「なりきりダンジョンX」発売日は8月5日，「シンフォニア」のOVAシリーズ第3期が制作決定と発表。「テイルズオブ フェスティバル 2010」観覧レポートを掲載

　バンダイナムコゲームスの人気RPG「テイルズ オブ」シリーズのファンイベント，「テイルズ オブ フェスティバル 2010」が，6月5日/6日の両日に，神奈川県横浜市のパシフィコ横浜で開催された。
　2008年の第1回開催以来，今回で3回めの開催を迎えた本イベントは，ファンには恒例のお祭り。「テイルズ オブ」シリーズの出演声優によるスキット，テーマソングを歌うアーティストによる生ライブ，トークコーナー，新作タイトルの情報公開などが行われ，ファンを大いに盛り上げた。
　本稿では，6月5日の昼公演，6月6日の昼/夜公演という3公演の中から，初日の6月5日公演にスポットを当てて，その模様をレポートしよう。

「テイルズチャンネル」内
「テイルズ オブ フェスティバル 2010」公式サイト

　最初にステージに登場したのは，イベント全体の司会進行役を務める，小野坂昌也さんと中原麻衣さんだ。小野坂さんによる司会は，「テイルズ オブ」のイベントではもはや恒例ともいえるほどだが，中原さんは今回が初司会ということで，若干緊張した面持ちだったように見受けられた。


　オープニングトークに続いて，「テイルズ オブ ジャッジメント」と題したスペシャルスキットが行われた。
　ここでは，「テイルズ オブ シンフォニア」からゼロス・ワイルダー（小野坂さん）とロイド・アーヴィング（小西克幸さん），「テイルズ オブ ヴェスペリア」からユーリ・ローウェル（鳥海浩輔さん），エステル（中原さん），リタ（森永理科さん），「テイルズ オブ グレイセス」からアスベル・ラント（櫻井孝宏さん），「テイルズ オブ デスティニー」からリオン・マグナス（緑川 光さん），「テイルズ オブ ジ アビス」からルーク・フォン・ファブレ（鈴木千尋さん）が出演。さらにはシークレットゲストとして，「テイルズ オブ シンフォニア」からクラトス・アウリオン（立木文彦さん）が登場した。

　このスキットは，リオンが突如法廷に立たされ，ゼロスから“プレイヤーを裏切って敵として登場しやがった罪”で訴えられてしまったという設定。仲間達の証言に助けられながら，ゼロスと法廷で戦うという内容だった。
　ゼロスは，ファンからの苦情の手紙などを証拠に，リオンを追い詰めようとする。一方のリオンは「仲間を裏切ったことは事実だ。それが罪というのなら罰をも受ける覚悟がある」と覚悟を決めつつも，「僕は自分のしたことに一片の後悔もしていない。たとえ何度生まれ変わっても同じ道を歩んでみせる！」と，ゲーム内での決め台詞で己を主張し，傍聴席（＝来場者）の支持を大量に獲得。さらにほかのキャラによって次々と真実が明らかになり，次第にリオンが優勢な立場になっていった。


最初は正攻法で攻めていたゼロスだったが，状況が不利になるとだんだん態度が雑になってくる。遅れて登場してきたユーリがゼロスの企みを暴露し，今回の騒動の確信を突いた。最後はクラトスが登場し，「判決を決めるのは会場の皆だ！」と会場にいる来場したファンの判定に委ねることに。


　続いてはイベント恒例，今回で5回目を数える“人気キャラクターランキング”へ。小野坂さんは，自身が演じるゼロスが前回8位だったということで，さらに上位を狙うべく意気込んでいた……のだが，結果は前回よりも2ランクダウンの10位。中原さん演じるエステルは，前回よりもワンランクアップの16位という結果だった。しかも，そのほかの出演者は皆ゼロスよりも上の順位という結果で，小野坂さんに“追い打ち”をかける。


　そして見事1位となったのは，第4回に続いて「テイルズ オブ ヴェスペリア」のユーリ・ローウェルだ。
　ユーリ役の鳥海さんは，「皆さんが応援してくださったおかげで1位を“貫き通す”ことができました」と，喜びのコメントをした。そんな鳥海さんを横目に小野坂さんは，「俺，分かったんだ……。もう上を目指しちゃダメだって」と述べ，会場の笑いを誘っていた。
　なお“マスコット部門”では，「テイルズ オブ ヴェスペリア」のラピードが1位の栄冠に輝いた。


