プレイレポート
スクウェア・エニックスが発売を予定しているハイテンションアクション,「ジャストコーズ2」のプレイレポート,その2
スクウェア・エニックスが2010年の6月10日のリリースを予定している三人称視点のアクションゲーム「ジャストコーズ 2」(PlayStation 3/Xbox 360)は,東南アジアの美しい島国を舞台に破天荒な大暴れが楽しめる期待の新作だ。
欧米ではすでにリリースされており,4Gamerもお世話になっているMetacriticsのメタスコアでは,PlayStation 3版が83点,Xbox 360版が80点(4月1日現在)と,前作をしのぐ評価。満点をつけているメディアもあり,デベロッパであるスウェーデンのAvalanche Studios,そしてイギリスのEidosも喜んでいるだろう,たぶん。
はやく日本語版が出てほしいところだが,まあ,6月までの辛抱だ……と,それだけではナンだから,3月14日に掲載したプレイレポートに引き続き,今回新たに公開された情報を盛り込りつつ,またゲームの紹介しようと思う。うまい具合に,スクウェア・エニックスから最新スクリーンショットをたくさんもらったので,たいへん見栄えのいいグラフィックスも併せて楽しんでほしい。
謎の軍事国家,パナウ
さて,何度も書いてしまうが,主人公の名前はリコ・ロドリゲスだ。2007年にリリースされた前作「Just Cause」(PC/Xbox 360)の主人公と同一人物で,とある秘密組織の政府転覆のスペシャリストとして活躍してきたが,今は引退中。そんな彼が再び呼び戻されたのは,かつての上司であるトム・シェルドンが工作資金と秘密情報を持って姿を消したためだ。彼を追い,事情を聞き,場合によっては始末するのが今回のリコの任務なのだが,トムが姿を消した場所というのが,きな臭い謎の国「パナウ」だったから,事はなかなか面倒だ。
というわけで,まずはゲームの舞台となるパナウの紹介から。東京都の約半分,1000平方kmというゲーム史上有数の広大な面積を誇るパナウは,掲載したスクリーンショットを見ても分かるように,大小無数の島々から成る島嶼国家だ。
現大統領のパナイは,貧窮にあえぐ国民の福祉にはまるで興味がなく,税金のほとんどを軍事増強に費やしている人物であり,3月25日に掲載したムービーでも確認できるように,世界を支配しようと企む悪人でもある。世界征服だって? 大丈夫かしらこの人。とはいえ,なんだか,映画007シリーズに出てくる悪役のように“とっておきの秘密兵器”を持っているようだが,その点は現時点では不明だ。
いずれにせよ,そのためパナウは古代ギリシアのスパルタみたいな軍事国家になっており,あちこちに軍事施設や空港が作られ,海上にも使途不明のリグが建っていたりする。さらに,貴重な遺跡のそばにも平然と軍事施設が作られており,環境の保全とかリゾート観光という点から見ても大問題だ。
軍用機の乗っ取りもできる |
海から基地に侵入するのもいい手だ |
赤い帯と白い星。破壊可能オブジェクトの目印 |
パナイの像。よく見ると,台座のあたりに目印が |
基本的なゲームシステムは,このパナウ島内を自由自在に移動して,さまざまなミッションを請け負ったり,サブミッションをこなしたりするという流れになる。もちろん,軍事基地に勝手に立ち入れば即座に政府軍がやってくるが,パナウの郊外には,圧政に苦しむ人々の暮らす大小の村があり,そこへは自由に行ける。ただし,こちらも目立つような行動を取ると,すぐに軍のパトロールがやってくるから注意が必要だ。そのほか,ビルの建ち並ぶ都市部やリゾート地などもあり,こうしたいろいろな場所を舞台にしてリコが活躍するという寸法だ。
リコにミッションの情報を提供するのは同僚のマリアを含めた何人かのキーパーソンのほか,パナウ各地に蟠踞する反政府勢力だ。三つある反政府勢力は,お互いに目的が違うようで,どの勢力に荷担するかによってゲームの展開が微妙に変わってくるらしい。
ちなみに,ストーリー展開のキーとなるミッションは「エージェントミッション」,反政府勢力などがくれるミッションは「勢力ミッション」と呼ばれ,エージェントミッションをこなしつつ,勢力ミッションを請け負って資金や武器を手に入れたりするわけだ。
勢力ミッションは必ずしもやる必要はないが,ミッションをクリアすることで後述する「カオス」ポイントが溜まり,次のミッションがアンロックされるというダンドリなので,やっておけばいろいろ楽になるはずだ。
基本的にリコの任務はシェルドンの捕獲なのだが,そのためにはパナウ国内の紛争をあおり,パワーバランスを不安定にすることが必要であり,状況がホットになるにつれ,シェルドン失踪の理由や大統領の陰謀などが次第に明らかになってくるという仕掛けだ。
どうやって国内を不安定にするか? もちろんそれはリコの得意技,「破壊と混乱」によってだ。上で触れた「カオス」ポイントは特定のオブジェクトを破壊することで獲得できる。“特定のオブジェクト”の目印は赤地に白い星,その名も「パナウスター」が描かれていること(モノによっては,赤い帯と白い星)。こいつを見つけ次第破壊すれば,島の情勢はますます不安定になっていく。聞くところによると,ゲームをやり過ぎると日常生活で白い星を見つけるたびに破壊衝動に襲われるそうだから,要注意だ。むろん,政府軍ががっちりとガードしているものも多い,というか,ほとんどそうなので,軽い気持ちじゃダメみたい。
