手島 優さんのトークには名越総合監督もタジタジ？　「クロヒョウ 龍が如く新章」発売記念イベントレポートを掲載

　昨日（9月22日），神奈川県・川崎市のマルチメディア川崎ルフロンにて，PSP用ソフト「クロヒョウ 龍が如く新章」の発売記念イベントが開催された。
　本作は，熱き“漢”の世界を描く「龍が如く」シリーズとしては初の携帯ゲーム機版となり，シリーズでおなじみの巨大歓楽街・神室町を舞台に，新たな主人公・右京龍也の物語が描かれる。また，シリーズ初の通信対戦に対応するなど，PSPならではの新しい試みにもチャレンジしている意欲作だ。
　本イベントには，「龍が如く」シリーズ総合監督の名越稔洋氏と，ゲーム中にキャバクラ嬢役として出演した手島 優さんが出演してトークショウを行った。本稿ではその模様をお伝えしよう。

トークショウ前には「クロヒョウ」の体験会が行われていた

　ステージに登場した名越氏は「今日，無事に『クロヒョウ』が発売日を迎えることができました。ささやかですけど，こういう場面でお話しさせていただくことを嬉しく思います」と挨拶。続けて手島さんも登場し「皆さん初めまして！　愛がいっぱいIカップの手島 優です。よろしくお願いします！」と，おなじみのキャッチコピーをからめた挨拶で，来場者を盛り上げた。

名越稔洋氏

手島 優さん

　まずは，本作のストーリーやコンセプト，メッセージ性などが紹介された。
　名越氏は，「クロヒョウ」は，主人公が10代少年であるというところで，従前の「龍が如く」シリーズとは異なっているほか，地下格闘場という非現実的な場所にぶち込まれ，戦うたびにいろいろなことを覚えていく成長ドラマであると語った。ただ，「龍が如く」シリーズのコンセプトは人間ドラマであり，そのテイストやニュアンスは，今回も表現できているだろうとコメントした。
　「クロヒョウ」に対する印象を聞かれた手島さんは，「最近はアツい人が減っていると思うんですけど，ゲームを通してアツい人がどんどん増えてくればいいなと思います」とコメントしていた。


　次の話題であるバトルシステムについては，体力ゲージを取り払ったことが一番の違いで，自分なりに戦いながら，相手と自分の状態を考えなければならない，緊張感のあるシステムに仕上がったと，名越氏は語っていた。
　ちなみに，東京ゲームショウ2010のステージでは，名越氏と手島さんが「クロヒョウ」で対戦したそうである。対戦結果を聞かれた手島さんは，「まあ，圧勝でしたよね（笑）」「わざと負けてくれたんですよね？」と余裕のコメント。
　名越氏は，事前に手島さんにレクチャーをしたのだが，教えた手順どおりに手島さんがプレイすると予想していたら，一気に攻めたてられてしまったと述べた。

　ここで手島さんは，名越氏が本気でプレイすると思って，負けたくないので，操作方法などを予習していたことを明かした。また手島さんは，ポイントをつかめば勝つほうに向かうので，女性でもやりやすいゲームだと感想を述べた。
　なお，手島さんの腕前を聞かれた名越氏は，「とにかく猪突猛進な感じ」で，駆け引きはあまりなかった感じですけど，それが面白かったとコメント。ここで「性格は知らないんですけど……」と名越氏がポロリとこぼすと，すかさず手島さんに「知らないんだ」とツッコまれ，たじたじになっていた。

　お次は，神室町のプレイスポットについての話題に。
　名越氏は，「龍が如く」シリーズでは，神室町の中でさまざまなミニゲームで遊べること，またそれらがストーリーに絡んでいて，街を行ったり来たりするだけでなく，その合間合間にいろんな遊びができるという特徴が，「クロヒョウ」でもしっかり再現されていると述べた。
　手島さんも，「こんなにてんこ盛りでいいのかなって思うくらい本当にボリューミーで，バトルシーンだけじゃなくて，いろいろなシーンで楽しめるので，飽きないなと思います」と，絶賛していた。


