プレイレポート
「ArcheAge」の海には何が待っているのだろう。単なる貿易の航路だけではない,さまざまな“海”の姿を紹介しよう
そんな本作のファミリーテストが5月20日に終わり,直接ゲームに触れた“最初の遠征隊”参加者はもちろんのこと,そのテストに参加できなかった多くのMMORPGファンが“次の展開”を心待ちにしているのではないだろうか。
筆者自身もファミリーテストでの体験を踏まえながら,プレイレポートでまとめたりしたのだが,まだプレイが足りないと感じている。なにせ出来ることが多すぎて,一度や二度のレポートでは伝えきれないのが本作なのだ。
そこで今回は,そんな伝え切れていない要素の一つでもある“海”や“船”について,紹介していきたいと思う。船が作れるとは紹介していたものの,海で何ができるのかは,まだよく分からない人もいるだろう。船って,海を渡るための道具じゃないの? というのも正解なのだが,ArcheAgeの船という要素はそれだけではないのだ。
「ArcheAge」公式サイト
大陸間に果てしなく広がる「海」に何が待つ?
最初に,ArcheAgeの世界をざっくりと説明しておこう。本作では,中央の海を挟んで西側に「ヌイア大陸」が,東側に「ハリハラ大陸」が,プレイヤーキャラクターの活動拠点として用意されている。プレイヤーが選んだ種族によって大陸が分けられ,ヌイア大陸はヌイアン族とエルフ族,ハリハラ大陸はハリハラン族とフェレ族といった内訳だ。
また,両大陸の北方には,謎に包まれた「旧大陸」が存在する。もともと4種族は,この旧大陸を活動の場としていたのだが,ある大惨事により旧大陸の大部分が崩壊したことで,この大陸を放棄し,現在の東西大陸に移り住んだのだという。
注目すべきは,この西大陸と東大陸が戦争状態となっていることだ。と言っても,戦争は種族および国家レベルの話であり,民間レベルでは大陸間貿易などのニーズも根強くある。現実世界と同様,人は大義のみで生きているわけではない,ということだ。
もっとも,誰もが手軽に大陸間を横断できるわけではない。その間にはさまざまな困難と危険をはらんだ「海」が広がっている。最初にこの海を渡る動機は,おそらく貿易になるだろう。では,この広大で危険な海をどうやって渡り,荷物を運べばいいのだろうか。
海を渡るために必要なもの――「船」を建造しよう!
というわけで,さっそく航海といきたいのだが,何はともあれ“船”が必要なのは明白だ。
……まぁ別に,泳いで大陸間を横断するのは一向に構わないし,筆者もいつか一人水泳大会でがんばりたいなーなんて思っているのだが,道中の危険がゼロだとしても,片道で4〜5時間は掛かりそう。戻り時間も考えると,到底オススメできるものではない。うん,やはり船を使おう。
では,どんな船があるのだろうか。ゲームの序盤では,クエストで小さな手漕ぎボートが入手できる。さあこれで海へ! というのは,ちょっと無謀だろうか。泳ぐよりもマシだとは思うが,海ではなくて湖に浮かべるべきか。
そこで,大量の資材と溢れる熱意でもって,船を製作……つまり“造船”してみよう。造船できる船には,海をスイスイ移動できるハープーン高速艇や,危険に備えて大砲を複数積み込んだ戦闘船,多数の積荷を一度に運べる貿易船など,複数の船が用意されている。また種族によって船の外見もそれぞれ異なる。
造船の基本的な流れは,以前紹介したハウジングに似ているが,船の設計図の大半は“ヌイの涙”と交換する。これもクエストなどで入手可能だ。
船の設計図が手に入ったら,それを海に向かって使うことで一時的に造船するための“ドック”ができあがる。ドックでは作業工程ごとに,必要なパッケージが指定されるので,プレイヤーは資材集めに奔走することになるのだ。
注意が必要なのは(ハウジングでもそうだが),制作を開始してから完成までに,一定の制限時間が設けられていること。素材が集まる前に,とりあえず場所だけを確保……というのは,材料が足りなかったときに無駄になるのでやめたほうがいいだろう。
さて,その材料だが,船らしく大量の木材が必要となる。ハウジングに続き,木材確保が重要か。また,帆船ということで布も大量に必要になるのは,なるほどと頷ける。
とにもかくにも,材料が集まったら,その場ですぐには“パッケージにはしない”で,各地にある“港”に向かおう。ハウジングの紹介でご存じのとおり,うっかりパッケージを作って背負うと,恐ろしく移動速度が遅くなるからだ。港には,材料をパッケージ加工するための施設が設置されているので,この近くにドックを作ればいい。
帆を上げて,いざ出港!