島全体に「混乱と破壊」を引き起こせ
混乱と破壊には,別の側面もある。島のあちこちにある政府施設や軍事基地には,それぞれに「制圧率」が設定されており,これを100%にすることでその施設なり基地なりを完全に制圧できるのだ。完全制圧すれば,それらは反政府勢力の手に落ちたことになり,リコにとってもいろいろと便利に使えるようになる。
もっとも,施設/基地によっては破壊だけでなく「隠された支援物資を確保する」といった条件を満たすことが必要になる場合もある。
またこの完全制圧は,必ずしもミッション中に行う必要はなく,ミッションである程度破壊した施設/基地に,あとから舞い戻り,続きを行うといったことも可能だ。実際,前回のプレイレポートである程度破壊した敵の山上の基地だが,次のミッションをクリアしたあとに舞い戻り,完全制圧したのだ。わっはっは。
というわけで,最後に前回の続きを。敵の基地を破壊して脱出したあと,マリアと共にパナウ潜入に成功したリコは,シェルドンと最後に接触した人物,カール・ブレインを探して彼の家にやってくる。だが,そこにいた謎の女性から,カールは軍に制圧されたカジノにいるという情報を入手し,謎の女性のバイクにまたがってカジノへ向かうのだ。
ここまでは最初のミッションから一続きになっており,全体としてチュートリアルの役目を果たしている。ここでカールを無事に助け出せば,あとは島中をほっつき歩いて好きなことができるようになるのだ。
カジノは2棟の超高層ビルで,屈強な軍の兵士達が入り口付近をガードしているが,もちろん我らのヒーロー,リコの敵ではない。奪った銃を撃ちまくり,片っ端からなぎ倒していくリコ。AIの行動は比較的シンプルで,さほど手強くはない印象。とはいえ人数が多いので,何も考えずに突入するとやはりやられてしまうだろう。
地上を掃討したら,次はグラップリングフックでビルの屋上を目指そう。普通にエレベーターでも使えばいいんじゃないかと思うが,それでは面白くないのね。移動先を狙ってフックを発射し,どんな高い場所へも自由自在に登っていけるのが彼の大きな特徴なのだ。
ちなみに下りはパラシュート。このパラシュート,速度さえ出ていれば何度でも開閉可能の優れもので,高いところから安全に降りるだけではなく,例えば高速移動中の車の上でパラシュート開けば後ろに引っぱられて緊急脱出。高い場所に爆弾を仕掛けることもできるし,走るボートにグラップリングフックを投げれば,パラセーリングだってできてしまう。
普通のゲームだったら障害になるような崖や建物も彼にとってモノの数ではなく,それが本作のイマジネーション豊かなアクションを生み出しているのだって……,あ,落ちた。まあ,気を緩めるとそうなることもあります。
ビルの上ではまた銃撃戦が起きる。銃などの武器は,敵が落としたモノも使えるし,ゲームを進めるとブラックマーケットでの購入も可能だ。総じて,弾薬不足,武器不足に陥ることはまずないだろうという印象。
ところでこのブラックマーケット,どうやら非常に高度なデリバリーシステムを持っているらしく,リコがどんなところにいても買い物できる(お金さえあればだが)。例えば山の上に立って,「目的地まで遠いなあ。そうだ,飛行機を買おう」みたいなことができるわけで,購入すれば,小型飛行機が目の前に登場し,そのぶんの軍資金がポケットから姿を消す。こうした抽象化については好き嫌いもあるだろうけど,ゲーム展開はスピーディだ。
戦闘ヘリコプターまで出てくる激しい戦いの末,なんとかカールを助け出したリコの冒険は始まったばかりだ。ついでに,庭に立っているパナイの像をロケットランチャーで木っ端微塵に吹き飛ばし,カオスポイントも稼いでおこう。というわけで,二つ目のミッションも無事にクリアだ。ここからが,まさに本番。酒浸りのギャンブラーであるカールは,誰よりもパナウの消息に通じているという評判の人物だけに,さまざまなミッションを与えてくれるだろう。
というわけで,前回も書いたように,グラップリングフックとパラシュートを使った,畳み込むようなアクションが特徴となる本作。ミッションクリアの方法も多彩に用意されており,地味に行きたければ地味に,派手に行きたければ派手に行ける自由度の高さも自慢だ。ゲームの最新情報が公開されれば,またお伝えしたい。
キーワード
(C) 2010 Square Enix Ltd. All rights reserved. Published by SQUARE ENIX CO.,LTD. Developed by Avalanche Studios.
(C) 2010 Square Enix Ltd. All rights reserved. Published by SQUARE ENIX CO.,LTD. Developed by Avalanche Studios.