テストレポート
[CES 2015]「左サイドボタンの数と配置をカスタマイズできる」とは,こういうことだった。ROCCATの新型マウス「Nyth」体験レポート
そのROCCATは,CES 2015のサブ会場であるホテルのスイートルームにて,新製品を展示するブースを開設していた。今回はそのブースに展示されていた製品の中から,「左サイドボタンの数と配置をユーザーが自由にカスタマイズできる」というユニークな仕様のゲーマー向けマウス「Nyth」(ニス)を中心にレポートしよう。
左サイドのスイッチが自在に付け外し可能
ゲームに合わせて必要なスイッチだけを付けられる
さっそくだが,左サイドボタンの数と配置は,どのようにカスタマイズ可能なのか。
結論からいうと,Nythでは,左サイドにボタンを取り付ける穴(本稿では便宜上,以下「ボタン坑」と呼ぶ)を12個備えており,ユーザーは,ここに好きな配置でボタンをはめ込んで使える仕組みになっている。すべてのボタン坑をボタンで埋めれば,Razer Nagaシリーズ的な,左ボタン12個仕様のマウスとして利用できるわけだ。
Nythの左サイド。こんな感じで12個のボタン坑が用意されている |
「Nythに付属する[1]〜[12]のボタンをボタン坑にすべて取り付けたところ |
はめ込む側のボタン自体は単なるプラスチック製の部品で,ボタン坑1つ分の一番小さなものと,本体前後方向2つ分のサイズを持つボタン,そして使わないボタン坑を覆うカバーが付属する。それだけでなく,ROCCATが無償公開予定の3Dデータを基に,ユーザーが3Dプリンタで好きな形状のボタンを作ることも可能になるという。
ちなみに,ボタンは1つ1つ異なる形状をしているので,ある坑に付けられるボタンはどれと決まっている。ボタン側にもそれを示す番号が刻まれており,設定ソフトウェアでボタンに機能を割り当てるときも,この番号でボタンを管理することになる。
サイドボタンへの機能割り当て設定は,Nythに合わせての公開が予定されているROCCATの統合設定ソフトウェア「Swarm」で行う。ついにROCCATも,製品ごとではなく,複数の製品を横断的にサポートする統合ソフトウェアをリリースすることになったわけだ。
Swarmでは,ゲームごとに配置や機能割り当てが異なるプリセットが複数用意され,ユーザーが1から設定をカスタマイズし,それをプリセットとして保存,活用することも,もちろん可能だ。
なお,掲載しているSwarmの画面写真はすべて開発中のもので,製品版とは異なる部分があるかもしれない。
搭載するセンサーはPhilips Photonics製のレーザー方式採用モデル。北米市場における発売が2015年第2四半期の予定で,価格も未定という状況もあってか,それ以外のスペックは,設定できるトラッキング解像度が最大10000DPIであることしか決まっていないとのことだった。
CES 2015では,ゲーマー向け周辺機器メーカー各社はカスタマイズ性の高さを追求しているのが印象的だが,そのなかだとNythは,比較的素直な実装で,使いやすくしようとしている印象を受ける。3Dプリンターを使ってのカスタマイズというのがゲーマーにどう受け入れられるかも含め,今後の動向に注意を払っておきたいところだ。
キーボード3製品は2015年第3四半期に出荷
そのほかに発表された新製品も,駆け足で見ていこう。
ZF Electronics製のキースイッチ「Cherry MX RGB」を採用するゲーマー向けキーボードが,「Ryos MK FX」「Ryos TKL FX」だ。前者はフルキーボードの従来製品である「Ryos MK Pro」を,後者はテンキーレスの「Ryos TKL Pro」をCherry MX RGBに変更したものとのこと。2015年第3四半期の発売予定で,価格は両製品とも未定だ。
スマートフォンと連携する機能を備えるという「Ryos Phobo」(ライオス フォボ)も,2015年第3四半期発売の予定となっている。PCとUSB接続した状態から,ワンキーでスマートフォンとのBluetooth接続に切り替えが可能で,スマートフォン用キーボードとしても使えるのが特徴となる。
「ROCCAT」公式Webサイト(英語)
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