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[G-Star 2010]あのCryENGINE 2を採用! XLGamesが鋭意開発中の新作MMORPG「ArcheAge」を実際にプレイした
韓国は釜山で開催中のゲームショウ G-star 2010会場で,新興のデベロッパXLGamesは,その隣にあるMicrosoftやNEXONにも負けない規模のブースを構えていた。
XLGamesは,「リネージュ」や「風の王国」といった日本でも有名な韓国産MMORPGの開発者として知られる,Jake Song氏の立ち上げた新しい開発会社だ。現在は新作MMORPG「ArcheAge」を鋭意開発中であり,当然,ブース内に展示されているのはArcheAgeだ。この「ArcheAge」は,技術的な部分では,あのCryENGINE 2で作られていることでも話題を集めている作品だ。
まずは,本作の最新のプロモーションムービーを掲載するのでチェックをどうぞ。
「ArcheAge」公式サイト
そんなわけでXLGamesのブース内はArcheAge一色。15台以上の試遊機が用意されており,そこではもちろん,ArcheAgeがプレイアブルな状態で展示されていた。さらに,大スクリーンを配した特設ステージもあり,やる気がみなぎっているという印象だ。
ArcheAgeについては,すでに4Gamerでもたびたび紹介しているが,実際にプレイしてのレポートは今回が初めてとなる。そこで分かったことを,さっそくまとめていこう。
試遊台では,ゲームの基本的な部分と,本作の特徴である「船舶」関連,そして「家の建築」関連のお試しプレイが出来るようになっていた。
ゲームの基本的な流れは,こんな感じ
プレイを始めてすぐ,傍らにいるNPCに話しかけると,“先へ進め”というクエストがもらえた。目の前に橋があるので渡ろうとすると……いきなり橋が遠くからの爆撃を受けて落ちてしまう。これは,「今は敵からの攻撃を受けているところである」という演出のようだ。本作では勢力同士でのPvPが可能であり,一般的なフィールドにおいてもPvPが発生するという。
画面の左上には,各勢力の力関係を示すゲージがあり,プレイヤー達が戦い合うことでこの勢力の優勢/劣勢のゲージに変化が現れていくのだ。
登り切って先に進むと,クエスト報告NPCがいた。報告が終わると報酬として,なんと白い馬がもらえたではないか。本作には騎乗用の動物なども用意され,馬には1人で乗る以外に,ほかの人の馬の後ろに乗せてもらうことも出来る。
さらに,馬は次第にスキルを覚えていき,やがては馬上から攻撃できるようになったり,後ろ足でキックができるようになったりしていくとのことだ。PvPでは,馬に乗った大勢のPC同士での大規模な騎馬戦も楽しめるという。
本作の戦闘は,敵をターゲットしてホットキーでスキルを使用していくタイプのもので,MMOとしてはスタンダードなタイプだ。プレイしたのは弓を使うキャラクターで,単射/連射のスキルのほか,敵を大きな水泡にくるんで浮かべ,身動きがとれないようにしてしまうといったものもある。戦闘のペースはスピーディ,という印象だ。
クラスについて聞いてみたところ,本作にはいわゆるクラスは存在しないという。プレイヤーはゲーム中に10種類用意された能力から,3つを選択して自分のキャラクターを作ることになる。能力には「野生」「使命」「幻術」などがあり,これらは順に一般的な作品で言うところの「アーチャー」「盗賊」「イリュージョニスト」の能力に相当する。なるほど,ハイブリッドクラスを自由に作り上げられる,みたいな感覚なのだろう。
ここで担当者から教えてもらったのだが,本作ではマップ上に生えている木に,先ほどのクライミング能力を使ってよじ登ることができる。これは結構新鮮で驚いた。うまく使えば,敵の目から逃れることもできそうだ。
大海原が冒険者を待っている
つづいて本作の大きな特徴の一つである,「船」関連の操作を体験した。
このテストプレイでは,港(造船所か?)のようなところに出向いて,作業台のようなものをクリックすることで,自分の船が作れた。結構大きな船で,順を追って船が完成していく様子が確認できる。実際のプレイで船を作成するには,非常に多くのお金や材料が必要になるらしい。個人所有も可能だが,おそらくはギルド単位での所有になるのだろう。
船が完成すると,ザザーっと海に向かって進水する様子が見られる。苦労してお金や材料を集めて作ったものなら,この瞬間の喜びはひとしおだろう。その後,船はいったん目の前から消え,インベントリ内に現れた。これを使うと,好きなところに自由に船を浮かべられるようだ。もちろん,すぐに海に浮かべてみた。
船では,帆を上げたり下げたり,側面の大砲で砲撃したりといろいろなことができる。もちろん,操縦も可能だ。もっとも,船をスムーズに運用するには,複数のプレイヤーが役割分担をしつつ,操作する必要があるとのこと。
船を使ったPvPも行え,たくさんの船が集まれば艦隊戦となる。そんな状況下で,敵が近づいたら操舵輪から離れて,舷側の大砲のところに行って……なんてことは一人ではやっていられないだろう。
この船で敵のテリトリーへ行くことができるという説明だったので,さっそく行ってみる。
「敵国」というから,かなり遠いのかと思ったら,すぐそこに見える岬の裏側という感じだった。これはG-Star用のバージョンだからで,実際のゲームではもっと遠いところらしい。
敵の街に近づくと,港を守る壁のようなものが見える。砲撃ができるので,隣の試遊台にいた味方プレイヤーと同じ場所をずっと撃っていたら,やがて壁が壊れた,本作にはそのような「オブジェクト破壊」の要素もあるようだ。
試遊台にはもちろん,敵対勢力でプレイしている人もおり,ほどなく敵方の船がやってきた。船同士の戦いだ。がんばって大砲を撃っていたのだが,あえなくこちらの船は撃沈した。負けたのは残念だが,船は沈められても完全にロストすることはなく,修理が可能とのことだ。
ほかのプレイヤーを雇って家作りが可能
復活ポイントに戻って,今度は「家の建築」を体験した。本作では一般のフィールド上に家を建てることができるが,もっとも,どこでも無制限に建てられるわけではなく,あらかじめ建築可能なポイントは決まっている。
しかしそれでは,すぐにプレイヤーの家が建ちまくって深刻な土地問題が発生するのではないかと聞いてみたところ,「管理費をしっかり支払っていないと,家が撤去されてしまうので,そういうことにはならない」との返答。うーん。個人的には,その程度でうまくいくのか心配だったりするが。まあ,この先の開発において,さらなる対策が講じられる可能性もあるだろう。
家も船と同様,長い時間とたくさんのお金や素材が必要で,苦労して完成させるものだそうだ。また家の建築には「労働力」も必要になる。面白いのは,対価を払って他のプレイヤーに家作りを手伝ってもらうことがシステム的に可能なことだ。お金で人を雇えるわけだ。
この仕組みを導入した理由の1つとして,プレイヤー間での通貨の流通を促進し,貧富の差を少なくすることが挙げられていた。うまく機能すれば,実に興味深いシステムになりそうだが,逆に貧富の差を大きくする可能性もある気がする。
このように,MMORPGとしての基本部分はキッチリと押え,船での戦闘とハウジングの要素を特別なウリとして備えているArcheAge。韓国での正式サービス開始は,2012年内が予定されており,日本においてはすでにゲームオンが運営を担当することが決まっている。個性的な要素を備える本作に,次に触れられる機会が待ち遠しい。
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