インタビュー
「ArcheAge」らしさも再確認。2014下半期ロードマップの詳細やなぜバーベキューパーティーだったのかをプロデューサー石元氏に聞いてみた
分かりました。発表の最後に「その他コンテンツ」として,「スケートボード」や戦場の変化,そして新しいハウジングが公開されました。スケボーは乗り物だそうですが……。
石元氏:
はい。スケボーが乗り物として実装予定に入っているんですよ。飛んだりくるりと回ったりと,簡単なトリックが決められるスキルがあります。
4Gamer:
スケボーでトリックが使えるのは面白そうですね。でも,坂道を登るときはどんな動きをするのでしょうか。乗ったままスルスルと登っていくと少し怖いなーと……。
石元氏:
ちゃんと地面を蹴って登るみたいですよ(笑)。ただ,思い通りに動かすのは,やや難しいみたいですね。
4Gamer:
ちゃんとバランスを取らないと転倒したりするのでしょうか。続いて,戦争の変化についてですが,勢力ごとの公平性を保つためにゴールド平原での戦争が廃止される(※)とか。
※編注:発表およびインタビュー時はゴールド平原での戦争が廃止されると話していたが,実際は並行して運用されるというのが正しいとのことだ
石元氏:
説明しますと,現在ゴールド平原で「麦畑を揺るがす戦い」という東西の勢力による戦争コンテンツが定期的に行われています。ですが,舞台が西大陸にあるため東大陸のプレイヤーさんが参加しづらく,人数差で優劣が出やすい状況になっていたんです。
4Gamer:
移動距離が長すぎると,そもそも参加自体がおっくうになりますよね……。
石元氏:
はい。ですから,今回の調整で戦場を旧大陸の「サンステップ」に移行させ,さらに開戦時間に東西の大陸にゲートが開くように変更する予定です。
4Gamer:
ゲートから直接移動できるようになると,かなり参加しやすくなりそうです。
石元氏:
ですから,公平な条件で誰でも参加しやすい戦争になると思います。それ以外は,基本的なルールは同じです。
次に新しいハウジングについてですが,水上コテージよりも広い水上住宅が実装される予定です。これはすでに蜃気楼の島にモデルが設置されていて,購入はできなかったものが,ようやく購入可能になります。もう一つは,ArcheAgeでもっとも大きな邸宅が追加されます。
4Gamer:
画像を見た感じですとかなりの大きさですね。入り口が小さく見えますし,その大きさが想像できそうです。
石元氏:
奥行きもすごくあるんですよ。ただ,敷地面積がかなり広く,それだけに建てる土地を探すのは大変かもしれません。また,「デルフィナードの星」がいくつ必要になるのかも,まだこれからの話になりますし。
4Gamer:
うーん,かなりの量が必要になりそうですね。
石元氏:
それもあるのですが,すでにプレイヤーの皆さんにもお伝えしたように,実はエアナードの実装後に,獲得できるデルフィナードの星の総量が減ってしまったんです。そのため,必要数が多すぎると建てるまでに何か月どころか何年というスパンになる可能性があります。
4Gamer:
そうなると,プレイヤーのモチベーションが保つのか心配ですね。
石元氏:
ええ。ですから,モチベーションが下がらないように,どのくらいの数が適切なのか,現在検討しています。
4Gamer:
分かりました。では,これらのアップデートはいつごろに実装される予定でしょうか。
石元氏:
ピンポイントでいつとは言えませんが,これらを12月までの間に,順次実装していく予定です。
ArcheAge=牧場? 1周年を迎えたArcheAgeのイベントはなぜバーベキューだったのか
ロードマップに関しては,一通り教えてもらえたと思いので,今回のオフラインイベントやサービス一周年についてもお聞きしたいと思います。まずは改めて,ArcheAgeサービス開始一周年となりましたが,1年間運営を続けてきた感想はいかがですか?
