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十代のファンも集まった,「クロヒョウ 龍が如く新章」店頭体験会レポート。意気込みを語る名越総合監督のミニインタビューも
男の世界を描くアクションアドベンチャーとして人気の「龍が如く」シリーズ,その初の携帯ゲーム機版である本作は,シリーズおなじみの巨大歓楽街・神室町を舞台としながらも,新たな主人公・右京龍也を主人公に据えるなど,さまざまなチャレンジがなされている注目作だ。
今回の体験会は,その初のプレイアブルの機会ということもあり,会場にはゲームをいち早く体験したい人達が集結。6台用意された体験用のPSPには,常にプレイヤーが並んでいる状態で,客足が途絶えることのない盛況ぶりとなった。また「龍が如く」といえば幅広いプレイヤー層を獲得していることで知られるが,とくに今回は夏休み期間ということも手伝ってか,十代らしきファンの姿が多く見かけられた。
「クロヒョウ 龍が如く新章」公式サイト
体験プレイは,一人15分という時間制限をこそあったものの,ほぼ完成したバージョンのゲームがプレイ可能となっていて,神室町の中を自由に動きまわり(一部移動不可の場所あり),バトルやプレイスポットを楽しむことができた。とくにバトルは,体力ゲージやヒートゲージなどが表示されないとあって,従来の「龍が如く」との違いに,嬉しいオドロキを見せているプレイヤーもいたようだ。
名越総合監督(以下,名越氏)のサイン&握手会の時間が近づくと,体験スペースの周囲にはそれまで以上に人が集まり始め,ついには数十人規模の行列ができるまでに。サイン&握手会が始まると,名越氏は集まったファンの一人一人に丁寧にサインをしながら,言葉を交わしていた。中には,あらかじめ用意された色紙だけではなく,持参した「龍が如く」シリーズのパッケージや,サイフなどにサインをもらっている人もいるなど,たいへん熱のあるイベントとなった。
サイン&握手会終了後には,名越氏への合同取材が行われた。「クロヒョウ」にかける思いを語ってくれたので以下に掲載しよう。
名越氏:
「龍が如く」では何度も体験会をしていますが,そのたびに人が来てくれるのかな,と不安になります。今回は一発目としては非常にたくさんの人が集まってくれて,正直ホッとしています。これからいろんな場所に行かせてもらうのですけど,一生懸命プレイヤーの皆さんとふれあえる機会を作っていこうと思うので,ぜひたくさんの人達と出会えることを楽しみにしています。今日も夏休みのせいか,「龍が如く」のイベントに比べると若い年齢の方が多かったので,そういう世代の方にもたくさんきてもらえるとうれしいです。
――「龍が如く」シリーズとしては,初のPSPプラットフォームという新しいチャレンジをされていますが,どういった点が見どころなのかをお聞かせください。
名越氏:
ドラマの演出が若い世代のプレイヤーを意識したものになっていますし,遊びとしても通信関連の拡張がこれまでの「龍が如く」に比べると圧倒的です。「龍が如く」の通信はトロフィーやアイテムなどの配信が主でしたが,「クロヒョウ」ではもっと直接的な通信バトルが楽しめます。例えば街中の不良と戦って仲間にして,友達とのチーム対戦が楽しめるとか。通信を中心とした遊びを強く意識しているのは,それが若い人に受け入れてもらえたらな,という気持ちや願いからなんです。
――テーマが“暴力”ということ,そして主人公が少年ということで,(ゲームとしては)避けられがちな設定ですが,なぜあえてそれを取り上げたのでしょうか?
名越氏:
「龍が如く」で得た自信みたいなものもありますし,ちゃんとしたものを作ればプレイヤーはついてきてくれる。誤解は生まれないと思っています。言い換えれば,手を抜けば誤解が生まれかねないんですが,そこは「龍が如く」を作ってきたメンバーの考え方をバックボーンにしているので,信用してほしい。このジャンル,このテーマ,この雰囲気をきちっとした意識で作っていけば,マーケットができると思っています。
――体験会でとくに注目してほしい点は?
どこもそうなんですけど(笑)。でも,「龍が如く」をやったことがない人には街遊びを楽しんでもらいたい。知っている人にも,バトルや通信部分を中心に,拡張された部分を感じてもらえれば。バトルでは,格闘ゲームでは必須の体力ゲージのない,一見アバウトそうだけど,気がつけば夢中になってしまうような遊びになっていますので。
――開発を進めていての手応えは?
名越氏:
開発はほぼ終了していて,チェック後マスターアップとなるのですが……。「龍が如く」自体,積み上げた信用をちょっとずつ切り崩しながら新しいチャレンジをしてきているので,「クロヒョウ」でもどんな結果が出るか楽しみです。こういう“ガチンコ”な雰囲気のものを,若者に真正面からぶつけるっていうね。もちろん「龍が如く」であるがゆえのドラマの完成度や,新しいバトルのシステムには手応えはあるので,いい反応が返ってくると信じています。
――PSPで開発した「クロヒョウ」で生まれた要素などで,次回の「龍が如く」に持っていきたい部分はありますか?
名越氏:
そのプラットフォームならではの良さがあるので,一言では難しいですね。PSPではリッチなムービーは難しいけれど,通信での遊びの拡張性は強みになります。まだはっきりとは言えませんけど,ゲーム性や遊びのテイストについては,今後に繋がる部分もあると思います。ただ未来永劫とは言わないけど,今のところは「龍が如く」はPS3で,「クロヒョウ」のような若い人向けのタイトルはPSPで,と考えています
――最後に,楽しみにしている人にメッセージをお願いします。
名越氏:
今回は,十代ぐらいの比較的若い人に向けて作っています。東京ゲームショウの前後でも新しい発表をしますので,それまでの動きに注目してほしいです。まだまだ新しいネタは残しているので。
インタビューで名越総合監督が語っているように,体験会はこの日を皮切りに全国15か所で実施される。最寄の店舗で開催の折には,ぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。
「クロヒョウ 龍が如く新章」をいち早く遊ぶチャンス。店頭体験会が全国15会場で8月7日より順次開催。名越氏のサイン&握手会も
「クロヒョウ 龍が如く新章」公式サイト
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