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“「.hack//G.U.」完全設定資料集 .hack//Archives_02 WHITE 発売記念トークイベント&サイン会 IN 東京”レポートを掲載
本イベントには,事前募集に当選したおよそ100名のファンが参加し,同社の代表取締役社長,松山 洋氏によるサイン会およびトークショーを楽しんだ。ここでは,その模様をお伝えしよう。
本設定資料集は,PS2用ソフト「.hack//G.U.」シリーズの設定資料集の下巻にあたり,世界観を中心とした設定資料などが,300ページにわたって収録されている。また,キャラクター設定を中心とした上巻「.hack//G.U.」完全設定資料集 .hack//Archives_02 BLACK,や,「.hack//G.U. TRILOGY」完全設定資料集 .hack//Archives_01も,サイバーコネクトツーの通販サイト「CC2 STORE」で発売中である。
松山氏によるサイン会は,設定資料集「BLACK」の発売後にも行われており,来場したファンの中には,そちらのサイン会に参加した人も多かったようである。松山氏も笑顔で「毎回見ているから,いい加減覚えたわ(笑)」とコメントするなど,イベントはなごやかな雰囲気の中スタートした。
松山氏は,来場者一人一人と会話を交わし,丁寧にサインを入れていった。非常にスムースに進行してトークショーまで若干の余裕ができたため,来場者達の要望に応える形で,急遽松山氏との撮影タイムの場が設けられた。
そして,いよいよトークショーの時間となる。松山氏はまず,この設定資料集をサイバーコネクトツー自らが手がけて制作した経緯を語った。
松山氏は,マニアといえるほど設定資料集が好きで,好きな作品の設定資料集は全部買っているほどだという。先日「BAYONETTA」の設定資料集を買ったとTwitterでつぶやいたら,プラチナゲームズの神谷英樹氏にお礼を言われたという逸話を出し,会場の笑いを誘っていた。
続けて,「いろんなゲームタイトルやアニメ作品が世の中にあると思いますけど,そういった作品の最終的な作画などで使われているものは,いわゆる決定稿って言われているものじゃないですか。それが決定に至るまでの変遷。どういったデザイン経由をもって,最終的にそのデザインになったのか。このプロセスってやっぱり,知りたいですよね。私はすごくそれが気になるし。スタート地点がどこだったのか,その辺が気になる。そのデザインを全部見たいんですよ」と述べた。
設定資料集を買ったことがある人なら分かると思うが,その作品のすべての資料を収めた「完全なもの」が欲しいと思うのがファン心理。松山氏は「.hack」シリーズにおいても,自分が欲しいし,熱心なファンも同様な心理であろうという考えから,作品を手がけたサイバーコネクトツー自らが「一冊にまとまった完全なもの」を世に出すべく,「.hack//G.U.」の設定資料集を制作することを決めたという。そして,松山氏と同社のDTPデザイナー三好氏の二人で,1年かけて制作したそうだ。
なお,今回の設定資料集は「BLACK」と「WHITE」の2冊で,1冊にまとまったものではないのはなぜかと思う人もいるだろう。
これはイベント終了後に松山氏に聞いた話なのだが,当初は設定資料集を1冊でまとめようと制作を進めていたそうである。しかし,(「BLACK」と「WHITE」両方を買った人なら分かるように)600ページというあまりにも膨大なページになり,また,実は1冊より2冊にしたほうが結果的には安価に提供できるため,2冊に分けたとのことだ。
そして松山氏は,来場者に向けて嬉しいニュースを発表した。「WHITE」が発売されてしばらく経っているが,実はすでに次の設定資料集を制作しており,それは“First”,つまり「.hack」シリーズの完全設定資料集になるという。発売は2011年で,2010年末には発売時期を話せる段階になりそうだと,松山氏は述べた。
さらには,この設定資料集も「完全なもの」となり,なんと貞本義行氏の全原画が収録されると松山氏は宣言。これには来場者達から拍手喝采が巻き起こった。
加えて,この設定資料集でも限定版を用意するとのことで,特典としてはオリジナルのサウンドトラックが予定されているそうだ。その楽曲としてはキャラクター達のイメージソングを考えているとのこと。詳細は追って告知されるとのことなので,続報を楽しみに待っていてほしい。
松山氏はここで,2010年に起きた事件を皮切りに,1年遡り2009年の“SIGN”事件,そのあとは2014年の“黄昏”事件,2017年の“G.U.”事件へと続き,2020年の“Link”事件までつながってきたと,「.hack」シリーズの年表を振り返った。
そして,「3rdシーズンを立ち上げるにあたって,私が書いた年表は,2020年から2025年まで線が引かれています」という爆弾発言。また,3rdシーズンに関してはバトンを渡すような形で描かれ,事件は年代順に進んでいくと松山氏は語った。
松山氏は明言しなかったが,「.hack//Quantum」は2022年の出来事であることから,3rdシーズンでは「.hack//Quantum」のさらに続きがあるのではと,期待は高まるばかりである。
なお,「.hack//Quantum」の制作を担当しているのはキネマシトラスなのだが,そのクオリティは,松山氏のお墨付き。脚本は浜崎達也氏で,もちろんサイバーコネクトツーが完全監修している。
なお「.hack//Quantum」は2011年1月28日,2月25日,3月25日に順次DVD&Blu-rayディスクで発売予定。それに先駆けて,2010年11月27日,12月25日,そして2011年1月22日よりロードショーとなる「ANIME FES."VS" Presented by BANDAI VISUAL」において,先行でイベント上映という形で鑑賞が可能だ。
トークショーの締めには,2010年10月28日に発売予定のニンテンドーDS用ソフト「Solatorobo それからCODAへ」の話が行われた。
松山氏は,本作の限定版が一部で非常に予約購入しづらい状況になってしまったこと,その対応を8月末にようやく実現できたが,それが瞬く間に埋まってしまった経緯を話した。ただ,それでもまだ「Solatorobo」の販売目標数値には届いていないそうで,苦戦している状況だという。
松山氏は,詰まるところ「作品が売れなければ続編を作ることは絶対にできない」と述べ,そのためにはユーザーの応援が不可欠であると付け加えた。
来場者の中にも,「Solatorobo」の限定版の予約をしたいができないという人が多くいた。その人達に向けて松山氏は,予約状況にはばらつきがあるので,ショップを探せば予約できる場所が必ずあるだろうと話し,また,予約ができないにしても,通販サイトなどで予約可能になったら通知する仕組みがあれば,それを利用して欲しいとも述べた。
つまり,そのような行動が数字になって現れれば増産などの可能性も出てくるが,「やっぱいいや」で諦めてしまっては,その可能性も潰えてしまうという話である。
なお,「WHITE」のサイン会&トークショーは,12月に大阪での開催が予定されている。今回参加できなかった人は,次回の開催を楽しみに待とう。
「サイバーコネクトツー」公式サイト
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