石元氏:
僕がArcheAgeに関わったのは,ローンチ準備期間からですが,本当にあっという間でしたね……。とくに野田(ArcheAge前運営プロデューサー野田真央氏)と交代してからが異常に早かった。
4Gamer:
プロデューサー交代もそうでしたが,そのときの大きな話題と言えば,やはり基本プレイ無料化でした。その前後でプレイヤーの動向は変わったのでしょうか。
石元氏:
遊び方という面では,変わっていないかもしれません。無料化と同時に新サーバーを立ち上げましたが,そこのプレイヤーさんのプレイスタイルは,ArcheAgeのサービス開始当初とそっくりなんです。何も知らないところから手探りで遊んでいるところを見てると,「去年の自分達と同じだ」と,懐かしさも感じられるんですよ。
4Gamer:
最初はともかく,畑や家が欲しくなり始めるころには,自分でどう遊ぶかを手探りすることになるんですよね……。
石元氏:
そうです。ArcheAgeは道しるべが一定のところまでしかないので,そこから枝分かれしているコンテンツを自分で探すしかありません。ただ,1か月経ってもデイリークエストを知らない人がけっこうな数いて,そこはちょっと衝撃的でした。
4Gamer:
先ほど,ArcheAgeでは情報が重要という話があったじゃないですか。今回の取材に際して,いろいろ検索してみたのですが,細かな情報が“思った以上に出てこない”んですよね。それで,先ほどの話を聞いて,情報をプレイヤー自身が公開していないからかと妙に納得できたのですが。
石元氏:
どうすれば稼げるのか,どんなアイテムが儲かるのかはそのプレイヤー自身の収入にも関わってきますから,わざわざ教えるということはあまりないと思います。ただプレイの基本的なことは,プレイヤーさん同士がフォローし合っていて,ゲーム内である程度は解決しているんですよ。
4Gamer:
コミュニティの存在が解決していると。新規サーバーでもそれは同じなんですか?
石元氏:
新サーバーができたときに,既存のサーバーから移動してきたプレイヤーさんがいて,そうしたプレイヤーが新規のプレイヤーさんに基本的なノウハウを教えてくれるんですよ。それを覚えた新規プレイヤーは,さらに新しく入ったプレイヤーに教えて……と,知識の伝授が行われている感じですね。
4Gamer:
それはなんともMMORPGらしい風景かもしれませんね。自由なゲームになると,逆にどう遊べばいいのか不自由さを感じますが,だからこそ,その後に生まれるコミュニティの力が強くなるというか。
石元氏:
ええ,まさにそうだと思います。
4Gamer:
初心者への支援がプレイヤーのコミュニティで解決できているとすると,本作のGMはゲーム内でどういった活動をされているのでしょうか。
石元氏:
不正対応はもちろんですが,イベントなどにも出ていますよ。僕自身もここ数週間は,毎週出ていました。
4Gamer:
プロデューサー自らですか?
プレイヤーさんにとって僕はプロデューサーですが,ゲーム内ではGMルシウスとして接していますから。プロデューサー交代以降もライブ配信などで,そのように話しています。そのほうがプレイヤーさんに接しやすいし,イベントもやりやすい。あとGMとして接したほうが,率直な意見をいただきやすいんです。
4Gamer:
それは,なんとなく分かる気がします。肩書きのせいで,プレイヤーからはより高い壁を感じてしまうというか。
石元氏:
ですよね。実際にエアナードで実装された調整にも,GMルシウスとして集めたプレイヤーさんの意見を反映したものが,結構あるんですよ。
4Gamer:
なるほど。
石元氏:
もちろん,プロデューサーとしてコンテンツの難度など,全体のバランスも見ますが,直接聞いた意見や要望で必要だと感じたものは,片っ端から開発元に伝え,協議をしています。そうして開発側で納得してもらえたものは,まず韓国で実装します。ですので,それが日本に来るのを楽しみに待っていてもらいたいですね。
4Gamer:
それでは,今後のArcheAgeもそのようにプレイヤーの声を聞きながら,二人三脚で運営していくといった感じなんでしょうか。
石元氏:
そうなると思います。ただ,縦の遊び方は開発元が重点的に考えて実装してくれるので,僕らは横の遊び方を広げていけるように,プレイヤーさんから意見を聞いていきたいですね。それを開発元に届けて,仕様を通すことに重点を置いた運営をしていければと。
4Gamer:
つまり日本の運営としては,どちらかと言えばキャラクターの成長部分よりも,遊びの幅,種類を広げていくことを重視したいわけですか。
石元氏:
はい。とくに日本では,キャラクターの成長以上に,効率とは反対の無駄な部分で遊びたいというプレイヤーが多くいます。ArcheAgeにはその土壌があり,何でもできる自由なゲームなのですが,先ほどおっしゃっていたように,プレイヤーさんが進む道が見えなくなりやすいんです。
ですから,まだ遊び方が分からないプレイヤーさんにイベントで楽しんでもらって,遊び方のヒントにしてもらう。その意味でも,運営チームがイベントを行うのは重要なんです。
4Gamer:
すべてを教えるわけではなく,イベントを通してプレイヤーに発見してもらうと。
石元氏:
はい。そこは僕達が運営を行ううえでの絶対条件です。これもプロデューサーというより,GM的な視点での意見ですね。無理に教えてしまうと発見する喜びがなくなってしまいますから。
4Gamer:
分かりました。ところ今回のオフラインイベントの概要を聞いて,気になっていたんですが……なぜまた,バーベキューパーティーに?
