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[G-Star 2010]地球最後の少女を守る,ロボット達の物語。Hanbitの新作「squadflow」は,Co-op主体のエモーショナルなオンラインTPSだ
本作は独特な世界観を持ったオンラインTPSだ。本作の舞台となっているのは,荒廃し,謎のロボット達が支配している未来の地球。宇宙探査を終えて地球に帰還したロボット部隊“SP5”は,人気のない巨大な建造物の中で,不気味な戦闘ロボットに追い回されている一人の少女“レイア”を発見する。本作の物語は,地球最後の生き残りかもしれないこの少女をめぐり,展開していくことになる。SP5の一人となったプレイヤーは,少女を守りながら,地球に起こった大破壊の謎を解き明かしていく。
プレイヤーが操作するSP5のロボットは,角ばっているうえに足が短く,どちらかというと不格好な造形だが,動きはコミカル。無機質な雰囲気の漂うロボット達と,たった一人の人間の少女という取り合わせからは,SFモチーフでありながら,どことなく幻想的な印象すら受ける。本作は,そんな独特の雰囲気にこだわって開発されているとのこと。アートに対するこだわりは,世界設定やキャラクター造形のほか,被写界深度が浅い写真のような画面エフェクトからも感じ取ることができる。個人的には「アート性の高い欧米のアニメーション」に通じる雰囲気が感じられて,印象は悪くない。
オンラインTPSとしては,対戦モードはもちろん存在するものの,ストーリーを辿っていくPvEモードを重視した作品となっている。PvEではコンピュータ操作の敵を協力して倒していく,いわゆるCo-opが楽しめ,今回の試遊台でも来場者同士で協力してステージを進んでいくCo-opがプレイできるようになっていた。
実際に来場者に混ざってプレイしてみた。プレイヤーが操作する白いロボットがちょこまかと動く様子は,操作していてもやはりコミカルだ。正方形に近い胴体部分は,背中側がはりだしており,各種武器はこの背中から取り出して使うようだ。使用できる武器には,マシンガンやロケットランチャー,グレネードランチャーのほか,「QuakeIII Arena」や「Unreal Tournament」で見られるような,瞬時着弾のレールガンなどが確認できた。また身体の前面に展開する光の盾のようなものも存在するようだ。
こちらを倒そうと向かってくる敵ロボットは,人間に近い形状のものや,未来的な二足歩行メカなどがいて,無機的なプレイヤー側とは,あきらかにデザインが異なっている。このあたりにも何か深い理由がありそうで,バックグラウンドが気になるところだ。
プレイを始めてすぐに気付いたのは,本作には残弾数やヘルスを示す固定的なインタフェースがないということ。そういった情報は,主にプレイヤーキャラクターの周辺に表示されるようになっていて,ヘルス残量は周囲に浮かぶリング状のゲージから,使用中の武器のステータスについては,背中に表示される青い光のアイコンで確認できるようになっている。このあたりも,映像センスを感じさせる部分といえるだろう。
プレイアブルなものが一般に公開されたのは今回が初めてであり,現在の開発状況は70%から80%程度であるとのこと。
本作の持つアートの方向性や独自の雰囲気は,ほかのアジア産タイトルとは一線を画しているように感じられた。「機械のみの世界で,少女を守るロボット達」というテーマを軸とした「エモーショナルなTPS」を目指して,本作の開発は進められているという。非常に個性的で,今後が気になるタイトルだ。
- 関連タイトル:
squadflow
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