インタビュー
GeForce GTX 480 SLI構成で「3DMark Vantage」スコアの世界新記録を樹立。NGF2010最終日レポート
ステージ上で3DMark Vantageスコアの世界記録にチャレンジ
NGF2010の2日め,午後1時過ぎに始まったオーバークロックイベントの主役として招かれたduck氏は,さまざまなワールドレコードを持つ,世界的にも有名なオーバークロッカーだ。なお,duck氏のプロフィールに関しては,同氏のWebサイトが詳しいので,そちらを参照してほしい。
NGF2010で実施されたオーバークロックイベントは,「『GeForce GTX 480』(以下,GTX 480)を使って,『3DMark Vantage』ベンチマークスコアの世界新記録を樹立する」というのが目的だ。PCパーツベンダーのGIGABYTE TECHNOLOGY(以下,GIGABYTE)がイベントのスポンサーについており,マザーボードやグラフィックスカードはGIGABYTEが主に提供したという。
オーバークロックに多少なりとも興味がある読者なら想像がつくと思うが,GTX 480はまだ出たばかりのGPUだけに,海のものとも山のものともつかない部分が多い。それだけに,NGF2010側から要望されている「世界新記録樹立」の困難さは,想像を絶するところがあるだろう。
実際,duck氏は筆者と同じホテルに宿泊していたのだが,連日徹夜の作業を強いられるという状況になっていた。その機材を撮影させてもらったので,紹介しよう。
これが世界新記録にチャレンジしたシステム。もちろん,グラフィックスカードはGTX 480搭載モデルで,GPU部分についている煙突のようなモノの中に液体窒素を投入して冷却するという仕組みだ。CPUにも同様に液体窒素で冷却する筒が取りつけられている |
duck氏が改造を加えたGTX 480のパターン面の写真を撮らせてもらった。GTX 480はソフト的にコア電圧を変える方法が分かっていないため,GPUに「負荷がかかっているように見せかける改造が必要になる」とのこと。リード線の先に可変抵抗器を取りつけ,電圧を調整したそうだが,非常に細かい作業だったため,はんだ付けだけで一晩徹夜したという |
ステージ上でオーバークロックに望むduck氏(右側)。液体窒素が入った魔法瓶を持っているのはGIGABYTEが招待した中国のオーバークロッカーだ。そして見覚えがある人もいるかもしれないが,中央の人物はNVIDIA Japanでテクニカルマーケッティングを務めるスティーブン・ザン氏。ザン氏は,NVIDIAスタッフとしてイベントをサポートしていた |
ステージ上で世界新記録に挑む3名 |
これが約半日をかけて達成された世界新記録の画面だ |
というわけで,ステージ上では期待された世界新記録の達成はならなかったが,duck氏,そして2名のオーバークロッカーはこのままでは終われないと意地になったようで,機材をバックステージ側に持ち込みオーバークロックを継続。
結局,カードの破損という機材の都合もあり,CPUのみを液体窒素で冷却しGTX 480の2-way SLIという構成で「2GPUマシンにおける3DMark Vantageの世界新記録」を達成したのが17時過ぎのことだった。
大盛況で終了したNGF2010。次のイベント開催にも期待がかかる
エンディングイベントでNVIDIAのDrew Henry氏から盾を贈られるduck氏。左隣の二人が中国人オーバークロッカーである |
「楽しかったですか? またやってほしいですか?」と会場の人々に呼びかけるDrew Henry氏。いつやってほしいかという氏の問いかけに会場から「来週!」という声がかかり,Henry氏が破顔する場面も |
また,NVIDIAのゲームにかける情熱というものが十分に伝わってきたイベントでもあった。Drew Henry氏を始め,ゲーム大好きという人がNVIDIAの中心メンバーには少なくない。今後もNGF2010のような,大規模なPCゲーマー向けイベントが行われていくことだろう。
世界記録に挑んだ三人。最後は親友という雰囲気になっていたのが印象的。ちなみに,中央の女性は,なぜか紛れ込んできたNVIDIA Chinaのスタッフだ |
- 関連タイトル:
GeForce GTX 400
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