コツコツと(ルシウス氏に作ってもらって)船が見事完成! この瞬間は“進水式”が行われるが,これが,なかなかに感動的なシーンなので見逃さないように。
実は自分で作れるだけの素材は用意されていたのだが,作り始めたのが巨大な豪華客船だったので,時間がとにかく足りなかったのだ。ともあれ,材料が揃えられるのなら,まずはハープーン高速艇やアドベンチャークルーザーから造ってみることをオススメしたい。
出来上がった船は持ち主のインベントリ内に収納でき,海ならどこでも出し入れができる(壊れてしまうと呼び出せないが,修理すればOK)。船を呼び出すと,海上に巨大なゲートが開き,そこを通じて船がニュッと出てくるのだが,この演出が,またニクイ。空間の歪みから水しぶきを上げながら出現する船は,ちょっと格好良すぎないだろうか,これ。出現するのを見たいがために,意味もなく何度も出し入れしてしまうのは,きっと筆者だけではないはずだ。
ともあれ,船は完成したので設備を見ていこう。
船には種類に応じて,さまざまな設備が搭載されている。例えばハープーン高速艇であれば,船首の巨大な銛やマイキャラが長時間潜水できる酸素ボンベ,海上戦闘用の携帯型銛といったものまである。船首の銛は,放って突き刺した場所と船がロープでつながるようになっている。さらに,ロープをウィンチのように巻き取ることもできたりするのだ。
そう,海賊志望の読者であればピンと来たかもしれないが,おそらくは敵船にぶつけて,ロープを巻き上げて接近。「野郎ども,乗り込め!」的な使い方になるのだろう。もう少し使い方を広げると,2〜3隻の船団で移動するときに,それぞれをつないで先頭の船に曳航してもらうというのもありそうか。
さらに大きな船になると,貿易で運搬中の特産品などを一時保管できる収納箱,大砲,遠方を監視できる望遠鏡,船員に危険を知らせる“鐘”など,ただの移動用としてだけ船を使うのではない,と言わんばかりのギミックがあちこちについているのだ。船備品としてはほかにも,ジュークボックスでBGMを鳴らしたり,日除け用のカーテンを降ろしたり,マイキャラを人間大砲のごとく発射(何に使うのだろう……これも乗り移りか?)したりといったお遊び的なものもある。
正直,なんでこんなに作り込んだ? と言わずにはいられないのだが,もちろんそれは賞賛の意味である。
そうしたギミック満載の大きな船は,プレイヤーにとってあこがれの存在になるだろう。ただ,移動するだけなら一人でも行えるものの,大砲を撃ったりと海上戦でうまく機能させようと思うと,やはり複数人でチームワークが求められそうである。
さて,大海原に漕ぎ出す冒険者達だが,旧大陸を目指したり,大陸間貿易を行ったりするだけが海の冒険ではない。本作の海には,いろいろな体験が待ち受けているのだ。
それこそ,絶景ポイントを見つけたら潜水道具を装備してマリンダイビングを行ったり,海底に眠る沈没船やお宝を探し出して(本当にあるのだ),サルベージを試みたり。無人島を探してマイホームを建てるのもいいだろう。
海の中はやはり暗い。夜間は真っ暗闇で,潜水帽の申しわけ程度のライトでは,何も見えない。できれば昼間に潜っておきたい |
宝箱を発見! 浮き袋を付けて回収だ |
また,そういった特定の目的のためではなく,アテもなく航海に出るのも悪くない。今回の取材で個人的に印象に残ったのは,“海の美しさ”である。
ArcheAgeのクライアントは,DirectX 9とDirectX 11をハードウェアの状況によって,選択できるようになっている。今回掲載したSSは,すべてDirectX 11で撮影したものだが,海面が陽光を受けてキラキラと輝いたり,波が船にぶつかって小さなしぶきをあげたりと,とにかく細かな描写が本当に美しく,見ているだけで癒されるのだ。
ちなみに,ファミリーテストに参加したときは,デフォルトのDirectX 9バージョンでプレイしていたのだが,グラフィックスに対しては不満どころか十分に満足していた。しかし,この取材を終えたいまは,ArcheAgeのために,DirectX 11に対応した新しいPCを組むべきだろうか……と,考え始めている。大人数のときにも快適な環境で遊ぶためにも,良い機会だろうし。
船長,右舷前方に怪物が!
