インタビュー
新サーバー「FRONTIER」のオープンで盛り上がる「ArcheAge」。12月のアップデートとあわせて今後の予定についてプロデューサーに聞いてみた
このサーバーは従来のものとは異なり,実装済みのすべてのコンテンツが最初から遊べるわけではなく,段階的に開放されていくスタイルとなっている。そのため,プレイヤー間の格差があまり開かず,多くの人が“一緒に”楽しめるのだ。
また,ゲーム内で提示される条件を達成することでアイテムがもらえるようになる「アーキパス」という新しい試みが行われている点にも注目のサーバーだ。
そのFRONTIERサーバーがオープンしてから約1週間ほどが経った11月末に,実際にプレイヤーはどのように遊んでいるのか,ArcheAge日本運営プロデューサーの熊木氏に聞いた。すでに情報が公開されている12月16日実装予定のアップデート「魔法の地」や,その後のロードマップについても話を聞いたので,ArcheAgeファンは一読してもらいたい。
アップデートを前倒しするほど。盛況っぷりのすごい新サーバー「FRONTIER」
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。最初にArcheAgeの日本運営プロデューサーとしては初めてのインタビューになりますので,自己紹介からお願いします。
熊木氏:
今年の4月からArcheAgeのプロデューサーを担当することになった熊木です。約10年ほど,いくつかの弊社オンラインゲームのGMとして運営に携わっていました。
4Gamer:
先日オープンしたFRONTIERサーバーは,開設から1週間ほどが経ちました。ずいぶん盛況のように思えるのですが,運営から見た現在の様子はいかがでしょうか。
熊木氏:
かなり多くの新規プレイヤーや,引退したけど戻ってきたという復帰者の皆さんが,日々プレイしてくださっています。2019年7月にオープンしたARIAサーバーと今回のFRONTIERサーバーとで,オープン1週間の同時接続者数を比べてみたところ,FRONTIERサーバーが14%高い数字でした。ここまで多いのはかなり珍しいです。
4Gamer:
完全新規と復帰者,既存のプレイヤーの比率などを教えていただけたりできますか。
熊木氏:
完全新規の方が37%,復帰者が30%,既存のサーバーでもプレイされている現役プレイヤーさんが33%ですね。
4Gamer:
見事なぐらいに3分割ですね。新規プレイヤーが,どういうルートでArcheAgeやFRONTIERサーバーを知ったのか気になります。
熊木氏:
FRONTIERサーバーが立ち上がってから,イベントとして公認サポーター募集キャンペーンを実施したんです。Twitterや動画で現役プレイヤーが新規の方に「“FRONTIERサーバーでは,こういう遊びができるんだよ”とアピールしてください。お礼にプレゼントをさしあげます」というキャンペーンで,11月21〜23日の連休明けにチェックしたところ20本近く動画を上げていただけました。
Twitchでも,もともとArcheAgeをプレイしてるという有名なプロゲーマーの方が,FRONTIERサーバーのオープンと同時に生放送を3回ぐらいやってくださっていて,そういった露出が良い方向に作用したのかなと考えています。
4Gamer:
そのFRONTIERサーバーですが,同時に目玉となる「アーキパス」という新しい試みが実施されています。どれくらいのプレイヤーが利用しているのでしょうか。
熊木氏:
アーキパスを利用されているのは61%ですね。
4Gamer:
なるほど。では,有料プランに相当するアーキパスプレミアムの購入者を増やすような施策は今後,何か考えられているのでしょうか。
熊木氏:
アーキパスプレミアムを購入してくださるのはありがたいのですが,アーキパス自体はプレイを進めてもらうキッカケになればというものなので,プレミアムの購入を強く促すつもりはありません。アーキパスで楽しんでゲームを進行していただけるのなら,こちらとしては全然問題ないんですよ。
4Gamer:
ところで,アーキパスを利用できる1金は,ゲームをスタートさせてどれぐらいで手に入るのでしょう。
熊木氏:
