テストレポート
HW短評:ROCCAT「Kave XTD Stereo」(1)まずは出音を聞いてみる
スピーカードライバーの公称周波数特性は20Hzから20kHzだ。
つや消しの黒を基調に,水色がアクセントとして入るという,ROCCATらしいカラーリングのKave XTD Stereo。大型ながら体感重量は軽い |
イヤーパッドはメッシュ生地で,肌触りは大変よい。クッションは柔らかめで,実測約20mmと厚みも十分ある。耳が当たったりすることもないはずだ |
大型のマイクブームは着脱が可能。ブームの設置にあたってあまり自由度のない,筆者があまり好みではないタイプではあるものの,グイッと曲げると案外追従する。特筆すべきはアナログ接続なのにノイズキャンセラーを採用するとされる点で,これは追って短評で確認したい。
ちなみに,マイクの公称周波数特性は10Hzから10kHz。音声用の帯域幅がわずかにしか用意されないゲーム用チャットに向けて,割り切った設計といったところか。
大型ながら軽量なのと,側圧の具合がよく,クッションの厚みが十分かつ素材が適切なため,装着時のストレスは少ない。大型であるがゆえに多少の圧迫感はあるものの,それほど気になるものでもないので,長時間利用しても疲れにくいのではなかろうか。
マイクは全体的に大柄で,視界に入りやすいが,装着時,口元よりやや下にくるよう設置すれば,それほど気にならない。
さて,ゲームでの試聴に先立って,今回は音楽でテストしてみたが,その音は典型的な「ドンシャリ」型。もっとも,低域とプレゼンス※が強くてギラギラドカドカした音質傾向とは一線を画しており,超低域と,プレゼンスより高い高域が強い印象を受けた。
※2kHz〜4kHz付近の周波数帯域。プレゼンス(Presence)という言葉のとおり,音の存在感を左右する帯域であり,ここの強さが適切だと,ぱりっとした,心地よい音に聞こえる。逆に強すぎたり弱すぎたりすると,とたんに不快になるので,メーカーは腕の見せどころとなる
気になったのは,ドンシャリ型の中でも中低域が少ないため,ピアノのコードバッキングなどで量感不足を感じること。プレゼンスがギラギラしていないため,音楽は聴きやすいが,この「中低域の量感不足」を許容できるかどうかで,音楽用途でも“使える”かどうかが決まるように思う。
ヘッドバンドには目盛りが打ってあり,設定した長さを数字で覚えておくことができる。このアイデアは秀逸だ |
一見密閉式に見えるが,ヘッドバンド裏などに空気孔があり,セミオープンになっている。密閉式のような圧迫感が少ないのはこの影響だろう |
Kave XTD StereoをAmazon.co.jpで購入する(Amazonアソシエイト)
ROCCATのKave XTD Stereo製品情報ページ(※英語)
※HW短評に関する注意
- HW短評(ハードウェア短評)は,各執筆者が,テスト経過時点でのインプレッションをまとめたものです。最終的な評価の掲載を目的とするわけではないため,次回以降のHW短評,もしくは別途掲載されるレビュー記事などとは異なる評価が掲載されることもあります
- HW短評について,お気づきの点や,「こんな追加テストをしてほしい」という要望があれば,問い合わせフォームの「記事について(掲載情報の間違いや修正依頼など)」からお伝えいただければ幸いです。ただし,ご要望にお応えできない場合もありますので,この点はご容赦ください
- 関連タイトル:
ROCCAT
- この記事のURL:
(C)2013 ROCCAT STUDIOS