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[TGS 2016]WargamingのCEOに聞く,「ハイスクール・フリート」とのコラボや「終末のイゼッタ」制作サポートなどの理由
そんな同社のCEOである,ビクター・キスリー(Victor Kislyi)氏と,Head of Global Competitive Gamingのモハメッド・ファダル(Mohamed Fadl)氏に短時間ながら話を聞く機会を得たので,その模様をお伝えしたい。
4Gamer:
本日は,よろしくお願いします。まずは,東京ゲームショウ2016の印象を聞かせてください。
ビクター・キスリー氏(以下,キスリー氏):
そうですね。これは毎年やっていることですが,今年も初日に弊社ブースでいろいろな発表をさせてもらいました。今回はとくに,日本に向けたオリジナルコンテンツとして「ハイスクール・フリート」とのコラボや,「終末のイゼッタ」制作委員会への参加など,日本の人々に喜んでもらえたのではないかと思っています。我々は毎年,このように,日本の方々に楽しんでいただけるような発表を準備して東京ゲームショウ2016に挑んでいます。
モハメッド・ファダル氏(以下,ファダル氏):
ドイツのgamescomにはよく行きますが,東京ゲームショウに来たのは今回が初めてです。gamescomと同じように,訪れる人々のゲームに対する強い情熱を感じられて,本当にすばらしいイベントなんだなと,今回,初めて体験して思いました。
4Gamer:
今年は,例年にも増して,いろいろなアトラクションのあるブースになってましたね。
キスリー氏:
そうですね。今年はVRコンテンツを2つ用意しました。「VR YAMATO」と「World of Tanks」のVRですが,その点が今年の特徴だったでしょうか。
4Gamer:
さて今回,「ハイスクール・フリート」とのコラボレーションが発表されました。「蒼き鋼のアルペジオ」とのコラボはいったんお休みとのことですが,新たなコラボを決められた理由は何でしょうか。
キスリー氏:
正直な話をしますと,最初,ウォーゲーミングジャパンが「『ガールズ&パンツァー』とコラボをしましょう」という提案をしてきたとき,何かの冗談だと思いました。うまくいくわけないと。ですが,2年が経過して,実際の結果を見たところ,とくに日本やアジアにおけるこうしたコラボの重要性に気づかされました。それは,日本以外のWargamingスタッフも同様です。
「ハイスクール・フリート」とのコラボも,日本の皆さんに,我々が日本市場を重視しているということを理解してもらえるいい機会であり,我々にとって価値があるものだと判断して,ゴーサインを出したわけです。
4Gamer:
なるほど。実際にコラボミッションをプレイしたりしますか。
キスリー氏:
もちろんです。「蒼き鋼のアルペジオ」とのコラボの際,アニメに出てきた艦艇がもらえるというミッションがありまして,私もそれに挑戦しました。最初の船はゲットできたんですが,残念ながら2つめの船は,プレイする時間がなくて手に入らなかった。それでも,最初のミッションを達成したときは,すごく嬉しかったし満足感がありました。
また,PlayStation 4版の正式サービス開始時にも,「ガールズ&パンツァー」とのコラボをやりまして,非常に多くの人に楽しんでもらえました。こうしたことから,今後もいろいろなコラボを続けて,より多くの人に楽しんでもらいたいと思っているんです。
ファダル氏:
私は,実を言うと以前からすごくアニメが好きで,「マジンガーZ」や「UFOロボ グレンダイザー」などの古い作品から最新作まで,いろいろと見ているんです。私の勤める会社が,大好きなアニメとコラボしてくれるというのは,まるで夢のような話ですね。
4Gamer:
日本人としては,嬉しい話ですが,外国のプレイヤーまで喜んでいるとは思いませんでした。というわけで,いよいよアニメの制作にまで乗り出してしまうわけですね。「終末のイゼッタ」制作への参加というのは,驚きました。
キスリー氏:
そうですか? ほかのゲームメーカーを見てもお分かりかと思いますが,ゲームメーカーは今や,ただゲームを作って販売するだけでの存在ではなくなっていると私は思っています。ゲーム企業が映画を作ったりアニメを作ったりしているケースもたくさんありますから,今回,アニメの制作に携わろうとするのは,ごく自然なことだと考えています。我々にも変化が必要ですし。
4Gamer:
それにしても,外国のゲームメーカーが日本のアニメに投資するのはあまりない例だと思います。
キスリー氏:
我々が日本にオフィスを作って,もう4年以上になりますし,この東京ゲームショウにも毎年,出展しています。そして,我々のゲームは日本語化されて,日本人のプレイヤーもたくさんいます。あまり「外国企業」だとは思ってほしくないですね。さすがに我々を日本のゲームメーカーと呼ぶのは難しいかもしれませんが,私達自身は「日本の企業である」と勝手に思い込んでいるんです。
4Gamer:
そうだったんですか。では,この「終末のイゼッタ」がうまくいったら,次のアニメ制作,あるいは映画に乗り出すとかもありそうですか。
キスリー氏:
それは,今の段階では分かりませんが,すでに我々が映像作品をたくさん作っていることはご存じだと思います。ネットで検索してもらえれば分かると思いますが,トレイラーもありますし,ドキュメンタリー風のものもありますし,CGアニメや歴史をテーマにした作品など,たくさん作っています。さらに,VRにも挑戦していますし,e-Sportsにも力を入れています。ゲームだけではなく,総合的なエンターテイメント産業が我々の目標の1つであるわけです。
4Gamer:
なるほど。ちょっと話は変わりますが,先日「Master of Orion」がリリースされましたが,調子はいかがでしょうか。また,「Hybird War」や「Gods and Glory」も発表,またはリリースされていますが,こうしたモバイルタイトルにも今後,力を入れていくのでしょうか。
キスリー氏:
「Master of Orion」について言えば,まずまずのセールスを挙げていますね。とはいえ,こちらは,基本無料ではなくパッケージ販売なので,それなりの限界はあるようです。
私は,この作品を我々からの「プレゼント」だと考えています。オリジナルの「Master of Orion」が発売されたのが,今から20年以上前の1993年ですから,現在,我々のゲームをプレイしている人達の多くがまだ,生まれていなかったでしょう。
私が昔,楽しんだこのゲームの体験を,今の人々に伝えたいという思いで作りました。ですから,できるだけいいものを作ろうとは思っていましたが,正直なところ,売り上げなどはあまり期待していませんでした。
4Gamer:
過去の名作を,現在の技術で甦らせるということですか。
キスリー氏:
例えば,シリーズ最新作の「シドマイヤーズ シヴィライゼーション VI」が発表されていますし,iPhoneに「スーパーマリオラン」が来ることが明らかになりました。このように,昔のゲームがどんどん生まれ変わって,現在のプレイヤーを楽しませてくれます。また私の息子の話ですが,彼はマリオの名前は知っていますが,プレイしたことはありません。そんな息子がとうとうマリオをプレイできるというわけで,それはオリジナルとは違うかもしれませんが,しかし,価値のあることだと思っています。
4Gamer:
分かりました。では最後に,読者へのメッセージをいただけますか。
キスリー氏:
私は毎年,日本に来ています。そして,日本のプレイヤーの皆さんとお会いして,何を求めているのかを直接,お聞きしています。それらを意見を取り入れて,よりすばらしいゲームを皆さんにお届けしたいと思っていますので,よろしくお願いします。
ファダル氏:
e-Sports担当としては,日本のプレイヤーに大変期待しています。ワールドチャンピオンシップの大会に日本のチームを迎えたいので,ぜひ,がんばってください。
4Gamer:
本日はどうも,ありがとうございました。
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