　続いては，「クロヒョウ」のテーマソングを手がけるRIZEや，声優として出演したキャスト陣の話題となった。
　RIZEについては，2008年の東京ゲームショウで仕事とは別に知り合ったのだが，当時すでに製作中だった「クロヒョウ」で，楽曲制作を依頼することになったそうである。
　キャスト陣について名越氏は，心残りのないキャスティングができたと語っていた。

　そして，夜の街を彩るキャバクラ嬢について，まずは手島さんを起用した理由についての質問が飛んだ。
　質問に対して名越氏は，テレビで見ていて綺麗なのはもちろん，よくしゃべって面白いという印象を，手島さんに持っていたそうだ。ゲームの中ではキャバクラ嬢と会話をするので，「この人とゲームの中でしゃべることができたらとても面白いんじゃないかな」という基準で選んだとのことだ。
　一方の手島さんは，「龍が如く」の全作品を持っているほどのファンで，キャバクラ嬢役としてオファーが来たときには，ドッキリなんじゃないかと思ったほど衝撃的で，また感動したと話していた。
　収録に関しては，名越監督曰く「ご本人の地が出ているような感じ」とのことで，手島さんが普段使っている言葉をアドリブで入れたりもしたとのこと。名越氏は，手島さんのファンが「違うな」と思ったりすると申し訳ないので，本人のカラーが出るように調整したと述べていた。


　そして，「クロヒョウ」のメディアミックス展開として，週刊ヤングマガジンで9月18日発売の第42号から連載が開始されたこと，また10月5日からMBS・TBS系列でテレビドラマが放映開始となることが告知された。ドラマには名越氏もちょっとだけ出演しているそうだ。
　なお，9月27日発売のヤングマガジンには，「クロヒョウ」に絡んだ手島さんのグラビアが掲載されるとのこと。



　最後に手島さん，名越氏それぞれが以下のように挨拶して，イベントを締めくくった。

「今回の『クロヒョウ 龍が如く新章』はバトルももちろんなんですけど，プレイスポットがすごく充実していて，本当に飽きないゲームなので，皆さん絶対ゲットしてほしいと思います。私も個人的に10本くらい買って，友達に配ろうかと思うくらいオススメなんです，ホントに。私もハマってしまったので，皆さん配りましょ！（笑）。私と対戦してほしいなと思います。よろしくお願いします」（手島さん）

「発売日がちゃんと迎えられたことを本当に嬉しく思います。マンガも今から続きますし，ドラマもオンエアが控えています。途中まで見たんですけど，気合いの入った画が続いていて，すごくいい感じにでき上がっています。
　先が見たくなるという意味では，マンガもゲームもドラマも，ちゃんとテンション高い感じにでき上がっていますので，すべてを含めて『クロヒョウ』というものを応援していただければなと思います。よろしくお願いします」（名越氏）


　そして，イベント終了後には，名越氏と手島さんの合同インタビューが行われた。本稿の締めとして，以下にインタビューの概要を掲載しよう。

――発売日を迎えた感想をお願いします。

名越氏：
　一年間がんばって，ちゃんと出せたということにホッとしています。あとは楽しんでいただければいいなと，それだけを思っています。

――今回はPSPということで，制作で据え置き機と違う部分があると思いますが，そのあたりはどうでしたか？

名越氏：
　やっぱり性能が違うので，当たり前ですがスペックはダウンするんですけど，それに取って代わる魅力がちゃんとあれば，認めていただけると思いました。例えば，ちゃんと通信対戦が盛り上がるような要素であったり，PSPで遊ぶのに向いているゲームの作り方であったり。テンポ作りもそうですけど。
　ドラマは本当に大量に，詰め込むだけ詰め込んだので，「PSPでここまで見られるの？」というギャップも含めて，作ってて楽しかったですね。