ゲームを知っている方だと,レベル5〜6くらいですね。10分ぐらいで手に入ると思いますが,普通に遊んでいてもレベル10台ぐらいで手に入れられます。
4Gamer:
そのレベルですが,皆さんレベル上げが早い印象ですね。
熊木氏:
そうなんです。実は,レベル55で制限をかけていて継承者(※レベル55以降の成長システム)に上がれないようになっていたのですが,あまりにもこの1週間のレベルの上がり方が早くて,全体の43%が到達してしまいました。そこで,先日のメンテナンスで継承者レベルを開放することになりました。
4Gamer:
レベル55に到達したのは,やはりゲームを知っている復帰者や現役プレイヤーでしょうか。とすると,いきなり新規と差が開いてしまう気がするのですが,そこはどう見ているのでしょう。
熊木氏:
ArcheAgeは,レベルだけでそこまで差が開きづらいです。差が開くのは装備品の影響が大きく,現在は上級の装備は制限させていただいているので,実際にそこまで差は開かないと考えています。
4Gamer:
なるほど。新規プレイヤーが追いつける余地はあるわけですね。
熊木氏:
はい。ただ,まだハウジング用の土地を開放していないので,このデータは戦闘に集中できたからこそかもしれません。土地は,11月28日に初めて開放するので,そこからハウジングにも時間を使うことになると思います。
4Gamer:
なるほど。開放される土地も制限があるのでしょうか。
熊木氏:
とくに制限なく,すべて開放されます。
4Gamer:
現在,プレイしている人数で土地は足りそうですか。
熊木氏:
ほかのサーバーでもそうですが,人気の土地は争奪戦になりますが空いてるところは空いています。なので,フロンティアサーバーも空きがないという状況にはならないと思います。ただ,喜ばしいことにプレイヤーさんが増えているので,今の時点では足りているけど,1か月後にどうなるかは分からないですね。
4Gamer:
レベルの話に戻りますが,継承者レベルの開放に伴ってプレイフィールドを開放するということはないのでしょうか。
熊木氏:
ありません。レベルを上げるなら,いま開放されているエリアでということになります。
4Gamer:
プレイヤーのプレイスピードが想定よりも早いと思うのですが,今後の開放スケジュールが早まる可能性はありますか。
熊木氏:
キャラクターレベルの上がり方は想定外でしたけれど,装備の水準が低い状態です。なので,予定しているスケジュールよりも早まる可能性はないと思います。
4Gamer:
分かりました。最初の制限開放が実施されるのはいつぐらいになるのでしょう。
熊木氏:
通常サーバーに追い付くまでに,3段階の開放を考えています。その最初となる1段階めの開放は2月に実施する予定です。ただ,プレイヤーさんのプレイ具合やコンテンツの消費速度を見て,4段階での開放も検討に入れています。
4Gamer:
1段階めの開放は,どのあたりのコンテンツまでを予定されていますか。
熊木氏:
アップデートヒストリーで言うところの「継承」を先行して実装してしまいましたが,そこからいくつかのアップデート分をまとめて……一言でまとめにくいですが,大体 「ArcheAge5.0」あたりまでのコンテンツを実装する予定です。
4Gamer:
なるほど。よく見ると,アーキパスのシーズン切り替え(2021年1月20日まで)とはタイミングが違うんですね。
熊木氏:
シーズンが切り替わって,少し経ったらコンテンツが開放されるといった流れですね。その後も同様のスケジュールで行っていくと思います。
4Gamer:
その間に季節系のイベントも実施されるという感じですか。
熊木氏:
季節系のイベントは,通常サーバーもFRONTIERサーバーも同時に走らせます。直近ですとクリスマスイベントを予定していますので楽しみにしていてください。
12月のアップデート「魔法の地」で新レイドボス登場。2021年春には銃を扱う新適性「狂気」が実装
4Gamer:
では,ArcheAgeの全体的なロードマップについても教えてください。
熊木氏:
すでに公開されていますが,2020年12月16日にアップデート「魔法の地」が実施されます。旧大陸の西にヒラマ山脈西部というエリアがあるのですが,そのさらに西側のエリアである「魔法の地」へ行けるようになります。
