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[E3 2010]久々に復活した「Twisted Metal」はマルチが熱い! 〜 あの「ゴッド・オブ・ウォー」の生みの親デイビッド・ジャッフェ氏も日本でのヒットを熱望
オリジナル作品は初代PlayStationが北米ローンチされた1995年の,年末タイトルとして登場した。銃やミサイルなどの武器を装着したコミカルな改造車を操って,スタジアムや街中で相手を攻撃するという,よく言えば爽快感のみを重視した,悪く言えば大雑把な作りで,当時のアメリカ産ゲームのなかでもなぜか印象深いタイトルの一つである。
当時は,日本ゲーム産業の絶頂期で,数少ない日本のプレイ経験者からも「なんだ! この洋ゲーは」くらいにしか思われなかったことだろうが,欧米のメディアからも決して絶賛されていたようなタイトルではない。しかし,その単純なゲーム性は多くのゲーマーの心を掴んだのか,結果的に100万本のヒットを記録した。「PlayStationエクスクルーシブ」のレーシング系ゲームとしては,あの「グランツーリスモ」と同じくらい長い歴史を誇るシリーズともいえる。
このTwisted Metalのオリジナル版をプロデュースしたのは,後のSCEAサンタモニカスタジオにおいて,あの「ゴッド・オブ・ウォー」を制作することになる,David Jaffe(デイビッド・ジャッフェ)氏だ。
ジャフェ氏は,ゴッド・オブ・ウォーの第一作を開発した後に,「もうゲーム業界での目標はなくなってしまった。あとは誰でも楽しめるような気軽なゲームを思うがままに作っていきたい」として独立。しばらく経った2007年に,Eat Sleep Playという妙に本能的な社名のゲーム会社を立ち上げていた。
SCEのプレスカンファレンスにおいて,Twisted Metalのメインキャラクターである,頭が燃え盛るピエロ“Sweet Tooth”の画像が登場しただけで,観客の大きな声援が上がった。これはTwisted Metalというブランドそのものよりも,「あのゴッド・オブ・ウォーの生みの親による最新作」という,ジャッフェ氏に対するリスペクトのようなものが強かったと思われる。
さて,シリーズとしては「Twisted Metal: Black」など,PlayStation 2やPSPなどでもリリースされてきたが,今回は初のPlayStation 3タイトルとなり,通し番号もない仕切り直しの新作となる。
今回,SCEブースで展示されていたのはマルチプレイデモで,ゲームの雰囲気そのものはこれまでのシリーズとそれほど代わり映えのないように見受けられたが,色調が全体的にカラフルになりつつも,アクションやバイオレンスが派手さを増しているのは疑いない。
先に書いたジャッフェ氏の「誰でも楽しめるような気軽なゲーム」というコンセプトが実現されており,例えば一番近くにいる敵にターゲットが自動的にロックされる仕組みで,相手が建物や丘の向こうに移動しようが,簡単に対戦相手を見つけられる。死んだ場合でもリスポーンの時間が非常に短く,デモで用意された10分ほどの間に,とにかく相手を撃ちまくり,車ごと突っ込んでは大破するということを繰り返すという壮快(?)な対戦ゲームになっていた。
会場で,来場者がデモをする様子を楽しげに見ていたジャッフェ氏本人をつかまえてみたところ,「日本のメディアがTwisted Metalを紹介してくれるのは本当にありがたい」と言っており,日本のゲーマー達からの評価が気になるようだ。「Twisted MetalもGod of War(オリジナル版)も,決して全世界のゲーマーに受け入れられるために作ったのではないけれど,それ以前に,Twisted Metalは日本で発売もされなかったからね。日本のゲーマー達たちには,ぜひ新生Twisted Metalで遊んでほしいと熱望しているよ」と話していた。
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Twisted Metal
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