そんな美しい海だが,決して優しいだけではない。航海にはさまざまな危険がつきものである。
海中には,クラゲやシーワームなどの,なんだか弱そうな名前のくせに,高レベルの強敵だったりするモンスターが蠢いているのだ。そして小型船では,海上から甲板までの高さがあまりないせいか,直接攻撃を受ける可能性がある。ハープーン高速艇の速さであれば追いつかれないのだが,仮に頑張って渡し船で移動していてクラゲに絡まれると,スピードが遅すぎて逃げ切れず,海の藻屑となるのは必至である。
一方,巨大な船ならば,甲板の位置も高く直接攻撃を受けることもない。しかも,船に対する攻撃も難なくはじき返せるのだが……海には巨大な怪物がいるのだ。
そう,筆者もかつての取材で痛い目に遭った“クラーケン”が,この海のどこかに潜んでいるのである。今回,再び挑んではみたものの,操船していた編集者が一撃で殺されて海に転落。次の瞬間には,クラーケンの触手の一撃を受けて,筆者は船ごと海へ沈められたのだった。えーと,無理だ。襲われたが最後。自分の不運を呪うほかないだろう。
標的,クラーケン! 右舷大砲,てー! |
ですよねー。破壊された船は修理すれば再利用できる |
さて,こんな危険いっぱいの海だが,さらにやっかいな存在もある。それは実のところモンスターではなく“プレイヤーキャラクター”だ。
冒頭で触れたように,ヌイア大陸とハリハラ大陸は戦争下に置かれているので,別大陸で遭遇するプレイヤーキャラクターは基本的に“敵”である。そもそもプレイ序盤の段階では,言葉が通じず,会話すらできない徹底ぶりだ。最初から敵ということで,たとえ殺されても相手は犯罪者ではないため,“通報”もできない。つまり,ペナルティを受けることなく対人戦ができるわけだ。そのため海上もそうだが,敵国や中立国に向かう貿易では,保護(PK/PvP不可)地域以外の場所で周囲に注意を払う必要がある。もちろん,保護地域の外に出ることも多い貿易では,同国内のPKにも注意は必要になるだろう。
ただ,そうしたリスクが大きいということは,リターンもまた大きいというのが(少なくともゲームの)道理。航海が必要なほどの遠距離貿易は,“デルフィナードの星”などの報酬が多く用意されていて,成功すればとにかくおいしいのだ。そのために慎重に進むのはもちろんだが,例えば貿易仲間を集めてキャラバンを組んだり,腕に自信のあるプレイヤーを雇ったりと,危険な場所を通るときは,何らかの手段を考えてみてもいいだろう。
余談になるが,両大陸間には“フリーダムロード”という中規模な島があり,ファミリーテストでは良い貿易ポイントとして賑わっていたようだ。海上から特産品を渡すNPCまでの距離が短いことが,その理由だろう。ただし,それはどちらの大陸のプレイヤーにとっても同じこと。鉢合わせになることも少なくなかったはずだ。貿易する者同士,お互いが暗黙の了解のようにスルーしたのか,それとも戦闘になったのかは分からないが,さまざまなドラマが生まれそうな場所である。
以上のように,船や海について書き連ねてみたが,“海”の魅力をすべて伝えられたかというと,まだまだというのが正直なところだ。しかも,ArcheAgeの可能性は,現在進行形でまだまだ広がっている。
これは韓国版ArcheAgeの話になるが,最近になって“釣り”が導入され,それが実に楽しそう。釣り上げた魚を調理できるのは当たり前で,釣り船を作ったり,自慢の釣果を剥製や魚拓にしてマイホームに飾り付けたりと,これまた釣り要素として至れり尽くせりな内容になっているようだ。日本でも早期の導入に期待したい。
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