4Gamer:
魔法の地へはヒラマ山脈西部から行けるのですか。それともまた別の移動手段が必要になりそうですか。
熊木氏:
ヒラマ山脈西部から直接行けますよ。高レベル帯のエリアとなっていて,種族クエストの続きが追加されます。魔法の地のフィールドは,継承者レベル28〜30ぐらいの狩り場になっています。
4Gamer:
いかにも「遺跡」という雰囲気があるエリアですね。ソロでもいけるのでしょうか。
熊木氏:
クエストをこなすのならソロで問題ありませんが,レイドボスなどの討伐はパーティを組む必要がありますね。
4Gamer:
レイドボスはフィールドを歩き回っているタイプなのでしょうか。
熊木氏:
いえ,レイドボスの「幻影のアンキッシュ」は,アンキッシュをフィールドに召喚して戦うタイプになります。
4Gamer:
リーウーと同じようなタイプのレイドボスなんですね。
熊木氏:
はい。アンキッシュを召喚するためには,フィールドを移動する「装甲兵器(仮)」を倒し,アンキッシュの召喚する権利を入手する必要があります。この装甲兵器(仮)は,車からの攻城ダメージでしかダメージを与えられません。
4Gamer:
つまり,アンキッシュに挑むには車を持っていないとダメだと。
熊木氏:
運転手や砲撃手など1台で複数人乗ることもあるので,必ずしも1人1台というわけではありません。車を使って長いコースを追いかけながら装甲兵器(仮)にダメージを与えていく,いままでにはない戦いが楽しめると思います。
4Gamer:
倒しきれなかったら,チャレンジは失敗して終了ということですか。
熊木氏:
そうなります。
4Gamer:
アンキッシュを倒して得られるのは装備品ですか。それとも素材になるのでしょうか。
熊木氏:
装備品がそのままドロップします。
4Gamer:
分かりました。では,2021年のアップデートについても教えてください。
熊木氏:
さっそく,来年1月のアップデートですが……。
4Gamer:
どこかで……見たことあるような? 何とは言えないですが(笑)
熊木氏:
えーと,はい(苦笑)。これがさきほどの装甲兵器(仮)に関わるものです。12月のアップデートで装甲兵器(仮)を討伐せよというクエストが追加される予定で,それを達成するとボックスが手に入ります。1月アップデートでは,このボックスから一定確率で召喚獣の素みたいな素材アイテムが手に入り,それを集めると攻城戦で使用できる新しい召喚獣を呼べるようになります。
4Gamer:
この召喚獣の名前は決まっているのでしょうか。
熊木氏:
まだ仮ですが,韓国の名前の直訳から「甲虫兵器」と呼んでいますね。これが結構強力なのです。。
4Gamer:
これが1月に実装ということは,12月中は装甲兵器(仮)を撃破しても,素材のドロップはないんですか。
熊木氏:
はい,ドロップしません。
4Gamer:
なるほど。しかしこれは攻城戦に使えなくても,個人の乗り物として欲しいという声が高まりそうですが……でも,結構大きそうですね?
熊木氏:
大きいですね。戦車ぐらいあります。具体的なダメージ値は分かりませんが,韓国でも従来の攻城ダメージを与える兵器よりも強力な兵器らしくて,それ故に期間制になる可能性があります。
4Gamer:
動いてるのを早く見てみたいですね。
熊木氏:
このほか,1月のアップデートは細かな仕様改善と,海賊をモチーフにした既存のネームドボス,ラングレーとモルペウスがより強くなった「覚醒版」が実装されます。
4Gamer:
分かりました。その次のアップデートはいつ頃になりそうでしょうか。
熊木氏:
春頃のアップデートで,新しい適性「狂気」が追加されます。ArcheAgeには現在,12の適性を3つ選んで決まる職業数が220種類あります。春のアップデートでは新適性「狂気」が追加されるため,職業数も286に増えます。現在は「狂気」と呼んでますが,もしかしたら名称が変わるかもしれません。
4Gamer:
3つの組み合わせですから,職業数も一気に増えますね。「狂気」と聞くと武器を持って暴れるバーサーカーのイメージが浮かびますが,これは近接戦向けの適性に?
