プレイレポート
「ArcheAge」13番めの新適性「狂気」が7月14日に実装。新武器「散弾銃」に特化した待望の遠距離攻撃適性の使い心地をレポートしよう
今回,4Gamerでは事前に「狂気」をテストプレイしたので,その性能やプレイフィールについてレポートしよう。
新適性「狂気」は「野性」に続く遠距離物理攻撃タイプ
「狂気」は,2019年12月に実装された「暗影」から約1年半ぶりの実装となる新適性だ。「狂気」の特徴は,「野性」に続く遠距離物理攻撃スキルを持つこと。そして,それを十全に使うためには新武器「散弾銃」が必要となる。
単体攻撃に適した弓に対して,散弾銃は範囲攻撃に適した武器で,ターゲットにした相手だけでなく,その周囲にいる敵にも攻撃をヒットさせられる。まとめて敵を狩るのに有用な武器だが,逆に1体ずつを釣って倒す戦い方には向いていない。
散弾銃で「野性」の遠距離物理攻撃スキルを使用することは可能だが,弓装備限定で得られる効果は適用されない。「狂気」のスキルを弓で使用するときも同様に,散弾銃ほどダメージが出ない。
それというのも,「狂気」スキルは散弾銃装備時に3ヒット,もしくは3倍になるものが多々あり,単純に弓装備時に使った場合と散弾銃装備時に使った場合とで,効果に3倍の開きが発生するからだ。
もちろんそれを差し引いても,弓装備で使える有用な「狂気」スキルはあるが,「狂気」スキルの威力,効果をフルに発揮させたいなら,やはり散弾銃を装備すべきだろう。
ちなみにアップデートと同時に,覚醒なども含め,62種類の散弾銃が実装される。新しいキャラで最初からArcheAgeをプレイする場合,クエスト報酬に散弾銃が追加されるので,序盤から「狂気」を楽しむことができるそうだ。
既存のプレイヤー向けとしては,実用という意味で製作装備か古代装備が有効な選択肢だが,ランダムドロップである古代装備から散弾銃だけを手に入れるにはかなりの運が必要なので,実装に向けて今から製作素材を集めておくのがいいかもしれない。
防具に関しては,「狂気」スキルのダメージアップが狙える革装備がお勧めだ。しかし,散弾銃は弓スキルの「射程距離アップ」効果が適用されないことを覚えておきたい。
「狂気」のスキルを使って敵に攻撃をヒットさせたりして「理性」のゲージを上げ,理性が60溜まった状態で「狂気の弾丸」スキルを使うと,20秒間「マッドネス」状態になれる。
マッドネス状態になると,「『狂気』スキルのディレイ−60%」「移動速度+30%」「物理防御力無視+3500」のバフがかかる。とくに物理防御力無視やスキルディレイ減少は,PvPで猛威を振るいそうなバフ効果だ。もちろん,PvEでも有効なので,理性が溜まり次第使っていくといい。
それでは「狂気」適性のアクティブスキルを個別に紹介していこう。なお,ここでのスキル説明は,散弾銃装備を前提としている。
●ラピッドショット
「狂気」スキルの標準的な攻撃スキルで,前方にいる最大3体の敵に3ヒットする。非常に使いやすく,かつ火力もある頼りになるスキルだ。
●ロットンショット
ラピッドショットと同様に3ヒットするスキルだが,対象が最大8人と倍以上に増えている。攻撃と同時に対象の物理防御力と魔法防御力を−10%する「腐食」のデバフを相手に付与する。腐食は3回まで累積可能で,PvE,PvPの両方で有効なスキルだ。
●ブラストショット
キャラクター正面に,射程は短く,射角の狭いコーン状の攻撃範囲が発生するスキル。その威力はなかなかのものだ。加えて攻撃の反動で自身が後方にノックバックする効果もあり,ダメージを与えつつ後方に下がれるという攻防一体のスキルでもある。
●ディストラクション
