判断に任せてもいいだろう。
ただし,相棒は無敵ではないので,敵に攻撃されて体力が減ったときは,手持ちのアイテムなどを使って回復させないと,戦闘不能に陥ってしまうこともある。
またこの相棒は,後述する新システムにも一役買っており,ゲーム攻略に非常に重要な存在となるようだ。相棒はドラマの流れで仲間になるほか,サブシナリオをクリアすることでも仲間になり,それを育てていくこともできるらしい。
もう1つインパクトがあったのが,△ボタンで発動させる“ヒートスナイプ”だ。前作のヒートアクションにあたるシステムで,自身のヒートゲージが溜まった状態で,画面内に“!”マークのオブジェクトがあるときが発動チャンスとなる。△ボタンを押して目標を決め,□ボタンを押すとそこに向かって弾を撃つ。弾が目標に着弾する間に指示されたボタンを押せれば,派手なエフェクトともに,周囲のゾンビ達に大きなダメージを与えられるのだ。
さらに特定の場所では,相棒がこのヒートスナイプに参加することもある。演出は非常に派手で格好良く,しかも効果も高いので,このあと開催される体験会で遊ぶ予定の人は,積極的に試してほしい。
体験版では迷路のような神室町の地上と地下を交互に進んでいき,最後にはボスのデカマッチョが待ち受けている。変異体と呼ばれる巨大なゾンビで,頭以外を攻撃をしても,あまりダメージを与えられない強敵だ。こういう場合,L1ボタンを押し続けることで画面にカーソルが現れ,特定の場所を狙って撃てるので,使ってみよう。
相棒に援護をしてもらいつつ,敵との距離に応じて武器を常に切り替え,弱点の頭を確実に攻撃していくことで,ようやくボスを倒すことに成功した。体験版はこのボスを倒すか,一定の時間が経過すると終了となる。
意外な方向へと進化したこの龍が如く OF THE END。これまでのシリーズとどれほど変わっているのか,楽しみでもあり心配でもあったが,実際に遊んでみると,名越氏が長く育ててきた「龍が如く」シリーズのDNAは確実に受け継がれていることが分かった。
TPSとしては,それほどハードルは高くなく,チュートリアルもしっかりしているため,試遊台でも敵にやられて終わってしまう人はほとんどいなかったようだ。体験版ではあまり触れられなかったドラマ部分が,今回どのようになっているのかも気になるところであり,製品版の発売がさらに楽しみになった。
このあと2月26日には新潟,3月5日に札幌,6日に福岡,12日には広島と大阪で,名越氏のサイン会と体験会が開催される予定だ(開催スケジュールは公式サイトの告知ページを参照してほしい)。名越氏が龍が如く OF THE ENDで目指す新しい可能性に早く触れてみたい人は,ぜひ参加しよう。
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龍が如く OF THE END
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(C) SEGA
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