――またPSPで作ってみたいと思われましたか？

名越氏：
　ですね。せっかく覚えたノウハウはやはりもったいないんで。それはあまり言い過ぎるとアレですけど（笑）。

――今回は，「名越稔洋プロデュース プレミアムBOX」という限定版が発売されましたが，こちらはどういったコンセプトで生まれたのでしょうか？

名越氏：
　プレミアムものって，けっこうロゴとかがドーンって入っていて，まさにプロモーションみたいな感じですけど，そういうのは，自分で持っていても使わないので，さりげなく，お財布としても使えるくらいのクオリティがあって，という感じで。
　素材から何から，ミシンで縫ったときはどんな雰囲気になるのかといったところまで，けっこう詰めてやらせてもらったので，ああいうのもたまにはいいんじゃないかなと。
　けっこういいものなのでぜひ，と言いたいところですが，もう売れちゃってるんで（笑）。

――手島さんは限定版を見ましたか？

手島さん：
　なんか，いい意味でのいやらしさというか（笑），色気を感じましたね。

――手島さんは，ご自分がCGになった姿を見てどう感想を持ちましたか？

手島さん：
　不思議な感じですけど，本当にリアルなので照れますね，なんか（笑）。まだ口説くところまで行けていませんけど，自分で自分を絶対に落とします！

――手島さんはキャバクラ嬢「手島 優」のどこに注目してほしいですか？

手島さん：
　普段見せない甘えた仕草とか，品のあるところですかね。ゲームではかなり品があるので（笑）。そこは普段と違うところですね。

――では，その「手島 優」を落とすコツはありますか？

手島さん：
　なんか，フルーツあげていたら落ちるって話を聞いたんですけど（笑）。普段もそうなんですけど，優しくしてもらえたら私は落ちると思うので，お店に通い詰めたりしてくれたら，いい感じにハートが大きくなっていくんじゃないかなと思います。

――実際の手島さんにもそういう部分はありますか？

手島さん：
　リンクしちゃいますねー。攻めてきてもらえたら（笑）。

――ドラマの撮影現場はご覧になりましたか？

名越氏：
　もう何回か伺って，僕も出たがりなんでちらっと出ているんですけど（笑）。
　熱気もあり，すごくこだわってやっているんで，深夜ではありますけどそんなものすごい深い時間でもありませんし，その時間でやるにはもったいないくらいのクオリティになったんじゃないかなと思いますね。関係者の方にも，キャスティングを含めて「これって本当に深夜なの？」って言ってもらえる雰囲気になっていると思います。めちゃめちゃいいですよ。自分で褒めてあげたいというか（笑）。撮影スタッフの方には感謝しています。

――最後に，ファンに向けて一言お願いします。

手島さん：
　「クロヒョウ 龍が如く新章」はPSPということで，ファンの方は肌身離さず，持ち運びもできるじゃないですか。凄く面白くて，アツい人生を送るためにも絶対に必要だと思うので，皆さんぜひゲットしてほしいです。

名越氏：
　一生懸命作ったので，まずはドラマを楽しんでいただきたいなと。あと手島さんがおっしゃっていましたけど，PSPは機動性があるゆえに，友達同士で対戦したりとか。
　その対戦も，他のゲームで代わりがあるようなものじゃなくて，「クロヒョウ」じゃないと楽しめないバトルだと思います。ケンカしている感が出したかったんですが，それは十分出たんじゃないかなと思います。
　ブログなどで評判を見ていますけど，今のところ，皆さんに受け入れられてもらっているようなので，そこはすごくホッとしています。手にとって遊んでいただいて損はないと思いますので，ぜひよろしくお願いします。

――ありがとうございました。

「クロヒョウ 龍が如く新章」公式サイト

トークショウ後には，名越氏のサイン会が実施され，多くのファンが名越氏との握手や記念写真撮影を行った