攻撃の対象を中心として半径7メートル範囲の敵にダメージを与え,さらにファイアーボールや治癒の泉などといったオブジェクトを破壊するスキル。PvEではそれほど有効なスキルではないが,PvPで活躍が見込めそうなスキルだ。
●インフェクシャスファイア
ロットンショットで「腐食」が付与されたキャラクターに使用すると「宿主」を付与する。「宿主」状態となったキャラクターは10秒間,半径3メートル以内の相手に「詠唱時間−20%」と「被回復量−50%」のデバフをばらまく感染源となってしまう。ロットンショットとのコンボスキルという感じだが,両方のスキルの効果を考えればPvPで猛威を振るいそうだ。
●狂気の弾丸
戦闘リソース「理性,マッドネス」の実行トリガーとなるスキルで,散弾銃装備時のみ使用可能。マッドネス状態で使用すると,マッドネスの持続時間を2秒延長する効果がある。ただし,通常時でのMP消費は50だが,マッドネス時は4倍の200もMPを消費するため,延々とマッドネス状態でいることはできない。なお,理性が60未満のときに使用すると,30秒以内に使用する次の遠距離攻撃が1回だけ必ずクリティカルヒットとなる。
●リベンジャー
自身の残りHPが低いほど,高ダメージを与えられる攻撃スキル。HPが70%未満の場合は2.3倍,HPが30未満の場合は3.3倍のダメージとなる,また,リベンジャーそのものにクリティカルダメージ+15%の効果があるので,理性が溜まりきっていないときに狂気の弾丸と組み合わせるのも良さそうだ。
●タクティカルムーブ
前後左右,移動キーの入れた方向へ前転する移動スキル。無敵時間などはないものの,気絶や鈍足など多様なデバフの耐性を持っており,非常に使いやすい移動,回避スキルと言える。もし,使用中に攻撃を受けると理性が+8されるという,転んでもタダでは起きない,したたかなスキルだ。
●シェルファイア
自分を中心とした前方扇状の広範囲攻撃スキル。左から中央に向けて散弾銃をなぎ払うかの様なモーションだが,攻撃判定は右側にもちゃんと発生する。攻撃倍率,ダメージともに非常に高く,攻撃範囲の広さもあって切り札的な攻撃スキルとも言える。
●リプライザル
自身に付与されたデバフを2つ相手に押しつけるスキル。確率次第では3つ押しつけることも可能。PvPで威力を発揮しそうなスキルで,かつほかの適性との組み合わせ次第では,かなり凶悪な仕返しができそうだ。ただし,射程が12メートルと短いので,かなり接近する必要がある。
●予告
ターゲットした相手に「予告」のデバフを付与するスキル。付与した時点で敵がアクティブになり襲われる。予告の効果時間は15秒で,その間,相手の被ダメージは+7%,魔法攻撃成功率は−10%となる。
面白いのはこの効果時間内に相手を倒すと「予告」スキルのディレイタイム(40秒)が初期化され,即再使用可能になることだ。加えて10秒間,「狂気」スキルのディレイタイムが−10%,「狂気」スキルのダメージ+10%という強力なバフが付くため,予告スキルを使いながら複数の敵と続けて戦うことで,常時バフを受けられる。
●ブレイクショット
前方に衝撃波を起こし,その直後に球体が現れて爆発するという2段構えの攻撃スキル。最初の衝撃波は(距離次第で)最大8名に3ヒットし,鈍足効果を付与。そして,球体の爆発は半径5メートル以内の最大20名に最大HPの15%にあたるダメージを与えるという,「狂気」スキル随一の破壊力を持っている。
「狂気」と同時に,継承者スキルも実装される。対象となるスキルはラピッドショット,ロットンショット,ブラストショット,ディストラクション,ブレイクショットの5種類。攻撃力は攻撃範囲,効果などが変化するので,プレイスタイルに合わせて習得するといいだろう。
「狂気」適性と他の適性との相性は?