熊木氏:
実は銃を扱う適性なんです。銃というと遠距離と思われがちですが,弓とはまた異なった特徴を持ち,戦いの中心にいて散弾銃で広範囲に強力な打撃を与えるというタイプですね。
4Gamer:
銃ですか。これまでになかった武器ですね。
熊木氏:
はい,新しく追加されます。
4Gamer:
比較的近距離の範囲攻撃が得意な新武器ということですね。装備は両手持ちになるのでしょうか。
熊木氏:
日本で実装される際にどのような仕様になるかは調整中で,現在分かっている範囲では,銃を扱える適性であることぐらいなんです。先ほどお話に出たモルペウスというボスをモチーフした適性と聞いています。
4Gamer:
製作アイテムやドロップにも銃が追加されるわけですか。
熊木氏:
はい,古代装備などにも銃が追加されると聞いています。韓国では12月に実装される予定(※掲載時点で実装済み)で,63種類もの散弾銃が同時に実装されるとのことです。日本ではどれぐらいの数になるか,まだ分かりません。
4Gamer:
弓に矢は必要ないので念のためですが,銃弾は使いませんよね?
熊木氏:
弾は必要ないと聞いています。
4Gamer:
分かりました。ところでゲームオンといえば,頻繁に開催されるオフラインイベントも特徴だと思うのですが,今後の予定はいかがでしょうか。
熊木氏:
いちおう,来年に実施することも考えていますが,国内外の状況次第なので,実施の確約はできません。しかし,プレイヤーさんとコミュニケーションを厚くとっていきたいという方針は変わらないので,状況が落ち着けば開催したいと考えています。
4Gamer:
となると,コミュニケーションは生配信でフォローしていくという感じになりそうですね。
熊木氏:
はい。オフラインイベントができない分,生配信などで交流の場を設けていきたいと思います。いまは「Pmangのゲムづめ」で1時間ほどの見やすい番組になっていますが,コミュニケーションの密度を考えるなら,以前のような2時間尺で濃い内容のものを配信できればと考えています。
4Gamer:
通常サーバー向けと,FRONTIERサーバーの初心者向けなどといったプレイヤー層を分けての放送は考えていないのでしょうか。
熊木氏:
いまのところ,通常サーバー向けの放送のみを予定していますが,FRONTIERサーバー向けの配信についてもアイデアが上がっています。生放送がいいのか,遊び方などをまとめた動画がいいのかを議論しているところですね。
4Gamer:
分かりました。では,最後にプレイヤーに向けてメッセージをお願いします。
熊木氏:
2020年はもう終わってしまいますが,12月に大きなアップデートがあり,2021年も1月を皮切りに例年と同様にアップデートを重ねていきます。これからもArcheAgeの成長は止まらずに発展し続けていきますのでご期待ください。
またFRONTIERサーバーは,まさに始まったばかりで,これからコミュニティや開拓の雰囲気が楽しめるサーバーです。FRONTIERサーバーで初めてArcheAgeに触れた方も,そうでない人も,アーキパスを通じてどんどんゲームを楽しんでください。
最後に,私がプロデューサーに就任させていただいて半年ちょっとが経ちました。今年は新型コロナなど,さまざまな情勢があって厳しい部分もありましたが,これからもプレイヤーの皆さんにご迷惑をお掛けすることなく,アップデートをご提供できるよう頑張ってまいりますので,引き続きArcheAgeで楽しく遊んでいただければ幸いです。来年もよろしくお願いします。
4Gamer:
本日はどうもありがとうございました。
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