　PSP用ソフト「テイルズ オブ ファンタジア なりきりダンジョンX（クロス）」（以下，なりダンX）のステージでは，プロデューサーの大舘隆司氏が登場し，本作の魅力を紹介した。
　大舘氏は同作発売の経緯について，「『テイルズ オブ』が今年で15周年を迎えるに当たって，シリーズの原点ともいうべき『ファンタジア』という作品をもう一度見直したかった」と述べ，「テイルズ オブ ファンタジア」の続編として2000年に発売された，ゲームボーイカラー用ソフト「テイルズ オブ ファンタジア なりきりダンジョン」をリメイクすることを決定したという。


　ここで，「なりダンX」の主人公“ディオ”役の斎賀みつきさんと，“メル”役の阿澄佳奈さんがステージに登場し，ゲーム紹介も兼ねたスキットを披露した。
　斎賀さんは，ディオを初めて演じた際，スタッフに「もう少し年齢低めな感じで」と指示を受けたとのことで，収録の時は，実年齢よりも若干やんちゃで幼いキャラをイメージして演技をしたらしい。
　一方の阿澄さんは，ディオが幼さの残る少年であることから，その分しっかり者のお姉ちゃんっぽい演技を心がけたそうだ。
　そのあと，大舘氏から「なりダンX」に「テイルズ オブ グレイセス」のアスベルのコスチュームが登場することが明らかにされ，続いて発売日が8月5日予定であることが告知された。


　また発売日に先立ち，7月中旬から本作に同時収録される「テイルズ オブ ファンタジア クロスエディション」，7月下旬には「なりダンX」の体験版配信が開始されるとのこと。予約した人には，特典として「ドラマチックDVD」がプレゼントされることも明らかになった。このドラマチックDVD，予約特典ジャケット裏面には予約特典に登場した声優陣のサインが印刷され，予約特典用スペシャルスキットレプリカ台本も同梱されるということなので，ファンの人はお見逃しなく。


　なお，このステージでは，「夏に何かあるかもしれません」という意味深なコメントが，大舘氏から飛び出した。「テイルズ オブ」シリーズが2010年で15周年を迎えるだけに，何か大きな発表であるのではないかと勘ぐってしまうが，果たしてどうなるのか，今後の動向にも注目したいところだ。

　また，本ステージでは奥 華子さんのスペシャルライブが行われ，「なりダンX」のオープニングテーマ「ガラスの花」が披露された。
　奥さんは「なりダンX」のストーリーをすべて読んだうえで楽曲制作に当たったそうで，曲とゲームをいかにリンクさせるかに気をつけたという。奥さんを起用した経緯について大舘氏は，開発陣から「ぜひ奥 華子さんで！」とのリクエストがあったこと，2006年に公開されたアニメ映画「時をかける少女」のテーマソングを聞いて，奥さんの歌声が「なりダンX」の世界観にマッチしていたことを理由として挙げていた。


　そしてフィナーレも近づいてきたところで，「テイルズ オブ」シリーズとは切っても切れない関係といってもいいアーティスト，misonoさんのライブの時間となった。
　misonoさんは「テイルズ オブ テンペスト」のテーマソング「VS（ヴァーサス）」，「テイルズ オブ シンフォニア ラタトスクの騎士」のテーマソング「二人三脚」，「テイルズ オブ シンフォニア」のテーマソング「Starry Heavens」などをそれぞれフルコーラスで披露して，会場を盛り上げた。
　またmisonoさんは，「テイルズのそばで成長してきたんだなと思います。歌詞を書きながら見失ってたものに出会うことができました。すごく感謝しています」とコメント。ライブ終了後は，キャスト陣からも「すごくよかったです！」「テイルズの歌姫ですね！」と絶賛の声が上がっていた。


　そしてイベントのフィナーレでは，「テイルズ オブ シンフォニア」のOVAシリーズ第3期「世界統合編」が制作されることがサプライズ発表された。
　主題歌はまだ決まっていないらしく，小野坂さんから振られたmisonoさんは，「私が歌い……たい！」とアピールしていた。
　misonoさんの願いが届くかどうかは，現時点では神……というかスタッフのみぞ知る，ということになるが，果たしてどうなるかは，今後公開されるであろう続報に期待してほしい。


　というわけで，今回も大盛況となった「テイルズ オブ フェスティバル」。2010年12月には「テイルズ オブ」シリーズが15周年を迎えること，また大館氏のイベント中の発言からも，今後の展開は要注目と言えるだろう。

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