「ブラッディマスケティア」と「一撃の銃士」をプレイしてみた
では,実際に「狂気」適性と他の適性と組み合わせた使い勝手はどうなのだろうか。そこで今回は,「ブラッディマスケティア」と「一撃の銃士」の2つの職業で試してみた。
「ブラッディマスケティア」は,「狂気」「使命」「ロマン」の組み合わせ。「使命」の機動力と隠密性,そしてターゲットした相手への遠距離攻撃ダメージをアップするスキル「ターゲットロック」で,「狂気」スキルの強化を行う。「ロマン」は,「魅惑の歌」や「剣戟の歌」,「賢者の詩」などで足止めやデバフ,さらにクリティカルダメージアップといったサポートを行うといった立ち回りになる。
「一撃の銃士」は,「狂気」「鉄壁」「死」の組み合わせで,「ブラッディマスケティア」よりも防御面に重きを置いた組み合わせとなる。
「鉄壁」といえば,防御力とHPの回復力の向上が特徴だ。防御力に関してはパッシブスキルの「シールドプロテクト」や「アイアンシールド」でカバー。HPの回復は「ストロング」や「クライスヒール」でフォローする。「死」のスキルは,「呪いの棘」や「ヘルペイン」で相手を足止めし,「狂気」スキルで仕留めるといった感じだ。攻撃よりも防御面や継戦に長けたタイプで,安定した狩りができそうな組み合わせといったところだろう。耐久力の高さからPvPでも活躍できそうだが,ちょっと攻め手にかけるところがある。その場合は,デバフばらまき要員としてスキルビルドを考えてみるのも面白そうだ。
「狂気」スキルは,弓ほどではないが遠距離攻撃の強みと,それを活かせる高火力スキルを持つ戦いに特化した適性ではないかと思える。攻撃力が高いだけでなく,自己バフやデバフなども豊富で,狩りだけでなくPvPでも多彩なポジションでの活躍も見込めそうだ。
ただ,ほとんどの攻撃スキルが広範囲攻撃で複数の敵を巻き込みやすいので,1体を釣って確実に倒し,次の相手を……という堅実な戦い方には向かないのが欠点といえば欠点だ。ある程度の被ダメージを折り込みずみだとしても,格上の狩り場では使いづらいかもしれない。ならば弓で「狂気」のスキルを使って釣れば……となるかもしれないが,散弾銃に比べて主要な攻撃スキルの火力は1/3になるので,選択肢としては論外。実質的に「狂気」は散弾銃が前提であることは間違いなく,弓で「狂気」のスキルを使うなら,弓でも威力が変わらないものや,デバフをまけるものなどサブ的な運用になるだろう。
また,弓や魔法を使う遠距離攻撃タイプの相手との相性が少し悪い感じもした。射程勝負は分が悪く,結局は近寄って攻撃するだけなのだが,近接攻撃と遠距離攻撃をする相手が混じった構成だと,余計に被弾する可能性が高く,かなり不利な戦いとなる。そうなりそうな場合は,攻撃するよりも先に近寄ることを考えた方が良いかもしれない。
高レベルキャラクターが満足する火力を持つ散弾銃を入手するのは少々大変かもしれないが,さほど敵が強くない序盤ならばクエストでもらった散弾銃でも無双できそうなほど強く,攻撃範囲の広い「狂気」スキル。最初からゲームを始めるにあたって選べる適性のひとつなので,これからArcheAgeを遊び始めるプレイヤーにとっては最適な適性かもしれない。
上級者ほど他の適性との組み合わせを考察しながら悩み,そして楽しむのではないかと思うが,一度そのあたりのことは忘れて,初心者も上級者もスタイリッシュなモーションで弾丸をぶっ放す散弾銃&「狂気」スキルを楽しんでみてほしい。リスクと隣り合わせの高火力に魅了されることは間違いないのだから。
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