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[GDC 2010]「Game Developers Conference 2010」開幕。今年はニュービジネスの台頭が顕著に
GDCがサンフランシスコで開催されるようになってから5年が経過するが,今回はこれまで行われていた4階建てのウェストホールではなく,ノースホール及びサウスホールがメイン会場として使われている。今年は5日間の日程で開催され,セミナーやパネルディスカッション,ワークショップといった大小さまざまな規模のミーティングが,400以上行われることになっており,開催されているものを見ても,ほとんどのセミナールームが満員御礼状態。それだけに,今回の会場スペースだけではかなり息苦しい感じで,通路も相当込み合った状態だ。不況ゆえに,GDCに参加して親交を深めたり,新たな打開策を練ったりという業界人も少なくないはずだが,少し手狭になった感は否めない。
当然ながら,今年は初日からFacebook関連のセミナーが開催されていたり,これまでのGDCにはなかったSNS関係のイベントが,会場内外で開催されたりしている。また,今年はAmazonやPayPalなど,これらのニュービジネスに絡む業者が参加しているのも,その隆盛を証明していると言えよう。
また,これまでにもあったインディーズゲーム,シリアスゲーム,モバイルゲームといったセミナーも活況を呈しているし,さらには,去年は別のイベント会場で行われていた,ソーシャルゲームを主体とするベンチャー企業向けのビジネスセミナー「Game Beat」が,今年はGDCに含まれるようになった。このほか,オンデマンド型ゲームなども取り扱う「VCON」という新しいカンファレンスが発足し,GDCのスケールアップに貢献している。こうしてGDC 2010に参加してみると,「ゲーム産業」というものがいかに多様化しているのかが,身に染みるように感じられるのだ。
今年は,基調講演にFacebookのGareth Davis(ガレス・デイビス)氏が登場。Facebookの収益の20%にも及ぶというFacebookゲームズの後押しを図っている。実際にFacebookにゲームを提供しているメーカーとしては,このソーシャルゲーム業界で一,二を争う「Zynga」と「Playfish」のキーメンバーが講演を行う。また,元々「Earthwork Jim」などのデザイナーで知られていたDavid Perry(デイビッド・ペリー)氏も,現在βテスト中のゲーム・オンデマンド・サービス「Gaikai.com」を引っさげて,GDCで基調講演を行う予定だ。
日本からは,「メトロイド」や「ワリオランド」シリーズの責任者である任天堂の坂本賀勇氏や,「サイレントヒル」シリーズのオーディオで知られ,最近グラスホッパー・マニファクチュアに参加したばかりの山岡 晃氏が基調講演で壇上に上がる予定。また,カプコンやスクウェア・エニックス,ユークス,ゲームアーツなども,セミナー講演者を送り出しているようだ。
今回も,4Gamerが送り込んだ取材班が,GDC 2010で得られたセミナー内容やゲームの最新情報などを,次々と更新していくので,ぜひ楽しみにしてもらいたい。
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