石元氏:
ArcheAgeでは,これまで何度か各地でオフラインイベントを開催していますが,集まってくれるプレイヤーさんのプレイスタイルは,全然違うんですよ。PvP好きもいれば,そこには興味がない人もいる。それを見ていると,イベントにPCを置いて楽しみ方を制限しなくてもいいんじゃないかと思ったんですよ。
4Gamer:
そう言えば,ニコニコ超会議3でもうまい棒が植えられてましたね……。
石元氏:
ええ,プレイヤーさんにうまい棒を抜いてもらいました(笑)。そういう経緯もあり,ではArcheAgeらしいオフラインイベントとは何かを考えたんです。「これならArcheAgeらしい」と納得してもらえるもの……それは,牧場だろうと。
4Gamer:
ArcheAge=牧場ですか(笑)。
石元氏:
ええ。緑豊かな自然を満喫するのがArcheAgeじゃないか! 大自然が必要だ! ゲームには家畜もいるし,そうして育てている家畜を食べるという現実もある。ということでバーベキューをすることになりました。残念ながら動物がいたのは,福岡会場と札幌会場のみでしたけど(※東京/大阪会場ではバーベキューのみ)。
4Gamer:
なんだか最後は某漫画みたいな話になりましたが,次はブドウ狩りだったり,芋掘りだったりになる気がしてきました。
石元氏:
実際に今回のイベントでもプレイヤーさんから,次は田植えやブドウ狩りだとか,いろいろ言われましたよ(笑)。それも楽しそうだなと思いましたけど。
4Gamer:
やっぱりそうですよね。畜産の次は農業じゃないかと(笑)。そのほかにArcheAgeらしさといえば,今回の海に関わる船だとか,グライダーだとかもありそうです。
石元氏:
グライダーはすごく惹かれるんですけど,残念ながら事故と怪我の恐れがありますから,見送らざるを得ません。
4Gamer:
ああ,安全面を考えると難しいかもしれませんね。
石元氏:
ええ。ですが,今回のようなオフラインイベントは,今後も,やれる限り何度でもやっていきたいと思っています。プレイヤーさんと顔を合わせられる機会は,本当にオフラインイベントしかありませんから。
4Gamer:
そう言えば,今回のオフラインイベントが地方での初イベントですよね?
石元氏:
そうです。今回は全国といっても4か所でしたから,それ以外のところでも行いたいですね。もっと反響があり,参加してくださる方が増えれば,いろいろなところで開催できると思います。その機会が訪れたなら,ArcheAgeらしさを感じさせるようなオフラインイベントを開きたいです。
4Gamer:
分かりました。では最後に,4Gamer読者に向けてコメントをお願いします。
石元氏:
いつも遊んでいただいているプレイヤーのみなさんのおかげで,無事1周年を迎えることができました。感謝でいっぱいです。これまでに,基本プレイ無料化,エアナードアップデートなど,いろいろなゲーム内外の変化がありました。そして,これからも海のコンテンツ強化やさまざまなコンテンツの導入が待っており,ArcheAgeはさらに変化を続けます。
その変化がみなさんにとって,楽しいと感じてもらえるような内容になるよう,今後もアップデート,イベントなどを,より一層頑張ってまいりますので,よろしくお願いします。
東京会場 |
大阪会場 |
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